更新日:2016年9月20日

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悩みあれこれ 1.薬とのつきあい方~精神保健福祉ガイド はあとぺーじ

悩みあれこれ

  1. 薬とのつきあい方
  2. 病気とのつきあい方
  3. 通院の悩み
  4. 入院中の悩み
  5. 退院に向けた準備

1.薬とのつきあい方

1-1.薬はどのように作用しているのですか?

抗精神病薬とは、神経における過剰な情報伝達を遮断する物質です。この作用により、不安が和らぎ、幻覚や妄想が改善し、考えがまとまるようになります。内服では不十分なときには注射の形で用いることもあります。また、精神病症状を抑えると同時に、再発予防効果もあることが知られています。

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1-2.抗精神病薬はなぜ効くのですか?

脳の中の神経細胞がネットワークを作り、必要な情報を伝達することによって、私たち人間は、何かを考えたり感じたりしています。このように神経の情報を伝達する物質には様々なものがありますが、そのうちの一つであるドーパミンは、刺激に対する脳細胞の反応性を上昇させて、精神の覚醒度を高めるといわれています。ドーパミンによる情報伝達を活発にする薬物が、幻覚や妄想などの症状を引き起こすこと、逆に神経細胞の中でドーパミンを受け止める場所(受容体)をブロックする薬(抗精神病薬)が幻覚や妄想を抑えることから、統合失調症の急性期にはドーパミン系の過剰な過活動が関与していることが推測されてきました。

抗精神病薬がドーパミンの伝達を遮断する模式図

実際には、ドーパミンの受容体にはD1からD5までの5種類が存在することが知られていますが、今まではそのうちのD2受容体のみが重要視され、D2受容体をより選択的に、より強力にブロックする方向に新薬の開発が進められてきました。しかし、それでは副作用が強まるばかりで効果に乏しいことがわかってきました。より最近になって開発された「非定型抗精神病薬」と呼ばれるいくつかの薬は、これまでの薬と同等以上の有性を保ちながらも、D2以外の受容体(セロトニン受容体など)にも作用することで、副作用の一部の発現を最小限に抑えられるようになりました。(詳しくは、「34.新薬が使用されるようになってきていると聞きましたが?」を参照)
また国際的には、これまでの薬物療法では十分な効果が得られない、いわゆる「治療抵抗性統合失調症」の一部に対し、クロザピンという薬が有効であることがわかってきています。この薬が、従来の薬と違ってD2以外の幅広い受容体に高い親和性を持つことから、抗精神病作用におけるD2以外の受容体の役割の見直し、各受容体間の相互作用・バランスといったものが注目されるようになってきています。今後の研究で、「非定型抗精神病薬」がなぜ効くのか、その詳細を明らかにすることが、統合失調症の病態解明に大きな貢献を果たすと考えられます。

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1-3.いつまで薬を飲まなければならないですか?

個人差があるので、主治医によく相談をしましょう。しかし、一般的に言えば、回復後、服薬をやめると1~2年で70~80%の人が再発してしまうと言われています。逆に言えば、服薬をやめても再発しない人もいるわけですが、薬の必要性を判断する決め手はなく、再発を重ねると慢性化する可能性も高くなるので、少なくとも2年以上は服薬を継続した方がよいのです。ただし、薬の量は急性期で用いる量よりもかなり少なくてすみます。

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1-4.長く飲んでも大丈夫ですか?

長期に服用していると体質の変化が生じたり、害になるのではないかと気にする人もいます。しかし、抗精神病薬には習慣性はありませんし、抗生剤など他の診療科の薬と比べても長期に使える、比較的安全な薬です。採血など定期的な検査をすればなお安心です。

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1-5.副作用はないですか?

どんな薬も、良い作用と副作用の両面を持っています。抗精神病薬も例外ではありません。副作用を必要以上におそれて充分な薬物療法を自らの判断で止めたりせず、むしろ起きうる副作用や効果を理解して、何かあれば主治医と連絡をとって、薬の減量や副作用止めの処方をしてもらいながら治療を継続することが重要です。

わたしの場合

薬をいつまで飲み続けるのか、飲まなくていいようになるのか、わからない。判断がつかない。

入院したとき、薬を無理に流し込まれた経験があるので、「飲まされている」という意識があります。そういうやり方は変えるべき。

入院中、カレンダーの数字がちらつくので、看護師に相談したら、薬を変えてもらえて、良くなった。副作用もあるので、薬の不調は言ったほうがいい。

 

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1-6.妊娠や出産への影響はないですか?

抗精神病薬を服薬中の女性でも、妊娠・出産は可能です。もちろん、他科の薬と同じように、妊娠中、特に安定期以外に不必要な服薬をしないですめば、それにこしたことはありません。しかし、妊娠や出産それ自体が身体的・精神的ストレスとなって再発する可能性を考えると、少量の抗精神病薬を継続した方が、母体にとっても胎児にとっても安全であることがあります。服薬のメリットとデメリットについて主治医とよく相談しましょう。

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1-7.新薬が使用されるようになってきていると聞きましたが?

近年、いくつかの新しい抗精神病薬が開発されています。こうした新しい薬は「第二世代の」あるいは「非定型的」抗精神病薬などと呼ばれ、従来の抗精神病薬の効果が思わしくないときに有効なことがあります。また、手が震える(パーキンソン症状)、体の筋肉が硬直して思うように動きがとれない(急性ジストニア)、足がムズムズして一箇所にじっとしていられない(アカシジア)などの錐体外路症状と呼ばれる症状や、頭がボーっとして物事に集中できず、情報の適切な処理が困難となる認知障害などの副作用が「第一世代」の薬に比べて明らかに少ないのが特徴です。
社会参加を目指す本人に大きな恩恵をもたらすこうした薬の処方率が日本でも徐々に増えてくるものと思われます。

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抗精神病薬はなぜ効くのですか?

お問い合わせ

健康福祉局障害者支援課

仙台市青葉区国分町3-7-1市役所本庁舎8階

電話番号:022-214-8165

ファクス:022-223-3573