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更新日:2016年9月20日

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2期目の市長就任にあたって (質疑応答)

(1)投票率が約30パーセントで7割の市民が投票しなかったことについての所感を伺う

選挙というのは、大変重要な、住民の皆さまの意思を政治に反映させる場でありますので、投票率が低かったことについては、私も大変残念に思っています。

いろいろな理由が考えられますが、例えば、選挙が続いたことによる選挙疲れとか、参議院選挙と接近して行わざるを得なかったこと、8月という仙台市長選挙では選ばれなかったような時期になってしまったとか、いろいろあると思います。引き続き市政を行う上では、しっかりと市民の方々に、市政の今の時期の意味ですとか、また、私が目指す方向を丁寧に説明して、重ねてご理解をいただくように努めていきたいと思います。

(2)市民協働を訴えているが低投票率という市民の意識とのギャップをどのように埋めていくか

低投票率の要因として、立候補者が少なかったという要因があると思います。選択肢は多い方が、投票という行動にとってはプラスに働くことは間違いないので、仙台市長という職に立候補しやすいかどうかといったことも、広い意味では考えていかなければいけないと思います。

一方で、関心がないのかというと、必ずしもそうではないはずなのですが、投票で十分に民意が示されていないという状況がありますので、合わせて市民の方の考えや意思をいろいろ伺う手段、もちろん投票に代わるものではないですが、今までも市民アンケートとか、地域懇談会などいろいろやっていますので、そうしたものもフルに活用しながら、なるべく重層的に、幅広い形で市民の方の意向が私と共有できるように、きめ細かく考えていきたいと思います。

(3)市民との距離を縮める手法を何か考えているか

市の行政を進める時には、議会で予算化されるとか、行政が計画づくりをするなどの手順がありますが、その手順のどこで、市民の方の意見を反映していける場を作れるかということです。

ケースバイケース、大方の慣例で決まっているものもありますが、いわばパブリックコメントのようなものが、どういうタイミングで、どこで導入できるかということです。今のところ、きちんと条例などで位置づけされているわけでもないので、そういう参画のありようをきちんと皆さんと議論して、仙台市政の中に条例などで位置づけていく形も必要か考えたいと思います。

(4)低投票率の得票で、これまでの実績や公約について信任が得られたと思うか

投票率全体が低いことについては、甚だ残念なことでありますが、投票に行っていただいた方の中では、7割を超えられる方が私に票を投じてくださったという意味では、一定程度の理解、承認は得られたと思っています。

(5)他の立候補者の得票と無効投票、あわせて7万票は反対票で、被災者に対する医療費支援などを望む声もあるが、どう受け止めるか

復興の中には、いろいろな要素があります。医療費の問題については、議会の中でもそれぞれ賛否のご意見があるので、一定の批判票があるのは、十分受け止めていかなければいけないことだと思います。

そうした中で、財政の制約ですとか、制度的な問題などを考えながら、全体としてどういう適切な判断をしていくかです。

批判があるということを常に忘れずに、その時その時の市民の方々のご意見にも耳を傾けながら、常時判断を積み重ねていくというのが、復興のプロセスと受け止めています。

(6)無効投票が増えたことについて、どのように受け止めているか

無効投票というのは、投票所までいらっしゃったわけですから無関心ではないということを表示した上で、しかし候補者に対して、どちらも差異を表する決定はできないという意味だと思います。候補者が少ないと、選択の余地が少ないということが無効投票を多くしていると思います。それだけではないかもしれませんが、一つの要因かとは思います。

(7)今回と同じ構図の選挙時と比べても無効投票が多かったが、所感を伺う

前回、前々回の無効投票を比べて分析していませんので、その差というのは把握していません。一つは国政の中で、いわゆる第三極というような、従前でいえば55年体制的には保守対革新に対する保守の中でもさまざまな分化であるとか、選択のありようがかつてとは違った形で国政が動いている中で、国政の中でそういう選択をされた方にとって、今回そういう選択が乏しいことも時代の変化として考えられるのではないかと思うのですが、まだその辺までは、詳しくは分析していません。

(8)復興の先を見据えた経済活性化については、どのように進めていくのか

経済成長を仙台市でどう実現していくかについては、いろいろな考え方があると思います。

まず私が今回考えたのは、仙台の特性に合ったもの、仙台の身の丈で今すぐ始められるものが必要だと思いました。大規模な工場の誘致は、いくら雇用が大きいにしても、現実的ではありません。一番現実性が高いものとしては、国際会議の誘致であるとか、全国大会の誘致です。全国大会というのは、必ずしも会議系だけではなく、スポーツであるとか文化事業であるとか、いわゆる交流人口を増やしていくものです。

