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更新日:2016年9月20日

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ガイドウォークの1年

このページでは、太白山自然観察の森で行われたガイドウォークの1年間の活動が見られるよ。

各月をクリックして、どんなものが観察できたのか見てみよう!

春(3月4月5月

夏(6月7月8月

秋(9月10月11月

冬(12月1月2月

3月

画像/3月の太白山

長かった冬もようやく終わりに近づいた。
マンサクの花をトップバッターに、木々や草花、昆虫や小鳥たちも次々に名乗りを上げて、春が近づいてくる。

画像/マンサクのつぼみ画像/マンサクの花

マンサクのつぼみ(左)マンサクの花(右)

今月の観察ノート

動き出した虫たち

シロスジカミキリは幼虫の時代をコナラやクヌギの木の中にすんで、木を食べながら大きくなる。

去年の秋までは幼虫のすんでいる穴から木くずがさかんに出ていたけれど、冬の間はそれもお休み。
きっと、幹(みき)の中でじっとしていたんだろう。

それが、春が近づいたのでまた起き出してきたんだね。

画像/木を食べるシロスジカミキリの幼虫

幹(みき)の中で木を食べるシロスジカミキリの幼虫

画像/シロスジカミキリの幼虫のアップ

こんな口でガリガリと

画像/シロスジカミキリの成虫画像/風で折れたコナラの木

成虫はこんな姿だ(6~8月)強い風で折れたコナラの幹
カミキリムシにかじられて弱ったところに強風がふくと
こんなふうに折れることも

小鳥たちのお目当ては

画像/エナガ

エナガ

春が近づくと小鳥たちもそわそわ。
エナガやヤマガラがイタヤカエデに集まってくるのはどういうわけ?

画像/ヤマガラ

ヤマガラ

画像/イタヤカエデの花

イタヤカエデの花(5月に撮影)

答えは、樹の幹や枝の傷からしみ出る樹液をなめに来たんだ。


糖分(甘み)をふくんだ樹液は、まだエサの少ないこの季節、小鳥たちにとっては大切な食糧(しょくりょう)なんだ。

センターの窓からも観察できることがあるよ。

4月

画像/4月の太白山

カタクリの花が咲きみだれる春。

一年にうちでこの短い季節にだけ姿を現す植物とそれに集まる虫たちを観察しよう。

今月の観察ノート

カタクリをめぐる虫たち

画像/カタクリの花

カタクリの花

春は始まったばかり。
まだ花の少ないこの時期に花を咲かせるカタクリは、春先に活動を始める昆虫たちにとってミツや花粉など貴重な食糧(しょくりょう)を分けてくれる大切な植物。

どんな虫たちが集まるのだろう?

どうやってミツを吸うのだろう?花粉はどうするの?

晴れた暖かい日は虫たちの活動も活発。自分の目で確かめてみてね。

画像/カタクリのタネを運ぶアリ

アリが運んでいるのはカタクリの種子

画像/カタクリの花2

こんなふうに咲いている

タンポポの茎が伸びてきた

冬の間、タンポポは葉を地面にべったりと広げて寒さをしのいでいたよ。

この状態を「ロゼット」といい、さがすといろいろな植物がこうしているんだ。
それが暖かくなるにつれて、茎を伸ばして花を咲かせ始める。

近所の公園でも見られるかもしれないよ。

画像/冬に花を咲かせるタンポポ

冬に花が咲くこともある

画像/エゾタンポポの葉

エゾタンポポの葉

画像/花を咲かせたエゾタンポポ

花を咲かせたエゾタンポポ

聞けるかな?フジの実のはじける音

画像/フジの実

フジの実

画像/フジのさや

弾けたあとのさや

ほとんどの木は、秋から冬にかけて実をならせ、種を旅立たせるんだよ。

けれどもフジは今ごろになって種を飛ばす。
20cm以上もある「さや」がよく乾燥すると、ある日「バチッ」という音とともに割れ、その弾みで種が飛び出すんだ。すごく大きな音なんだ。

ガイドウォークの途中で聞けたらいいね。

ダニにご用心

画像/葉の先にとまるダニ

木の葉の先にとまって動物が来るのをじっと待つダニ(腹ぺこ)

