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更新日:2018年6月11日

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平成30年度第1回「協働がつなぐ仙台 郡市長とふれあいトーク」(4月16日)

4月16日(月曜)は、若林区で農業を中心とした地域おこしを目指す「一般社団法人ReRoots(リルーツ)」を訪問し、メンバーの皆さんと懇談しました。

懇談の様子

懇談会に参加された皆さん

一般社団法人 ReRoots
  広瀬剛史さん(代表理事)
  二木洸行さん(副代表)
  岡 裕之さん(コミュニティチーム所属 大学4年生)
  高田彩菜さん(コミュニティチーム所属 大学2年生)
  平松希望さん(OG、若林区内で新規就農)

・一般社団法人 ReRoots(リルーツ)
避難所や津波被災地域においてボランティア活動を行っていた学生の皆さんが、仙台東部地域の農業支援のボランティアサークルとして活動を始めました。「復旧から復興へ、そして地域おこしへ」のコンセプトのもと、農地復旧が終了した現在は、若林区において地元密着での野菜作りや新規就農者の育成、農業を核とした事業展開等により被災地の活性化に取り組んでいます。

「ReRoots」の発足とチーム活動

広瀬さん
「ReRoots」のルーツは震災直後に東北大学の近くで避難所運営のボランティアをしていた学生の集まりです。
その後、津波被災地のがれき撤去のボランティアに参加した際に手つかずの農地を目の当たりにし、「被災された農家の方の目線に立った生活の回復と地域づくりを支援したい」という思いのもと、震災から約1か月後に発足しました。
最初の約3年間は毎日がれき撤去でしたが、現在は自分たちで野菜を作ったり、農業の担い手を育成する「農業チーム」、高齢者の方々のお力を借りて地域のお祭りを再生させたり、住民の方と一緒に美化活動をしたり、映画上映会などの活動をする「コミュニティチーム」、自分たちで作った野菜や被災地の野菜を移動販売する「販売チーム」、「さつまいもプロジェクト」や「わらアート」など、地域資源を生かして若林に人を呼び込み活性化させる「ツーリズムチーム」の4つのチームで活動をしています。

市長
これまで「ReRoots」の活動にはどれくらいの若者たちが関わってきたのですか。

広瀬さん
初年度は10人程度でしたが、徐々にメンバーが増えていき、現在は80人くらいです。大学を卒業したら活動も引退し、社会人として応援する人もいます。

広瀬剛史さん

写真:広瀬さん

よみがえった農村風景に触れ「この地に骨をうずめたい」と思った

二木さん
当時大学生だった私は一般ボランティアとしてがれき撤去に参加した後、ボランティアスタッフとして「ReRoots」に入りました。がれき撤去の作業をしながら農作物の販売や農家の皆さんの状況調査などの復旧支援活動をとおして少しずつ復興の取り組みに関わり、大学を終えて「ReRoots」に就職し、副代表になりました。現在は主に販売チームを担当しています。

市長
在学中にこの活動をずっと続けなければならないと思ったのは、どのような理由だったのですか。

二木さん
もともとは法律に携わる仕事に就こうと思っていたのですが、がれき撤去のお手伝いをする中で、最初は無力感すら覚えていたがれきだらけの農地がよみがえった風景に触れたり、農地のがれきをご夫婦二人で撤去して農業を再開させた方との出会いがあったりしたことで「ここに骨をうずめたい」という気持ちになりました。

市長
農産物は車での移動販売をされていると伺っていましたが、どのあたりを訪問されて、お客様からはどのような反応がありますか。

二木さん
農作物の販売は、当初は復興支援の一環として仙台朝市のテナントをお借りしてスタートしました。現在は「くるまぁと」という移動販売車両を使って、荒井東の復興公営住宅や荒町のマンションなどに販売をしています。お客さんからは新鮮でおいしいと好評で、農家の方たちも「お客さんの声が励みになる」と言って、毎週販売用に卸してくださる方もいます。

二木洸行さん

写真:二木さん

住民の皆さんの地域愛を感じて自分も地域が好きになった

岡さん
僕は仙台出身で被災し、微力ながらボランティア活動をしようと思い、たまたま見つけた「ReRoots」に入りました。自宅のある市街地は停電や断水はありましたが、沿岸部では自宅が流され、同時に目に見えない文化面や人のつながりが消えてしまったのを目の当たりにして、何か力になりたいという思いがさらに生まれてきました。

