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更新日:2021年6月15日

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第2回「協働がつなぐ仙台 郡市長とふれあいトーク」(6月8日)

6月8日(金曜)は、ボランティア活動を通して子どもの読書推進に取り組む団体の皆さんにお話をうかがうため、活動拠点の一つである市民図書館を訪問しました。

集合

懇談会に参加された皆さんと団体の概要

みやぎ親子読書をすすめる会 代表 酒井 文子 さん
(団体の概要)昭和46年設立。絵本により親子のコミュニケーションを深め、子どもたちのための豊かな文化環境をつくり出すことを目指して市民図書館や児童館、保育所などを会場に読み聞かせやおはなし会等の活動を続けている。

仙台手をつなぐ文庫の会 代表 田澤 敦子 さん
(団体の概要)昭和48年発足。自宅または地域施設等を読書スペースや遊び場として地域の子どもたちに開放し、図書館から借り受けた図書や文庫が所有している本の貸し出しを行っている。

ブックトークボランティア「ランプ」 代表 堀 多佳子(ほり・たかこ)さん
(団体の概要)平成22年度の本市主催のブックトークボランティア養成講座の参加者が立ち上げたグループ。市立小中学校において、ブックトークを実施。

おはなしぷーさん 代表 横山 祐子(よこやま・ゆうこ)さん
(団体の概要)本市主催の平成15年度「おはなしボランティア養成講座」参加者による読み聞かせボランティアのグループ。市民図書館などで幼児から小学生を主な対象とし、絵本の読み聞かせや紙芝居、パネルシアターなどを行い、子どもたちに本とのふれあいの場を届けている。

懇談

懇談の様子

好きだからこそ続けてこられた活動

市長
今日は皆さんにお話を聞かせていただけるということで楽しみにしてまいりました。先ほども館内には絵本を探しに小さいお子さんがいらっしゃっていましたが、大人になっていくとだんだん読む冊数も少なくなってくるというような印象もあります。私自身もなるべく手元に本を置いておいて読めるようにしているのですが、なかなか時間が見いだせないというところが実情です。
子どもたちの豊かな成長のためには「本」は大きな力になっていくものと思っております。皆さんにおかれましては、この間ずっと活動を続けていただいておりますことに感謝を申し上げます。本日はこれまでの活動を通して見えてきたこと、そして課題と思っていることなどをお聞かせ願いたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まずはお一人ずつ自己紹介を兼ねてお話しをいただきたいと思います。
酒井さんとはずいぶん前にお会いしたことがあるのですが、それからもずっと子どもたちのために活動されていたのだと伺って感動いたしますし、心から敬意を表します。
「親子読書をすすめる会」はずいぶんと長い歴史がおありですね。

酒井さん
そうですね。1971年(昭和46年)に作られた市民団体で、2021年に50年になります。
私たちは個人会員として入会している団体で、子どもたちの手の届くところに本がある環境、本を読んであげる大人がいつも子供たちの周りにいるような地域となるように願いをもって活動しています。普段は本の読み聞かせをどこでも誰でもできるように、また読み聞かせのスキルアップのために勉強会を催しています。
長く活動している団体なので皆さんにも親しまれており、市民図書館の職員と協力しながらよい刺激をいただいて活動しております。
高齢になりましたので若いメンバーにいろいろとお任せしていますが、私自身も子どもに本を読んであげること自体が好きで楽しいので続いていると思います。高齢になっても行くところがある、話ができるというのは恵まれていると思っています。

市長
時代によって社会が変わってきていますが、読み聞かせする本の傾向や親子のあり方の移り変わりなど、何か感じることはありますか。

酒井さん
定番の絵本は皆さんから評価されてきて長く読み継がれており、いつ読んでも飽きないところがありがたいと感じております。図書館にもたくさん揃えていただいてはいますが、さらに充実させて子どもの本がいっぱいあって、本を読んでくれる大人がいる環境があるとよいのではと考えています。
毎月1回市民図書館と共催で「おはなしぴよぴよ」という0歳から3歳までの子どもを対象にしたお話し会を実施しております。子育て中のお母さんと子どもたちができるだけ図書館に足を運ぶきっかけになればと、メディアテークに市民図書館が移ってきたときに始めました。