暖かくなると、ダニたちも「エサ」を求めて動きだす。
葉っぱの先でけものたちを待ち伏せて、エイッと取り付くんだ。

画像/拡大したダニ

おなかがいっぱいになると、ほらこんなにプックリと。

小さな体の何倍もの血を吸ってふくれた姿にはびっくり。

野山を歩くときは皮膚をできるだけかくそう。えり元にタオルを巻くのも良い。

家に着いたら服や体を点検してから家の中に入ろう。

5月

画像/5月の太白山

5月の森は1年中でダイナミック。
若葉がみるみる広がって、花の主役も次々に交代する。
それらに集まる昆虫たちもグンと種類が増える。

今月の観察ノート

1か月でこんなに増える初夏の緑

4月の中ごろに若葉が芽吹いたかと思うと、ぐんぐん濃くなっていく森の緑。
1年を通して同じ場所を取った写真を見てね。

画像/5月8日の森の様子

5月8日

画像/5月14日の森の様子

5月14日

画像/6月5日の森の様子

6月5日

画像/6月12日の森の様子

6月12日

画像/8月16日の森の様子

8月16日

画像/10月30日の森の様子

10月30日

画像/12月23日の森の様子

12月23日

画像/3月10日の森の様子

3月10日

画像/4月15日の森の様子

4月15日

芽吹きの階層(かいそう)

本当に「いっせいに」芽吹くのかな?

この写真を見てみよう。
下草や低い木は葉を広げているけれど、
高い木のこずえはまだだね。

この季節、森に入るといろいろな発見がありそうだ。

それにしても、
どうしてこんな順番に葉をひらくのかな?

画像/芽吹き始めた森

スミレの花、いろいろ

スミレの花は春の代表。自然観察の森にもいろいろな種類のきれいなスミレが咲いているよ。
花の色、形、大きさを比べてみよう。

画像/ナガハシスミレ

ナガハシスミレ

画像/タチツボスミレ

タチツボスミレ

画像/マキノスミレ

マキノスミレ

画像/エイザンスミレ

エイザンスミレ

画像/墨つぼ

この「墨入れ(墨壺)」の形にスミレのつぼみが似ていることから、
スミレの名前が付いたといわれている。

6月

画像/6月の太白山

緑がいよいよ濃くなってくると、
しげった葉をモリモリと食べるチョウやガの幼虫も元気いっぱい。
梅雨入りを喜んでカエルたちもさかんに鳴いているよ。

今月の観察ノート

ケヤキの若葉の変なイボ

画像/イボがついたケヤキの葉

ケヤキの若葉を見ると、ふくらんだ小さなイボのようなものが付いていることがある。

割ってみると、中にはたくさんの小さなアブラムシが見つかる。どこにも入り口はなさそうなのに、どうやって入ったのだろう?

これはケヤキヒトスジワタムシ(ケヤキフシアブラムシ)がつくった「虫こぶ」。

画像/こぶのアップ

春に生まれた幼虫が針のような口でケヤキの葉の裏側にある物質を注射すると、その部分がアブラムシを包むように成長して袋になる。その中に隠れて、アブラムシは親になって子どもをたくさん産むんだ。

でも、こんなにじょうずに隠れても、スズメたちに見つかって食べられてしまうこともあるけれどね。

街の中の街路樹や公園でも虫こぶは見つかる。
食べられた虫こぶと食べられていない虫こぶを数えて、数を場所ごとに比べると何かおもしろいことが分かるかもしれないよ。

画像/虫こぶができるまでの過程のイラスト

森のサクランボ

お店で売っているサクランボのようには甘くないけれど、野生のサクラにもしっかりと実(サクランボ)がなる。

自然観察の森にも何種類かサクラが生えている。

どんな味がするかというと……それは試してのお楽しみ。


校庭のソメイヨシノの実はどんな味がするかな?

