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更新日:2022年10月21日

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第3回「ー協働がつなぐ仙台ー郡市長とふれあいトーク」(9月4日)

9月4日は、平成26年8月に開館した体験型教育施設「仙台子ども体験プラザ-Elem(エリム)」※1を訪問しました。
当日は福室小学校の6年生95人が、施設内に再現された「街」のなかで市役所や店舗・事業所で働く模擬体験等をとおして、社会と自分との関わりや経済の仕組み、社会はさまざまな仕事を通してつながっていることを積極的に学んでいました。

体験学習の視察

始めに、スチューデントシテイ(以下「SC」※2)内でコンパクトに再現された市役所や銀行やコンビニなどの各企業ブースで、大きな声で客にセールスをして、てきぱきと仕事をする様子や、収入を考慮して賢い消費者になりショッピングしている様子を興味深く視察させていただいた後、懇談に入りました。

0904市役所ブース

0904街のなかの様子

写真左 市役所ブース前
写真右 街のなかの様子

懇談に参加された皆さん
スチューデントシティボランティアの方々
遠藤 美穂(えんどう・みほ)さん   ボランティア歴 4年
原田 真夫(はらだ・まさお)さん   ボランティア歴 5年
三浦 忍 (みうら・しのぶ)さん   ボランティア歴 4年
脇坂 裕美(わきさか・ひろみ)さん  ボランティア歴 5年

※1 体験型教育施設「仙台子ども体験プラザ-Elem(エリム)」
被災地の復興支援に取り組むカタール国と協賛企業の協力により開設した小・中学生のための体験型教育施設。
※2 SC:StudentCityスチューデントシテイ 小学生(高学年)対象 
施設の中に再現された「街」で商品の販売や営業を行い、また消費者として計画的にモノやサービスを買う活動体験をする。協賛企業9社と市役所の10ブースが並ぶ。
※3 FP:FINANCEParkファイナンスパーク 中学生対象
施設の中に再現された「街」で年齢、家族構成、年収等の与えられた条件のもと一人の社会人として、ひと月の生活設計の学習を行う。協賛企業12社と市立病院、ガス局、水道局の13ブースが並ぶ。
※4 スチューデントシティボランティア
学校または教育委員会において募集したボランティアで、児童が社員となって仕事をする内容について支援し、場面に応じて助言する。ボランティアの多くは、保護者として一度経験した後に、教育委員会で登録した方々である。

市長
今、子ども達の元気な声の中で体験プラザを一回りさせていただきました。
東日本大震災の後、カタール基金を活用して新設された施設と拝聴していますけれど、平成26年度より子ども達が体験学習の場として学んでいる施設であり、子どもが実際に社会の成り立ちをどのように体験し学んでいくのか、お金の使い方をどんなふうに学んでいくのか、言葉にしても解らない部分を体験していく素晴らしいところだなあと思っておりました。
元気な声で質問にハキハキ答えてくれて驚くと同時に、子ども達がこの場所で積極的に学んでいることに感心しました。
今般、企業の皆さまはもちろん、ボランティアでサポートしてくださる皆さま方がいなければ事業は成り立たないのですが、まずは、なぜこの活動に入られることになったのかを含めて、自己紹介をお願いします。 

登録ボランティアの活動を始めたきっかけ

原田さん
息子が中三の時にこの事業が始まりましたのがきっかけです。FP協会に所属し、普段もそういう仕事をしているため、興味がもともとあり登録ボランティアになりました。
昨年は娘が小六でSCに参加しました。自分の子どもが両方体験するのを見ていますと非常に楽しんでいる様子で、もう一回やりたいと言っていました。その日の感想を自宅で聞くと、例えばスマホを持つことが家計にも影響していることが分かり親に感謝するといった気づきもあり、ボランティアに来ている保護者にも良い機会だと思います。できれば、ずっと続けていきたいなと思います。

遠藤さん
子どもが小六のときにSCに保護者ボランティアとして初めて一緒に参加し、その日の帰りにアンケート用紙と一緒に登録用紙に記入させていただいたのです。自分の子どもはもちろんですが、お友達もすごく生き生きと楽しそうで、これからもお手伝いできたらなあと思いました。

三浦さん
FPが開校した時に中野中学校の地域住民として参加して遠藤さんと同様に登録しました。その際も新聞やテレビに取り上げられてお世話になりましたが、本日また、くしくも福室小が同じ地域で、何かの因縁を感じますね。すごく嬉しいのですが緊張もしています。
初回からずっとやっていますと、先生方も毎回工夫され子ども達のために研究されているのがよく分かります。児童生徒もそうですが、是非先生方を褒めてほしいです。

