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更新日:2017年12月25日

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第1回「-協働がつなぐ仙台- 郡市長とふれあいトーク」(11月30日)

「―協働がつなぐ仙台― 郡市長とふれあいトーク」は、市政に関する様々な活動をされている市民の皆様を市長が訪ね、生の声をお聞かせいただき、市政運営の参考にさせていただくとともに、活動の内容を広く紹介することにより、市民活動の活性化につなげるものです。

初回となる11月30日(木曜)は、泉区高森東地域で活動している「結いの会・高森東」の活動拠点を市長が訪問し、役員の皆さんと懇談しました。また、懇談後は交流の場「結いカフェ」に参加の皆さんと交流しました。
今後も、いろいろな活動をされている団体等を市長がお訪ねして、話を伺います。

郡市長が「結いの会・高森東」の皆さんと一緒に撮影した写真

懇談の様子の全体写真

「結いの会・高森東」とは

「結いの会・高森東」は、高森東地域(高森5~8丁目・北高森)にお住まいの方々が、安心で住み良い地域づくりを目指し、高齢化に伴う課題を地域のみんなで助け合うことによって乗り越えようという目的で、平成28年4月に設立されました。

交流の場「結いカフェ」の様子

・居場所づくり
週2回、ショッピングガーデン・キャラウェイ(泉区高森七丁目2)の1階で「結いカフェ」の名称で交流会を開催

・お互い様の助け合い
ごみ出し、草取り、病院への付き添いなど

・見守り、安否確認
一人暮らしの高齢者等に対し、携帯電話による「定期コール」活動など

懇談に参加された方

「結いの会・高森東」の役員の中でも、特に会の立ち上げの段階から携わってこられた方々と懇談しました。また、高森東地域を圏域とする寺岡地域包括支援センターの所長も同席されました。
傳野 貞雄さん(代表理事、高森東連合町内会会長)
小川 登さん(副代表、高森東地区社会福祉協議会会長)
池上 佐一さん(副代表、楽寿会会長)
加賀屋 和香子さん(副代表)
内山 克さん(総務業務担当理事)
賀澤 敦子さん(寺岡地域包括支援センター所長)

(懇談内容)「結いの会・高森東」設立の思いと仕組み

懇談の様子(傳野さん)

懇談の様子(小川さん)

【傅野さん】これから少子高齢化に向かっていく中で、今よりもさらに高齢化が進んだら地域がどうなるのかということを考えて、数年前から皆さんと高齢者支援に関する先進の取り組みを行っている県内外の団体に出向き、調査分析しながら会の構想を準備してきました。
平成28年4月、町内の多くの方々から賛同をいただき、連合町内会長の私が代表、地区社会福祉協議会会長の小川さんが副会長という体制で「結いの会・高森東」を設立しました。

【小川さん】この高森東地区は、高森5・6・7・8丁目と北高森の五つの町内会で構成しています。現在約1,960世帯、人口約5,600人、高齢化率は27.66%となっています。仙台市の平均が22.9%に対し、泉区が24.7%となっていて、この地区はそれを上回っているわけですから、どうしていこうかと考え始めたわけです。

震災が起きた年(平成23年)の5月に、ボランティアの方々と行っていた「もくれん」というサロンが10年目を迎えました。これは、元々は仙台市がサロン活動を呼びかけ、立ち上げたもので、これまで活動を続けていましたが、10年目を機にボランティアの皆さんからサロンだけでなく、これからは日常生活の支援もしたいという話が出ました。でも、そう簡単にはいかない、新しいことをやるのは大変なことなんだということで、みんなでワーキングをし、いろいろ時間をかけて検討して、最終的に平成25年11月に全地域にアンケート調査をしました。子育て問題も含めて28の設問とし、各戸に配付しました。当時1,920世帯に配付して、1,096件の回収、回収率は約57%。統計学からいうと30%の回収である程度の方向性が探れるとされているが、倍の57%と高く、それだけ地域の方々も関心があるのだと感じました。
集計と分析は、東北学院大学教養学部の増子先生(増子正 修士・地域福祉論)と先生のゼミの学生さんのご協力をいただきました。

そこからは会を立ち上げるためのワーキングを重ね、先進事例を見てみたいということで、メンバーで茨城県ひたちなか市で高齢者支援活動を行っているNPO法人を視察に行き、トンボ返りで大変でしたが参考とさせていただきました。とにかく、我々は何ができるのかということを打合せしながら進めてきました。
また、お金がかかる話ですので、構想を地域の方に理解していただいて、賛同を得るための広報にも努めました。そして、会員制にすることとし、賛同された方から一口年間1,000円いただいて運営していこうということでスタートしました。一人何口でもいいということを前提にしています。設立総会を昨年(平成28年)4月26日に行いましたが、最終的に28年度の会員数は286名となりました。ボランティアの活動会員は99名集まりました。