画像/ウワズミザクラの実

ウワミズザクラの実

自然観察の森のカエル

自然観察の森には7種類のカエルが住んでいる。そのうちの4種類はこんなカエルたちが住んでいるよ。

画像/アマガエル

アマガエル

画像/シュレーゲルアオガエル

シュレーゲルアオガエル

画像/ニホンアカガエル

ニホンアカガエル

画像/タコガエル

タコガエル

夏鳥の姿を見つけよう

この季節になると、夏鳥たちが森を忙しく飛びかっている。

巣を作って卵を産み、ヒナのためにエサをつかまえては運んでいるんだ。バードウォッチングには良い季節だよ。

画像/オオルリ

オオルリ

7月

画像/7月の太白山

すがすがしい森の香りは、梅雨時が一番。
カブトムシやクワガなどの人気者もいよいよ登場だ。

今月の観察ノート

虫のレストラン


梅雨明けを待っていたかのようにカブトムシやクワガタたちが、さなぎからかえる。
樹液がしみ出しているクヌギやコナラの幹は、まるで虫たちのレストラン。
どんな虫が集まっているんだろう?

画像/カブトムシとスズメバチ

カブトムシとスズメバチが並んで樹液を吸っている。

画像/ノコギリクワガタ

ノコギリクワガタ

画像/ミヤマクワガタ

ミヤマクワガタ

画像/カブトムシとタテハチョウの仲間

タテハチョウの仲間も

字書き虫!?

画像/字書き虫がいる葉

森の中でクネクネとしたもようの葉を発見。

よく見ると、まるで一筆書きか文字のように見える。
模様がついているのは、葉の裏でもなければ表でもない。


これはハモグリバエやハモグリガなどの幼虫が葉の中にもぐり込んで食べ進んだトンネルなんだ。

虫を観察する道具のいろいろ

画像/カップレンズ

カップレンズ

透明なカップのフタがレンズになっている。
つかまえた虫を、逃がしたり弱らせることなしにレンズで拡大して観察できる。

画像/ふたを外したカップレンズ

画像/カップレンズを使って観察している様子

8月

画像/8月の太白山

夏まっさかり。カブトムシ、クワガタ、オニヤンマ、セミ・・・・。
元気に飛び回る虫たちと森の関係を調べてみよう。

今月の観察ノート

セミの鳴く時間と季節

自然観察の森には7種類のセミが住んでいる。

(アブラゼミ・エゾゼミ・ヒグラシ・ミンミンゼミ・ニイニイゼミ・チッチゼミ・ツクツクボウシ)
種類によって鳴き始める時期もちがえば、1日のうちでも鳴くセミの種類もちがう。
ときどき、聞きにおいで。

自然観察の森のセミたち

画像/アブラゼミ

アブラゼミ

画像/エゾゼミ

エゾゼミ

画像/ヒグラシ

ヒグラシ

画像/ミンミンゼミ

ミンミンゼミ

画像/ニイニイゼミ

ニイニイゼミ

画像/チッチゼミ

チッチゼミ

クズのひみつ コミスジのカーテン

夏になると、やぶや林のふちをクズがおおいつくす。
小さなむらさき色の花がきれいだよ。

画像/クズのつるにおおわれた野山

野山をおおう夏のクズ(写真の下の部分)

画像/クズの花

クズの花

画像/コミスジの幼虫

コミスジの幼虫、どこにいるかわかるかな?

その葉を注意して見ると、葉の一部が切れてリボンのようにぶら下がっているのが見つかる。

これはコミスジというチョウの幼虫がつくったもの。


画像/コミスジの成虫

コミスジの成虫

クズの葉っぱを食べながら、自分が隠れるためのカーテンにしているんだ。
幼虫の色は何色かな?

クズのひみつ2 葉が開いたり閉じたりするわけ

画像/クズの葉

葉を立てて夏の日差しを避けるクズ

真夏の太陽がてりつける日は、クズのしげみの全体が白っぽく見える。

実はクズの葉は、表は緑色だけれど裏は白っぽい。
日ざしが強くなるとそれをさけるために、葉を縦にたたむので白っぽく見えるんだ。

夏の暑い日、朝昼晩とクズの葉の様子を観察してみよう。

チョウの通る道を見つけよう

夏の晴れた日、木もれ日のさす森を歩いていると、チョウが飛んでいる。
何匹もチョウを見ていると、どうも同じようなコースを飛んでいるような気がしてくる。
どうしてだろうか?