市長
私は、どなたが先生なのかさえ、分からなかったですねぇ。(笑)

三浦さん
サイトマネージャーもいますのでね。知ったふりしてすみませんが年寄りに免じて許してください。

脇坂さん
私は子どもがいないので保護者ボランティアとしての機会はなかったが、FP協会で一緒に活動している原田さんにお誘いいただき初年度に参加して、これは素晴らしいと。お金のことを私達は子どもの頃に全然教わらなかったが、このような場で学ぶことは家計の管理についてすごく考えさせられるし、そんな活動のお手伝いをまたしたいと思いボランティアに登録しました。
SCで一番凄いなと思ったのは、普通は物が売れ残ると値引きしますが、スポーツ用品店のコーナーでスポーツ体験の参加費を値上げしたことです。ポイント制を導入し、ここからシュートしてゴールすると+100、ここなら+50、獲得ポイントを参加費から引いてくれるので、見ている仲間も応援するので盛り上がり、集客に成功していました。素晴らしいアイデアに感心し、それ以来、子ども達からいろいろ学んでおります。

市長
逆に教わることも多いのですね。こういう体験学習の施設は全国で4か所しかないと聞きました。
そういう意味では、すごく貴重な場を持っているなあと私も誇らしいです。
子ども達はここに来て朝から夕方までがっちりそれぞれの立場でいろいろ実践しているようですが、事前にも勉強してくるそうで、これもいいことですね。トレーニングをしたうえでここに来て、アイデアがまたいろいろと湧き出てくるのでしょうから凄いなあと思います。

遠藤さん

原田さん

写真左 遠藤さん
写真右 原田さん

企業ボランティアの方々は、褒め上手

市長
お力を入れてくださっている企業さんもとても有難いのですが、そんな企業の方々を皆さんはどんなふうにご覧になっているのか聞かせてください。

遠藤さん
生徒一人一人をよく見てくださり、いいところを見つけては周りの皆に良かった点を伝えてくださるので、その子の自信につながっているなあと感じています。もっと頑張ろうと思えるような褒め方をしてくださるので、企業の方はよく見ていらっしゃると思います。

三浦さん
SCに市長がいらっしゃった時は、もう3クール目で売らなくてはいけない最後の時間で、だんだんとあのような声になっていました。何がすごいかといいますと企業の方は朝からちゃんと大人扱いしてくれるのです。ちゃん、君で呼ばずに最初から大人として頑張ってください、丁寧な対応をしてくださいと。お店に行っても、きちんと挨拶をして仕事をもらってきてくださいと。伝票の扱いや事務処理の基礎指導もありますから、すごくいいと思います。サービスを売る仕事は大人でもなかなか難しいですが、あのように元気はつらつとした声で目標達成のためにはどうしたらよいかを自ら考えて頑張っています。職務分担にかかわらず表に全員で出てきて皆で売ろうという気持ち、団結力・統率力が教えられなくても生まれ、あのように市長さんであろうと誰であろうと売りましょうという一心は大人顔負けです。

協賛企業さんとの架け橋となって

市長
お子さんたちと接していて心がけていることは何かありますか。

脇坂氏
企業ボランティアさんの子どもへの接し方、例えば仕入れ値は100円だからいくらで売ればいいのかを問いかけ、絶対に値引きしないのは何故かを教える様子を伺い、優良企業さんの理念を感じながらあいだに入って上手くサポートしていきたいと思っています。

原田氏
企業は、ほとんど入れ替わりなくずっと継続しているので熟成してきたと感じます。初年度はお互いに手探り状態で、帳票もどこにあるのか分からない場面なども見受けられました。企業さんのカラーというのがあると思いますが一から全てをびしっと決めて段取りよく進めましょうというのもあれば、割と子ども達に任せて困ったら助けましょうと一歩引いていたりさまざまです。また子ども達は、敏感にそのような大人の考え方もキャッチしています。

写真左 三浦さん

脇坂さん

写真左 三浦さん
写真右 脇坂さん

子ども達のエネルギーが自分の活力に

市長
原田さんも脇坂さんもFP協会に所属されて、人生設計の中でお金をどういうふうにしていくのかどんなふうに賢く生きていくのかを生業となさっていて、そのお仕事を超えて子ども達にサポートすることは時間を割くのも難しいでしょうし、強い気持ちがないとボランティアでやりましょうとはならないと思うのですが、その点はどうですか。