それは仙台の地域特性や、東北大学があること、また東北一の大都市であって、いろいろなスポーツ施設などがあることを考えると、一番取り組みやすいし、成果も見えやすい方策ではないか、ということで観光交流人口の300万人の増ということを訴えさせていただきました。

また、復興というプロセスで考えると、特に女性たちを中心にさまざまなコミュニティビジネスやスモールビジネスを立ち上げていこうという、業を起こすような起業というものも件数が増えていると把握しています。仙台の開業率は、今でも政令指定都市中4位で、決して低い方ではないですが、あえて言えば、今1位となっている福岡市を超えるつもりで、チャレンジしていくことが被災地の仙台の仕事を伸ばす面として、いいのではないかということで、そこの点も強調させていただきました。そのような点が今回の特徴だと思います。

(9)経済活性化の上で、地下鉄東西線の活用についてどう考えるか

2015年の東西線開業は、時間的に見れば、まちづくりという大変時間がかかる要素で考えると、もう目の前だと言っていいと思います。今回の震災の集団移転で、荒井の公共区画整理や、今、進行している荒井東、南、西などの民間の区画整理で人口が張り付くほかに、沿線で復興公営住宅が整備されます。

そうしたものを呼び水として、これまであまり目が向けられなかった東部地域が、ビジネスの土地、また住宅地としてあらためて、評価が高くなるように働きかけていきたいと思っています。

また、南北線は中心地と住宅団地を結ぶ極めて分かりやすい構造の線ですが、東西線は東北大学から中心部を通って、海辺まで行くという、環境的に南北線とは違う要素を持っています。この特性を生かして、観光とか、誘客、ビジネス面で新しい展開ができればと思います。これについては、東西線の市民応援部も動き出していますので、そういう動きがさらに活性化するように支援をしながら市も頑張っていきたいと思います。

(10)ミニ集会を実施して市民と対話をする選挙を行った感想はいかがか

今回、私にとって2回目の選挙戦ということになります。前回はどちらかというと無我夢中のところがありましたので、自分自身でこういう選挙をしたいという発想で当初から取り組んでいたわけではありませんでした。

前回やってみた中で、個人演説会は、地域の方に顔を出させていただいて、私自身の声とパフォーマンスで政策を訴えるという大変重要な場だとは思ったのですが、どうしても一晩に3カ所、4カ所と回りますので、じっくり意見を聞くという機会は、ほとんどありませんでした。質問が一つか二つという形に限定されると、それでは、私自身もちょっと残念なところがありました。

今回はできるだけ、ミニ集会みたいな双方向でお話ができるような場があればいいと思い、何箇所かお願いしたところ、割と皆さんが気軽にお引き受けいただいたり、また、その話を聞いて、逆にこっちにきてほしいというようなお話があったりしました。

参加された方の数からすれば、まだまだだという思いはありますが、試みとしては、考えに値するやり方だったと手応えは感じました。

(11)選挙後もミニ集会は続けるのか。今回得られた意見はどう生かすのか

引き続きできればいいと思います。ただ、今回のように、14日間という凝縮された中で、継続的にやっていくことの面白さという意味では、なかなか日常に入ると、どうしても時間が開いてしまうと感じます。その辺は少し工夫が必要なところかもしれません。

いろいろいただいたご意見の中で、耳が痛かったご意見としては、NPOの方々からは、事業を始めた時、5年位前には、例えば30万円の事業費で始まったものが、だんだん1割カット、1割カットとなっていって、見る陰もなく事業費が減ってきてしまったとか、1件あたりの金額は逆に減らないが、採択される数が減ってきたとか、いろいろやりにくさを感じているというお声は、分野を問わずいただいたところです。我々も予算査定の中で、1年ではこの位ならなんとかやりくりでやっていただけると思うのも、2年、3年と続いてくると、なかなか皆さまも困る度合いが強くなってきたのかと思いました。

(12)対話から得られた意見の中で、今後取り組んでいくものはあるか

障害者団体から、障害者の差別の解消に関する法律ができているが、それを受けて、あの法律自体は、かくあるべきということが書いただけで、具体的にどうするということを書いていないので、条例化することをぜひ考えてほしいという話がありました。

