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特集1

仙台市政だより 特集1

新春座談会 地下鉄東西線開業 新たなまちづくりのステージへ

写真:地下鉄東西線開業 新たなまちづくりのステージへ
 地下鉄東西線沿線でまちづくりに取り組んでこられた皆さんをゲストにお迎えし、これまでの活動や今後の沿線まちづくりについて、奥山市長と語り合っていただきました。
写真:福屋粧子さん

福屋粧子さん
東北工業大学工学部建築学科准教授/建築家/八木山地区まちづくり研究会顧問

市長 本日はお越しいただき、ありがとうございます。12月6日に、待望の地下鉄東西線が開業しました。始めに自己紹介と、皆さんがどのように東西線沿線のまちづくりに関わっていらっしゃるのか教えてください。
庄子 荒井東土地区画整理組合の理事長の庄子です。地下鉄の東の起点として荒井駅が整備されるということで、平成22年に土地区画整理組合を設立しました。その後、企業の方や学識経験者の皆さんとともに「荒井東まちづくり協議会」を設立し、その会長も務めさせていただいています。

福屋 東北工業大学工学部で建築学を教えております。平成22年に東京から仙台に移ってきて以来、研究室の学生とともに、「八木山地区まちづくり研究会」の活動に参加しています。研究室は眺めが良いところにあり、遠く海まで見渡せます。東西線の開業で、海から山まで全部つながったんだなと、感動しております。
市長 八木山地区では、八木山動物公園と八木山ベニーランド、東北工業大学が連携して、イベントなどを開催していますね。

写真:神田兵庫さん

神田兵庫さん
東北大学理学部(環境地理学)3年/東北大学都市まちづくり研究会代表

山下 私は、サンモール一番町商店街にある再開発ビル「シリウス・一番町」の代表をしています。平成21年に一番町二丁目四番地区市街地再開発準備組合を立ち上げ、事業を進めてきました。途中、東日本大震災が発生し、資機材の調達など大変な時期もありましたが、地権者の皆さんの協力もあり、平成26年に完成させることができました。
市長 シリウス・一番町の場所には以前、ボンボン会館という建物があり、地下に銭湯がありましたね。学生時代、この銭湯にはよく通っていました(笑)。
神田 私は東北大学の理学部で環境地理学を勉強しています。仙台に来たのは大学入学時なので、仙台に住んで2年半になります。大学では都市まちづくり研究会というサークルに所属し、「若林区東西線沿線魅力発信事業」などのまちづくり活動に参加しています。
市長 神田さんは地理学がご専攻で、名字もお名前も地名なのですね(笑)。
神田 歴史上の人物が由来のようなのですが、子供の頃から地図を見ることや歩き回ることが好きで、自分でも良い名前を付けてもらったなと思います。

それぞれの思いで、開業を心待ちに

写真:一番町商店街

東西線開業を祝い、一番町商店街で行われたオープニングイベントは、多くの人でにぎわいました

市長 地下鉄東西線の開業により、山や海、街中など多様な地域がつながりました。皆さんはそれぞれ、こんなまちにしたいなど、さまざまな思いで取り組んで来られたと思います。これまでの活動についてお話しいただければと思います。
庄子 荒井は海が近く、また、大消費地・仙台の食の生産地でもあります。今回の震災で壊滅的な被害を受けましたが、今後は6次産業化等により、この地の農業をさらに振興させたいと思っています。荒井は平坦な土地ですので、自転車で15分くらい走れば海辺に行くことができます。地下鉄を利用して多くの人たちに来ていただけるよう、周辺地域も含めたまちづくりを進めていこうと考えています。
市長 土地区画整理事業は、非常に時間がかかるものですよね。私たちが大変ありがたく思っているのは、被災された方々がいち早く、土地区画整理地内の土地に移り住むことができたということです。
庄子 事業開始から約1年後に震災に見舞われました。当初、駅前周辺の商業地から事業を進めていく予定でしたが、被災者の方々に一日も早く土地を提供しようということで、計画を変更しました。微力ながら、復興に協力できたかなと感じております。
市長 震災は大変な打撃でしたが、移転先が地下鉄も整備され便利になる土地ということで、被災された方々にも希望を持っていただけたのではないかと思います。

