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更新日:2019年2月7日

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平成31年度施政方針要旨

平成三十一年第一回定例会の開会にあたり、市政運営の所信の一端と施策の大綱について申し述べます。

仙台が市制施行し、都市としての歴史をスタートしてから間もなく百三十年。平成の時代とともに政令指定都市に移行してから三十年の歩みを刻んできた本市は、この間、東日本大震災をはじめとする幾多の試練や時代の変化を乗り越え、環境と都市機能が美しく調和する「杜の都」を創り上げてまいりました。多くの先人のご努力に、改めて敬意を表します。
そして今、グローバル化や高度情報化、人々のライフスタイルの多様化など、私たちを取り巻く環境は大きく変化しています。私は、いかなる時代にあっても仙台が人々の夢や意欲を育み、躍動し続けるまちであってほしい、そのためには、多様な人々の知恵と力をかけ合わせ、力強く前進することが必要だと考えます。その道筋を探す鍵は、「杜の都」の豊かな自然、知的資源や若者の多い学都、震災を乗り越えた市民力など、先人たちが築き上げてきたこのまちの個性にあるのだと思うのです。市民の皆さまとともにこれらの都市個性を見つめ直し、磨き上げながら、新たなチャレンジを続けてまいります。
新年度には、未来に向けた本市のまちづくりの指針となる新総合計画の議論が本格化します。次なる三十年を見据え、変革へのスタートラインに立って、輝き続ける未来への活路をともに切り開いてまいりましょう。
このようなまちづくりに向けた第一歩として、経済成長と交流人口ビジネスの活性化に向けた戦略を掲げました。
都市活力の根幹を支えるのは、何より地域経済の成長であり、このことは魅力的な働く場の創出や、東京圏への人口流出抑制など、本市のまちづくりの観点においても重要な要素です。イノベーションによる中小企業の経営力の強化や新たな産業の創造、生産性の向上に加え、創業支援や次世代放射光施設の整備を見据えた研究開発機関の誘致など、地域経済の活性化に向けてあらゆる手立てを尽くしてまいります。
また、人々の価値観が多様化する中での交流人口拡大に向けて、仙台・東北の食や風土等の豊かな資源をつなぎ合わせた「ここでしか味わえない時間」を形作り、国内外から多くの人を呼び込みます。裾野の広い観光産業をより元気にすることで、産業全体を強化し、地域活力を生み出していく考えでございます。
さらに私は、経済・観光の活性化のためには、その中心的な舞台であり、東北の玄関口でもある都心の機能強化が重要であると考えます。そのため、まちづくりに関わる皆さまとの連携のもと、市役所本庁舎建て替えや定禅寺通活性化、音楽ホール整備の検討などを進めるとともに、老朽化の進む建築物の更新を誘導してまいります。そしてこれらの取り組みを契機として、都心の回遊性向上や、仙台ならではの洗練された魅力があり、きらりと輝きを放つ空間の創出を目指す「(仮称)都心再構築プロジェクト」をスタートいたします。
もとより、まちの主役は「人」です。若者や高齢者、障害者など、全ての市民の皆さまが生涯にわたって安全に、元気に暮らし、持てる力を発揮できる環境づくりに力を入れてまいります。
子どもたちは未来への希望です。子どもたちに関わる痛ましい事案が二度と起きることのないよう、さらなる教育環境の整備や、子育て支援など、子どもが健やかに学び育つ環境づくりにしっかりと取り組みます。また、地域における支え合いや就労支援、生活の基盤である地域コミュニティの強化や地域交通の確保、被災されたお一人おひとりの心の復興など、市民の暮らしに寄り添った施策を総合的に推進するとともに、復興に向けて発揮された市民の皆さまの力を結集しながら、防災環境都市づくりを加速してまいります。
このような考えのもと、新年度の主題を「躍動する杜の都 新たなステージへ」とし、議会をはじめ市民の皆さまとともに、希望ある未来を創るべく、全力で取り組む考えでございます。