画像/ミヤマカラスアゲハ

ミヤマカラスアゲハ

トンボと遊ぶ

画像/ミヤマカワトンボ

ミヤマカワトンボ

画像/オニヤンマ

オニヤンマ

画像/ルリボシヤンマ

ルリボシヤンマ

画像/産卵するオオルリボシヤンマ

オオルリボシヤンマの産卵

自然観察の森にはいろいろな種類のトンボがいる。

もしもつかまえたら、トンボの羽根をいためないように、こんなふうに手に持って観察してね。

これなら、放してやればまた元気に飛んでいける。

画像/トンボを手に持っている様子

トンボの持ち方

さて、トンボを催眠術(さいみんじゅつ)にかける方法があるんだけれど、知らなかったろう?
こんなふうに眠っちゃうんだ。合図をするととび起きるよ。
やり方は、ガイドウォークに参加してのお楽しみ。

画像/催眠術にかかったトンボ

9月

画像/9月の太白山

秋の草花が咲くと、虫たちの鳴き声もまっさかり。
花のしくみを調べたり、鳴く虫の姿を追いかけてみよう。

今月の観察ノート

オニグルミを見上げてごらん

センターの横を笊川(ざるがわ)という小川が流れている。
このほとりにはオニグルミの大木が生えていて、ニホンリスたちのお気に入りの場所になっている。

画像/オニグルミの実

これがオニグルミの実だよ、おいしそう?

根元にはリスたちの食べ残したクルミのからなどが散らばっていたり、運が良ければクルミの実をせっせと運ぶようすも見られるよ。

画像/オニグルミを割っているリス

ヤナギの木でクルミの堅いからを割っている。

かわいいね。

画像/オニグルミのから

下には食べた後のクルミのからがおちている。

きれいに中身だけたべているね。

人間が食べてもおいしいんだよ。

画像/クルミのみ

かじった跡の残ったクルミの実。

2本の前歯の跡がハッキリ!

落ちた小枝のなぞ

雑木林(ぞうきばやし)にまだ青い葉っぱとドングリのついた小枝が落ちている。落ち葉の季節にはまだ早いのに……

これは、ハイイロチョッキリというオトシブミの仲間のしわざらしいぞ。

画像/落ちた小枝

切り落とされたコナラ

メスがドングリのみをかじって穴を開け、そこに卵を産んで枝ごと地上に落とすんだって。

画像/卵を産み付けられたドングリ

その実を割ってみると...卵があった。

成虫はこんなかたちをしている。

キミは見つけられるかな?

画像/ハイイロチョッキリの成虫

ハイイロチョッキリの成虫

森の足ながおじさん

画像/ザトウムシ

長い足を振りながら歩くザトウムシ

この写真を見て。

長い足が8本あってクモみたいだけど、体のつくりがちょっとちがうね。

これはザトウムシといって、木かげや木の幹にむらがっているのを見かけるよ。

画像/コガネグモ

ナガコガネグモ

クモとどこがちがうのか、比べてみよう。

ミズヒキの花をよく見ると

画像/ミズヒキの花

ヨシの湿地にはえていたミズヒキ

画像/水引

これが水引だ。

お祝いののし袋にかけてある紅白のひもを「水引(みずひき)」という。それと同じ名前の草が生えているよ。

画像/ミズヒキの花の拡大画像

ひとつひとつの花が赤白にわかれている。

花の一つひとつをルーペでよく見てごらん。
きれいに2色に分かれていて、感激!

キバナアキギリ

この時期になると森のなかではキバナアキギリの黄色い花がめだちます。

秘密っていったい何でしょう?

