No.234 2005年 1月号
平成16年仙台市の人口動向
−住民基本台帳人口による−人口の動向は,自然動態(出生及び死亡の動き)及び社会動態(転入及び転出の動き)によって説明されます。この特集は,住民基本台帳人口による平成16年1年間の仙台市の人口動向について,社会動態を中心に報告するものです。
・本報告書で用いた地域区分は次のとおりです。
仙台都市圏内の他市町村 : 塩竈市,名取市,多賀城市,岩沼市,亘理町,山元町,松島町,七ヶ浜町,利府町, 大和町,大郷町,富谷町,大衡村 北海道地方 : 北海道 東北地方 : 青森県,岩手県,宮城県,秋田県,山形県,福島県 東北5県は,東北地方から宮城県を除いた地域 関東地方 : 茨城県,栃木県,群馬県,埼玉県,千葉県,東京都,神奈川県 東京圏 : 埼玉県,千葉県,東京都,神奈川県 中部地方 : 新潟県,富山県,石川県,福井県,山梨県,長野県,岐阜県,静岡県,愛知県 近畿地方 : 三重県,滋賀県,京都府,大阪府,兵庫県,奈良県,和歌山県 中国地方 : 鳥取県,島根県,岡山県,広島県,山口県 四国地方 : 徳島県,香川県,愛媛県,高知県 九州地方 : 福岡県,佐賀県,長崎県,熊本県,大分県,宮崎県,鹿児島県,沖縄県 ※なお,本文中にある「その他の地方」は,特にことわりのない場合,上記のうち東北地方と東京圏を除いた地域をいいます。
<<用語の説明 >>
・人口増加数=自然増加数+社会増加数
・自然増加数=出生数−死亡数
・社会増加数=転入数−転出数+その他増加数(職権記載・消除,国籍取得・喪失,転出取消等)
<<解 説>>
平成16年1年間の人口増加数は2,095人となり,平成15年の人口増加数3,265人に比べ1,170人減少しました。その内訳は,自然増加数が3,470人(対前年350人の減少),社会増加数が -1,375人(対前年820人の減少)となり,特に社会増加数が減少しています。平成16年末の住民基本台帳による人口は1,001,085人となりました。
(図1,表1,統計表第1表)
図1 人口増加数の推移(平成元年〜16年)
区別の動向をみると,若林区と太白区で人口が減少,青葉区と泉区では増加数が前年を下回っており,前年の増加数を上回ったのは宮城野区のみでした。
増加数が最も多かったのは泉区の1,224人(自然増加数853人,社会増加数371人)となっており,次いで宮城野区の968人(自然増加数916人,社会増加数52人),青葉区の464人(自然増加数423人,社会増加数41人),太白区の-139人(自然増加数866人,社会増加数-1,005人),若林区の-422人(自然増加数412人,社会増加数-834人)となっています。(図2,表1,統計表第1表)
表1 人口の推移−全市,区,総合支所(平成11年〜16年)
各年末(単位:人) 年次 仙台市 青葉区 宮城野区 若林区 太白区 泉区 うち宮城
総合支所うち秋保
総合支所平成11年 981,629 264,479 57,471 173,781 126,430 217,452 4,913 199,487 12 986,494 264,999 58,815 174,138 126,501 218,894 4,902 201,962 13 992,319 266,127 60,209 174,228 127,326 220,169 4,871 204,469 14 995,725 267,035 61,351 174,552 127,722 220,628 4,813 205,788 15 998,990 267,909 62,165 175,086 127,825 221,028 4,791 207,142 16 1,001,085 268,373 62,916 176,054 127,403 220,889 4,746 208,366
図2 人口増加数の推移−区(平成11〜16年)
2自然動態
過去10年間の自然増加数の推移をみると,出生数は1万人台から9千人台へと減少の傾向となっており,死亡数は4千人台から6千人台へと増加の傾向となっています。平成16年の出生数は前年より187人減少して9,499人,死亡数は前年より163人増加して6,029人となったことから,自然増加数は3,470人となり,平成15年の3,820人に比べ350人減少しました。
(図3,統計表第1表)
図3 自然動態の推移−全市(平成7年〜16年)
平成16年の社会動態は,市外からの転入が49,372人,市外への転出が50,925人で,1,553人の転出超過となり,これに区間移動と職権記載等のその他増加数を加えた社会増加数は -1,375人となりました。これを地域別にみていくと,宮城県内及び東北5県に対しては転入超過となったものの,東京圏に対する転出超過が8年連続となり,その他の地方に対しても3年連続の転出超過となったことなどにより,全体として3年連続の転出超過となりました。
(表2,図4,統計表第1,2,3表)
表2 市外との移動:転入数,転出数,社会増加数の推移−全市(平成7年〜平成16年)
