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仙台市トップ仙台NEW/Sendai City Promotion Magazine第11号[2007.10]>世界への登竜門 仙台国際音楽コンクール

仙台NEW/Culture & Sports

世界への登竜門 仙台国際音楽コンクール

 今年で3回目を迎えた仙台国際音楽コンクールは、伊達政宗が仙台の地で町づくりに着手してから400年目にあたる2001年に、仙台開府四百年を記念して創設された。2回目を終えた翌年の2005年5月には、ショパン国際ピアノコンクール、ジュネーブ国際音楽コンクールなど世界中の著名な音楽コンクールが加盟している国際音楽コンクール世界連盟(World Federation of International Music Competitions)に加盟し、早くも世界的な音楽コンクールへの仲間入りを果たしている。これは、厳正かつ公正な審査と信頼性の高い運営が認められたといえる。

 ヴァイオリン部門とピアノ部門から構成されるこのコンクールは、コンチェルト(協奏曲)を課題曲の中心に据えるという稀な特色を持ち、予選では弦楽四重奏と共演、セミファイナルとファイナルでは高度な技量と経験が求められるオーケストラとの共演によって審査が行われる。

 大ホールで満員の聴衆を前にプロのオーケストラと共演することは簡単に経験できることではなく、若い音楽家たちにとってハードルの高いコンクールとなっている。チャレンジ精神旺盛な彼らが仙台の地で芽を出し、世界の舞台で魅惑の花を咲かせる日も近いに違いない。

若い才能が世界各地各地から322名オーディションは国で開催

写真/仙台青年文化センター大ホール
仙台青年文化センター大ホールには、世界から集まった若い音楽家 たちを応援する市民が連日詰め掛けた。

 第3回仙台国際音楽コンクールへの出場申込者数は、37の国と地域からヴァイオリン部門131名、ピアノ部門191名の計322名。前回の31の国と地域、310名を上回った。

 国別では日本人が127名、ついで中国人30名、ロシア人27名、アメリカ人が24名で、前回と比べるとロシア人(16名増)、アメリカ人(13名増)の増加が目立った。

 この申込者から提出された録音による予備審査の結果、ヴァイオリン100名、ピアノ113名がオーディション参加資格を獲得。

 オーディションは、2006年11月末から翌年1月にかけて、オーストリア(ウィーン国立音楽演劇大学)、フランス(パリ国立高等音楽院)、ロシア(モスクワ音楽院)、中国(上海音楽学院)、日本(仙台市青年文化センター)、アメリカ(ジュリアード音楽院)の6カ国で開催された。

 この中から、ヴァイオリン部門44名、ピアノ部門42名が選ばれて、仙台で開催する予選に進んだ。

仙台から羽ばたく才能、入賞者たちのその後の活躍

 このコンクール出場者のレベルの高さを示すように、これまでの出場者たちはその後、さまざまな舞台で活躍している。

 例えば、第1回コンクールヴァイオリン部門第1位のスヴェトゥリン・ルセヴさんは、フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団のソロコンサートマスターに就任。

 同じく、ピアノ部門第1位のジュゼッペ・アンダローロさんは、2005年9月にボルツァーノ(イタリア)で開催された第55回フェルッチョ・ブゾーニ国際ピアノコンクールで第1位となり、仙台、2002年ロンドン国際ピアノコンクールに続いての栄冠を獲得し、世界から注目が集まっている。

 第2回コンクールピアノ部門第1位のタン・シヤオタンさんは、2005年12月にパリで開催された第9回アニマート大賞ランコントル国際ピアノコンクールで第1位を受賞。

 同じ第2回コンクールピアノ部門第2位の高田匡隆さんは2006年3月にアテネで開催されたマリア・カラス大賞で最高位(1位無し2位)を受賞した。

 また、第2回コンクールヴァイオリン部門第1位の松山冴花さんは、仙台フィルハーモニー管弦楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、名古屋フィルハーモニー管弦楽団との共演など、各地で大活躍している。