新年度の施策の第一の柱は、「人が集い、成長し続けるまちづくり」です。
都市の発展には、暮らし、学び、働く場として多くの人々に選ばれ、そこからにぎわいと経済活力が生み出され続けることが不可欠です。その要となる地域経済の活性化、地元中小企業の競争力強化を強力に推進してまいります。
高成長が見込まれる意欲ある企業を対象とした集中的、継続的な経営支援により、地域経済を牽引する仙台未来創造企業を輩出するとともに、ベンチャー企業への留学等により中核人材を育成し、中小企業の経営力を高める取り組みを開始します。
また、東北全域を対象とした集中支援プログラムにより、急成長が期待され、社会課題解決にもつながるような起業家を生み出すとともに、小中高校生向けワークショップ等により起業の裾野を広げる取り組みを進めてまいります。
企業の持続的成長を支えるには、人材の確保と定着が不可欠です。地元企業へ就職する方を対象とした奨学金返還支援制度を開始するほか、転職、起業するために東京圏から移住する場合の支援制度を導入いたします。
さらなる成長が見込まれるIT産業につきましては、防災、健康福祉、医療等のさまざまな業種との協業によるX-TECHを推進し、新たな事業モデルの構築と関連企業の集積を目指します。
仙台・東北の未来に大きなイノベーションと波及効果を生み出す次世代放射光施設について、施設の利活用に向けた取り組みや関係機関との連携構築を進め、この施設を中核としたリサーチコンプレックスの形成を図ってまいります。
農業の振興に向けましては、農産物のブランド化や高付加価値化を通じた収益性の向上を図るため、新たな特産品の開発等の六次産業化の取り組みや、その拠点となる施設の整備を支援するほか、生産基盤となる農地のほ場整備や、水路、ため池などの長寿命化を着実に実施いたします。
交流人口拡大の取り組みについては、にぎわいを呼び込むだけでなく、国内外からの誘客を消費につなげる施策を集中的に展開することが必要です。
本市ならではの新たな観光コンテンツの発掘と既存資源の磨き上げにより、事業者や市民による多彩な体験プログラムの創出を促進し、誰もが楽しめる「日本一の体験都市」を目指します。併せて、来訪者向けの新たなサービスを提供する事業者など、担い手の発掘や育成を行ってまいります。
さらに、仙台空港への新規路線誘致に向けて取り組むとともに、旅行者の国や地域といった属性や目的に即したプロモーションによるインバウンドの促進、大規模な企業内会議や研修会など新たな分野における会議誘致を進めます。
交流人口の拡大を考える上で、「東北」という視点も欠かせません。コンテンツとしての食に着目したツーリズムを推進するほか、勾当台公園に東北の食材を活用するカフェレストランを設置し、東北の多様な魅力を発信します。
東京オリンピック・パラリンピックに向けて、東北六市共同による復興と観光情報の発信に向けた準備を進めるほか、ホストタウンとして事前キャンプの誘致や交流事業に引き続き取り組み、スポーツシティ仙台としてのポテンシャルを高めるよう努めてまいります。
経済活性化に向けた取り組みを進める上では、本市のみならず東北の活力を牽引する都心機能の一層の強化と、都市機能と自然環境が調和した都市空間や、文化の創造性、歴史的な要素を生かしたまちづくりが重要になります。
このような認識のもと、都市空間形成の指針となる都市計画マスタープランと交通政策の基本方針となる都市交通プランの改定に本格的に着手いたします。併せて、経済の活性化と連動させた都心機能の更新や利便性の高い都心交通環境の整備等に取り組んでまいります。
定禅寺通の活性化に向けて、公民が連携して議論を深めながらにぎわいの創出と都心全体の回遊性の向上につなげていきます。市役所本庁舎建て替えについては、市民広場と定禅寺通周辺との連続性に配慮した基本計画を策定するとともに、楽都のシンボルとなる音楽ホールの基本構想策定に向けた議論を進めます。

