English

当ホームページの著作権は、すべて仙台市博物館にあります。ホームページ上に掲載されている画像・資料などの無断転用はご遠慮ください。

現在位置ホーム > 刊行物 > 調査研究報告 > 調査研究報告要旨(令和2年度「仙台市博物館調査研究報告」第41号)

ページID:55079

更新日:2021年7月23日

ここから本文です。

調査研究報告要旨(令和2年度「仙台市博物館調査研究報告」第41号)

レストラン ミュージアムショップ オリジナルグッズ 仙台市博物館刊行物

新刊図録・目録調査研究報告機関誌仙台市史

令和2年度「仙台市博物館調査研究報告」第41号には、以下の論文等を掲載しました。

1 仙台市国分尼寺観音菩薩立像の墨書銘について 

佐々木徹

本稿では、令和元年(2019)に新たに発見された仙台市国分尼寺本尊・聖観音菩薩立像の墨書銘について、銘文の内容を紹介し、若干の考察を加えた。
その結果、国分尼寺に居住する「継岳」なる寺僧が発起人となり本像の造立事業が始められたこと、宮城郡南目城に拠点を置く国分氏家臣の北目紀伊守政信がその求めに応じ、大旦那となって造立費用を拠出していたこと、天文4年(1535)に本像が造立され墨書銘が記されたことなどを明らかにした。

 

2 仙台藩儒役遊佐家の事跡─資料レスキュー活動による保全資料の紹介─

倉橋真紀

本稿では仙台藩で代々儒役を務めた遊佐家資料の調査を行い、同家の事跡をまとめた年表や資料翻刻・写真などを掲載している。
当該資料群は、東日本大震災後に当館で行った、仙台市内で被災した地域の歴史資料や文化財を救出し、応急処置や一時保管などを行う資料レスキュー活動の中で保全されたものの中の一つである。
資料レスキュー活動の概要と、保全資料からわかる歴史を地域へ還元することの重要性なども併せて述べた。

 

3 戊辰戦争時の仙台藩の軍

中武敏彦

本稿では戊辰戦争時における仙台藩の軍について、軍装・軍編成・装備の3点から実態の把握を試みた。
仙台藩では会津藩への出兵を前に、甲冑の廃止・銃隊による小隊編成などの軍制改革を実施した。小銃も洋式銃を大量に輸入し、藩直属兵はミニエー銃隊に再編された。一方で知行地を持つ大身の家臣の兵は、新政府軍との開戦後も軍装・装備が統一されず、仙台藩の軍は混成部隊の弱点を最後まで克服できなかったことを事例に基づき指摘した。

 

4 資料紹介 刀工本郷国包関係資料について

酒井昌一郎

江戸時代の仙台藩を代表する刀工である本郷国包の子孫にあたる本郷家より、薙刀(宮城県指定文化財)などの資料群が令和2年(2020)に当館へ寄贈された。本稿では9点の寄贈資料について若干の考察を加えながら写真とともに紹介し、文字資料は翻刻した。このうち「仁澤」号由緒写については、瑞巌寺100世である洞水東初筆と考えられることから、原資料が認められた寛永15年(1638)をさほど降らない時期に写された可能性があることを述べた。

 

戻るページの先頭へ戻る