写真:山下晴也さん

山下晴也さん
仙台一番町駅ビル(株)代表取締役/旧・一番町二丁目四番地区市街地再開発組合理事長

福屋 八木山地区まちづくり研究会の中で、駅前広場やパーク&(アンド)ライド駐車場の屋上広場の活用方法等について、地元の若手団体と一緒にアイデアを出し合ってきました。学生の提案が採用されることもあれば、全然ダメなこともあるんですね。「これはいらないよ」などと言われると学生はショックを受けるのですが、大学で授業を受けているだけでは学べないような実社会との接点を持つことができ、また、自分が学んでいることがどのように世の中の役に立つのかについて実感が持てたので、学生にとって非常に良い経験だったと感じています。
市長 八木山地区は仙台でも代表的な住宅地ですが、高齢者の比率が高い団地です。地下鉄開業を契機に地域を活性化しようというときに、若い学生さんがいて、さまざまなアイデアが出てくるというのは良いことですね。
山下 私は一番町に東西線の駅ができると聞いて、まず「人が来る」ということが頭をよぎりました。市電が走っていた時代は、一番町にお客さんをたくさん運んで来てくれました。当時はまちににぎわいがあり、お客さんにも一番町で買い物するというステータスがあったと思います。その後、郊外の店舗が台頭してきたこともあり、徐々に一番町に活気がなくなっていきました。そのような中で東西線ができるということは、本当に大きなチャンスです。すぐに結果は出ないと思いますが、10年後には相当変わるのではないかと思っており、それが今一番楽しみですね。
市長 南北線開業時の状況を振り返ってみると、当時は沿線の土地も空いていたんですよね。開業から10年が経過した頃には徐々にまちが広がり、立体化・高度化していっていることがわかります。基幹交通というのは、1日2日の効果ではなく、時間をかけてじっくりとまちを底上げしていく力があるのだと思います。
神田 若林区の事業で、薬師堂や卸町など、機会がないとなかなか訪れない地域を歩くことができました。仙台の中心部は空襲で焼失した後にまちが整備されており、それが現在の美しい景観になっていると思うのですが、若林区には若林城下の細い路地などが残っていて、そこが若林の良さだと思います。若者にとっては、まちを知ることがまちづくりの第一歩。まちを歩いて雰囲気を地肌で感じることを一番大切にしています。

写真:市長

市長 若林区は産業系の施設が多い地域なので、観光で行く場所としてはあまり認識されていなかったのかもしれません。毎日暮らしている市民でも知らなかった場所を、身近な散策場所として再発見してくれたのが若林区の魅力発信事業で作成した「若林ウオーカー」の地図だったと思います。若い学生の皆さんには、仙台で暮らす間に地下鉄にたくさん乗って、楽しいまちだと思っていただけるとうれしいですね。
神田 仙台は市外から来る学生が多いと思いますが、地下鉄ができることで、例えば「薬師堂駅はどんな所なのか行ってみよう」など、まち歩きのきっかけになると思います。
市長 そうですね。神田さんの通う理学部は、青葉山の高いところにありますので、特に冬場など、バイクや自転車での通学は危ないと思っていました。通学にもぜひ、地下鉄を利用していただければと思います。

夢が膨らむ―今後の仙台のまちづくり

写真:荒井車両基地

15編成60両の東西線車両の点検などが行われている荒井車両基地

市長 今後、どのようなまちにしたいかお聞かせください。まず荒井についてですが、商業施設や公共施設の整備も見えてきました。いよいよまちづくりが本格的に動き出すので、楽しみですね。
庄子 おかげさまで区画整理は順調に進んでいます。駅の近くには、勾当台公園と同規模の約2千坪の公園が整備される予定ですので、住民の方々からもイベント開催の要望がたくさん出ています。また、駅前広場でマルシェなどを開催したいと思っておりますし、タウンマネジメントによる計画的なまちづくりにも挑戦したいと考えています。震災の津波で大きな被害を受けた地域だからこそ、次に災害が起きた場合にも的確な対応ができるようなまちを目指していきます。
市長 沿岸部では海岸公園の再整備が進んでいます。自然との触れ合いや、この地域の特徴である農業の力を生かした取り組みが進められればよいですね。4月には駅舎内に認可保育所も開設します。住民の皆さんや農家の方などが長い間育ててきた芽が、今度の春に一斉に花開くのではないかと期待しています。