私たちは、3つのテーマを掲げており、「居場所づくり」、「お互い様の助け合い」、「見守り」を柱に、中には重複している人もいますが、基本それぞれに協力してくれるボランティアさんをお願いしています。

・居場所づくりの「結いカフェ」
「居場所づくり」は、団地の真ん中がふさわしいだろうということで、ここキャラウェイにし、当初は毎週月曜日に「結いカフェ」というコーナーを作りスタートさせました。28年度の状況は、53回開催、お越しいただいた方が814名、ボランティア関係者が401名でトータル1,215名に利用・協力していただいたということになります。

「結いカフェ」は、平成29年2月から週2回開催することにし、現在、月曜と金曜に行っています。

・お互い様の助け合い
「お互い様の助け合い」は、どんなことができるのか、協力に手を挙げてくれた皆さんと打合せしながら、広報パンフレットを作って、地域に配りながら周知し、昨年12月にスタートさせました。

30分ごとに100円とか、300円とか、利用者の方々にもお金を出してもらうという仕組みも、気兼ねなく頼めるのではないかと思っています。28年度の依頼を受けた件数は、ごみの集積所がどうしても団地の周りにあるので、生ごみは重いので大変だということで、ごみ出しのお手伝いが40回。通院の付き添い、これは介助するのではなくて耳が遠くなっているので付き添ってほしいという要望がありました。
その他、タイヤの入れ替えをしてほしい、庭の枯葉を掃除してほしいということで、まだまだスタートしたばかりという具合です。

・見守り
「見守り」のほうは、なかなか利用したいと手を挙げてくれないという状況で、利用される方は、まだごくわずかとなっています。他の団体とのネットワーク作りをしながら、もうちょっと情報共有して検討しようということにしています。

収入面では、昨年度(28年度)は会費の他に、県共同募金会に、他市社協や民間団体からも助成してもらいました。今年度は、仙台市の郊外住宅地・西部地区まちづくりプロジェクト助成金に応募して、採択を得ることができました。

(懇談内容)すぐ行動するのではなく計画的に進める大切さ

懇談の様子(加賀屋さん)

【加賀屋さん】平成6年に地区社会福祉協議会が「もくれん」を立ち上げたのですが、そこからずっと関わらせていただいております。「もくれん」は、現在も5か所の集会所で、特に高齢の方にお集まりいただき、運営はボランティア約100名で行っています。

先ほど小川さんがおっしゃったことと重なりますが、「もくれん」の活動が10年経った平成23年に、元気な方だけを対象とする活動だけでいいのだろうか?という声が中心になって動いている方々から上がりました。これからもっと高齢化が進んだら、お年寄りがご自身では出来なくなることを何か私たちがお手伝いできることはないかと思いめぐらしました。私たちは、当時の小川地区社協会長に、お年寄りのサポートをやりたいと相談したところ、小川さんから、ちょっと待って、それは大変なことだから、もっと計画を練ってから動かなくては駄目だよとアドバイスがあり、社協としてのアンケート実施とか、私達ボランティアだけでは考え付かない、違う角度、違う目線からのアプローチをしてくださったので、今があると思います。あの時拙速に始めていたら、このような形にはならなかったのではないでしょうか。
主婦の目線や女性だけでどうにかしたいという思いだけだと、コアが小さくて、持続できる仕組みとはならない。実際、企画性をもってどんどん進め、どんどん情報を集める事務局の方がいらして、男性の目線でお金も集めなければだめだよ、ノウハウはこうだよと言ってくださる方々と結いの会の活動をさせていただくことは、日々気付きと勉強の連続だし、ありがたいと思っています。まちを作っていくうえで大きい形で考えさせてもらえたなと思っています。

「結いの会・高森東」は、地域の中で後発の団体ですから、社会福祉協議会とか町内会、老人会の活動を尊重しながら、結いの会の活動を地域の方にわかっていただくということにこれから努めていかなければならないと実感しているところです。

(懇談内容)継続の「鍵」は情報収集

懇談の様子(内山さん)

【内山さん】事務局を担当しています。今日は郡市長にお越しいただいて、我々の活動にも「PLAN(計画)-DO(実行)-CHECK(評価)-ACT(改善)」の段階があって、ちょうどCHECK(評価)という機会をいただいたのかなと思っています。実質1年間活動してみて、思ったよりも難しいというのが実感です。

隣近所のお付き合いはあって、それなりの助け合いはありますが、昔でいう集落にあったような「講」とか「結」のような助け合いを、現代の団地の中でやろうとするのは時代環境が全く違いますから難しいことです。助け合いの活動について、改めて全国ではどの程度やっているのかとネットで検索すると、サロン活動は同じようにどこでもやっているが、助け合いの活動を実際にやって実績値をあげているところとか、地域の中で定着しているところは見当たりませんでした。
一様に7~8年はやってみるが、少しの利用者、つまり、4000人~5000人の地域で20組から30組くらいの利用者はいるけれども、そこから先が広がらないし、新しい利用者が出てこないようです。

