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更新日:2016年9月20日

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平成22年第1回定例会に提出する議案について(質疑応答)

(1)新規・拡充124件は今年度予算と比較していかがか

〔財政課長〕

具体的な数字は今持ち合わせてはいませんが、今回は子ども手当てなどもありますので額としては大き目となっています。

(2)市長にとって初めての予算編成だが、独自色は出せたと思うか

一点目は市長選における公約の中でもお示ししてきた、大変な喫緊の課題である経済状況への対応ということで、特に地元の中小企業の方に向けた融資で十分お支えしたいと考えました。21年度予算でも対応はしてきましたが、新年度予算ではかつてない融資額を組み込みました。これは私としても意を用いた部分です。

二点目は子育て支援ということで、この間、いろいろな形で支援を進めていきたいと申し上げてきましたが、例えば待機児童に関連しての認可保育所の前倒しの整備や、せんだい保育室、家庭保育室などを含めた子育て世代の方の負担の軽減策を新たに導入したことです。また、国においての子ども手当てもありますし、こうした形で子育て支援について進めることができたのではないかと思っています。

三点目は若い世代の社会参画を支援し、若い世代がまちづくりにかかわれる仕組みを作っていきたいということもお話をしてきたかと思いますが、市民協働の中でそうした活動を支援するような仕組みづくり、仕掛けづくりに一定の予算を配分したというところです。

(3)このような厳しい経済状況の中にあって積極型予算に感じられるが、いかがか

一般会計の予算の総額がかなり大きくなっている部分に目を留められるかとは思いますが、これは必ずしも私が今申し上げた部分の金額がそこまで上げているのではなく、主に子ども手当てなど国から財源としてくる部分が総額として押し上げているということがあります。

融資預託金を除けば私が今申し上げた部分については、大きく痛みを伴って後世の負担になるような金額として押し上げたというよりは、今まで見えなかったようなものを事業として一本化するといった工夫も含めて、事業としてきちんと見えるように立ち上げてきたと考えています。

(4)この予算にあえて名前を付けるとすると

「未来応援型予算」と言ったらいいでしょうか、子どもを育てて次世代を育成していくこと、また、未来につながる若い人たちの社会へつながる道を広げたいということです。将来の可能性を確かなものとしていく努力を惜しまないという私の思いで、「未来応援型予算」とでも言っていただければうれしいと思います。

(5)未来に向けた若者のための予算とのことだが、その中でも強いて一番思い入れのある事業は

子育て世代の方々を応援していきたいという気持ちがありますので、それに当たっては先ほど申し上げたような認可保育所の拡充、また、去年から制度が出来上がっていますが、幼稚園保育室の拡充を3カ所ほど考えています。児童館も3館作っていくということですので、施設整備が大変厳しい中でも、やはり子育てに必要な施設は重点的に考えてきたということです。

(6)公共事業についてはいかがか

普通建設事業につきましては、この間、財源対策もありますので、どうしても今回も減額という形で絞らざるを得なかったというところはあります。

しかし、こういう景気状況の中では公共事業の果たす役割がありますので、それについては身近な地域の公園や道路の側溝、地域施設の中でも集会所など、そういった地元の中小企業の方で仕事を受けていただけるような部分については、補正予算の対応も含めて配慮したと考えています。

(7)投資的経費は前年度に比べて増えているのか減っているのか

〔財政課長〕

資料4の6ページをご覧ください。すべての会計の普通建設事業費、企業会計では建設改良費と呼んでいますが、その額を表示したものです。一番上の一般会計では公共事業費(a)、(b)のところになります。21年度に比べますと43億円程のマイナスとなっています。特別会計、企業会計を合わせた仙台市全体で見た場合には、高速鉄道事業会計49億円の増があるものの、トータルでは18億円程の増になります。

このほかに21年度の補正予算を使い、一般会計で31億円程、高速鉄道事業で53億円程ありますので、あわせて85億円がこの表とは別に第1回定例会で提案している形になります。

(8)一般会計での建設事業費は減となっているが、我慢してもらったところはどういうところか

道路や下水道の整備は長期的なものですし、例えば下水道の整備においてもかつてであれば使えた予算が、今は非常に配分が少なくなっています。そういった意味では下水道のようなものについて、やや整備のスピードがダウンしているということは、今年に限らずここ数年の傾向として出ています。