第二の施策の柱は、「まちと地域を支える人づくり」です。
仙台のまちをこれからも輝かせるためには、ここで働き、暮らす市民の皆さまがいきいきと活躍し、その経験と力を十分に発揮できる環境整備が重要になります。未来を担う子どもたちがそれぞれの個性と能力を発揮できるよう、学びと育ちの環境づくりに一層力を尽くしてまいります。
まず、いじめへの対応については、保護者や関係機関などとの連携を強めながら、子どもが健やかに育つことのできる環境づくりに取り組むこと、そして、何より市や学校が迅速かつ適切な対応の徹底を図ることが重要です。そのため、いじめや不登校などの未然防止、早期の発見と対応に向けて、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーによる支援体制の強化、SNSを活用した相談体制の充実などに加え、全ての市立中学生を対象にした、生徒個々の学級生活における満足感や意欲、クラスの雰囲気等を把握できるアンケート調査を実施してまいります。
教育環境の充実に向けましては、教職員が生徒一人ひとりに向き合う体制を強化するため、中学三年生を対象に三十五人以下学級を拡充するとともに、全ての市立学校へのエアコンの設置について、早期に完了するよう全力を挙げて取り組みます。
切れ目のない子育て支援につきましては、産後間もない時期の子育て家庭へのサポート強化として、今年から開始した産婦健康診査の費用助成と産後ケア事業を通年で実施するなど、妊娠期から出産、子育て期にわたる総合的な支援を行い、安心して子どもを産み育てられる環境整備を推進します。
また、保育基盤の整備など引き続き待機児童の解消に取り組むとともに、今年十月からの幼児教育の無償化の円滑な実施に向け、幼稚園や保育所等との連携を密にし、制度の周知や関連する手続きへの対応を着実に進めます。
発達に不安を抱える未就学児やその保護者への支援体制をさらに整えるため、児童発達支援センターの機能を拡充して、ペアレントプログラムを活用した啓発や相談、幼稚園等との併行通園をモデル事業として実施いたします。
子どもの貧困対策につきましては、いわゆる子ども食堂による居場所づくりの支援とともに、小中学生への学習・生活支援や高校生の中途退学を防止する取り組みの継続により、それぞれの子どもが生まれ育った環境に左右されることなく、健やかに成長できる施策を進めます。
さらに、年齢や障害の有無などその多様性を認め合い、誰もが尊重され、生きがいを持って暮らせる施策を進めてまいります。
障害者と企業ニーズのマッチングによる就労支援やワークショップを通じた障害者差別解消のための普及啓発に継続して取り組むとともに、東京パラリンピックに向けた広報や企業・市民への研修を通じて、障害理解の促進とホスピタリティの向上を図ります。
高齢者が住み慣れた地域で安心して生活できるよう、地域包括ケアシステムの構築を進めるほか、元気な高齢者の経験や能力が就労等を通じて地域社会に生かされるよう、関係機関と連携して取り組んでまいります。
新たに策定する自殺対策計画に基づき、誰も自死に追い込まれることのない仙台の実現に向け、地域自殺対策推進センターの整備や、SNSを活用した相談窓口の設置等の対策を強化してまいります。
これからの地域づくりに向けては、多様化が進む地域課題に対し、現状を肌で感じ、目的を共有する地域の方々の主体的な関わりと、具体的な支援策が求められます。
地域コミュニティ強化の観点から、町内会をはじめとする地域団体への住民参加を促進するとともに、現在青葉区で実施中の「町内会役員担い手講座」を全市に展開することで、将来役員となり得る人材の発掘・育成と円滑な組織運営につなげてまいります。また、郊外住宅地や西部地区での地域課題解決に向けた仕組みづくりを、引き続き支援いたします。
日常生活を支える移動手段の確保に向けては、昨年開始した、地域の方々、運行事業者、行政の三者協働による地域交通スタート支援の取り組みについて、試験運行から実証運行への引き上げを目指すとともに、他の地域にも広げていけるよう進めてまいります。
一方、利用状況が低迷しているバス路線に着目し、持続的な運行に必要な利用者の増加や収支の改善に向けて、地域住民とのワークショップやバス事業者も交えた意見交換会等を実施いたします。
市民生活における安全安心の確保に向けては、新たに制定した条例に基づき、交通安全教育の充実や自転車損害賠償保険への加入の促進を図るほか、客引き行為等の取り締まりや街頭での啓発活動を通じて、誰もが安心かつ快適に過ごせる環境づくりに取り組んでまいります。