市長
当時はまだがれきの撤去のボランティアもあったのでは。学校の勉強との両立は大変でしたでしょう。
ところで、岡さんにとって「ReRoots」の魅力はどのようなところですか。

岡さん
僕は農学部なので、大学と「ReRoots」で学んだことが相互に生かせます。所属するコミュニティチームは、東部沿岸地域コミュニティの再生を目指し、地域行事への参加など住民同士の交流の場を設けています。実際にその場に参加すると、もう一度立ち上がっていこうとする住民の地域愛がよく伝わってきて、「ReRoots」に来てよかったと思うし、自分自身がこの地域を好きになります。

市長
地域の皆さんの地域愛を感じて自分たちも何かやれることはないかと思ったのですね。この地にずっと根ざし、文化や生活を積み上げてこられた住民の皆さんのお子さんやお孫さんと同じ年代の若い皆さんが、ここで一肌脱がなければという想いが強くなったということでしょうか。

岡さん
そうですね。何度も地域に通うにつれ、想いは強くなっていきました。

岡裕之さん

写真:岡さん

地域の温かさがすごく好き

高田さん
私は地元の登米市を活性化したいと思って大学に進学し、「ReRoots」の活動のコンセプトにも「地域おこし」というキーワードが入っていることがきっかけで加入しました。また、母方の実家が南三陸なのですが、震災当時は小学6年生だったこともあり震災の全貌も分からなかったし、今まで避けてきたところがあったので、きちんと向き合いたいという思いもありました。

市長
大学の勉強と「ReRoots」の活動を両立させているのは難しくないですか。

高田さん
今のところ学業との両立は難しくはないです。大学でも地域おこしに関係することを学んでいますので、岡さんと同じく大学で学んだことを「ReRoots」で、実践の場として活動をしているといった感じです。

市長
今年は先輩として、「ReRoots」への参加を勧誘する立場になりましたが、新一年生にどんなところをアピールポイントにしましたか。

高田さん
1年間活動をしてきましたが、若林区の地域の温かさがすごく好き、というところです。市内の中心部だと隣に誰が住んでいるのか分からないし、すれ違っても挨拶をしないというイメージですが、こちらの地域では挨拶もありますし、何気ない会話が地域の歴史や文化を物語っていたり、学生の活動に感謝されたりといった心温まるふれあいがあります。

高田彩菜さん

写真:高田さん

若手農家とグループで支えあい一緒にやっていきたい

平松さん
震災当時は富山県にいましたが、仙台の大学に進学してから何か被災地のためにできることはないかと思いボランティアを始めました。「ReRoots」のがれき撤去にも参加し、在学中は活動に参加しました。大学と「ReRoots」を卒業してから3年目になりますが、去年の4月に若林区で一人の農家として新規独立就農をしました。

市長
まさか自分が独立して就農するとは、当時は考えられなかったでしょうね。「農家」として頑張っていらっしゃる今はどんな感じですか。

平松さん
そうですね。大学は農学部でしたが、農家になるために入ったわけではなかったので、この職業を選ぶことは色々と悩みました。大学卒業後は2年間研修を受けましたが、独立してからは1年しか経過していないので、経営はまだまだこれからです。
仙台の東部地域は私のような非農家、地域外出身の若手農家が結構いますので、一緒にグループを作って互いに経営を支えあったり、新しい販路を作ったり、地域の行事も一緒にやっていけたらいいなと思っています。
私は畑を借りているのですが、津波被災地域なので、今でも砂利や瓦などのがれきがかなり出てきています。現在は大根や人参のような野菜は作れないので、違う野菜を作りながら地道に拾っていきたいと思っています。

市長
若い人たちも結構いらっしゃるというお話でしたが、どれくらいいらっしゃるのですか。

平松さん
津波被災地のうち、七郷地区には4人、宮城野区と合わせると8人ほど新規就農者が入りました。

広瀬さん
七郷地区や宮城野区は新規就農者が入ってくるのですが、六郷はほとんど入らず、地域に差がある状態です。

平松さん
六郷地区の場合は、研修を受け入れる農業法人がないことも理由の一つだと思います。

市長
今後の課題は、若い就農者をいかにこの地に増やしていくか、そのためにどういった取り組みが大切かというところでしょうか。

広瀬さん
「ReRoots」での活動を経て今年4月に就農したメンバーが、秋保地区での2年間の修業を終えて戻ってきたら農業法人を作ろうと考えています。担い手の問題は六郷地区でも必然的に生まれてくるので、今のうちにもっと若手を増やしたり、農家として働く環境に期待ができる状況をつくっておいたりすると、これから農家を志す人がこの六郷にも自然に入ってもらえると思います。

