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更新日:2016年9月20日

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「仙台子ども体験プラザ」が開館します(質疑応答)

(1)この施設の開館により、どのような教育効果があると思うか

仕事について学んでいくことは、学校の教育活動の中でも大きな意味があることだと思っていました。学校で学ぶさまざまな知識は、社会に出て仕事という形で生かしていくときに役立っていくことを、子どもにも学習の中で体験してほしい。そしてそういう将来の生かし方が分かっていてこそ、子ども自身も今ある勉強に対して、より前向きなやりがいを身に付けることができるのではないか、と思ってきました。

仙台では自分づくり教育の一環として、例えば、各中学校2年生が地域のいろいろな企業やお店にインターンシップのような形でお邪魔して、そこで現場の勉強をさせていただくこともやってきました。ただ、これにはいくつかの限界があり、体験できる職種が、その地域にあるものに限られざるを得ませんし、それぞれの子どもが行けるのは1回につき、1つにならざるを得ないわけです。そういう中で、今回のスチューデントシティやファイナンスパークは、そういう体験学習の持つ良さを残しながら、多様なものを体験できる、またそれをプログラムによって構成しながらやっていけるので、体験の良さと抽象度の高い学習を兼ね合わせた良さがあると思います。これも今あるものが完成形だとは思っていません。やってみることによって、プログラムをもう少し改善する余地があるとか、事前や事後の学校の学習で、こういうフォローをした方が良いとかも出てくるかと思います。仙台の子どもたちにあった形のプログラムとして成熟させていくことがこれから必要だと思っています。私としては今までの体験型になかったものを、補い得る可能性の高いものではないかと思い、期待しています。

(2)カタール基金からの支援額はいくらか。また、スチューデントシティとファイナンスパークを最初に使うのはどこの学校か

〔学びの連携推進室長〕

カタール基金からの支援金は、約1億5千万円の予定です。
ファイナンスパークの第1回実施校は、事業開始の8月21日、仙台市立中野中学校3年生です。また、小学生対象のスチューデントシティは、9月4日、北中山小学校6年生の予定です。

(3)開館はもう少し早くできなかったのか

施設の改修や、実際にプログラムをしっかりと子どもたちが体験できるように、協賛企業との打ち合わせなどもしなければいけないということでこの時期になりました。この施設は、一般に来て利用する自由来館の施設ではなく、各学校が事前の学習と合わせて、年間スケジュールの中で勉強していく形になっています。学校のプログラムとの調整も含めて、この時期になりました。

(4)今年度は、どのくらいの児童・生徒が体験するのか

〔学びの連携推進室長〕

今年度は年央からのスタートということもあり、小学校はモデル校41校、中学校はモデル校12校、合わせて53校、仙台市内の約4分の1の学校が対象となります。

各学校で、小学校は5年生か6年生のどちらかを選択します。中学校も1年から3年の中で各学校の教育課程に合わせて選択します。来年度は小学校全校、中学校も約半数、平成28年度からは全校実施の予定です。なるべく多くの児童生徒に体験してほしいということで、調整していきたいと考えています。

(5)子ども体験プラザの運営主体はどこか。スタッフの数はどのくらいか

〔学びの連携推進室長〕

運営主体は仙台市で、教育委員会が所管します。職員5名がスタッフとして働く予定です。

また、スチューデントシティは、開催日に各協賛企業から1名の社員ボランティアを派遣していただきます。全部で11名の社員ボランティアと、地域保護者等の登録ボランティア、市民ボランティアも考えており、合計でボランティアが33名入ります。

ファイナンスパークは、生徒6名に1人、120名規模だと20名のボランティアにご協力いただく予定です。ですので、同時開催の場合は60名近い大人が、子供たちのサポートをします。

(6)子ども体験プラザの代表者はいないのか

教育委員会の組織で、学びの連携推進室が運営します。学校教育の一環として学校単位で利用する施設で一般の方がフリーで来て利用できるわけではありませんので、館長という職種は設定していません。教育委員会が直接運営する新しい体験型の学校みたいなものが、教育委員会の外の場所にできたというイメージを持っていただくと、組織的には近いと思います。

(7)この施設が仙台にできた経緯を伺う

カタール国が震災復興の中で、カタールフレンド基金を設けました。その中で、女川町の水産施設を助成されたり、仙台市にも起業施設を建設されたりしています。

カタールと仙台市との相互の話のすり合わせにおいて、こども体験プラザの活動の話が出てきました。復興というのは、道路を直したり住宅を建てたりということももちろんありますが、最終的には被災したまちの将来を担う子どもたちがしっかりと育っていくことが、最大の最後の復興の要だろう、ということから仙台市としては、子どもたちのためになる支援をお願いしたいとなりました。子どもに何か新しい体験をさせて、新しい学びに役立つ施設という形で支援していただけるとありがたいという話になりました。

アート活動はどうかとか、いろいろな話がありましたが、その中で体験型の仕事と働くことにテーマを絞ったものがいいということで、ジュニア・アチーブメント日本さんをご紹介していただいた経緯があります。

(8)もっと低学年を対象としたキッザニアなどもあると思うが、今回のプログラムにしたのはなぜか

仙台市では、「自分づくり教育」を行っている中で、中学2年生が地域のお店などに行って体験学習をします。それとの相乗効果が狙えるものを考えると、学校が何らかの形でそこに関わって、全体のカリキュラムや体験のクオリティ、体験のありようなどを見ていける形がいいと思います。

キッザニアは大変人気のある施設ですが、自由来館の施設です。親御さんが連れて行くか行かないかから始まって、任されるところが違います。仙台の場合は、トータルに関わっていくという意味では、スチューデントシティ、ファイナンスパークの形が良いというのが教育委員会の判断です。