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更新日:2020年8月6日

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新型コロナウイルス感染症対応検証結果報告書を取りまとめました(質疑応答)

令和2年8月5日

質疑応答の内容

Q1

検証結果をまとめられましたが、全体を総括して市の対応はどうだったというふうに市長はお考えでしょうか。

A1

今回、有識者の方々にもご意見を頂戴いたしました。1月末から6月末までの間、初めての経験で右往左往したところもございましたけれども、一定程度抑え込むことができたとの評価もいただいたところです。しかし本市としては、今も申し上げましたけれども初めての経験で、非常に弱い部分というのも見えてまいりましたし、人員体制をどのように確保していくのか、あるいはまた市民の皆さま方が安心して安全に暮らしていただくためのPCR検査体制の充実も含めてですけれども、この間対応してきたところです。
今、新たな状況下にあるわけですけれども、今回まとめたこの検証結果が生きてくると、このように思っております。

 

Q2

検証項目が非常に多岐にわたってなかなか難しいかと思うのですけれども、市長として、先ほど弱い部分も見えたということもおっしゃいましたけれども、どういうところが一番の反省点だったというふうにお考えでしょうか。

A2

これは全国、多分同じだったろうと思います。保健所体制、保健所支所の体制も含めてですけれども、厳しい状況が続いて、ここについてはやはりいろいろな形で人員を異動したり、専門職でなくても大丈夫なところは一般事務職にも(業務を)振り分けるなどもやってきたところですけれども、ここが課題であるというふうに思っております。
またこの間は、一方で医療機関との連携等々もうまく進んだところはあったというふうにも評価をしているところもございます。

 

Q3

今後の検証結果の生かし方なのですけれども、まだ完全に全て読み込んでいるわけではないのですけれども、今後の対応に生かすという部分ですね。もう少し詳しくというか、この検証、事実を検証したわけですけれども、今の状況に対してはどういうふうに生かしていくのかというのをもう少し詳しく教えていただけますでしょうか。

A3

実際に先ほど申し上げましたとおり、保健所支所のマンパワー不足が明らかになったわけです。そこで今般、予算措置も取りましたけれども、負担軽減策の一つとして、帰国者・接触者外来で採取した(新型コロナウイルス感染症)疑い患者の方の検体というのを衛生研究所へ搬送する業務ですけれども、これを外部に委託するということの経費も計上いたしました。それからまた大きな負担が生じている帰国者・接触者外来である医療機関の体制、これをしっかりと守っていくということが市民の皆さま方の命を守っていくことに直結するわけですから、ここについても応援をしていく、これも予算を付けさせていただいたところでございます。こういったように、感染の状況ですとか経済状況を踏まえながら、今私、経済の支援策は申し上げませんでしたけれども、両方を回していく上で必要なことというのを、この検証結果、また新型コロナウイルス感染症緊急対策プランの考え方に基づいてこれからも適宜適切に対応していきたいというふうに考えております。

 

Q4

今回のこの報告書というのはホームページに公開するなど市民の方に公開されるおつもりはありますでしょうか。

A4

今日ここでまとめましたということを記者発表させていただきました。実は有識者の方々の総括の中にも、いろいろと市民の皆さま方にも情報発信についてセミナーを開催したらどうだというような、そういうご意見も入っております。ホームページ上で全部これを掲載することにはなるかと思うのですが、何分、本編これだけの分量です。読み込んでいただくのは相当時間がかかるやもしれませんので、そういう意味では少し分かりやすく何かしら見ていただけるような方策を取るかしら。

(危機管理課長)

報告書につきましてはホームページ等で広く公開していきたいと思いますし、できるだけ分かりやすくご紹介するような工夫もしてまいりたいと思っております。

 

Q5

このたび6月下旬あたりからまた感染者が増え始めて、クラスターも複数確認されて、まさに第1波での反省というのを今生かしていくべきときなのかなと思うのですけれども、市長として今この感染者が市内で増えている状況は、こういった報告書、検証結果をどう生かしていきたいとお考えでしょうか。