酒井さん

酒井さん

子どもを待っている側、迎え入れる側としての活動

市長
田澤さんが所属している「手をつなぐ文庫の会」も活動期間が大変長いですね。

田澤さん
「読書をすすめる会」よりはまだまだ新しいのですが、昭和48年の設立です。個人宅や地域の集会所で地域の子どもたちを中心に本の貸し出しをする「小さな図書館」のような活動をしております。皆さんは外に赴いて活動されていますが、文庫の会は子どもを待っている側、迎え入れる側になって読書推進の活動をしています。子どもたちの笑顔があればいい、と本の無料貸し出しのほかに絵本や紙しばいの読み聞かせ、折り紙や工作、季節にちなんだお菓子作りなどの活動をしています。
現在13文庫が加入していますが、文庫ごとに市の補助金を活用して活動しています。機関紙「文庫(ふみくら)」も発行しています。また、読み聞かせをしている大人のために、講演会や講習会、研修会を不定期に開催しています。

田澤さん

田澤さん

「本の試食」「映画の予告編」のようなブックトーク

市長
堀さんの所属される「ランプ」はブックトークボランティアとのことですが、ブックトークとはそもそもどのような内容なのでしょう。

堀さん
ブックトークとは本の紹介です。よく、「本の試食」「映画の予告編」のようなものと例えられています。私たちは15分くらいのシナリオを作っているのですが、テーマに沿って3冊から4冊程度の本を選んで、一つのお話のようにつないで紹介していきます。長い本だと、最初の30ページを読み切るのに時間がかかってしまい諦めてしまう子どももいますので、そこを乗り越えられるよう、作品の面白いところをちょっとずつつまんで紹介して、いいところはあえて知らせず、本を読みたくなる、意欲をそそるようなトークをします。

市長
会員の方は現在どの程度いらっしゃるのですか。また、図書館が主催したボランティア講座に参加されたのが今の活動につながったと伺いましたが、参加されたきっかけはどのようなことだったのでしょうか。

堀さん
現在の会員は24名です。この講座は平成22年に初めて開催されました。図書館の職員が市立小学校の4年生を対象にブックトークを行っていたのですが、学校の先生方から4年生以外の子どもにもぜひ聞かせたいという要望があり、仙台市図書館主催の養成講座が始まりました。私は平成25年に受講したのですが、以前、当時ブックトークを聞いたことがありとても興味をもっていたことと、活動を通して子どもたちと関われるということに魅力を感じて参加しました。

市長
酒井さんが活動を長く続けてこられたのは「自分もすごく楽しいから」とおっしゃっていましたが、皆さんも共通の思いをお持ちになって活動が続いていらっしゃるのかと思います。お子さんたちとつながることから感じる面白さなのか、本を通してのお話をすることの面白さでしょうか。どのようにお考えですか。

堀さん
聞き手が真剣に食い入るように話を聞いてくれているとやりがいを感じます。終わった後に15分くらい紹介した本を自由に見せることができる時間があるのですが、本に飛びついてくれると「良かった」と思いますし、子どもとの触れ合いがやはり楽しいですね。

市長
シナリオはすべて自分たちで作っているということですが、熟読してどこを抽出したらいいかというところから考えているのですか。

堀さん
熟読して、紹介する部分なども全て自分で考えて、シナリオを作成しています。月に1回定例会を開いて、メンバーが自分で作ったシナリオを発表し、評価を受けます。選書、シナリオの流れ、トーク等の観点から厳しく評価し合い、最終的には図書館のスタッフの方が「登録可」「再検討」の判定を下します。「登録可」となったシナリオだけが、学校で実践できます。

堀さん

堀さん

読み聞かせの場は親子リフレッシュの場にも

市長
続いては「おはなしぷーさん」の横山さん、よろしくお願いいたします。

横山さん
私たちは市民図書館で平成15年に開催された「おはなし養成講座」を受講しました。希望者240人のうち30名ほどが10回の講座を受講したのですが、そこから発足したのが「おはなしぷーさん」です。酒井さんたちから比べたらまだまだ駆け出しですが、市民図書館の児童図書コーナーで月に2回の水曜日と月に1回の土曜日の年間30回、おはなし会を実施しております。
発足から十数年経過しているので、現在13名の会員は50~80代です。水曜日は図書館の方と共同で作業しており、私たちが作成したプログラムに図書館のスタッフが一つプログラムを追加するなど一緒におはなし会を行っています。

市長
お子さんの対象年齢はどのくらいですか。

横山さん
始めた頃は幼児や小学生を対象にしていたのですが、最近は対象者が乳幼児とそのお母さんになってきています。お母さんがほっとできる時間であることも分かったので、一緒に参加していただける内容として楽しんでいただいております。赤ちゃんがじっと見てくれたり笑顔になってくれることが私たちのエネルギーとなりますし、次の活動の励みにもなります。

