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23年度報告書(保育事業の運営管理について)
平成23年度 包括外部監査の結果報告書/
保育事業の運営管理について
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平成23 年度包括外部監査の結果報告書
仙台市包括外部監査人 公認会計士 今野利明 


「保育事業の運営管理について」概要版

T 外部監査の概要

1.特定の事件を選定した理由

保育事業に係る歳出は平成22 年度において11,953 百万円となり、平成18 年度比約27%の増加である。しかしながら、少子化傾向が続くなかで、女性就労の増加、育児休業制度を利用しての就業の継続等により、保育所入所を希望する児童は確実に増加している。このような保育需要の増加に対応することは、現在の親だけではなく、将来、親となる世代に対しても安心して就労できる環境を提供することとなり、都市の魅力に繋がるものでもある。
よって、仙台市財政の厳しい中、保育事業の運営管理についてその合規制を見るとともに経済性、効率性、有効性の観点から検討する必要性を認めた。


U 保育事業の概要


1.仙台市における保育施設等

仙台市における保育施設等は、平成22 年4 月1日現在、公立保育所47 か所、私立保育所74 か所、家庭保育福祉員38 人、せんだい保育室66 か所、事業所内保育施設25 か所、幼稚園保育室4 か所およびその他認可外保育施設50 か所である。

2.保育事業に係る歳入歳出

【歳入】
(単位:千円)
  平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 
負担金(保育料) 2,846,822 2,895,533 2,933,093 2,989,403  2,975,007
使用料  153 262  266  555  287
国庫負担金 1,677,329  1,815,782  1,868,562 1,910,146 2,076,103
国庫補助金   501,540  391,764  473,198  450,561  356,979
県補助金  - - - 161,749  830,227
その他  21,677  23,512  246,438 525,792  193,399
合計   5,047,521  5,126,853 5,521,557  6,038,206  6,432,002

【歳出】
  平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度
児童保健福祉総務費 20,160  19,909  21,389  23,146  23,883
児童福祉費  8,012,951  8,322,755  8,677,853  9,261,811  10,654,621
うち(私立保育所運営委託)  (5,747,453)  (6,105,600)  (6,265,830)  (6,426,653)  (6,956,685)
(私立保育所助成)  (1,082,317)  (1,139,144)  (1,142,656)  (1,172,340)  (1,264,360)
(せんだい保育室助成)  (737,744)  (795,367)  (879,900)  (1,017,706)  (1,167,241)
(私立保育所施設整備費補助金)   (267,556)  (67,189)  (188,472)  (401,250)  (950,686)
児童福祉施設費   1,320,083  1,762,424  1,614,059  1,681,289  1,274,786
うち(公立保育所運営管理)  (1,199,995)  (1,259,975)  (1,287,676)  (1,304,769)  (1,223,310)
(保育所用地取得、改築) −   (434,784)  (221,035)  (268,820) − 
合計  9,353,194  10,105,088  10,313,301  10,966,246  11,953,290

3.保育需要の動向及び待機児童対策

〔1〕少子化と要保育児童数の増加

平成23 年4 月1 日時点の0〜5 歳児までの就学前児童数は、53,894 人であり、平成17 年の同時点における就学前児童数に比して3,128 人減少している。しかしながら、要保育児童数(保育所入所児童数に認可保育所に申し込んで入所できない児童数を加えた人数)は同時期において2,322 人増加している。
このような要保育児童数の増加に対し、保育所の新設、定員増等の対応が行われ、保育所数は平成23 年4 月1 日時点では129 施設、平成17 年比15 施設の増加となり、入所児童数は同12,468 人で1,738 人の増加となっている。
一方、3〜5 歳児の幼児教育を担う幼稚園の数、園児数及び就園率は年々減少している。平成23 年5 月1 日時点の3〜5 歳児の児童数は、平成17 年度比2,298 人減の26,346 人、園児数は同2,366 人減の14,878 人である。
児童数の減少がほぼ園児数の減少となって表れている。同時期に、幼稚園の数は113 園から97 園に減少している。これは園児数の減少等による廃園・休園の結果である。ちなみに、平成21 年度における15,435 人の園児数は、同年度の幼稚園の定員数に対して72.3%の充足率である。
3〜5 歳児の就学前児童が、幼稚園および保育所に在籍している割合は従来よりあまり変化がないことから、就園率の低下が保育所入所率の増加により補われていることとなる。