A5

先ほども申し上げましたけれども、検体の搬送に保健所支所の職員がこれまで当たってきたところを外部委託するということによって、さらに調査が進んでいく余裕も生まれるというふうに思っておりますし、あるいはまた今回、発熱外来についてさまざまなご議論もございましたけれども、医師会のご協力を得てそういう体制も構築することができました。そして今回のクラスターの発生につきましては、これも封じ込めに向けて全力を尽くしているところでございます。そういう意味におきましては、やはりこれまで重ねてきた検証結果というものがまさに生きているのだと思います。しかしまた新たな局面でどのような課題が出てくるのかということは、今先を見通せない状況の中で申し上げるのは現実難しいものですから、その折々にやはり検証していって次につなげていくということが必要になってくるのだというふうに思います。

 

Q6

今回の検証結果で、要は市の体制というところにおいてはいろいろ検証されているというふうにこれを拝見して思ったのですけれども、新型コロナウイルスの感染拡大の実態についての解明というのはこの報告書をちょっと見た段階では盛り込まれていないのかなと思うのですけれども、そこに関してというのはより深く検証されるということはないのですか。

A6

今、国の機関も含めてですけれどもさまざまな研究が進んでいるところだというふうに認識をしております。そしてまたいろいろと新しい知見も積み重なっているところでありますけれども、感染の広がり具合がどういう経路でどのように広がったのかということについての詳しい検証というところまでは、おっしゃるとおり必ずしも全てできているかというと、まだ不十分なところもあるのだろうと思います。それはやはり行政としてできる部分と医療のいろいろな状況というのも複合的に見ていかないと、なかなか本市だけでそれを決定していくということは難しいのではないかと私は思っておりますけれども。

(保健所参事)

私どもの保健所としましては、基本的には感染の拡大防止をいかに図るかという視点ですので、そのためのいわゆる感染源の推定ですとか感染経路といった調べはしますけれども、それをより詳しく拡大の実態がどうであったかとか、そういったところにつきましては、やはりより専門的な機関がございますので、そちらはそういったところにお任せをするのだろうというふうに考えております。

 

Q7

感染拡大の状況、例えばどういう年代がどういう行動をして、こういう行動をすると非常に感染の拡大のリスクがあるという、そこを深く検証することによって、それを示していくことで注意喚起にもつながるのかなと思うのですね。それは要はその専門機関ですか、そこに例えば依頼したりして、今後仙台市としての感染拡大についてはその検証をお願いするということですか、今のお話は。

A7

(保健所参事)

われわれの調査の中でそういった教訓が出てくれば、当然のことながら今後の公表におきましてはそういう感染拡大の状況などを公表するということにしておりますけれども、なかなかこれをやったらまずいのだよとか危ないのだよといったところを、私どもの立場で特に一般化して決めるというのは非常に難しいというふうに考えております。実態としてこのような状況があってこういうことになりましたというご報告はできるのですが、それが本当に原因であったのか、もしくは他の条件があった同じような場所で全く同じようなことが起こるのかといったようなところまで、やはり研究できるほどの専門性はさすがに有しておりませんので、そこら辺につきましてはやはり、国なり専門家の方々にお任せをして、その知見を紹介していくということはあるとは思うのですけれども。私どもとすれば、自分たちでできた範囲の中で状況を客観的にお知らせをして注意喚起をするということはやっていきたいと思いますが、それを専門分析してこういった傾向でこうだと危ないといったところは、やはりそれなりの専門のところに任せたいというふうには考えております。

 

Q8

今の保健所のご説明を聞くと、第1波、65例あったかと思うのですけれども、65例から得られた教訓、市民に情報提供すべき教訓みたいなものはないということなのかなと思うのですけれども、65例あってもなかなかそれは数が少ないと難しいということですか。