原田さん
地元では、おやじの会やPTA会長もやらせていただいています。子ども達と接しているとエネルギーをもらえますし、自分もちゃんとやらなければと思います。
いろんな気づきがありますし、普段の仕事の相談者にもフィードバックしたり説明の仕方が勉強になります。
そういう意味では、実利を伴っています。(笑)あまり負担に感じたことはなく、楽しみながらやっています。

ここでの学習が将来の生活設計の基礎知識に

脇坂さん
FP協会の活動もボランティアです。本業は就職支援の仕事で、会社を辞めて転職する若い世代を相手にしていると、志望動機が曖昧で希望する職場で自分が何をしたいのかが漠然とした未熟なところがあり、初めにこのような学べる機会があればもっと違うのではないかと。全国に4か所しかないのは残念ですね。その他に奨学金に関するアドバイスもやっていますが結構テキストは難しいのです。ここのFPを経験していれば理解できると思いますが、例えば学生が一人暮らしをするための食費や光熱水費の表があり初めて見る高校生は何のことか分からないと思います。
ここで家計についても学べるのは、すごくいいことだと思います。大人になってから困らないように、ベースの部分の足りないピースを少しずつ埋めていくのがこの活動ではないかと思います。

市長
何か実感が込めらていますね。確かに学生時代は、このような深いところまでは考えないですものね。

脇坂さん
私もかなり大人になってから考えました。(笑)

市長
小さいころからトレーニングをやれるところではあるけれど、いかに現実とピタッと合わせるか苦労されていると思われますが、そのあたりのやりがいや、やってみての効果など思うところがあれば。

三浦さん
仙台市の教育方針として、小学生はSCや職場訪問で地域の商店を訪問しています。それから中学生になるとFPで大人になる一歩一歩を教育の場として提供されることを有難いと思っています。
どうしても我々は子ども達に過保護になってしまうので、自分で自分の事をするというのを今の子ども達は、こういう場に来て経験するわけです。私の地域では、あいさつ運動を年に1回、小中学校一緒に実施していますが、それも大事なことだと思っています。知らない人に声をかけられたら用心しろというのには私は反対です。
ボランティアが見守りもしていますので信頼関係もあっていいのかなあと。子どもに悪い時は悪いと言えるおせっかいおじいさん・おばあさんがいて、良い時は褒めてあげると子どもは嬉しいものです。さっき市長さんが「すごいね、頑張っているね。」と言うと、ますます声が大きくなるでしょう?あれが子どもの本来の姿で、本気になって褒めるともっと頑張ってみようと物怖じしないで言えるのってすごいですよ。

市長
すごいと思います、本当に。

三浦さん
そんなこと言ったら恥ずかしいじゃなく、ちゃんと思いが通じれば分かってくれるというのが一番いいです。仙台市としてもそういう教育をしてくれれば、仙台に訪れた人が仙台の子ども達はちゃんと挨拶してくれるのだなあとPRの一環にもなると思います。ここは本当にいい勉強ができます。余談ですが、中学生はFPで月給20万から40万円位で生活設計をしますが、給料の低い人の方が一生懸命考え、ミスもありません。お金を沢山手に入れると訂正することが出てきて、誰でも一緒だなあと勉強させてもらいました。お金っていうのは、ほどほど持つのが一番いいのですよ。(笑)
それと中学生の場合は、両親に感謝しますよ。こんなに大変な思いをしてやりくりしてくれるだと分かるからです。家庭でも家計が大変なのよという意味でなく、これだけのお金がないとこういう生活が出来ないのだという仕事の在り方等を伝えるのが親の務めなのかなと思っています。

コミュニケーションを上手にとって

市長
遠藤さんは、お子さんたちの成長をどのように実感していますか。

遠藤さん
参加する朝の子ども達は緊張した表情で、最初の挨拶では私にもドキドキが移るくらいなので、一緒に頑張りましょうと言って始めます。最後のピリオドの頃には元気はつらつ活き活きしています。
一日を通じて自分の中にさまざまなものが積み重なって成長していることを、子ども自身が実感することにより、声も大きく行動にも表れてきます。二校合同で実施することもありますが、初対面のお友達ともコミュニケーションを上手に取れるようになり、最終的にはチームワークよく助け合っている姿を見ると成長を感じます。

脇坂さん
本当に最初はぎこちないのだけれど、最後はあれ?同じ学校だったの?と思うくらいコミュニケーションがとれているのは、慣れもあるのでしょうがお互いに学びあう場があってこそだと実感しています。