〔2〕待機児童数

保育所入所希望者の増加に対応するため、保育所の新設、定員増の対応が行われているが、仙台市の待機児童は平成18 年以降増加に転じ、平成20 年4 月1 日には740 人となり全国の政令指定都市ではワースト1 位となった。その当時の年齢区分別待機児童数及びその割合は、全年齢児で6.4%の待機率、1〜2 歳児では12.1%の高い待機率であった。
平成23 年4 月1 日では、全年齢児で4.0%の待機率、1〜2 歳児では7.4%に改善されており、待機児童対策の効果が表れている。しかしながら、全国平均から見ると依然として待機児童数は多く、待機率も高い。

下記の表は、平成23 年10 月4 日に厚生労働省より発表された政令指定都市の待機児童
数の比較である。

政令指定都市保育所待機児童数集約表
(平成23 年4 月1 日現在)
政令指定都市 保育所数
(か所)
定員(人) 利用児童数
(人)
待機児童数
(人)
(参考)地方単独
保育施策(人) 
待機率
(%) 
1 札幌市 205  19,008  19,920 【3】   865  0 【3】  4.3
2 仙台市   129  12,045  12,468 【6】   498  238 【4】  4.0
3 さいたま市  131  11,411  11,684 【13】   143  507 【12】  1.2
4 千葉市   109  10,892  11,451 【11】   350  96 【7】  3.1
5 横浜市   459  40,007  40,705 【2】   971  1,054 【9】  2.4
6 川崎市   180  15,905  16,630 【4】   851  982 【2】  5.1
7 相模原市  75  8,213  8,512 【8】   460  179 【1】  5.4
8 新潟市   213  19,205  19,039  0  0  -
9 静岡市   104  11,365  11,163 【16】    41  2 【16】  0.4
10 浜松市   86  8,640  8,959 【15】  115  72 【11】  1.3
11 名古屋市  290  33,531  33,546 【1】 1,275 3 【5】  3.8
12 京都市  252  24,945  27,464  【14】  118 0 【15】  0.4
13 大阪市   384 44,085  43,625 【10】  396  94 【14】  0.9
14 堺市   102  12,582  13,895 【9】  431  81 【6】  3.1
15 神戸市   196  19,698  20,480   【7】  481  0 【10】  2.3
16 岡山市  114  12,967  13,451  0  856   -
17 広島市   169  22,234  21,637 【12】  210  0 【13】  1.0
18 北九州市  158  15,829  15,629  0  0   -
19 福岡市  177  25,089  26,717 【5】  727  0 【8】  2.7
計   3,533  367,651  376,975  7,932  4,164  

注)【】の中の数字は順位を表す。

〔3〕待機児童対策

仙台市では、平成20 年4 月1 日の結果を受け平成21 年1 月に平成21 年度から23 年度までの3 カ年を計画期間とする「保育サービスの拡充に向けた緊急整備計画」(以下「緊急整備計画」という。)を策定し、平成24 年度当初に保育所入所待機児童がゼロになることを目標として掲げた。

この緊急整備計画に基づく整備目標は以下のとおり。

平成24 年度当初における要保育児童数   14,180 【1】
平成20 年度当初における認可保育所入所児童数   11,494 【2】
せんだい保育室等で対応する児童数    400 【3】
         
必要とされる保育サービス量(【1】‐【2】‐【3】)    =2,286  人  
緊急整備計画の目標年度(平成24 年度当初)における整備目標    2,300  
         
2,300 人の整備目標の施策は以下のとおり。       
         
認可保育所の定員拡充     1,313  
せんだい保育室の増     410    
事業所内保育施設の整備促進    42    
幼稚園預かり保育の拡充     200    
家庭保育福祉員の増及び利用促進     155    
幼稚園を活用した保育サービスの提供「幼稚園保育室」    180    
     2,300人   


V 外部監査の結果及び意見

1.私立保育所運営費・助成金等

(1)指摘事項
〔1〕助成対象事業の実績報告書の審査について
助成対象事業の実績報告書の審査が行われないまま要綱に基づく助成額が確定されていた。(開所時間延長促進事業助成および延長保育事業費補助)
助成要綱では、実績報告書の内容を審査し、必要な助成金を確定することとなっており、また、確定した助成額が交付した助成額に満たない場合には、差額は返還するとの規定もある。

助成対象事業が、要綱に基づき適正に執行されているか否等、実績報告書の内容について適切な審査を行う必要がある。

〔2〕助成金申請書類のチェック体制について
市による増員保育士助成金申請書類の誤った訂正により、助成金の支給が取り消された事例があった。早急に取り消しされた助成金を支給すべきである。また、申請書類のチェック体制も強化すべきである。

