No.220 2002年 9月号
特集 国勢統計区別にみた仙台市の人口
(平成12年国勢調査国勢統計区別集計結果)
この特集は、平成12年10月1日現在で実施された第17回国勢調査小地域集計結果のうち、第1次基本集計の結果について、基本的な事項を国勢統計区別に集計したものです。
国勢統計区は、小地域集計の集計単位として市区のエリアを分割したもので、仙台市は86の国勢統計区を設定しています。なお、国勢統計区は、次のような基準で設定されています。
(1) 原則として、人口20万人以上の都市(東京都特別区を含む。)及び人口20万に達していない県庁所在都市を対象としています。 (2) 昭和44年10月1日現在によって設定されました。ただし、その後の市町村の廃置分合などの事由により修正を施し、平成12年10月1日現在で画定しています。 (3) 国勢統計区の大きさは、ほぼ人口10,000人程度を標準とし、一部の地域を除き、5,000人を下回らず、20,000人を上回らないものとしています。 (4) 国勢統計区の境界は、時系列比較を可能とするため、原則として長期間変更しないこととしています。ただし、名称については、区画整理等の理由により地名が変更される場合があるため、その地域を表すのに最も適したものに変更する場合があります。 本市の場合は、平成元年4月1日の政令指定都市移行に伴う区の設置により、平成2年国勢調査で新たに国勢統計区(以下,「統計区」といいます。)を画定しなおしたため、昭和60年以前の統計区とは接続していない部分があります。
図1 仙台市の国勢統計区(平成12年)
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国勢統計区の地区名称一覧
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結果の概要1 平成7年〜平成12年の人口増減
平成12年の国勢調査による人口を平成7年と比較すると、86の統計区中、34の統計区が増加を示し、52の統計区が減少を示しています。
(1) 人口が増加した統計区最も人口が増加したのは、泉区の「01 泉中央・野村・上谷刈地区」で、7,758人の増加となり、増加率も66.9%と極めて高くなっています。次いで、泉区の「09 市名坂・七北田・松森・八乙女地区」が5,325人、41.3%の増加、太白区の「10 中田・西中田・柳生地区」が5,265人、26.7%の増加、泉区の「17 館・住吉台・根白石・実沢地区」が4,808人、28.2%の増加などとなっています。
増加率の高い統計区を地図上でみると、市の周辺地域に多く見られますが、青葉区16などをはじめ市の中心部においても増加を示す統計区が見られます。図2 人口が増加した統計区−平成7年〜12年
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表1 人口が増加した統計区
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(2) 人口が減少した統計区
最も人口が減少したのは、宮城野区の「07 鶴ヶ谷地区」で、1,223人、7.5%の減少となりました。次いで太白区の「03 八木山本町・青山地区」が1,048人、6.7%の減少、青葉区の「04 立町・川内地区」が1,045人、12.6%の減少、泉区の「11 南光台地区」が1,022人、6.4%の減少などとなっています。
減少率の高い統計区を地図上でみると、青葉区3、5、10、15、16などを除いた市の中心部と、青葉区28、太白区西部、泉区北部などの都心から離れた地域で減少していることがわかります。図3 人口が減少した統計区−平成7年〜12年
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表2 人口が減少した統計区
2 一般世帯数の増減
平成12年の国勢調査による一般世帯数を平成7年と比較すると、86の統計区中、69の統計区が増加を示し、17の統計区が減少を示しています。人口増減との関係をみると、86統計区のうち、人口と世帯数の両方が増加したのは34統計区で、両方が減少したのは17統計区、人口が減少し世帯数が増加したのは35統計区となっています。
(1) 一般世帯数が増加した統計区一般世帯数が最も増加したのは、泉区の「01 泉中央・野村・上谷刈地区」で、4,208世帯、80.5%の増加となっており、人口に続き一般世帯数についても極めて高い伸びとなっています。次いで太白区の「11 泉崎・富沢・大野田地区」が2,457世帯、25.8%の増加、泉区の「09 市名坂・七北田・松森・八乙女地区」が2,450世帯、45.8%の増加、太白区の「10 中田・西中田・柳生地区」が2,424世帯、35.7%の増加などとなっています。
表3 一般世帯数が増加した統計区
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(2)一般世帯数が減少した統計区
一般世帯数が最も減少したのは太白区の「03 八木山本町・青山地区」で464世帯、5.7%の減少、次いで青葉区の「17 台原・東照宮地区」が216世帯、4.1%の減少、太白区の「05 向山・越路・萩ヶ丘地区」が193人、6.5%の減少などとなっています。
表4 一般世帯数が減少した統計区
図4 統計区別人口及び一般世帯数の増減率−平成7年〜12年
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3 年齢3区分別構成
(1) 年少人口(0〜14歳)比率