じつは、この花にはちょっとした仕掛けがあるのです。

画像/キバナアキギリにもぐりこむハチ

ハチなどの昆虫が花の奥のミツをなめようともぐりこむと、オシベが上のさやから降りてきてハチの背中に花粉をつけます。(赤い矢印)

こうして子孫を確実にふやそうとしているのです。

画像/キバナアキギリの花粉のつけ方

野菊の花びらの数

野菊の花びらの数は、1本1本ごとにちがう。
でも種類によって、多いもの少ないものと、大まかにはきまっているらしい。
数えてみよう。

画像/ユウカギク

ユウカギク

画像/花びらが20枚のユウカギク

このユウガギクは花びらが20まい

画像/花びらが14枚のユウカギク

おなじユウガギクでもこちらは14まい

10月

画像/10月の太白山

実りの秋。樹木や草は、種をできるだけ遠くに運ぶためにいろいろな工夫をしている。
どんな工夫をしているのか、特徴を比べながら歩いてみよう。
きのこたちのようすも見逃せないよ。

今月の観察ノート

イチイとニシキギの木

イチイとニシキギ。どちらも山に生えていたり、
公園や家の庭にもよく植えられている、なじみ深い木だ。

画像/イチイの実

イチイの実

イチイの実の赤い部分は柔らかくて甘い味がするよ。

注意!

堅い(かたい)種の部分は毒です。絶対に食べないで!

味見をしてみたい人は、大人の人と一緒に試してみてね。

画像/ニシキギの実

ニシキギの実

ニシキギの実の表面は緑だけれど、熟(じゅく)すると割れてだいだい色の種が出てくる。

どちらも鳥が種を遠くに運んでくれる。種を実ごと鳥に食べさせ、種は消化されずにどこかでふんといっしょに落ちるんだ。

イチイは甘いからよいけれど、ニシキギにはおいしい部分はない。ちょっとずるいかも。

七色に輝くノブドウの実

林のふちややぶの回りにノブドウが実を付けている。大きさも実の色もさまざまだ。近寄ってよく見ると、小さな穴があいているものがたくさんある。

割ってみると、中がすっかり虫に食べられている。食べた虫もどこかに行ってしまったようだ。

食べられた実と食べられていない実。大きさや色に何かきまりがあるかもしれないよ。

画像/ノブドウ

ノブドウ

クリから出てくるイモ虫

画像/クリムシの幼虫

クリからイモ虫がでてきた

自然観察の森にはクリの木がたくさんあって、この季節になるとイガといっしょにクリの実もたくさん落ちている。

ひろってきた実をとっておくと、白い幼虫が出てきたりもする。それがクリムシ。

画像/クリシギゾウムシ

クリムシの1つ、クリシギゾウムシ。成虫はこんな形だ。

「クリシギゾウムシの幼虫」と書かれている本が多いけれど、それ以外にもいろいろな虫が住んでいるらしい。

飼って調べてみよう。

紅葉と黄葉

秋になると落葉樹(らくようじゅ)の葉は赤や黄色に色づく。
何色になるかは木の種類によってだいたい決まっているけれど、
中には同じ種類なのに黄色になったり赤になったりするものもある。
どうしてそんなふうになるんだろうね?

画像/紅葉したハウチワカエデ

赤く色のついたハウチワカエデ

画像/黄葉したハウチワカエデ

黄色になったハウチワカエデ
どうして赤いところと黄色いところが
あるのかな?

11月

画像/11月の太白山

秋もおわり。
木々は次々に紅葉(こうよう)して、虫たちは冬越しの準備にいそがしいようだ。
落ち葉も始まっている。静かな森で耳をすませば、さまざまな音が聞こえてくるよ。

今月の観察ノート

カエデらしくないカエデ

でも、これがけっこう、種類が多い。
カエデの名前は、形が蛙の手に似ていることから、
「蛙手(かえるで)」がカエデになったとも言われる。
ところが、蛙の手には似ても似つかない葉を付けるカエデもある。たとえばこれも……

画像/チドリノキ

チドリノキ

紅葉といえばカエデ。黄色に色づいたチドリノキ。

ふつうの木のようにみえるけど…

画像/チドリの実

チドリノキの実

羽根のついたタネをみるとカエデのなかまだとわかる。

ほかにもカエデらしくないカエデがこんなに!

画像/メグスリノキ

メグスリノキ

画像/ミツデカエデの花

ミツデカエデ(5月)

画像/ハウチワカエデの花

ハウチワカエデ(5月)

はじけるマンサクの実

画像/マンサクの実

マンサクの実


マンサクはバチッと大きな音を立てて、実をいきおいよくはじけさせて遠くへ飛ばす。

ほかの植物はどんな風に種を飛ばすのだろう?