(9)事務事業の見直しにより、どの程度の効果があったのか

今回の予算編成にあたっての事務事業の見直しについては、事務方として細かい改廃はしていますが、特に行財政改革計画のように、金額をその中に示したということではありません。今後の事務事業の見直しは今年度末を予定して策定を進めていますので、次期の行財政改革計画の中で事業効果、総額を出していきたいと考えています。

(10)見直した事業や大幅に減額した事業で主なものは

契約の方式を変えたことによって委託の金額が減ったものなどはいくつかありました。

〔財政課長〕

金額として大きなものというよりは、先ほど市長からもお話がありましたが、各事業の細かい地道な見直しを行ってきています。比較的大きいということであれば、現在策定作業を進めている、新しい行財政改革計画といったものの中から今後、出てくるという形になると思います。

(11)行財政改革計画が策定途上にあるため、新年度予算では事業の見直しなどが反映されていないということか

例えばこれからお話を進めようとしているエル・ソーラ仙台や敬老乗車証につきましても、今はお話のとば口に立ったといいますか、これから議会も含めていろいろと議論が行われるという段階です。それが具体的に大きな項目として予算に反映していくのはこれからだろうと思います。

(12)子育て支援や経済対策といった課題対応型予算のほかに、大きなものでなくても中長期的なまちづくりのための種まき的な新規事業があれば教えてほしい

予算の金額は小さいのですが、子どもたちに読書の楽しみといいますか、本によって知る豊かな世界を、ということは図書館長を務めた私としては、ある意味では長い期間をかけての考えです。そういう思いから読書活動を応援してくださるボランティアの方々のマンパワーの育成などを少し盛り込ませていただきました。

また、長期的な課題としては「杜の都・仙台」の環境都市として低炭素社会に向けた取り組みも重要だと思っていますので、公用車をエコカーに変えていくということもありますし、電気自動車を試みに1台入れてみたということもあります。

地域の生活環境改善の公共投資の中でもLEDの採用も進めていきたいと考えていまして、そういったことはなかなか額としてボンと出てくるとか、一カ所に大きく出るということではありませんが、継続的に地道にやっていくことによって、環境都市として低炭素社会の構築に貢献する仙台市に育て上げていきたいと思っています。

(13)それは杜の都の環境プランの改定の中でということか

トータル的に都市交通問題、脱自動車をどう考えるかというようなことも含めてプラン作りがされていくと思いますが、将来的なプランの改定であってもより前倒しでやることに意味があるだろうと思うところについては、新年度予算に少しずつ手を付けさせていただきました。

(14)若者によるまちづくりの推進について具体的に教えてほしい

この間、若い方々とカフェトークなどをやってきていますが、やはり社会と何らかの形でコミット(関わりあう)をしたいとか、大人とコミットして活動したいという学生に、いろいろお会いしました。しかしながら普通に考えているとなかなかチャンスがないとか、大人の活動に一人では入りづらいなど、いろいろなためらいもあるというようなことを聞いています。

そうした中で仙台には大学がたくさんあり、それらが連携して、生涯学習を支援している「学都仙台コンソーシアム」という機構があります。こちらとは新年度に入ってから具体的な相談をしますので、役所だけで決めるというわけにはいきませんが、そういったところと連携することによって、各大学で希望される学生の方が個人でもそうしたNPO活動にインターンシップとしてかかわれるとか、そういった仕組みの仲介の機能や情報提供ができるような事業を立ち上げたいと考えています。

(15)大きな事業の見直しはないとのことだが、市民サービスの大幅な低下はないということか

大きな市民サービスの低下ということはないと思いますが、補助金について事務的に見直したものはありますか。

〔財政課長〕

補助金につきましては、細かいものについては部分的に見直したものはあると思いますが、大きなものは特にありません。

(16)財源を確保するのに苦労はしたか

市税収入の落ち込みが相当ありましたので、大変厳しい状況だったと思います。また一方では地方交付税の増額や臨時財政対策債が出されましたので、結果としてはトントンというところまでになってきましたので、ややよかったところかなと思います。