〔3〕助成要綱の規定と運用の相違について
開所時間延長促進事業助成において、助成の要件となる加配保育士の配置基準について、仙台市の助成要綱は、国の基準とは異なる記載となっている。しかし、運用上は国の基準と同様の取扱いをしており、結果的に市の助成要綱で定める基準とは異なる運用を行っていたことになる。これは、行政の透明性に係る問題であり、実際の運用に合わせ早急に助成要綱の見直しをすべきである。

(2)意見
〔1〕増員保育士助成の申請書類等の作成指導について
助成金の申請書類に誤りが多い。人員増強も難しく、チェック体制が十分とは言えない現状では、保育所に対する指導を徹底することが最も効率的である。

〔2〕補助事業により取得した財産の管理について
私立保育所が補助事業により取得した財産は、処分制限が課せられているが、その遵守状況を管理するための体制を設けていない。従って、当該財産が交付の目的に反して処分されるリスクが存在するため、定期的な管理をすることが望まれる。

2.保育所の運営管理

(1)指摘事項
〔1〕保育料の分納誓約書の入手について
仙台市では、毎年約30 百万円、年間の保育料調定額の約1%、の保育料が不納欠損処理されている。不納欠損処理はほとんどが時効によるものである。
不納欠損処理されたものの中には、分納誓約書の入手もなく、差押も実施されず、滞納処分の執行停止のないまま5 年が経過し時効となったものがある。
不納欠損処理を減らし収納率の向上を図るためには、時効が成立する前に滞納者の資力を勘案しながら分納管理等の手続を適時適切に実施して債権を回収する必要がある。

〔2〕公有財産の管理について
土地台帳および建物台帳について、価格、地積等が記載されていない、台帳の修正履歴が不明、鉛筆書きでの記載等の不備があり、公有財産が適切に管理されているとは言えない状況である。台帳の記載方法および管理の方法を再度検討すべきである。

(2)意見
〔1〕保育所入所選考基準について
保育所入所の優先順位に関して、保育所入所選考基準により指数が同一となった場合には内規により順位付けを行うが、内規においても優先順位が決まらず内規の備考欄により最終判断を行う事例が多く存在した。結果として内規が基準として機能していないと考えられ、透明性を高めるためにも備考欄の各基準を反映し内規を見直すべきと思われる。

〔2〕保育料の口座振替率について
平成22 年度の仙台市の口座振替率は93.45%で全国の政令指定都市でも上位となっている。しかしながら、年間を通して一定水準にある訳ではなく保育所等による勧奨活動の結果として徐々に利用率を向上させている。
年度の早い段階から口座振替率を高水準に持っていくことが、収納率の向上および滞納管理業務の省力化にもつながる。
現年分の収納率を1%向上させることで30 百万円の増収になる。
収納率向上のために、担当課、福祉事務所、各保育所の更なる連携が期待される。

〔3〕公立保育所の民営化推進について
職員一人当たりの人件費は、公立保育所が私立保育所の約1.5 倍となっている。仙台市は古い木造公立保育所の順次建て替えにより、民設民営方式で運営する基本方針を決定している。
待機児童の解消が進まない中で仙台市の保育施策を効率的に実施していくためには、私立の約1.5 倍の人件費を要する公立保育所の民営化は早急に推進すべきと思われる。

〔4〕遊休土地の有効活用について
保育課で管理する土地のうち、旧泉市から引き継いだ土地(3 件、11,017.09 u)が20 年以上にわたり遊休状態であった。本来の目的である保育所の建設を行うか又は売却を行うか等、遊休を解消するための施策を早急に策定する必要がある。

〔5〕備品管理について
定期的に現物と台帳を照合する規定がない。現物調査の結果においても、台帳に記載のあるものの現物が確認できないものがあった。規定を作成し、保育所で管理している、あるいは管理すべき備品の正確かつ網羅的な台帳の作成を行い管理すべきである。

〔6〕認可保育所の指導監査について
民間事業者が保育所を設置している場合、設置法人自体の経営が厳しい時、又は保育所自体の運営が厳しい時には、いずれの場合においても保育事業の継続性が困難となる危険性がある。
施設が民間施設である場合には、指導監査に加え、保育所の財政的な安定に寄与する収支状況の改善について、継続して指導を行う必要がある。