市長
このような環境づくりが必要なほど、この地域の農業者の皆さんの課題は顕著だということですね。

広瀬さん
そうですね。顕著である一方で、仙台市中心部から車ですぐにここまで来ることができますので、「可能性」もあるのです。

市長
身近に消費地をきちんと持っているということもありますね。
今後は単に「新鮮な産直野菜」というだけではなく、付加価値も必要なのではと考えます。この辺りでは「井土ねぎ」というブランドねぎを作っていますが、商品の展開などについて、何かお考えのことはありますか。

平松さん
仙台は伝統野菜がいろいろあって、中でも曲りねぎや仙台白菜は他の地域にはなく、しっかり若手が引き継いでいく必要があり、仙台市が実施している枝豆プロジェクトのように朝採りで新鮮なもの、安心なものを届ける産地にしていきたいと思っています。

平松希望さん

写真:平松さん

今後の課題と展望

市長
皆さんがさまざまなきっかけで「ReRoots」に集い、活動をとおして「若林区沿岸部の農地の復興」に携わり、その後の進路や志すことが大きく変わったことなどをお話しいただきました。
ここでさらに、皆さんの今後の展望をおきかせいただけないでしょうか。

広瀬さん
生産をお互いに学んで販路を共有し合う若手農家グループを作り、若手農家を増やす農業塾のようなものを作れば人脈ができるのではないかと考えています。10年間くらいかけて若手農家グループと新規就農者を地域のベテラン農家や住民とつないでいく仕組みを作ろうと思っています。そのためにも、先ほどお話ししました「ReRoots」の農業法人化が大きな課題の一つです。
また、その仕組みがうまく作用して農業に新しく参入する人が増えても、土地利用の制限などから「通い農」になる場合があり、地元に住む方々が少なくなりコミュニティがどんどん衰退してしまう問題があります。地域の協力や行政の協力がないとコミュニティづくりは難しいので、農業部門のほかに地域づくりや農村ツーリズムに取り組むNPO部門もつくり、強化しながら、地域と行政と協力して進めていくことを考えています。

市長
六郷地域の皆さんだけで解決できる課題としてではなく、行政もともに手を携えて全体を見通していかなければならないですね。

平松さん
私も若手新規就農者の支援策を利用させていただいておりますが、行政側と地元側の両面の支援がないと、新規就農者は農業を続けていけない状況になると思います。

広瀬さん
もともとこの地域に暮らす皆さんは生まれた時から近所の人は誰でも知り合いですから、20歳、30歳を過ぎて新規就農しようとする方は、地域の食文化を学んだりお祭りに参加したりといった「地域でのつながり」がないとやっていけません。コミュニティづくりと農業は不可分と考えます。

市長
東西線の開通もあり、七郷地区は新しい街並みができていますが、六郷はこれからの伸びしろが大きいということですね。新しい視点です。

広瀬さん
六郷地区には田舎の良さがすごくあり、井土浜などの地域資源や貞山堀などの観光資源を生かした取り組みの展開で、人を呼び込める可能性はあります。あとは僕たちが組織をしっかり整備すれば、田舎の良さを生かせると思います。また、住民の方の中には高齢者の介護をされている方が多いので、地域福祉を作ることも大事です。田舎で過疎化が進んでいるからこそ地域福祉の先進地域になれる可能性もあるし、地域資源を生かしたグリーンツーリズムなどもできる可能性はあります。

市長
行政としても大きな刺激をもらい、なお頑張らなければいけないとも思いました。若い皆さんの心意気を学ばせてもらいました。ありがとうございました。

施設見学

懇談会終了後に施設の見学をさせていただきました。
移動販売車や平松さんの畑、わらアート、津波の流木で作ったチェーンソーアート等を拝見しました。
また、一緒に地域おこしに携わる地域住民の加藤さんがイベントで貞山堀に浮かべる小舟を製作していました。その現場も見学させていただき、地域ぐるみの取り組みをじかに感じました。

移動販売車

地域住民の加藤さん

写真左:移動販売車 くるまぁと
写真右:地域住民の加藤さん

お問い合わせ

市民局広聴統計課

仙台市青葉区国分町3-7-1市役所本庁舎1階

電話番号:022-214-6132

ファクス:022-213-8181