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更新日:2020年3月4日

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火災から命を守るために‐煙のこわさ‐

煙の速さ

 火災では、炎から逃げることはもちろんですが、煙に巻きこまれないように注意することが大切です。炎が広がるスピードよりも煙が広がるスピードの方が速いのです。火災によって発生した煙は、その熱によって空気より軽くなり、まず上昇を始めます。そして、天井などにつきあたると今度は横方向に広がります。煙が広がるスピードは、垂直方向で毎秒約3~5mで、水平方向へは毎秒約0.5~1mといわれています。

 人が歩く速度を1分間に60~80mとすると秒速で1~1.3mとなり、これは煙が水平方向に広がるスピードとさほど変わりません。階段などの垂直方向では人が逃げる速度より煙が上昇するスピードの方が速いので、特に注意が必要になります。(消防防災博物館ホームページより引用)

 煙の速度 実験の模様 (階段の下から煙が発生した場合)

むふうじょうたいでじっけんかいしごびょうご けむりがうえにきましたじゅうびょうご けむりはかおふきんまでとうたつじゅうごびょうご まったくみえなくなりました

  無風状態で開始       5秒後          10秒後         15秒後

なぜ煙に巻かれるのでしょうか?

 広がった煙は、火元から遠ざかるにつれて温度が下がって煙は重くなり、徐々に下降して前が見えなくなります。火災の初期は白かった煙が黄色に変わり、最後には黒煙に変わります。黒煙になると、ほとんど見えなくなります。真っ暗な中で方向感覚を失うと、恐怖でパニックになりやすく、住み慣れた自分の家でも避難には時間がかかってしまいます。

一酸化炭素中毒の恐ろしさ

 煙には、一酸化炭素などの有毒ガスが含まれており、特に一酸化炭素は血液中のヘモグロビンと結合するため、体内に酸素が運ばれなくなってしまい呼吸困難になり、体の自由が効かなくなってしまいます。さらには、高温の煙を吸ってしまうと気道や肺などがやけどします。

 

空気中の一酸化炭素濃度割合による症状
空気中の一酸化炭素濃度(%) 症状
0.02 2~3時間で軽い頭痛がする
0.04 1~2時間で頭痛、吐き気がする
0.08 45分でめまい、けいれんを起こす
0.16 20分で頭痛、めまい、2時間で致死
0.32 5~10分で頭痛、30分で致死
0.64 5~15分で致死
1.28 1~3分で致死

(一般社団法人日本ガス石油機器工業会ホームページより引用)

 煙の速度 実験の模様 (階段の下から煙が発生した場合:非常口2m手前で撮影)

  実験の煙は、濃煙体験用の無臭・無害の煙を使用しております。

むふうじょうたいでじっけんけいしごびょうご けむりがあしもとまできましたじゅうびょうご からだがみえなくなりましたじゅうごびょうご からだがみえなくなりました

  無風状態で開始       5秒後          10秒後         15秒後

普段からの心構えが大事!

  1.  建物の誘導標識や誘導灯を確認し、非常口を確認しておくこと。
  2.  ホテルや旅館では、自分の部屋から非常口までの経路を部屋に入る前に確認すること。 
  3.  デパート、飲食店などでも、必ず非常口、避難経路を確認すること。
  4.  職場等に避難器具(救助袋・緩降機・避難はしご)がある場合は、普段からその設置場所とともに使用方法を確認し、実際に使用できるようにしておくこと。
  5.  廊下や出入り口、階段等には避難の妨げとなる物は置かないようにしておくこと。
  6.  万が一の場合を考え、避難方法について、家族や同僚などと話し合っておくこと。
  7.  消防訓練などの濃煙体験訓練を通して、煙の中での行動要領について体験しておくこと。
  8.  火災で亡くなる原因で最も多い「逃げ遅れ」を防ぎ、火災から命を守るために、火災の発生を感知し知らせる「住宅用火災警報器」の設置がすべての住宅に義務付けられています。住宅用火災警報器は、熱や煙を感知して、火災の発生を警報音や音声で知らせるものです。住宅内で火災が発生したことを早期に感知して住宅内の人に知らせることで、初期消火や避難など素早く行えるようにするものです。

 ゆうどうとうについて  じゅうけいきのてんけん 

      非常口を確認しましょう       住宅用火災警報器の設置・維持管理をしましょう     

 

火災を発見したとき!            

 火災を発見したら、すぐに大声で「火事だ!」と叫んで家族や他人に火災を知らせることが大事です。特に就寝中では家族に知らせ起こすことが大事です。消火が困難なほど火災が拡大したり、消火活動に自信がない方はすぐに避難を開始します。そして落ち着いて119番通報をするか他人にお願いします。

おおごえでしらせてください  めがほんはとおくまでこえがとどきます

       大声で知らせること!        メガホンは遠くまで知らせることができます

避難時に注意すべきこと!

  1.  避難経路がいくつかあるときは、どの経路が最も安全か落ち着いて判断すること。
  2.  エレベーターがあっても絶対に使用しない。
  3.  通路誘導灯、避難口誘導灯は停電時も点灯します。落ち着いて避難経路を確認すること。
  4.  深い呼吸をしてしまい煙を多く吸い込むことになるため、むやみに大きな声を出したり、慌てて騒いだりしない。
  5.  煙の中を避難する際は、静かに必要最小限に呼吸しながら歩行する。
  6.  避難する際は、タオルのようなもので口を覆うことが大事で水で濡らす必要はありません。タオルがない場合は、洋服を口に当てても効果があります。
  7.  煙の充満した階段は熱、有毒ガスの煙突となっている場合があるので、煙で充満した階段は使用しない。
  8.  できるだけ低い姿勢で避難する。
  9.  探し物をしているうちに貴重な時間を費やし、避難が遅れる場合があるので持ち物などを探さないこと。
  10.  外に出てから再び火災建物には戻らないこと。

しせいをひくく口にタオルなどをあててにげてくださいアパートやマンションではベランダからもにげられますおおごえでかじをしらせてください

 

 参考:総務省消防庁「防災・危機管理e-カレッジ」(外部サイトへリンク)動画

    火災からの避難についてサイト上で学べるようになっております。

    一般コース>いざという時に役立つ知識>学習>レッスンメニュー>避難>7火災からの避難

 

 

 

 

お問い合わせ

消防局予防課

仙台市青葉区堤通雨宮町2-15

電話番号:022-234-1111

ファクス:022-234-1411