3.緊急整備計画の実行状況

(1)意見
〔1〕保育所設置に係る認可手続きについて
認可時から設置者が債務超過の状況にあり、その解消には相当長期間を要すると思われるケースがあった。
待機児童対策の一環として、認可保育所の新設・増設が必要なことは理解できるにしても、事業者の選定にあたっては将来にわたり安定的な保育事業の継続が可能となるような経営の安全性が考慮されるべきである。

〔2〕せんだい保育室への助成について
せんだい保育室の保育料は、認可保育所の上限近くに設定されていることから、その保護者は平均的にみれば認可保育所に児童を預けている保護者よりも高い保育料を支払っている。
仙台市は、待機児童対策としてせんだい保育室の利用を促進しているのであり、認可保育所の保護者負担との差を考慮し低減に努めるべきである。
なお、仙台市の平成24 年度予算では、せんだい保育室の保育料の負担軽減制度の拡充が謳われた。

〔3〕幼稚園預かり保育および幼稚園保育室の拡充について
これらは待機児童対策として掲げられたが、その実績は緊急整備計画の計画値を大幅に下回っている。幼稚園は年々園児数が減少し廃園等から、その数も減少している。幼稚園は、貴重な子育て資源であり、幼稚園を活用した保育サービスの多様化は必要である。
なお、仙台市の平成24 年度予算において、これらの施策の拡充が謳われた。

4.待機児童対策としての福祉施設最低基準の検討

(1)指摘事項
最低基準(居室面積基準)の順守について
平成22 年4 月1 日時点で、〆木保育所と上野山保育所において入所児童数から算出した床面積が仙台市で定める最低基準を満たしていなかった。この状況は翌年3 月まで継続していた。
平成22 年度は、最低基準に抵触する環境で保育が行われていたということであり、最低基準の遵守が求められる。

(2)意見
〔1〕定員割れ公立保育所の待機児童および定員の見直しについて
定員割れしているものの、それにも関わらず待機児童が発生している公立保育所があった。
クラス編成や保育士配置の効率性から結果として待機児童が発生したということであるが、公立保育所47 か所は仙台市が一体的に運営しており、保育士配置の見直し、混合クラスの編成等により児童の追加受入れが可能であると思われる。

適正児童数の確保も重要であるが、施設、人員を効率的に利用することにより待機児童の受入れを推進すべきである。

また、公立保育所定員の設定について、増築、又は改築のない限り見直しされていない。
地域の保育需要の変化に合わせ定員の変更を検討する余地がある。保育所の受入れ可能人数は定員を基に判断されるが、定員は実態に合ったものであることが望ましい。

〔2〕公立保育所の施設及び人員の有効活用による児童受入れの拡充について
児童福祉施設最低基準(居室面積基準)および児童福祉施設最低基準(保育士の配置基準)について、(1)指摘事項にあるように居室面積基準を満たしていない公立保育所が2か所あったが、それ以外の保育所に関して、面積基準での問題はなかった。

公立保育所全体でみると、4,704 人の児童を保育しているが、それらの児童を保育するために最低必要とされる面積は11,142.26 平方メートルで、実面積はその108%ある。公立保育所の中には実面積が120%を超えるところもある。それでも待機児童が発生している。

また、保育士の定数に対する常勤職員換算した保育士数の割合は、公立保育所の平均が108.2%であるものの、割増率が130%を超える公立保育所もある。

緊急整備計画を策定し施設の新設、増築等により定員の拡充を図るとしているが、財政状況が厳しい中で、まず行うべきは既存設備で可能な限り多くの児童を受け入れることと思われる。〔1〕の意見と同様に公立保育所間で人員、施設の効率的活用を検討し待機児童の解消に資するべきである。

〔3〕居室面積基準の設定について
仙台市私立保育所設置認可要綱では、乳児室面積を国の定めた最低基準(乳児室1.65 平方メートル、ほふく室3.3 平方メートル)よりも広く5 平方メートルに設定している。これは政令指定都市の中でも広い部類に入る。今後、最低基準を地方自治体の条例で定めることができるようになることから、待機児童数の多い政令指定都市では居室面積基準の見直しを検討するところも出てきた。

仙台市における0 歳児の待機児童の解消を図るためには、居室面積基準の見直しを検討すべきと思われる。

5.認可外保育施設の指導監督

(1)意見
認可外保育施設の指導について
認可外保育施設の中には、保育士等の有資格者が配置できていない施設や、設置者が24時間勤務で夜間においても有資格者が保育に従事していると報告している施設もある。巡回指導において、時間をかけて状況の改善を促しているが、保育施設の基本的な問題であり、期限を定めて改善を促し、改善の見込みがない場合には改善勧告を出すべきである。

 
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