条例化するといっても、ただ急げばいいというわけではなくて、しっかり時間をかけて、自分たちとゆっくり意見交換をしながら練り上げていくものが望ましいというお話をいただきました。期間のことは申し上げていませんが、条例化に向けて話し合いを進めていくことを、その場でお話させていただきました。

(13)2期目となるが、どういうところに「奥山らしさ」を出していくのか

2期目も一番目が復興であることは間違いありません。そして、もう一つは経済の自立、経済を強くしていくことです。この二本柱になることについては、重要性からいけば、そういうことになると思います。私自身としては、総合計画の中などで触れさせていただいている、仙台の都市個性をさらに強くする、仙台の魅力をさらにアップするというような部分について、もう少ししっかりと取り組んでいければいいと思っています。

具体的に言えば、仙台が好きなものとして、スポーツと文化があります。公約の中にも、そういうものをもっと育てましょうと書かせていただきましたが、仙台市民は、こういうものが好きな人たちだとか、仙台のまちに行くと、こういうことを楽しめるとか、そういう魅力アップの要素に力を注げれば、より住んでいる人も楽しいし、外から見ても仙台の顔が見えてくるような都市づくりにつながるのではないかと思っています。

(14)選挙期間中、東日本大震災の教訓を生かして、防災都市づくりをしたいと言っていたが、具体的にどういうことか

教訓を生かすというのに、二つの方向性があると思います。

一つは、物理的に足りなかったものをきちんと整備していくことだと思います。

具体的に言えば、避難所の電気が途絶したために、完全停電に陥ってしまったことで、最低限そのバックアップになるような蓄電池付太陽光発電システムを入れていきたいということや、また、体育館でテレビを見るコンセントがなかったとか、パソコンをつなぐコンセントがなかったことが分かりましたので、そういった整備を順次進めているところです。

また、まち全体でいえば、携帯電話やパソコンなど、個々の人々が情報を得る手段について、まちとしての力を高めていくことが重要だということが大きな教訓だったと思います。担当部門としては、我々ではなく、NTTさんなどがやっているわけですが、実際のところ、相当に通信対応力の災害に対する耐久度を高めているので、世界的に見ても、都市全体として物理的に機能が高まっているということは一つあります。これをさらに、備蓄ですとか、そういう点でもう少し高めていければ、より強靭な防災都市になれると思います。

もう一つ、ハード面だけいくら高めてもどうしようもない課題があります。例えば帰宅困難者の問題は、ソフト対応も併せてやっていかなければなりません。この間、JR東日本さんとお話をさせていただいて、前回課題が多かった仙台駅周辺について、帰宅困難者の退避場所などを決めることができました。あとは、そこにいた方々の間でどこまで体が動くか、実際に訓練をやってみることが必要だと思います。

(15)震災の教訓を生かすために語り継ぐ大切さがあるが、風化させないためにどうしていくか

一つは、メモリアル施設のような形で、そこで起こったことやあったことを、何かを見ながら、何かを聞きながら思い起こすということ。これは古典的なようですが一番強いので、そういったものをどう地域に作っていくかということがあると思います。

もう一つは、学校で順次始まっています。今回、学校が避難所になりましたが、避難所になったときにどういう活動があったか、どういうものを使ったかを伝えていきたいということで、教室の数に余裕がある学校では、学校の中に防災記憶の部屋、ミニ版メモリアルルームのようなものを作っています。子どもたちはどんどん卒業していきますが、そこで地域の人がそういった品物を見せながら、子どもたちに話をして防災教育の一環とするようなことを試みられていますので、そういういろいろな形を組み合わせることで、忘れてしまう力と対抗して記憶を続けることを作業として深めたいと思います。

(16)今回の選挙で市議会からどういう応援を受けたのか

具体的に応援を受けたのは、それぞれの地域での個人演説会になります。平均一晩に三カ所くらいですが、そのご案内であるとか、参加者への呼びかけという活動で応援をいただきました。また、みどりと風の会の車や私の乗った選挙カーが地域を回りましたが、そのときにご一緒に同乗していただいて、地域の道案内をしながらお声がけをしていただきました。この二つが大きな協力していただいた点です。

