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更新日:2016年12月27日

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質疑応答の概要(平成28年12月27日)

平成28年12月27日

 

(1)今年一年を振り返ると、どのような年だったか

一年の初めに、今年は申年なので、人偏に「申」という字を合わせて、「伸びる」一年にしたいと話した記憶があります。地下鉄東西線が開業して一年が経ったことや、G7仙台財務大臣・中央銀行総裁会議を無事開催できたことなど、仙台がまた一段上のステージに上がる中で復興計画期間の満了を迎え、プレハブ仮設住宅の解体までこぎつけることができました。いろいろな事業が新しい段階に向けて伸びた一年だったと思います。

 

(2)教育の問題についても、さまざまな出来事があった1年だと思うがいかがか

中学生の痛ましい事件とそれに続く事案などがあり、いじめの問題に対して教育委員会はもとより私も含めてどう対応していくか、非常に心を痛めつついろいろな対策が求められた一年でした。そうした中で専任教員の配置などを進めることができたので、それは一定程度政策として立ち上がってきたと思います。後はこれをしっかりと学校現場の中に根付かせて、子どもたちが学校に行くことは楽しい、仙台の学校で勉強してよかったと思ってもらえるような教育環境を作っていくことが、これからの大きな課題だと思っています。

 

(3)市議会で進められている政務活動費のあり方の検討の中で、議会事務局の予算面を含めた機能強化が課題のひとつとして挙がっているが、市長の考えを伺う

議会活動にとって必要な経費であれば、議論の経過や具体の金額を使途を踏まえた上でご説明いただき、ご要望いただくことになると思います。私としては議会のご要望ですから、真剣にこれを受けさせていただきたいと思います。新年度から必要ということですと、現時点で一定の内示は済んでいる段階ですが、議会として緊急の対応が必要ということであれば、私としてもできるだけ対応するように努めたいと思います。

 

(4)職員の中には、議会事務局への人事異動は出世コースから外れたと思う人もいるようだが

役所の業務の中で、こういう部署に行くのが出世コースであるという考え方は、もう40年前になりますが、私が市役所に入った頃にもありました。今でもそう考える職員がいるかもしれませんが、私自身がさまざまなところで仕事をしてきた経験から言うと、総務・企画・財政というかつては出世コースだといわれたところだけに仕事のやりがいがあるというわけではなく、さまざまな市民の皆さんと接する現場にこそ市の職員になった醍醐味はあると思います。

そういう認識を広めるべく市役所の中でも雰囲気作りや問題提起をしてきたつもりですので、配属された場所によって優劣があるという考え方は以前に比べだいぶ減ってきているのではないかと思います。特に最近の若い方は自分自身の力をどう伸ばしていける職場なのか、辞令上に現れるポストだけで仕事や自分を評価するのではないという考え方になってきているように思います。

仕事の指示を出す側も、この職場であなたのこういう力を伸ばせる、職員のキャリア形成にとって何が大事だと思うからこの職場でどういうことを期待しているといったことをしっかり伝えられれば、ご指摘のような懸念は相当程度減るのではないかと考えています。職員の身に立った仕事の意味の与え方を、しっかりやっていかなければならないと思います。

 

(5)市立中学校教諭による生徒への暴言について、市長の受け止めを伺う

教員の暴言は、教育に携わる教員という立場から許されることではありません。これは一種の言葉による体罰につながることであり、教員の基本は、教員自身の能力や持っている力を生徒に適切に伝えることによって子どもを引き上げていくことですから、暴言という形で子どもにある種の恐怖心を与えるような接し方をするのは大変遺憾なことだと思います。

 

(6)教員の日頃の指導の状況などに関わらず、暴言があったこと自体が不適切であったとの認識か

長期にわたる経過については私自身十分に把握していない部分があります。しかし、私が教育長の時も、子どもを更正する意図であっても体罰は許されないと言ってきました。それと同じ趣旨で、暴言が単なる説諭や言い聞かせる範囲を超えた威嚇的な音声や言葉、音量であれば、どのようなシチュエーションでも許されるべきではないと思います。

 

(7)今回の件は報道が先行したが、報道されなかった場合、教育委員会では公表しなかった可能性はあるのか

仮定のことなので分かりませんが、保護者の皆さまから問題提起をいただいたことであれば、学校で隠蔽するのではなく、しっかりと教育委員会に報告すべき事案だと思います。

 

