更新日:2016年9月20日

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ニューヨークで行われた「国連経済社会理事会閣僚級会合 防災サイドイベント」に参加しました(質疑応答)

(1)防災サイドイベントに参加し、国連防災世界会議開催に向けた手ごたえはあったか

ちょうどこの前、伊藤副市長がアジアブロックの会議に出席しましたが、アジアやヨーロッパなど各地域で、兵庫行動枠組みの後継プログラムに関するディスカッションが展開されており、それを受けた会合が今週ジュネーブで開かれます。国連としても、仙台でポスト兵庫をどういう枠組みで進めていくか、その論点が出そろってきた感じです。

大きな問題としては、私どもから提案していた、女性と防災ということについて、女性の開発への参画を含めてしっかりと取り組みたいということです。また、障害を持つ方の防災上の課題などについても、より具体的に盛り込んでいきたいということです。これは国連の障害者権利条約の批准という背景もありますので、議論の新しい論点として出てきています。これは東日本大震災の中でもわれわれ仙台の中でも大きな課題として受け止めた部分ですから、今後の行動計画の中にしっかりと生かされるように、私としても力を入れていきたいと思いました。

(2)国連側でも相当期待が高まっているということか

そうです。これまで防災というとハード面であったのに対して、今回はコミュニティをベースにしたソフト面での防災ということで、どういう議論の深まりができるかという点にポイントが置かれています。また、これまで防災はどうしてもナショナルガバメント(国・政府)の仕事という側面が強く出ていたと思いますが、これからはローカルガバメント(地方自治体)の役割をしっかりと位置づけていかなければならないという議論が出ています。そういう意味では東日本大震災の教訓から発信できるものも、より多くなっていると感じました。

(3)仙台はもともと住民のコミュニティ力が高いがその良さをどう発信していくのか

防災の主流化ということが大事です。今回のサイドイベントもそれが一つのテーマになっています。それを阻んできた理由は、発展途上国などは、どうしても防災には多額のお金がかかるもの、ハードを作らないとできないものという認識があったと思います。今われわれが進めようとしている議論は、もちろんそういうものは必要ではあるが、それだけが全てではない、お金をかけなくても住民の意識を向上させていくことによって多くのことができることをもっと地球全体で共有すべきだというスタンスに立つものです。これは国連としても、あらゆる国に対してアピールできる要素だということで、大変関心を高めてもらっていると思います。

(4)仙台宣言をまとめるとすれば、どのような内容を考えているか

今後、今週行われるジュネーブの会合や11月のプレナリーセッションなどで、具体的には各国の了解を得ながら煮詰めていくことになります。仙台で議論されるものですから、私としては、コミュニティをベースにし、さまざまなコミュニティを構成する人たちがしっかりと力を出し合って、じゅうぶんな防災力を獲得していくといったことが盛り込まれれば、仙台の東日本大震災の教訓が発信できるのではないかと考えています。その点を中心にアピールしていきたいと思っています。

(5)国連の期待の高まりはどんな時に感じられたのか

開催市であるわれわれだけが関わっているわけではなく、国、外務省を代表して菅沼大使も活動していらっしゃいます。また、ニューヨーク駐在の国連常駐代表の吉川大使も、国連全体への働きかけを一生懸命進めていらっしゃいます。

それらの方々のお話を伺う中で、今回の会議開催に向けては国連からも、ハイレベルの参加者の日程が決まりつつあるというご報告や、各地域会議において、防災の主流化に向けてのコミュニティに根差したテーマ設定への賛同の意見が多かったというご報告等も伺っています。それらをトータルして手ごたえと考えると、私としては着実に進んでいるとあらためて思いました。

(6)関連事業の募集はどちらかというと研究機関向けで、町内会が参加するには敷居が高いのではないか

さまざまな研究機関の知見ももちろん大事ですが、コミュニティの実際を動かしていく当事者、国連ではステークホルダーという言い方をしていますが、そういう方々が直接自分たちの考えや経験を発信するのは、大事なことだと思います。

その点についてはワルストロム特別代表も関心を持っていらっしゃって、関連イベントにはぜひそういうコミュニティ・ベースド・アクティビティ(地域に密着した活動)をより多く拾っていきたいとおっしゃっていました。これは個人的な意見だけれども、たくさん参加者がいて仙台市の施設が足りない時は、どこかにテントを張ってもらってでもいいから、いろいろな関連イベントをやってもらえるといいと思うともおっしゃっていました。さまざまな方が参加することによって、全体の関心を深めていくことに気持ちを持っていらっしゃると思いました。

(7)大学や研究機関だけではなく、町内会のようなコミュニティの方々にも参加して欲しいということか

そうです。ある意味で研究機関の方々が全体を見て分析された知見というのも大事ですが、当事者ならではのさまざまな試行錯誤や、場合によっては失敗を踏まえた体験も、インパクトや発信力があると思います。そういう声もぜひ世界に向けて発信できればいいと思います。

(8)今後の開催準備についての意気込みを伺う

国連としては、これから10年の新しい枠組みをつくっていくということで、今、各地域の準備会合という段階を踏みながら進んでいるわけです。一方、現場のわれわれとすると、関連事業は、やっと募集に取りかかった段階です。これを相当程度スピードアップして、しかも一つ一つの内容についてしっかりと把握して、意味あるものになるように構成をしていかなければなりません。一個一個が細かいものですので、この夏場に向けて相当なスピードアップ、文字通り汗をかいてやっていかないと、追いつかなくなる、ますます時間との戦いになるという気がしてきました。