(単位:人) 地 域 平成7年 8 9 10 11 12 13 14 15 16 転 入 数 59,065 57,790 57,166 56,054 54,169 53,190 53,931 51,881 51,937 49,372 宮城県 13,619 13,442 13,236 12,688 12,990 12,729 13,260 12,879 12,540 12,083 仙台都市圏内の他市町村 5,944 6,021 5,900 5,813 6,182 5,891 6,170 6,151 6,135 5,898 〃 以外の市町村 7,675 7,421 7,336 6,875 6,808 6,838 7,090 6,728 6,405 6,185 東北5県 19,588 19,196 19,057 18,777 18,037 17,893 17,791 17,604 17,134 16,021 東京圏 14,704 14,148 13,728 13,036 12,181 11,865 11,883 11,281 11,554 10,878 その他の地方(国外含む) 11,154 11,004 11,145 11,553 10,961 10,703 10,997 10,117 10,709 10,390 転 出 数 53,566 54,127 54,220 55,276 54,086 53,529 53,338 53,005 52,558 50,925 宮城県 14,389 14,396 14,014 13,466 13,086 12,936 12,431 12,366 12,635 11,913 仙台都市圏内の他市町村 8,491 8,763 8,240 7,544 7,629 7,442 7,199 7,331 7,658 7,202 〃 以外の市町村 5,898 5,633 5,774 5,922 5,457 5,494 5,232 5,035 4,977 4,711 東北5県 15,328 15,215 15,037 15,629 14,713 14,433 14,277 13,477 13,287 13,026 東京圏 13,387 14,015 14,475 15,073 15,402 15,154 15,805 16,339 15,620 15,074 その他の地方(国外含む) 10,462 10,501 10,694 11,108 10,885 11,006 10,825 10,823 11,016 10,912 社会増加数 5,929 4,133 3,295 1,171 538 -4 1,126 -973 -555 -1,375 宮城県 -770 -954 -778 -778 -96 -207 829 513 -95 170 仙台都市圏内の他市町村 -2,547 -2,742 -2,340 -1,731 -1,447 -1,551 -1,029 -1,180 -1,523 -1,304 〃 以外の市町村 1,777 1,788 1,562 953 1,351 1,344 1,858 1,693 1,428 1,474 東北5県 4,260 3,981 4,020 3,148 3,324 3,460 3,514 4,127 3,847 2,995 東京圏 1,317 133 -747 -2,037 -3,221 -3,289 -3,922 -5,058 -4,066 -4,196 その他の地方(国外含む) 692 503 451 445 76 -303 172 -706 -307 -522 その他増加数 430 470 349 393 455 335 533 151 66 178 (マイナスは転出超過数) 図4 転出入超過数の地域別内訳(平成7年〜16年)
(1) 東京圏に対する人口移動
東京圏に対する人口移動は,平成5年から8年まで転入超過が続き,平成9年に転出超過に転じてからは年々拡大しており,平成16年には,転出数が15,074人と前年より546人減少しましたが,転入数も10,878人と前年より676人減少した結果,4,196人の転出超過となりました。
(図4,5,表2,統計表第2表)
図5 東京圏との転出入者数(平成7年〜16年)
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(2) 県内他市町村に対する人口移動
仙台都市圏内の他市町村に対する人口移動は,転入数が5,898人,転出数が7,202人で,1,304人の転出超過となりました。市町村別の内訳をみると,転入超過となっているのは5市町村,転出超過となっているのは8市町で,大郷町が転出超過に転じました。過去10年間で比較すると,名取市と利府町では最少の転出超過,山元町と大衡村では最大の転入超過となりましたが,塩竈市では最少の転入超過となっています。
(図4,6,表2,統計表第3表)
図6 仙台都市圏との転出入者数(平成7年〜16年)
仙台都市圏以外の県内市町村に対する人口移動は,転入数が6,185人,転出数が4,711人で,1,474人の転入超過となりましたが,転入数・転出数はともに過去10年で最少となっています。
(図4,7,表2,統計表第3表)
図7 仙台都市圏以外の県内市町村との転出入者数(平成7年〜16年)
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(3) 東北5県及びその他の地方(国外含む)に対する人口移動
東北5県に対する人口移動は,転入数が16,021人,転出数が13,026人で,2,995人の転入超過となりました。転入数は平成7年,転出数は平成10年をピークとして減少しており,平成16年はともに過去10年で最少となりました。
(図4,8,表2,統計表第2表)
図8 東北5県との転出入者数(平成7年〜16年)
その他の地方(国外含む)に対する人口移動は,転入数が10,390人,転出数が10,912人で,522人の転出超過となりました。中国地方及び九州地方が転出超過に転じたほか,北海道の転入超過が減少,近畿地方の転出超過が増加しています。
(図4,9,表2,統計表第2表)
図9 その他の地方との転出入者数(平成7年〜16年)
(4) 区別の社会動態
平成16年の区別の社会動態は,青葉区・宮城野区・泉区で社会増加,若林区・太白区で社会減少となりました。その内訳については,次のような点が特徴として挙げられます。