横山さん
横山さんのグループの活動は、お母さん自身が自分のお子さんにどのように読み聞かせをしたらよいのかという勉強の場にもなるわけですね。

横山さん
会に参加されるお母さん方は読書に関心があり、選書も自分たちでされています。本当の課題はこのような場に足を運ぶことのできない子どもたちにどのように浸透させていくかだと思います。
酒井さんたちの主催する「おはなしぴよぴよ」はベビーカーがぎっしりになるほど盛況ですが、この世代の子どもたちが引き続き参加していくことがいいことだと考えて活動しています。

市長
そのあたりを酒井さんに少し詳しく伺ってよろしいでしょうか。この取り組みは親子参加につながっていくのでしょうか。

酒井さん
「おはなしぴよぴよ」を始めた時は0~3歳の親子を対象にしていましたが、読む本も違うので分けた方が良いのではということになり、4か月~1歳と2~3歳に分けました。特に1歳までの方は一度に大勢を対応することが難しいうえ希望者も多いので、15組に限定し2回に分けて実施しています。
0歳でも喜ぶ本とそうでない本と好みがあるので、お母さん方も図書館や本屋さんに並ぶたくさんの本の中からどれを選んだらよいのか迷うことがあると思いますが、おはなし会はぴったりな本に出会える機会や体験、ヒントになることもあるかもしれませんので、参加された後に気に入った本を手に取って家に置いてあげてはどうかと思います。どんな本だとわが子が喜ぶのかを知ってもらえる機会ということにもおはなし会に親子で参加する意義があります。

市長
横山さんはいかがですか。若いお母さん方がどのような本を選んであげたらよいのかですとか、子育ての悩みなどを聞かれたりすることはありますか。

横山さん
初めての子育てだと、おはなし会に参加していても自分の子どもだけ集中していなかったことを気にされる方もいらっしゃいますが、本の好みもお子さんの成長もそれぞれですし、読み聞かせの場にいたということは何かしら参加している意志があったということだから大丈夫とお知らせしますと安心されます。自分も振り返るとそうだったように、皆さんやはり不安で、このような場は必要なのだと感じています。図書館に来ることによって親子でリフレッシュして帰っていただけることが良いのだと最近は思っています。

横山さん

横山さん

地域の子どもたちのほっとできる場所に

市長
いいお話を聞かせていただきました。田澤さんのところは子どもさんが主体的にやってくるということですが、最近は外遊びもあまりせずゲームをしている子どもさんも多いようですが、文庫に持ち込んでくることはないのでしょうか。

田澤さん
わたしの活動している文庫ではただ本を借りに来る子どもが多く、あまり見かけません。
また親子でいらっしゃる方もいて、本のリクエストがあればなるべく揃えるようにしています。お母さん方からもご自分で購入したいけれども最近は本の価格が高いのでこのような本があるとうれしいという声を聞くので、できるだけ要望に応えてあげられるよう心がけております。
他の文庫では友達と会うとか遊んでいくとか、ちょっと本をめくっただけで帰るお子さんも増えていると聞いています。現代は子どもたちがゆったりとできる場所がないといわれていますので、たとえ本の貸し出しをしなくても、地域にこのような場があって子どもたちがほっとできればそれだけでもよいのではないかと思います。ついでにちょっとでも本とふれあう機会があればと思い、活動しています。

本を読むことは現実の困難を解決できる力も育めることを伝えたい

市長
堀さんのところは学校を訪問して活動いただいていますが、子どもたちの発達の状況の違いや学校の中で見える課題など、状況の移り変わりなど感じていらっしゃることはありますか。

堀さん
変わってきていると感じるところは、教科に対応するシナリオを希望される学校が増えてきたところでしょうか。例えば、小学校の国語の教科書に2年生だと「むかし話」が、3年生だと「盲導犬」が出てきますので、そのワードにちなんだ内容を希望されることが多いです。中学校は「働くこと」に関連するシナリオが人気です。
最初、会を立ち上げた方たちは、子どもたちがなかなか手に取らないけれども薦めたい、良い本1冊1冊に光を当てたい、子どもたちの読書の未来を照らしたいという思いから「ランプ」と名付けたそうです。そのような趣意のもと立ち上げた団体ですので、先生方のニーズの違いに戸惑いを感じることもあります。
しかしながら学校側の事情も理解できるので、教材に関連させながら「本が大好き!」となっていく選書を工夫していきたいと思います。

