FA（ファクトリーオートメーション）を核にした事業を展開

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株式会社レイティストシステム

代表取締役
菅原　道晴　氏

東北大学情報知能システム（IIS）研究センターから独立

レイティストシステム代表菅原氏私は地元企業と東北大学のシーズをつなげる役割を担う東北大学情報知能システム（IIS）研究センターに在籍しておりました。在籍中には、たくさんの中小企業から「工場における生産ラインの多くは機械化されているが、製品への異物混入やキズ、欠損の有無といった検品は目視で行っているのが現状。経費削減のために何とか機械化できないか」といった大変多くの要望がありました。そこで、画像処理の権威であり、IIS研究センター副所長も務めている青木孝文教授の協力のもと、画像処理センサーを使った自動検査化の取り組みを始めました。その成果を生かすために2014年5月に設立したのが弊社です。
立ち上げ当初は私1人だけでしたので、IIS研究センターでも研究・開発を続けていました。2015年にIIS研究センターを離れ、現在は5名体制で事業を展開しています。社員はソフト開発、ハード設計など様々な分野の経験者で、全員が東北出身者です。

様々な検査に合わせた特注品を1つずつ生み出す

株式会社レイティストシステム　菅原氏当社では、製造工場の生産ラインにコンピューターを導入し、検査を自動化することで省力化や自動化を可能にするFA（ファクトリーオートメーション）事業を中心に据えています。また、関連するカメラの販売、ソフトウェアの設計・開発、各種PCのコンサルティング事業も行っています。
メインのFA事業に関しては、製造工場によって生産過程や最終検査の方法などが異なるため、まずは現状の問題点をヒアリング。その後工場へ行き、生産ラインを見学して現場の環境や必要とされる精度などを確認します。実際に測定する製品や部品はサンプルを持ち帰り、社内シミュレーションを重ねて、仕様検討、設計・開発を行っています。カメラ、照明、レンズ、光学系なども弊社で用意して提案、受注する流れとなっており、設立以来、100台に近い製品を納品してきました。
FA事業の対象となる品目は電子部品に始まり、医療部品、自動車部品、加工食品など多岐にわたります。ナノミクロンレベルの精度や水に濡れても大丈夫なものなど、求められる条件も様々です。最近は魚種選別や日本酒の異物混入検査のFA化も手掛けました。規格外の注文には対応できない画像処理メーカーが多い中で、弊社ではハードとソフトの両方を開発できるのが強みだと考えています。他社が対応していないシステムをオーダーメイドで形にし、お客さまのニーズに応えることが可能です。

東北大学を活用できる企業の進出を期待

今後は、高齢化が進み、人材不足が深刻化している漁業や農業分野でのFA化に取り組んでいきたいと考えています。また、検査するだけでなく、不良品を取り除くロボットの併設なども視野に入れています。分野を問わず、ものづくりをしている企業の一助になることはもちろん、中小企業が買える価格の製品を作っていきたいと考えています。
産学連携を後押ししてくれる東北大学の存在は仙台の大きな魅力といえます。私はIIS研究センターに在籍していたこともあり、技術的に困ったことは東北大学の先生方に相談をしながら解決していくことができます。東北大学は、「こんな問題を抱えている」という企業に対しては協力的ですし、IIS研究センターを含め、様々な専門分野の先生方と一緒に他の大学では解決できなかった課題に取り組むこともできます。また、試作段階では東北大学を通じて地元企業とのマッチングもなされます。地元の製造工場とつながることで、その確かな技術を実感することもできるのではないでしょうか。
仙台は気候・風土も穏やかですし、仕事をしやすい環境だと思います。地下鉄東西線ができたことにより利便性も高まりました。非常に魅力的な街なので、東北大学のシーズを活用できる研究開発系の企業には常にぜひ仙台に進出してほしいですね。
（2018年8月8日取材）

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