もう一方の主役仙台フィルハーモニー


●仙台フィルハーモニー管弦楽団ウェブサイト
http://www.sendaiphil.jp/

 コンチェルトは、独奏者の演奏にオーケストラが伴奏するだけでなく、独奏とオーケストラが互いの演奏を聴き合いながら曲を作り上げていく「協奏」的性格があり、アンサンブルの美しさと独奏者の技巧の素晴らしさを共に楽しむことのできる作品。

 このため、演奏者は高い技術と音楽性、優れた創造力など、総合的な演奏能力を問われるが、同時に、伴奏を受け持つオーケストラの技量も演奏全体に多大な影響を与える。

 セミファイナルとファイナル、ガラコンサートなどで伴奏を務めるオーケストラは、両部門合わせて30以上のステージで高水準を保ちながら伴奏するという極めてハードな仕事をしなければならない。

 2001年の第1回コンクールからその大役を担ってきた仙台フィルハーモニー管弦楽団は、1973年に“地元にオーケストラを”との要望に音楽人が結集して誕生した「宮城フィルハーモニー管弦楽団」(1983年4月から音楽総監督・故芥川也寸志氏)が前身。

 その後、1989年の仙台市の政令指定都市移行を機に、「仙台フィルハーモニー管弦楽団」と改称し、音楽監督に作曲家・指揮者として世界的に知られている外山雄三氏が就任した。

 2006年4月からは、新しい“仙台フィル・サウンド”の創造を目指し、常任指揮者にパスカル・ヴェロ氏(ピカルディ管弦楽団音楽監督、東京フィルハーモニー交響楽団首席客演指揮者)、首席客演指揮者に小泉和裕氏、指揮者に山下一史氏(ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団常任指揮者)が就任した。

 第3回仙台国際音楽コンクールでは、ファイナルとガラコンサートではパスカル・ヴェロ氏、セミファイナルは山下一史氏が指揮を務めた。

市民の温かいホスピタリティ街角や学校に広がる協奏の輪

写真/ホームステイ先の家族
このコンクールでは、市民との触れ合いを大切にしている。 ホームステイ先の家族の温かい応援に出場者も大喜びだった。

 このコンクールを特徴づける陰の立役者は何と言っても市民ボランティアである。

 ボランティアは、会場運営サポート、広報宣伝サポート、出場者サポート、ホームステイ受入れの4つの部門から構成されており、受付、場内案内、ニュース発行、出場者の語学サポート、コンクール出場を終了した出場者のホームステイ受入れなどを担っている。

 各ボランティアは、世界中から集まる出場者が安心してコンクールに集中できるように開催数カ月前から勉強会を行い準備をするなど、そのホスピタリティの素晴らしさに出場者たちから感動の声が寄せられている。

写真/チャレンジャーズ・ライブ

 また、コンクール期間中には、惜しくも次の審査段階に進めなかった出場者のうち、 コンサートの趣旨に賛同した有志が出演する「チャレンジャーズ・ライヴ」も開催され、仕事帰りの街行く市民が優れた演奏を気軽に楽しんだ。

 さらに、コンクール出場者たちは、市内の小学校数カ所で学校訪問ミニコンサートを行い、子どもたちと音楽の交歓を楽しむなど、市民との幅広い交流を満喫した。

第3回 仙台国際音楽コンクール◆開催概要
The 3rd Sendai International Music Competition
会場:仙台市青年文化センター(仙台市青葉区旭ケ丘)
組織委員会会長  梅原 克彦(仙台市長)
運営委員会委員長 海老澤 敏(新国立劇場オペラ研修所所長)

全体スケジュール

2005年
2006年
 

8月
9月下旬−10月上旬
11月下旬−2007年1月上旬

出場申込開始
予備審査

 

オーディション

−ウィーン国立音楽演劇大学(オーストリア)
−パリ国立高等音楽院(フランス)
−モスクワ音楽院(ロシア)
−上海音楽学院(中国)
−仙台市青年文化センター(日本)
−ジュリアード音楽院(アメリカ)