A8

今回この検証結果をまとめたのは、次の大きな波が来たときにどのように対応していくべきなのか、行政としての考え方、方向性というものを示している、前にまとめました新型コロナウイルス感染症のプランがございますけれども、それに生かしていくものです。つまり本市としてはどういう方向性を持って、どういう基本方針でどういうふうに対応していくのかということについて結び付けていくというものでございます。
今どういう知見が得られたのか、全くなかったのかというふうなご質問であれば、それは必ずしもそうではなかったと思います。それこそ国がお話しになっている基本的な感染予防対策、これについてなかなか対応できていなかったところで発生をしているのは間違いないわけです。ですから、このことはしっかり対応していっていただきたいということを市民の皆さんたちには発信をするわけですし、そして今般うまくなかなか回らなかったところについていろいろと対策を立てて次につなげていきますよということをまとめさせていただいた報告書でございます。

 

Q9

先ほどの保健所の説明で、もちろん疫学調査的な非常に専門性の高い分析というのは行政の立場では難しいというのはあるのですが、図らずも保健所の方がおっしゃっていましたように、できる範囲での分析はあると思うのですが、ちょっとぱらぱらと見ただけで申し訳ないのですが、(報告書に)入っているのは65例の一覧表だけであって、そこから見えてくる年代的な傾向だとか、3カ所クラスターがあったわけで、個別の事案を詳細には述べられなくても、その3カ所のクラスターから共通して見えること、見えてきたこととか、感染者の発表段階では分からなかったけれども、その後の追跡、分析で見えてきたことあるいは市民に教訓としてこういうことが起こり得るということ、そこについての言及がちょっと少ないように思えて、この検証結果に入れるべきかどうかは別としても、もしそういう分析をされているのであれば公表すべきだと思いますし、されていないのであればなぜされていないのか、どういうところに限界があるのか、その辺をちょっと教えてください。

A9

これは今おっしゃられたことというのは重要な視点の一つであるというふうには思います。市民の皆さま方に安全に過ごしていただくための情報ということをなぜまとめないのかということであれば、そういう意味においてはとても大事な指摘だと思います。ただ、1件1件、これは6月末までの段階でまとめさせていただきましたが、当時のクラスターについても状況というのはいろいろでございました。その一つ一つの事例からそれを的確に示しているかといいますと、申し訳ないですがそこのところについては、そのような形での取りまとめというふうにはなってございません。それはそのとおりです。しかし今いただいたお話というのは、私自身も市民の皆さま方が安心していただける検証結果にしていくということにおいて、ちょっと今の視点は少し引き取らせていただいて、今後につなげていくためにも引き取らせていただきたいと思います。この間行政としてどうであったのか、どう対応してきたのかということについて検証したというふうにお取りいただけるとありがたく思います。

 

Q10

検査のところなのですけれども、詳しく読み込めばもしかしたら書いてあったらちょっと申し訳ないのですけれども、ここ最近、唾液の検査とかさまざま出てきていると思うのですけれども、それらを踏まえてこれまでの予算措置でやってきた分も含めて、秋冬に向けてどのぐらいの検査体制になって、どんな検査の種類でどれぐらいの検体数、1日のマックスになるのかというのは、今の段階で言えることはあるでしょうか。

A10

(保健所参事)

こちらについては非常に不確定要素が大きいというふうには考えております。一つは流行の状況がどうなるのかというのもございますし、それからお話もありましたように、抗原検査もしくは唾液による検査というものができるようになってまいりまして、春先に比べて非常に、春先はほとんど一部の医療機関でしか検査ができないような状況だったのですけれども、より広がる可能性はございます。仙台市としての行政検査としては、衛生研究所の方について引き続き検査能力の拡充を図ってまいるということにしておりますけれども、他でも例えば医療機関でも国の補助などを利用して検査機器の導入が進んでおります。そちらでの検査、これも現状6月、7月と、医療機関で500件以上の検査がなされているという状況もございます。そちらも増えてまいりますし、あと民間の検査機関で引き受けられる件数もかなり多くなってきているという状況もございます。そういったところを、県でも調整会議を持っておりますけれども、そういったところで役割分担といいましょうか、地域全体で必要な数を確保できるように私どもとしては調整をしていきたいというふうに考えているところです。