市長
本のどの部分を抽出するかとかものすごい量の本も勉強していかなければならないし、訓練も必要かと思いますが、ご苦労されている点はどのあたりですか。

堀さん
ブックトークの指南本はたくさんあるので参考にしています。中には子どもたちに本を伝えたいので自分が作ったシナリオをフリーで使用してよいという著者の方もいます。私たちは定例会でシナリオを出し、聞き合い、意見を出し合うことでかなり勉強になっています。

横山さん
私は挫折したタイプなので本当にすごい活動だと思っています。小学校の図書事務をしているので仕事でブックトークを聞く機会がありましたが、シナリオがとても絶妙です。10冊くらいから選書し3冊に至るまでもさることながら、なおかつ読みたいと思わせるポイントをつなげて折ることなく展開していくので、子どもたちも読んでみたいと思うわけです。
小学校2年生くらいまでの絵本の時期から一人読みになる児童書への移行ができないところを助けてくれるのがブックトークだと思います。

市長
本を通して子どもさんたちのために関わって何か伝えたいと考えていらっしゃるからこそ長いことそれぞれの場で活動を続けていらっしゃるのかと思います。今の子どもたちにどのようなことを感じ取ってほしいかなどお聞かせいただいてよろしいでしょうか。

堀さん
テレビや映画、スマートフォンの動画などと違って、本は能動的に想像力を働かせて自分で読まなければならないので、想像力が乏しい子どもは字面だけ読んで内容が入ってこないので面白くなくなってしまうと思います。
本を読むことは感性が高まるだけではなく、想像の世界が広がって疑似体験もできます。すなわち読書で培った感性や想像力で実際に窮地に陥った時も脱出する力、解決する力も育めるということを伝えたいと考えています。

「感情の共有」ができる読み聞かせをあらゆる年齢層の方に取り組んでほしい

田澤さん
我々も図書館にて第3水曜日におはなし会、年2回土曜日のおはなしパークも実施しております。また市民図書館主催の講演会のお手伝いにも参加しています。
妊娠中にお父さん・お母さんが不安になっている時におなかの中の赤ちゃんと一緒にほっとできる読み聞かせなどの体験ができたらいいのではないかと、文庫の会では勉強会を始めました。

市長
手をつなぐ文庫の会は必ずしもお子さんだけが対象ではなくて、妊婦さんもいらっしゃっていいのですか。

田澤さん
もちろんです。誰でもいいのです。年配の方もいらっしゃいます。泉図書館で活動されている「絵本を読むシニア男子会」の方が、読み聞かせのコツなどを相談されに来ることもあります。

市長
読み聞かせがしたくて男性のご年配の方がいらっしゃるというのはすごいですね。このような方たちが増えてくると、いろいろな年代の方が豊かになりますね。

酒井さん
親子読書では「見てみてこの本おもしろいよ」という読み聞かせの勉強会を月1回実施しています。自由参加なので先ほどの「絵本を読むシニア男子会」の方もスキルアップを図りたいということで参加されています。
読み聞かせというと学校や保育所、児童館などでの「集団読み聞かせ」のイメージがありますが、原点は家庭での読み聞かせであり、親と子で同じ本を読んでコミュニケーションを図り、喜びや悲しみ、希望などの感情を共有することで育っていくものと考えますので、そのような機会を持ってもらえればと思います。
勉強会に妊婦さんが参加されたときに読んだ本におなかの中の赤ちゃんがものすごく反応したことがありました。その光景を見て、読み聞かせはおなかの中にいるときから始めても意味があるのだと思いました。読み聞かせは子育て中のお母さんだけではなく、あらゆる年齢層の方にぜひ取り組んでいただければと思います。

市長
ありがとうございます。時間があっという間に過ぎてしまってびっくりしました。まだまだお話をお聞かせいただきたいところですが、今後も本市図書館行政発展のためにもお力をお貸しいただきたいと思います。今日いろいろとご提言いただいた中でヒントになるところがありました。本日は本当にありがとうございました。

懇談のあと、児童書コーナーにて図書館に来ていたお子さんとお母さんに横山さんから読み聞かせをしていただきました。そのあとお子さん方に引き続きお相手していただき、市長も読み聞かせに挑戦しました。素敵なひとときを皆さんと共有することができました。

読み聞かせ

読み聞かせに挑戦する市長

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