| 政宗は、帰国後の常長から7年間の海外経験の報告を受け、その後幕府に報告書を提出しています。しかし、幕府の厳しい禁教政策のもと、常長が持ち帰った品々は、キリシタンに関わるものとして藩に没収され、決して表へ出ないように厳重に保管されました。このため、この後250年ものあいだ、慶長遣欧使節の存在は忘れ去られてしまったのです。そして1873年(明治6)に明治政府がヨーロッパとアメリカに派遣した岩倉具視らの使節によって、訪問先のイタリア(ヴェネチア)で常長の書状が発見され、やっと彼らの業績が認められるようになりました。 当時の日本におけるキリスト教の立場や世界における植民地政策を考えると、使節の目的であったメキシコとの直接貿易と宣教師の派遣が達成できなかったことは仕方がなかったことかもしれません。しかしアジアの植民地化をもくろんでいる当時最強といわれたスペインを相手に、外交使節として条約を結ぶために堂々と交渉することが出来たということは、高く評価されるべきでしょう。 常長が残した7年間の資料はタイムカプセルとして現在の私たちにさまざまなことを伝えてくれます。その歴史的価値は非常に高く、2001年(平成13)に歴史資料として初めて国宝に指定されました。 |
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