(8)本日、基準値以下の放射能汚染廃棄物の焼却処理について市町村長会議が開催されるが、仙台市としてどのような考えを伝える予定か

焼却場や処分場を持つところや処理すべき廃棄物の多いところなど、それぞれの自治体において説明会の開催や議会の質疑等が行われたと承知しています。私が知る限りでは、住民の方々のご懸念やご心配、議会の反対の意向などの状況があって難しいというところもかなり出てきていると思います。私としては、特に処理しなければならない廃棄物の多い自治体の意見を伺って、その上であらためて考えていきたいと思います。

 

(9)市町村長会議で伝える内容は決まっているのか

仙台市での試験焼却については、県内一丸となって試験焼却を進めるべきという状況ができた時に、廃棄物がないからといって仙台市が降りる判断はしないという前提に立って検討を進めているものです。県内各市の合意形成については、現時点でまだ不分明という状況の中では、申し上げられる段階ではないと思っています。

 

(10)県北の自治体では議会から反対があるなど、県内自治体全体で試験焼却に臨むのは難しいと思うが

現時点では、そう簡単なことではないと受け止めています。

 

(11)仙台港に建設する石炭火力発電所について、住民の要望を事業者側が受け止めていない状況となっているが、市長の考えを伺う

環境局を中心に、県とも連携し、住民の方のお話を伺いながら進めてきています。住民の皆さまがお持ちのいろいろなご懸念については、事業者としてしっかりとお答えいただくことが大原則であると思います。

 

(12)住民の要望は以前から事業者に伝えられているが、しっかりとした回答が得られていない。市はどのように認識しているのか

その方法論に、意見の相違点があると思います。住民の方は公開の説明会の場で説明してもらうことを求めていて、事業者の方は文書による回答を中心にお話を進めたいということになっていると思います。

 

(13)事業者からの回答文書に住民が納得できないから話し合いを求めている。市としては静観するのか、または何らかの考えを持っているのか

市として持っている力の中でできることは行っていきたいということは、今までもそのとおりであり、環境局もそう努めてきました。ただ、環境アセスメントの条例が改正される前にこの事業が立ち上がっていますので、条例の対象にはならなかったという経過の中で、われわれができることはどこまでか、話し合いをしながらご一緒に進んでいくというスタンスだと思います。

 

(14)市としてできることとはどのようなことか

相手方があることですので、例えばこちらが「説明会の開催もいかがですか」とお話ししたとしても、相手側が「社としては、現時点ではそういう決断はしない」と言われると、われわれとして次に何ができるか、法的には手段がないことになります。そこは探りながらということしかできないと思います。

 

(15)公害防止協定の中で環境コミュニケーションの推進という項目があるが、現時点のやりとりで十分だと思うか

住民の方々のご理解や納得がなされていない状況では、必ずしも十分とは言えないと思います。ただ、そこでわれわれがもう一歩踏み出せる決定的な手段を法的に持っているかというと、そうではないわけです。コミュニケーションの中で、どこまでできるのかを探りつつ、県とご一緒にやっていくしかないだろうと思います。

 

(16)山本環境大臣が事業者側の姿勢に対し憤慨している、猛省を促したいと発言しているが、市長の見解を伺う

国は最終的な事業認可者です。大臣のご発言により国としてどういう形で事業者との交渉に立ちうるのか国にお聞きしたいですし、あらためて大臣がそうおっしゃったことについて、われわれではできないことが国としてならできるのかを、環境省の事務方に確認してみたいと思います。

 

(17)市は開発許可など事業者への許可権限を持つと思うが、行政指導などの対応は考えられないのか

開発許可は市の権限ですが、現時点で話が出ている説明会を開くかどうかということに関しては、開発許可とは別のテリトリーの話になると思います。この話に対し直接対応できる環境に関する法的な権限は、残念ながら市にはないと思います。

 

(18)今回、環境アセスメントなしで進められているが、そのことで環境に与える影響をどのように考えるか

環境アセスメントは大規模な事業が行われる際に、環境にどういう影響があって、それをどう防ぐかを考えるために、一定規模以上の事業の環境影響を評価することです。例えば何もなかった原野に人が住む、街や道路ができるということは、自然に対する何らかの変化を生むという意味で、その変化のほとんどは環境面では悪だろうと思います。ただ、そうすると人間的な生活は非常に難しくなりますので、ある一定規模以上の事業に対して、アセスメントをかけていくのが環境分野の考え方の流れだと思います。