第三の柱は、「未来を守る、防災環境都市づくり」です。
これまで本市は、震災の教訓を踏まえ、杜の都の環境を基本とし、あらゆる施策に防災と環境配慮の視点を織り込んだ取り組みを進めてまいりました。日本を含む世界各地で大きな自然災害が相次ぐ中、しなやかで強靭なまちづくりを目指し、さらなる取り組みに注力してまいります。
そのためにまず、災害救助法に基づく救助実施市の指定を受けることにより、大規模災害時の被災者への支援を迅速かつ円滑に行う体制を整えるほか、国土強靭化地域計画の策定に着手いたします。
防災・減災対策において重要となる情報発信については、津波に対する避難広報体制の強化を図るため、実用化を目指した自動離発着ドローンの実証実験を開始いたします。
国内外から多くの来館者を集める震災遺構荒浜小学校とせんだい3.11メモリアル交流館において、引き続き震災の経験や暮らしの記憶を発信します。また、市中心部の震災メモリアル拠点の基本構想策定に向けた検討を進めるほか、小学生の校外学習での荒浜小学校活用による未来の防災の担い手づくりに取り組みます。併せて、国内外の専門家が集う世界防災フォーラムと市民参加型の仙台防災未来フォーラムの同時開催を通じて、防災・減災に関して活動している方々の交流と市民の防災意識の向上を図るとともに、仙台防災枠組の採択都市として世界に貢献する責務を果たしてまいります。
現在の杜の都を創り上げてきた歩みは、このまちの快適な都市環境を誇りに思う市民や事業者の意識と行動に支えられてきました。この取り組みをさらに進めるため、世界的な課題である地球温暖化対策を推進するための条例のあり方と、事業者による温室効果ガス排出削減を図るアクションプログラムの導入に向けた議論を深めていくとともに、食品ロスの削減をはじめとするごみの減量とリサイクルを一層進めます。
復興の着実な推進に向けては、被災された方々への心のケアを含む健康支援や住まいの再建など、お一人おひとりの状況に応じた支援と復興公営住宅におけるコミュニティ活性化に引き続き取り組んでまいります。また、東部沿岸地域でのかさ上げ道路の完成を目指すほか、集団移転跡地の利活用や蒲生北部地区での土地区画整理を通じて、土地の有効活用とにぎわいの創出を進めます。

最後に市役所経営についてです。
時代の転換期にある今だからこそ、私は前例にとらわれず挑戦する組織風土づくりや、ICTにおける新たな技術の導入など、戦略性を持った市政運営に舵を切っていかなければならないと考えます。このような観点から力点を置くべき経営方針を明らかにした「(仮称)仙台市役所経営プラン」を掲げ、自らの変革に邁進してまいります。
とりわけ、地域課題が多様化する中にあっては、市民の皆さまのご意見を伺い、ともに施策を組み上げていく姿勢が一層重要であり、政策形成過程に市民の皆さまの幅広い参画を頂きながら、地域団体、NPO、企業、大学など、多様な主体と連携し、市民が主役のまちづくりを推進いたします。また、地域重視の観点から、地域づくりの拠点である区役所の地域特性に応じた課題解決や、そのためのコーディネート機能の強化に向けた体制を構築してまいります。
職員一人ひとりが仙台の未来に責任と自覚を持ってまちづくりを進めるべく、私自身が先頭に立って市役所全体の一層の活性化を実現してまいる所存です。

以上、市政運営の所信の一端と施策の大綱について申し述べてまいりました。
我が国が平成から次の代へと新たな時代を迎えようとする中、本市においても各般にわたる施策を推し進めながら、復興の次のステージに向けて確実に歩みを進め、新たな地平を目指してまいる覚悟でございます。
議員各位及び市民の皆さまのご理解ご協力を心からお願い申し上げます。

仙台市長 郡 和子

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