樹皮(じゅひ)についた黒いつぶつぶ

コナラやクリの幹にゴマ粒のような黒いつぶつぶがしきつめられていることがある。
これはクリオオアブラムシの卵。晩秋が産卵のシーズンだ。

画像/クリオオアブラムシの卵

びっしりと産みつけられたクリオオアブラムシの卵

画像/クリオオアブラムシの卵拡大図

拡大図。こうして冬を越します。

12月

画像/12月の太白山


すっかりと葉を落としてしまった森はさびしいかって?
いや、こんな季節だからこそ、かえって観察しやすくなるものもある。
木々の枝ぶり、芽ノ形。冬鳥たちの姿。
落ち葉が土にかえっていくようすも見てみよう。

今月の観察ノート

幼い芽を守る防寒着

画像/ミヤマガマズミ

ミヤマガマズミ

葉を落とした木々の枝には、もう冬芽が付いて翌年の準備ができている。

寒いこの季節、こごえてしまわないように綿毛(わたげ)でおおったり、よろいを着たり。

みんないろいろな工夫をしているんだね。

画像/ホオノキ

ホオノキ

画像/トチノキ

トチノキ

カツラの樹皮(じゅひ)と枝

画像/カツラの木

冬のカツラ

葉の落ちたカツラは、幹と枝の観察にはもってこい。冬芽は牛の角みたいな形をしている。

スケッチしてみよう。また、どんなふうに成長するのか考えてみようか。

それと、根元に散らばっている枯葉がどんなにおいがするのか、試してみてね。

画像/カツラの木(夏)

夏のカツラ

画像/カツラの葉

カツラの葉

葉の落ちたあとも面白い

落ちた葉は、何年もかけてだんだんと腐り、やがて土になっていく。
そして、木々や草の養分になっていく。
積もった葉が変化していくようすを見るために、穴を掘ってみたよ。

画像/落ち葉から土になるまでの比較

落ち葉から土になるまでを比べてみた

画像/土壌

穴を掘って断面を観察すると、その様子がよくわかる。

降り積もった落ち葉は、だんだんと細かくなっていき、分解されて最後は土になる。

1月

画像/1月の太白山

葉がすっかり落ちてしまうと、思ったりよりも明るい冬の雑木林(ぞうきばやし)。
暖かい身じたくで歩いてみよう。
枝先、落ち葉、朽(く)ち木などいろいろな場所で、
さまざまな生きものがひっそりと春を待っている様子に出会えるかもしれないよ。

今月の観察ノート

短い枝と長い枝

冬になって葉が落ちた樹木は、木の形や枝の様子などが観察しやすくなる。
枝をよく見ると、長い枝と短い枝が組になっている種類の木があり、枝の付き方や伸び方もいろいろ。

画像/枝を比較したイラスト

たとえばアオハダは、長い枝が水平に伸びて2~4cmおきに短い枝が出ている。
リョウブの長い枝は、いったん斜め下に伸びてからななめ上に伸びるので、横から見ると波を打ったみたい。

画像/リョウブの枝

リョウブの枝

いろいろな木の枝を見くらべてみよう。
どうしてこんなふうになっているのかな?

冬越しする昆虫たち

画像/観察する人たち

あっ、見つけた!

昆虫たちは卵・幼虫・さなぎ・成虫といろいろな姿で冬を越す。
どのように冬を越すのかは、種類によってちがう。
チョウの仲間でも、幼虫で越したり、成虫で越したりとさまざまなんだ。

画像/オオカマキリの卵

オオカマキリが木の茎先に卵を産みつけた

画像/ヤママユガの卵

ヤママユガの卵はコナラの小枝に

画像/オオムラサキの幼虫

オオムラサキの幼虫が落ち葉のふとんをかぶってる

画像/エダシャクの幼虫

エダシャクの幼虫がどこかにいるよ

画像/コミミズクの幼虫

コミミズクの幼虫をさがしてね

画像/クロアゲハの幼虫

クロアゲハのさなぎ

画像/テントウムシ

いろいろな種類のテントウムシが
物置の天井で「おしくらまんじゅう」

画像/ホソミオツネントンボ

ホソミオツネントンボは小枝そっくり

画像/キチョウ画像/ルリタテハ

キチョウ(上)やルリタテハ(右)は、少し暖かい日には飛んだりもするよ

温かい木、冷たい木

ちょっと寒いけれど、手袋をはずして木の肌を触ってみよう。
冬なのに思ったよりも温かいかも。
いろんな木を触って比べてみよう。ちょっとずつ温かさがちがって感じられることがあるよ。