発電所についても、規模の大きいものからアセスメントの対象になってきていますが、今回の場合は、着工時点ではアセスメントの対象となる規模以下でした。もちろん発電所ができれば、できる前に比べて何らかの外的な課題のある状況を生み出します。ただ、法制度というものは一定の線で切る以外に整理がしにくいので、アセスメント対象施設とアセスメント対象外の施設を作らざるを得ません。どこかで線を引かざるを得ないということです。今回の発電所については、市の条例を改正し、アセスメントの対象となるように線を引いたものの、条例が施行される直前に着工されたため、いわゆる法規制前の駆け込みとかすり抜けではないかというお気持ちが、あるいは住民の方にあるかと思いますが、われわれも条例に則って進めなければなりませんので、条例が施行される前に着工されているものを現在の条例で規制することはできません。そこは話し合いによるしかないというスタンスで、いろいろとやりとりをさせていただいてきたということです。

 

(19)事業者の姿勢は市が現在設けている環境アセスメント制度の意図に反していると思うがいかがか

そのように受け止めていらっしゃる方もたくさんいるし、そういうふうに見られかねない要素もあるとは思います。ただ、「かねない」という表現で言わざるを得ないものについて、法や条例に定めることと同じことを相手に求めるのは、法の制度上できないと思います。

 

(20)法に定める通りにするべきということを求めているわけではないが

ですから、われわれとしては事業者にその状況をお話しして、理解いただけるようにお願いをしつつ進める立場で、なるべく力を尽くそうとしている状況です。

 

(21)何らか事業者への働きかけは考えるということか

力が及ぶほどの法的な根拠は持っていないと思いますが、われわれは、このことから手を引くという話をしているわけではありません。

 

(22)東西線沿線まちづくりや待機児童解消などさまざまな課題がある中で、来年夏の市長選に対する現状での市長の意向を伺う

現時点で私の考えていることは、地下鉄東西線の乗客増に向けてのさまざま努力や、この間も努めてきましたが待機児童の解消、残念ながら来年4月でも難しかろうと思っていますので、そうしたことなどについて、一日一日しっかりと努力しながら一歩でも二歩でも前へ進めるように、私の責務として頑張りたいということです。次期については、現時点ではまったく白紙です。

 

(23)復興も道半ばであり市長選を考える時期ではないということか

二期目に立つときに市民の皆さまにお約束したこと一つ一つを、できていないものはさらに近づけるように、また復興は蒲生やかさ上げ道路など、まだまだ時間のかかるものも抱える中で、しっかりと財源を確保して先の見通しをつけていきたいということで、一日一日を頑張りたいと思います。

 

(24)市長選への出馬の判断はいつ頃までに行うのか

いつというものが明示的にあるわけではなくて、前回の時も私自身の気持ちとしてある日区切りがくる、「この日かな」という感じです。例えば30日前とか、明示的に申し上げられるものではないと思います。

 

(25)南蒲生浄化センター改修費の負担について年内に結論を出すとのことだったが、どのように解決を図っていくのか

基本的には、下水道事業団で費用を負担いただきたいとお伝えしてあり、私も建設局もこれを変える状況にあるとは思っていません。下水道事業団でお支払いいただくことを基本に交渉を進めていると思います。私も年内に結論を出したいと思っていましたし、皆さんにもそのようにお伝えしたと思いますが、もう少し時間をもらいたいと建設局長から聞いています。

実際に下水道事業団にご負担いただくにしても、お互いの確認があやふやになることもありますから、最終的に沈下が収まる経過観察期間も含めた一定の覚書を締結しなければならないと思います。私としては、その文言などの調整に時間が必要になっているのかと思っています。下水道事業団にご負担いただくことについて何か課題があるから、そうでない交渉をしていいかという話は、担当課からはきていません。私としては、下水道事業団にご負担いただくという線を基本に交渉を進めていると承知しています。

 

(26)解決策として市が費用の一部を負担することはあるのか

そういう話は聞いていません。基本は下水道事業団にお支払いいただくということで交渉すると思っています。

 

 

仙台市長 奥山 恵美子