我々の活動は、いろいろな問題を考慮して、家の中に入ってお世話することや自家用車に乗せて病院に付き添ったりすることを自己規制しています。となると、お年寄りの立場からすると結いの会のチラシを見て頼もうとする人はいるが、本当にして欲しいという助けが項目の中に無いのかもしれない。

地域の中でどんなことが必要なのかと、もう一回聞き直して、情報を集め、仕組みづくりをもっと深く考えなくてはならないことが課題となっています。

【傅野さん】これからは、町内の空家も重要な問題です。泥棒とか空き巣も心配ですし、独居の情報なども地域を安全安心に保っていくためには必要な情報だと思っています。
会の活動は、一朝一夕にはならないことなのでもっとスピードを加速しなければと思っています。しかし、アクセルを踏む情報、材料も欲しいので、今、加賀屋さんたちに協力していただいて、高齢者の情報を集める活動も始めています。

(懇談内容)老人クラブも期待を寄せています

懇談の様子(池上さん)

【池上さん】老人クラブ楽寿会の会長をしていますが、自分たちの年代は、できるだけ人のお世話にならないように暮らしたいという気持ちを強く持っているものです。そのような中で、老人クラブ楽寿会は、お互いに心開けて、本当に細かいことまで相談できる仲間だと思っています。私は、「結いの会・高森東」が発足して、地域の一体感がさらに増したようで、大変喜んでいます。

今、楽寿会の会員は平均81歳、90歳以上の方もいらっしゃり、ここまで歩いて来れない人もいます。だから、親しい人が連絡を取り合って、結いの会との橋渡しをしなければと思っています。最近は会員数が減ってきており、震災の前までは112人でしたが、現在は87人になってしまいました。お亡くなりになったという自然減もありますが、震災を境に離れた人もいます。それでも会員87人というのは泉区内でも1番か2番の規模なので、我々も努力しますが、結いの会がもっと地域を盛り上げてほしいと思っています。

【市長】楽寿会のメンバーは、困っている人などの状況を詳しく知っているでしょうから、池上さんはこの会との太いパイプになっていくということですよね。声を上げないけれども助けが必要な人のことが見えているわけですから、これからもよろしくお願いします。

(懇談内容)地域包括支援センターとの連携

懇談の様子(賀澤さん)

【市長】賀澤さんは、地域包括支援センターの所長さんですが、「結いの会・高森東」と包括支援センターとの棲み分けなどは、どのように考えていらっしゃいますか?

【賀澤さん】立ち上げのプロセスから関わらせていたき、現在は「結いカフェ」の中の相談窓口にも参加させていただいています。高齢化が進むと、もう少し早く手立てができていれば、誰かが関わっていればというところで、「結いの会・高森東」のような仕組みがあれば早期発見に繋がりますので、他の地域には無い、私どもに繋いでいただけるツールがあるということで、この地域との絆を深めていきたいと会に期待を込めています。

(懇談内容)交流の場「結いカフェ」に男性の来訪者も増やしたい

【傅野さん】私は、結いカフェに、もっと男性にも来ていただいて、この地域に愛着を持つ方が増えればいいと思っています。そこで、男にとっては、我々の年代はゴルフに憧れて、なおかつゴルフをしたいという人が多いから、ゴルフ場のクラブハウスでゴルフ以外のことも談義していることを思い出して、「結いカフェ」のサブネーミングとして「クラブハウス」はどうかなと考えています。「今日はクラブに行くか」みたいだと気恥ずかしくなく言えるのではと。そういうことも含めて、会を引っ張っていきたいと思っています。

【市長】男性は家に引きこもりがちの方が比較的多いですから、地域の方々との交流の機会を通して、趣味や健康の増進にもつなげるのはいいアイディアですね。

(懇談内容)市政運営の大きなちから

懇談の様子(郡市長)

【市長】市政の重要課題として少子高齢化があり、特に泉区は、以前は若い世代が暮らす地域というイメージでしたが、現在は高齢化率が市全体を上回っています。ここ高森東地区はその傾向がさらに顕著となっている中で、「結いの会・高森東」の皆さんが、地域で助け合おうと呼びかけ、日中の交流の場の創設や一人暮らしの高齢者に対するサポート体制など、有効な仕組みを作っていらっしゃることは、市政運営にとっても大きな力だと思います。
今後も「結いの会・高森東」の素晴らしい取り組みに注目してまいりたいと思います。また、このような取り組みを全市に広げることなども検討させていただきます。

今日は、短い時間でしたが、皆様が活動されている、その現場を拝見し、直接お話をお聴きすることができまして、現場主義としての実効性に繋がる思いがあります。
ありがとうございました。