(17)議会の支援は、選挙の中で大きな支援となったか

地域にきめ細かく入っていらっしゃるという意味では、地域と私の間を結んでくださるパイプ役という立場でいろいろとお働きをいただいたと思います。

(18)議会はチェック機関のはずなのに、馴れ合いとも見える構図に見えるが、今後議会との関係をどうしていくのか

今回、議会の多くの方がまとまって私を推してくださったというのは、基本的に復興の進路が大きく変わるのはこの時期いかがなものかいう判断に基づいた故だろうと思います。ですから、大きな方向性としての復興の継続を大義とされたのだと、しかしながら、それであれば奥山に包括委任を議会として与えるかというと、さすがにそういうことにはならないと思います。

私の1期4年の経験からしても、会派により、またそれぞれの地域性によりお考えやご要望が違っているのが仙台の多様性の中でありますので、恐らくは相当程度に是々非々ということになるのかなと思います。

(19)まず何から取り組みたいと考えているか

復興の中で、それぞれの制度を作ったり予算を獲得するという時期から、一人一人がどこでつまずいているか、どういう課題を越えればその方が、我々が共通とする目標にたどりつけるかという、個別のケースを深めていく段階に入って来ていると思います。

まずは全世帯への戸別訪問を進めていますので、それをしっかりとやらせていただく中で、それぞれの方が抱えている課題を分析して、そこにどういう手だてがさらにきめ細かく必要なのかを考えて取り組んでいきたいと思います。

(20)住宅再建についての個別聞き取りはどのように、どこまで実施することを考えているのか

対象としているのは仮設住宅にいらっしゃる約9800世帯を対象にしています。

すでにこれは始まっていて、昨年度から宮城野区、若林区、太白区の仮設の方々を対象に始まっています。25年度からは、全区の仮設の方々を対象にやっています。この仮設というのは、プレハブ仮設と民間賃貸仮設のみなし仮設の双方を含めたものです。

地域によって7割8割進んでいるところと、まだ40パーセントぐらいのところとがあると7月末の時点で私は聞いていますが、平均して6割を超えるところまできています。全数調査を目標としていますので、もう少し時間がかかるかとは思いますが、私としては100パーセントまで持っていきたいと思っています。

なぜ100パーセントを目指すかというと、お約束していることが、すべての方が仮設を出て自分の住まいに戻られるということが大きな生活再建の節目だと思っていますので、そのためには、全数調査が必要ではないかと考えているところです。

(21)住宅再建の希望者への聞き取り調査はいつごろまでかかると考えているか

来年度の予算要求を考えると、目標としては、今年の秋をめどにということで事務方に指示をしています。

(22)今日は何かいつもと違うことをしたか

私を政治の道に引き入れてくださったのは、藤井元市長ですので、藤井元市長の墓前に、登庁前にお伺いしました。改めて当選したことの報告と2期目以降もしっかり取り組みたいということでお参りしてきました。

(23)初当選した4年前と比較して、今朝目覚めたときの違いはあったか。また家族とはどういった話をしたか。

前回はいくら通いなれた市役所とはいえ、市の職員として入るのと、市長として登庁するのはまったく違いました。例えば、当選証書一つにしてもどのようにしてもらうかも知らなかったので、1分1分を緊張しながら過ごしていたような気がします。

今日は2期目という緊張感はありますが、少しはゆとりがあるかなと思いました。先ほど当選証書をいただきましたが、やはり非常に重みがありますので、身が引き締まる思いがします。

家族は、選挙期間中は、私はほとんど不在という感じでしたので、そういう意味で今朝は、また普通の仕事が今日から再開されということぐらいで、取り立てて特別な言葉はありませんでした。ただ「行ってらっしゃい」とのことだったと思います。

(24)これからの4年間で一番楽しみにしていることはあるか

今回の選挙中、被災された方々で、自宅が出来上がりました、そして引っ越しましたと話してくださる方が、たくさんいらっしゃいました。

そういうことを、この4年間の間にどれだけ多くの方から聞くことができるか、それを目標に仕事をしていきますので、「引っ越しました」という市民の方の笑顔、ご報告にたくさん出会えることを楽しみにしています。

また、2015年に国連防災世界会議がありますので、そのときに世界中の方がいらっしゃいます。それぞれ大変ご苦労されたり、それぞれの地域ごとの課題を抱えていらっしゃると思いますので、その方々と知恵を出し合って、仙台に来て会議に出て良かったと言っていただける方をどれほど増やしていけるかが、大きな期待とともに、達成感のある目標だと思っています。

仙台市長 奥山 恵美子

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