基本の構造として市税という自主財源が非常に減額しているということで、今後も厳しいと思います。

(17)借金そのものが大分増えたと思うが、いかがか

先ほどの説明で十分でなかったのかもしれませんが、借金の総額は増えていますが、地下鉄東西線建設事業にかかる、持ち出しによるものが増の要素です。地下鉄につきましてはご承知のようにこれを償還するための特別な基金がありますので、そちらで償還していくので、一般の予算には影響がないことになっています。

それ以外の予算につきましては、市債額はわずかではありますが縮減していますので、公債費、将来の借金が大幅に増えたということではありません。

(18)歳入の足りない部分を基金の取り崩しや起債で補うのでは、今後さらに苦しくなるのではないか

財政調整基金も底をつきつつありますし、また特定目的財源の基金も使ってきていますので、そういう意味では財政収支を合わせる手段が限られてきています。手足が縛られつつあるという厳しさはひしひしと感じます。

(19)このようなやり方を今後も続けていくのは可能なのか

基金は使ってしまえば後はおしまいですので、このやり方を将来的にずっと使うということは不可能です。やはり行財政改革や抜本的な見直しの中で支出の構造を変えていかなければならないという大原則のとおりだと思います。

(20)この予算案で行財政改革を反映した項目と、市長の今後の財源確保策は

今回の予算では、行財政改革で大きく反映されたものは特にありません。行財政改革については、私なりの方向性で話合いのとば口についたところだという認識です。

今後の財源確保策ということですが、基本的には市として持ちうる財源は、現状では税をはじめ限定されたものです。歳入増というと収入率のアップという面で、より機動的に職員および民間の力を使って、収入アップができるかを工夫をしていくことです。

また、とば口に立っている事業をはじめ、いくつかの施設の見直しや民間の経営を取り入れた手法の改善など、低いコストで市民サービスを実施していける体制を作るかということだろうと思います。

これはといった一つの手段で全面的に解決するという方策は、今のところ持ち合わせておりませんので、いくつものことを地道に束ね合わせながら全体として財政の健全化を一歩一歩、足元を見ながら目指すということだろうと思います。

(21)再来年度以降は市民にも痛みを求めることになるのか

長い将来を考えた仙台市の運営となりますと、将来の大きな崩壊を防ぐために今何かを我慢していただくということを、市民の皆様と一緒に考えていかなければならないだろうと思います。

(22)市長のカラーが出る歳出の削減は再来年度からになるのか

そうです。

(23)歳出の削減については、来年の補正予算に入れていくのか

歳出の削減に関しては、市民の皆様との話し合いというプロセス、もちろんその前提として議会の審議ということもありますが、最終的にはそこにどういう時間がかかるのかということは話し合いをしてみないと分からない部分があります。

再来年というのは来年度一年話し合いをする中で、ある一定の効果、結論を求めていくような努力をしていくという私自身の決意のもとにそう申し上げていますが、それが補正という段階まで繰り上げられるかということについては、今のところそこまではっきりしたことは見えていないと思います。

(24)前市長との違いは何か。選挙戦では前市長を批判しながら戦ったと思うが、予算案にはあまり違いがないと思うが、いかがか

市政の予算そのものは市民生活を安定的に運営していくためのものですので、市長の政治的な思いがあまりにもはっきり反映し、それが市民生活を揺さぶるという構造にはなっていません。また、議会もそのようなことは望んでいなかったと思いますので、そのような形で激変するということはないのだろうと思います。

私の思いとして市民の方と共に歩む仙台市政ということは、選挙戦のときからすっと申し上げてきたわけで、それは予算にあるというよりも、むしろ今回の組織改正の市民局の単独設置や市民局の中での市民協働を組織の中に大きく位置付けて、部という形を取らせていただきました。そういったところを見ていただけるとよろしいかなと思います。

(25)市長として初めて予算編成したわけだが、職員として関わっていた時との違いがあったか

職員として、例えば教育長のときを振り返りますと、教育の予算をしっかり確保したいという気持ちにすべてが尽きるという部分があったと思います。

市長としてみますと、どの分野ももっとやりたい、やらせてあげたいという中で、最後はどこに足かせというか蓋をするかという部分があります。それはかつて自分が査定を受ける身であり、査定をされるという歯がゆさを感じてきたものでしたので、自分がそういう立場に立つということへの大きな葛藤というものは感じました。