写真:八木山てっぺんひろば

「八木山てっぺんひろば」という愛称が決まった屋上広場。1番列車で到着した乗客の皆さんに、甘酒などが振る舞われました

福屋 八木山でも、以前から駐車場の屋上広場でマルシェをやりたいという話がありました。また、小学校の遠足で屋上広場に来てもらい、「日本一標高の高い地下鉄駅」の認定を受けたことを説明しながら、海から山につながる仙台の地形について説明できるといいね、という案も出ています。さらに、まちづくり研究会の別の部会では、地域の方や地下鉄で来た方の散策ルートについても検討しています。私の研究室では、駅周辺の空き家を活用した学生用居住スペースの検討も始めています。

市長 関東などでは、4LDKの部屋で、台所などを共有しながら居住するシェアハウスという形態もありますよね。
福屋 欧米では一般的です。日本ではワンルームマンションが多いので、その一部を改築して共用スペースを作り、学生がコミュニケーションを取りながら居住できないかと検討しています。
山下 東西線を契機に、市中心部にも多くのマンションが建設されました。一番町周辺でも、夕方になると、住民の方が犬を連れて散歩をする光景などを目にします。まちづくりにとって、人が集まるというのはとても重要です。商店街と住民の皆さんで協力し合いながら、新しい一番町の形を作っていきたいと思っています。

写真:庄子秀夫さん

庄子秀夫さん
仙台市荒井東土地区画整理組合理事長/荒井東まちづくり協議会会長

市長 神田さんにお聞きしますが、後輩の学生たちに、充実した大学生活を送るためのアドバイスなどはありますか。

神田 とにかくいろいろ歩いて見てほしいと思います。同じ場所を歩いても、人によって、見えるものや感じることは全然違いますし、季節や天気が変わればさらに違って見えると思います。歩いた体験をお互いに話すことが、いろいろな角度からまちの魅力にスポットライトを当てることになり、新しい発見につながると思うんですよね。
市長 若林ウオーカーを見たとき、私も「ここにケーキ屋さんがあるんだ」と新しい発見をしました。そのような情報は、小まめに歩かないと目に入らないですよね。
神田 お店の店員さんとお話しする中で、まちの姿が見えて来たというのもすごく面白い経験でした。

東西線でつながる「ひと」と「まち」

市長 最後に、東西線を活用した今後の夢などがありましたら、お聞かせください。
山下 今回、一番町に地下鉄の駅ができました。一番町の商店主として、仙台の皆さんに恩返ししていけるようがんばりたいと思います。
神田 これまで若林区を中心に活動してきましたが、今後は区を越えたまちづくり活動ができればと思っています。例えば、南北線の泉中央駅と東西線の八木山動物公園駅を、終点同士ということで「姉妹駅」にしたら面白いと思います。そのような形で、地下鉄沿線全体で交流が深められれば楽しそうですね。また、泉中央は富谷町とも近いので、市外の人を呼び込むような活動もできたらいいと思います。
福屋 東日本大震災を経験し、まちづくりに対する考え方が少しずつ変わってきたと思います。まちというのは、人のつながりでできているということを改めて感じました。本日のように、沿線の方が顔を合わせる機会が増えていくと面白いですね。人に会いにその場所を訪れるという、人とのネットワークを通じたまちづくりができればよいと思います。
庄子 いろいろな話が出ましたが、各地区の魅力や特性を生かした地域づくりをして、東西・南北を結ぶ地下鉄でお互いに行き来し、仙台市が一つのまちとして発展していければよいと思います。
市長 本日はありがとうございました。今後も皆さんとともに、魅力ある仙台のまちづくりに取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いします。

写真:新春座談会参加者

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