遠藤さん
同じ課題に向かって、何をしたらよいのかを互いにフォローしながら出来ることをリスペクトして実践している姿に成長しているなあと。(笑)子どもってすごいなあと感じます。上から目線ではありませんが。

このボランティア活動をもっと広げて

市長
原田さんはご自身のお子さん達に「まだボランティアを続けているの?」という話は出ないのですか。

原田さん
出しますね。今年から息子は東京の大学に進学して一人暮らしを始めました。昨日、部活の合宿から戻り、電話で話をしていたら、まだやっていたのかと言われました。息子からしたら自分が中三の時から5、6年経つので。でも私の仕事も知っているので、その延長でみているところもあります。娘は娘で、交通費として図書券をいただき最終的に娘のもとへ届くので、バンバン入ってと言っています。(笑)

市長
こうしてボランティアをなさっている皆さん同士のつながりもできて、いろいろなところで話題が広がることもあるかと思います。お仲間同士の輪について、いいことがあれば是非お聞かせいただき、締められればなあと思います。

原田さん
脇坂さんをはじめFP協会の人は多いのですが、息子の同級生のお母さんともここでばったり会いました。またSCにしてもFPにしても、どのように接したらいいのか聞かれることもあり、横のつながりは自然にできていくのかなあと思います。

脇坂さん
その辺を歩いていて、「あー久しぶり」と声をかけられ誰かなあと考えると、ここで一緒だった人だったことがあります。地域コミュニティとしての活動はしていないので、横のつながりはあまりないのですけれど、こういうところでもう少し厚くつながっていけたらいいのかもしれません。皆さんの積み重ねの経験を次の人に伝えていけたらと。歳を重ねていくので、ずっと続けたいと思ってもいつまでも続けられるわけではないので。

市長
きっと子ども達のここで学ぶ朝と夕方の状況でずいぶんと違っているぞ、というのを見ているのは、きっと自身にとっても嬉しく励みになっているのでしょうね。先ほど逆に学ばせてもらって仕事にも活用しているというお話しがありましたけれど、どうでしょうか。

脇坂さん
すごくいい活動なのですが、これをもっと広げて、多くの方にわかってもらえるように何かできればなあと。実際に事前学習が大変だから引き受け手がいないことがあったらしいので、これ自体が仲良くなるし、いろいろな問題を解消する一助になるのではと思います。一校だけでなく、小さな学校は二校三校になり活動するとちょっと離れた地域の保護者や登録ボランティアが来て、みんなの力を合わせてより良い活動になっていけばいいなあと思います。

市長
ここを通して更なる広がりという可能性もあるだろうということですね。

脇坂さん
こうやって子ども達を皆で支えていく、逆に私たちが支えられているかもしれませんが。(笑)

三浦さん
私もそう思います。
それから、なるべく自分の地域の学校の時はボランティアが足りなければ地域の人に来てもらうようにしています。少しでも顔見知りがいれば安心感もあるだろうし、自分もよその学校に来た場合は信頼されるまでの時間がかかりますので。

遠藤さん
違う地域の方とご一緒して、高齢でお困りの方のために中学生が率先して雪かきをするというような地域支援の事例など、自分の身の回りでは聞かないようなお話を伺えたりするので、すごく新鮮です。
また、登録ボランティアとして参加した時に保護者ボランティアの方とご一緒すると、運動会がもうすぐなのですというお話を伺って、SCの時と違った表情で頑張っている様子がわかると楽しいですし、人の話を聞くことが自分の糧になる気がしています。

市長
お話を伺って、この施設の重要性とボランティアや企業の皆さまにいろんな意味で子ども達が見守られて、育まれていることを実感させていただき、深く感謝を申し上げます。有難うございます。
限られた時間で、もうそろそろ子ども達の声も聞こえており、ミニ市長さんの挨拶もあるということで私も是非聞かせて頂きたく、これでおしまいということにさせていただきます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

懇談の様子

全体ミーティングに参加

懇談後は、各ブースの代表児童が体験した仕事の内容や学んだことを報告する様子を視察しました。
またミニ市長(市役所ブースの代表児童)から、周囲の人への感謝と責任を持って仕事をする大切さを学べたという挨拶に続き、市長挨拶の時間をいただき、子ども達へ本日の体験学習を労い、将来は仙台を支える社会の一員となってくれるよう期待すると伝えました。

ミニ市長と

集合写真

写真左 ミニ市長とともに
写真右 終了後に集合写真

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