(ア) 市内他区に対しては,青葉区・宮城野区・泉区で転入超過,若林区・太白区で転出超過。 (イ) 仙台都市圏内の他市町村,東京圏及びその他の地方に対しては,全区で転出超過。 (ウ) 仙台都市圏以外の市町村及び東北5県に対しては,全区で転入超過。 図10 地域別社会増加数(転入数−転出数) ― 区 (平成11年〜16年)
青葉区は,市内他区からの転入超過が拡大したものの,東北5県からの転入超過が縮小したことと仙台都市圏内の他市町村及び東京圏への転出超過が拡大したことから,引き続き転入超過にはなりましたが,超過数は縮小しました。
宮城野区は,仙台都市圏以外の市町村及び東北5県からの転入超過が縮小したものの,市内他区が転入超過に転じ,仙台都市圏内の他市町村及び東京圏への転出超過が縮小したことから,転入超過となりました。
若林区は,市内他区,仙台都市圏内の他市町村,東京圏及びその他の地方への転出超過が拡大し,東北5県からの転入超過が縮小したことから,引き続き転出超過となりました。
太白区は,仙台都市圏以外の市町村からの転入超過が拡大したものの,市内他区,仙台都市圏内の他市町村及び東京圏への転出超過が拡大し,東北5県からの転入超過が縮小したことから,引き続き転出超過となりました。
泉区は,市内他区からの転入超過が縮小し,その他の地方が転出超過に転じたものの,仙台都市圏内の他市町村及び東京圏への転出超過が縮小したことから,引き続き転入超過となりました。(図10,11,表3,統計表第4表)
図11 区間人口移動 (平成16年 転入ベース)
区間相互における人口移動をみると,最も人口の移動が多いのは青葉・泉区間で,青葉区から泉区への移動数は2千人を超えています。逆に最も人口の移動が少ないのは若林・泉区間で,若林区から泉区への移動は470人となっています。
相互間の移動数に最も差があるのは青葉・太白区間の移動で,青葉区は271人の転入超過となり,逆に太白区はほぼ同数の転出超過となっています。
区ごとの増加数をみると,青葉区は泉区に対してのみ転出超過で,全体では312人の転入超過。宮城野区は若林区と太白区に対して転入超過で,同じく278人の転入超過。若林区は太白・泉区に対して転入超過で,同じく443人の転出超過。太白区は全区に対して転出超過で,同じく488人の転出超過。泉区は若林区に対してのみ転出超過で,同じく399人の転入超過となっています。表3 社会増加数の地域別内訳−区(平成11年〜16年) (単位:人)
区,年次 社 会
増加数市内他区 宮 城 県 東 北 5 県 東 京 圏 その他の地方
(国外含む)その他
増加数仙台都市圏内
の他市町村仙台都市圏以外
の市町村青葉区 平成11年 434 45 276 -87 363 1,211 -1,310 93 119 12 -258 -382 269 -177 446 1,164 -1,336 -108 135 13 448 -94 555 -51 606 1,252 -1,517 59 193 14 210 63 502 19 483 1,602 -1,743 -59 -155 15 431 254 413 -40 453 1,350 -1,429 -30 -127 16 41 312 338 -108 446 1,096 -1,521 -73 -111 宮城野区 平成11年 -844 -770 -90 -362 272 529 -458 -117 62 12 -901 -540 -243 -519 276 447 -548 -89 72 13 -1,043 -927 -23 -364 341 399 -442 -122 72 14 -799 -546 34 -219 253 616 -768 -185 50 15 -447 -197 -219 -533 314 646 -618 -132 73 16 52 278 -66 -352 286 494 -544 -188 78 若林区 平成11年 -648 -303 -187 -333 146 204 -318 -127 83 12 -480 -78 -82 -211 129 159 -414 -113 48 13 229 367 -57 -182 125 384 -582 46 71 14 -78 163 -25 -203 178 374 -558 -89 57 15 -361 -322 82 -68 150 414 -486 -16 -33 16 -834 -443 -43 -186 143 174 -539 -61 78 太白区 平成11年 351 383 -252 -453 201 582 -649 142 145 12 288 183 -228 -487 259 961 -630 -14 16 13 143 14 72 -317 389 748 -817 33 93 14 -602 -307 66 -374 440 783 -1,035 -201 92 15 -546 -348 -40 -238 198 615 -751 -131 109 16 -1,005 -488 -5 -331 326 404 -895 -150 129 泉 区 平成11年 1,245 680 157 -212 369 798 -486 85 11 12 1,347 855 77 -157 234 729 -361 21 26 13 1,349 663 282 -115 397 731 -564 156 81 14 296 655 -64 -403 339 752 -954 -172 79 15 368 693 -331 -644 313 822 -782 2 -36 16 371 399 -54 -327 273 827 -697 -50 -54 注:「その他増加数」は,職権記載・消除,国籍取得・喪失,転出取消など。