温かいと感じた木

冷たいと感じた木

画像/クヌギの木

クヌギ

画像/マンサク

マンサク

画像/アカマツ

アカマツ

画像/エゴノキ

エゴノキ

画像/ネジキ

ネジキ

画像/ホオノキ

ホオノキ

木々の香りをたずねて

画像/ヤマコウバシ

ヤマコウバシ

枝先をほんのちょっと折ってみると、木々たちにはそれぞれ独特の香りがある。

雑木林を歩いたら、ちょっと試してみよう。鼻を使っても自然観察はできるんだよ。


<どんな香りがするかは来てのお楽しみ♪>

画像/オオバクロモジ

高級なつまようじにも使われるオオバクロモジ

ササとタケってどこがちがう?


ササとタケって近い仲間だから似ているけれど、ちょっとちがうところもある。
仙台では、ササは林や山道沿いに野生している細い種類、タケは農家などの裏山に植えられている太めの種類といわれている。
いろいろな見分け方があるけれど、確かなのは「皮が残るかどうか」だ。
タケは伸びるにつれて前の年に生えた皮が落ちて、夏ごろには無くなってしまう。
けれどもササは、冬が過ぎても皮が付いたまま。
この季節が、一番観察しやすいよ。

画像/ササとタケのイラスト

画像/アズマネザサ

アズマネザサ

画像/タケ

タケの仲間

2月

画像/2月の太白山

立春(2月4日ごろ)を過ぎてからが、一年の中でも本当に寒い季節。雪が積もると、点々とけものの足跡が。たどってみようか?
おや、木の根元には木くずやかけらがたくさん・・・・・
冬の森は、動物たちの残した証拠がいっぱいだ。

今月の観察ノート

年をとると色が変わる枝

木は、毎年新しい枝を伸ばして成長する。
その新しい枝の色は、赤や、灰色、緑色、黄色などさまざま。
木の種類によって決まっているんだよ。
真冬の森は思ったよりもカラフルなんだ。

画像/ネジキ

ネジキの新しい枝

画像/枝の解説イラスト

あべこべ?

「常緑樹(じょうりょくじゅ)」とは、一年中緑の葉をしげらせている種類の木のこと。
「落葉樹(らくようじゅ)」とは、毎年葉を落とす種類の木。
ところが……

<真冬に落葉樹の青葉が!>

画像/スイカズラ

スイカズラ

画像/ヤマツツジ

ヤマツツジ

木の皮になぞの傷あと

マンサクやカエデの仲間などの幹の表面の皮がけずられたようにはがれていることがある。
これは、カモシカの「つのこすりあと」。
けずったところに自分のにおいをすりつけて、なわばりのしるしにしているらしい。
物干しざおくらいの太さの幹の木で、膝ぐらいの高さのところでよく見かけるよ。

画像/カモシカ

カモシカ君、こんにちは。

画像/カモシカの角のあと

カモシカのつのこすりあと

画像/観察する人たち

ノネズミの穴も発見したぞ

ちらばる木のかけら

画像/キツツキの食べたあと

キツツキのたべたあと

木の根元に、何やら木くずや虫のかけらがたくさん…
見上げるとキツツキたちのつついた穴が。
虫たちを探して食べていたんだ。

画像/キツツキ

木をつついているキツツキ

画像/コゲラのあけた穴

コゲラがつついた穴

画像/キツツキがつついたせいで皮がはがれた木

これもキツツキのしわざ

春(3月・4月・5月)に戻る。

夏(6月・7月・8月)に戻る。

秋(9月・10月・11月)に戻る。

冬(12月・1月・2月)に戻る。

お問い合わせ

建設局百年の杜推進課

仙台市青葉区二日町12-34二日町第五仮庁舎4階

電話番号:022-214-8389

ファクス:022-216-0637