統計区ごとに年齢3区分別人口の比率をみると、年少人口の比率が最も高いのは、泉区の「17 館・住吉台・根白石・実沢地区」の23.5%で、以下、泉区の「02 高森・明通・桂地区」が21.9%、泉区の「07 松陵地区」が20.0%、青葉区の「26 栗生・落合・愛子東地区」が20.0%、太白区の「10 中田・西中田・柳生地区」が19.8%などとなっています。一方、年少人口の比率が最も低いのは、宮城野区の「03 小田原・鉄砲町・二十人町地区」の7.1%で、以下、若林区の「05 荒町地区」が7.9%、青葉区の「02 一番町・中央地区」が8.1%、青葉区の「01 上杉南部地区」が9.0%、青葉区の「09 荒巻地区」が9.0%などとなっています。
表5 年少人口比率の高い統計区と低い統計区−平成12年,平成7年
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(2) 生産年齢人口(15〜64歳)比率
生産年齢人口の比率が最も高いのは、青葉区の「24 宮町・小田原中部地区」の78.7%で、以下、泉区の「08 鶴が丘地区」が78.7%、青葉区の「16 上杉北部地区」が78.1%、泉区の「15 長命ヶ丘地区」が77.8%、泉区の「14 加茂地区」が77.8%などとなっています。一方、生産年齢人口の比率が最も低いのは、宮城野区の「07 鶴ヶ谷地区」の63.9%で、以下、青葉区の「28 作並・大倉・熊ヶ根地区」が64.3%、泉区の「17 館・住吉台・根白石・実沢地区」が65.5%、青葉区の「29 芋沢地区」が66.2%、太白区の「15 秋保町地区」が66.8%などとなっています。
表6 生産年齢人口比率の高い統計区と低い統計区−平成12年,平成7年
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(3) 老年人口(65歳以上)比率
老年人口の比率が最も高いのは、青葉区の「28 作並・大倉・熊ヶ根地区」の24.1%で、以下、宮城野区の「07 鶴ヶ谷地区」が22.2%、青葉区の「02 一番町・中央地区」が21.7%、太白区の「15 秋保町地区」が21.4%、太白区の「02 緑ヶ丘・土手内地区」が20.8%などとなっています。一方、老年人口の比率が最も低いのは、泉区の「07 松陵地区」で5.9%、以下、泉区の「09 市名坂・七北田・松森・八乙女地区」が6.5%、泉区の「01泉中央・野村・上谷刈地区」が6.6%、泉区の「16 北中山・南中山地区」が7.5%、泉区の「18 寺岡地区」が7.5%などとなっています。
老年人口の高い統計区を地図上でみると、市の最も西側の地域、青葉区北部から泉区南東部、宮城野区北西部にかけての地域、太白区北部から若林区西部にかけての地域、及び青葉区02等の都心部などとなっています。表7 老年人口比率の高い統計区と低い統計区−平成12年,平成7年
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(4) 老年人口比率の前回との比較
老年人口比率が前回に比べ最も上昇したのは、宮城野区の「07 鶴ヶ谷地区」で、7.9ポイント、以下青葉区の「12 桜ヶ丘地区」で6.3ポイント、青葉区の「28 作並・大倉・熊ヶ根地区」で5.4ポイントなどとなっています。低下したのは3統計区のみで、青葉区の「16 上杉北部地区」で1.2ポイント、青葉区の「24 宮町・小田原中部地区」で0.9ポイント、泉区の「01 泉中央・野村・上谷刈地区」で0.3ポイントそれぞれ低下しています。
老年人口比率が上昇した統計区を地図上でみると、市の南部、西部、北部及び、青葉区北部と泉区南部、宮城野区西部を中心とした地域などで高くなっています。図5 老年人口比率の高い統計区
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図6 老年人口比率が3.0ポイント以上上昇した統計区−平成7年〜12年
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図7 統計区別年少人口及び老年人口の比率
4 人口の男女、年齢5歳階級別構成 ――― 人口ピラミッド
仙台市の男女別、年齢5歳階級別人口(人口ピラミッド)は、20代前半と50代前半を中心に2つの膨らみを持つ「ひょうたん型」を示していますが、統計区別にみると様々な形をみせています。
(1) 20代前半が際立って突出した形を示す統計区
青葉区の「07 国見・八幡地区」や太白区の「03 八木山本町・青山地区」など青葉区、太白区に多く見られる形です。青葉区の06、07、08、太白区の03、04、05などでは男が女を大きく上回る形になっていますが、青葉区の09、10、20など左右対称に近い形のものも見られます。
(2) 2箇所が突出した形を示す統計区
泉区の「18 寺岡地区」など泉区に多く見られる形です。泉区18などでは10代後半と50代前半、泉区17では10代前半と40代前半、青葉区30では10代後半と40代後半など膨らみの中心には多少のずれがみられます。
(3) 突出の少ない「つぼ型」を示す統計区
太白区の「07 八本松・郡山地区」や、宮城野区「08 燕沢・小鶴・東仙台地区」などでは10代から50代にかけての変化が少なく、底がすぼんだつぼ型を示しています。
(4) 台に載った三角形型を示す統計区
泉区の「01 泉中央・野村・上谷刈地区」や太白区の「11 泉崎・富沢・大野田地区」などでは、50代付近の膨らみが見られず、20代後半を底辺とした三角形型で、10代ですぼみ、すそが再び広がる形となっています。他にも青葉区の26、太白区の10、泉区の09などでこの様な形が見られます。
仙台市の人口ピラミッド−平成12年 各区の人口ピラミッド