●ヴァイオリン部門

2007年

5月18日
5月20日−22日
5月26日−28日
6月 1日− 2日
6月 2日
6月 3日

出場登録
予選(出場実人数:40名)
セミファイナル(出場人数:12名)
ファイナル(出場人数:6名)
表彰式
入賞者記念ガラコンサート

●ピアノ部門
2007年

6月 8日
6月10日−12日
6月16日−18日
6月22日−23日
6月23日
6月24日

出場登録
予選(出場実人数:37名)
セミファイナル(出場人数:11名)
ファイナル(出場人数:6名)
表彰式
入賞者記念ガラコンサート

審査委員

●ヴァイオリン部門(全11名)

 

審査委員長

宗 倫匡 日本

 

審査副委員長

岡山 潔 日本
ジェラール・プーレ フランス

 

審査委員

ダニエル・ゲーデ ドイツ
堀米 ゆず子 日本
ルイス・カプラン アメリカ
金 南潤(キム・ナムユン) 韓国
コンスタンティ・クルカ ポーランド
ヴィクトル・ピカイゼン ロシア
アルヴェ・テレフセン ノルウェー
兪 麗拿(ユー・リナ) 中国

●ピアノ部門(全11名)

 

審査委員長

野島 稔 日本

 

審査副委員長

植田 克己 日本
ペーター・レーゼル ドイツ

 

審査委員

ヴィレム・ブロンズ オランダ
金 大鎮(キム・デジン) 韓国
小山 実稚恵 日本
ドミニク・メルレ フランス
セシル・ウセー フランス
エリソ・ヴィルサラーゼ ロシア
オクサナ・ヤブロンスカヤ アメリカ
周 广仁(チョウ・グォアンレン) 中国

出場資格/1979年1月1日以降に出生した者

入賞者

●ヴァイオリン部門

順位

   

1位

アリョーナ・バーエワ ロシア

賞金300万円 金メダル ディプロマ

2位

エリン・キーフ アメリカ

賞金200万円 銀メダル ディプロマ

3位

シン・アラー 韓国

賞金100万円 銅メダル ディプロマ

4位

アンドレイ・バラーノフ ロシア

賞金 80万円 ディプロマ

5位

千葉清加 日本

賞金 70万円 ディプロマ

6位

長尾春花 日本

賞金 60万円 ディプロマ

聴衆賞

セミファイナル

第1日(5/26)

長尾 春花 日本

セミファイナル

第2日(5/27)

アリョーナ・バーエワ ロシア

セミファイナル

第3日(5/28)

エリン・キーフ アメリカ

※セミファイナル開催日ごとに聴衆による投票を行い、最も得票数が多かった演奏者にディプロマと賞金5万円

写真/ヴァイオリン部門第1位のアリョーナ・バーエワさん。
ヴァイオリン部門第1位のアリョーナ・バーエワさん。

写真/ピアノ部門第1位の津田裕也さん
ピアノ部門で初めて日本人として第1位を獲得した仙台市出身の津田裕也さん。この栄誉を称え仙台市は、「賛辞の楯」を贈った。

●ピアノ部門

順位

 

 

1位

津田裕也 日本

賞金300万円 金メダル ディプロマ

2位

ルー・イチュ 台湾

賞金200万円 銀メダル ディプロマ

3位

オクサナ・シェフチェンコ ロシア

賞金100万円 銅メダル ディプロマ

4位

イリヤ・オフチニコフ ロシア

賞金 80万円 ディプロマ

5位

リー・カリン・コリーン 中国

賞金 70万円 ディプロマ

6位

ヴャーチェスラフ・グリャーズノフ ロシア

賞金 60万円 ディプロマ

1位への副賞 駐日フランス大使賞 津田裕也 日本
※駐日フランス大使公邸における特別コンサートへの出演

聴衆賞

セミファイナル

第1日 (6/16)

アレクサンドル・オスミニン ロシア

セミファイナル

第2日 (6/17) オクサナ・シェフチェンコ ロシア

セミファイナル

第3日 (6/18) 津田 裕也 日本

セミファイナル開催日ごとに聴衆による投票を行い、最も得票数が多かった演奏者にディプロマと賞金5万円

◆仙台国際音楽コンクールウェブサイト:http://www.simc.jp/


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