歳入が厳しいということが十分頭では分かっていても、やらせてあげたい事業があるというときに難しいですねと私の責任で決断するときは、厳しいものがあったということが今回の思いです。

(26)経済対策の中で市長が考える、これから経済活性化につながる目出しの事業は

細かいところでは中小企業にがんばっていただきたいということで、これまでも大学と連携して御用聞き型の中小企業支援をやってきて、中小企業の方々にも大変好評でした。試作品を作るということが次の段階としてありますが、その段階にある方々に対して、応援する事業を今回新たに入れてみましたので、ちょっとずつ一歩でも上に行くように、こうした事業をこれからも工夫していきたいと思います。

また、緊急雇用対策も今回、総計で40本近く出していると思いますが、これは今まで人手があればやりたいことを逆に今回、国の制度などを使いながら補正や新年度予算でもやっていきます。そのような市民の方にも喜ばれ、雇用にもつながればと思っています。

(27)ランチミーティングなどでの若手職員からの意見は予算案に反映されているのか

若手職員たちは、これから10年、20年と仙台市で働いていきますので、長期的な仙台市の展望というものにとても心配していると感じました。特に技術系の職員は、人数が少なくなってきていることについて、技術の伝承などを心配しているのと同時に、先ほどお話ししたように例えば下水道であれば予算がだんだん少なくなっていく中で、効果的な事業推進の方策はどのようなものであるかなどを心配していました。

また、上下水道における管の維持更新や道路、橋の維持更新など、長期的に見たときに今自分たちが担当している事業をどうやって回転させていくべきか、スパイラルで進んでいけるのかをとても心配している職員が多かったように思います。

今まではどちらかというと新しいものを作ろうという方に目が向きがちで、当然そうした部分も大事にはなりますが、公共施設の点検や橋梁の補修など長期的な展望に立った公共資産の維持管理や修繕補修といったことも、ちょっと予算とは違った面もありますが、考えていかなければならないし、そうした事業もやっていきたいと思います。

(28)政権交代による国での作業の遅れにより、予算編成の期間が例年より短く、苦慮したのではないか

政権交代の影響もあって、国から予算の数字が来なかったり、例えば道路の場合では個所付けが不分明であったりといったことが、割と予算編成作業の最後の方までありました。そうした意味で次年度以降は、もう少し地方の予算編成との連携を強めていただくよう、私を含めて地方からも声を出していかなければならないと思いました。

(29)特に困ったことはあったか

例えば道路であれば国の事業がこれくらいあり、それに連動して市として予算を付けなければならないといったことがあります。国と地方の負担割合が決まっている場合では、最終的な個所付けや金額が分からないと、こちらとしてその事業にいくら確保したらよいかが見えてこないといったことがあります。ただ、直接私がというよりは財政局が苦労したのではないかと思っています。

(30)政権交代によって予算上、良くなったと感じる点は何か

例えば、仙台市だけを見れば決してたくさんきたわけではありませんが、地方交付税の増額がなされたということは、地方全体にとってみれば一定の評価をすべきものと思います。

(31)議会関係予算が今年度とあまり変わっていないようだが、いかがか

現時点においての議会関係経費は、現年度と同様で予算措置させていただいています。ただ、いくつかの案件については、議会側で改めるというお考えの提案をされると聞いていますので、そうした場合には、それに則した対応になると思います。

(32)当局から議会関連予算を減らすのではなく、議会側から提案するということか

議会側から提案されると伺っています。

(33)まもなく始まる第1回定例会はどのような議会になると思うか

大変限られた財政の中で、私と事務方との議論によってこのような予算配分になり、本日発表させていただいたわけですが、やはり議会という市民の目線で、ここはより厚くあるべきだとか、なぜこうなのかといった議論があると思います。

財政が乏しいからこそきちんと議論し、納得した上で進めていくということでないと、予算がふんだんにあった時代のようにはいかない話だろうと思いますので、厳しい議論をいただくことになるかと思います。

(34)水道管の破損による漏水事故が続いているようだが、もっと手厚く予算措置をすべきだと思うが、いかがか

塩ビ製の水道管は、割れることにより漏水事故につながりやすいということだと思います。更新にもっとお金をかけられるに越したことはありませんが、塩ビ製の水道管の総延長はかなりの長さになっていますので、現在の予算を仮に何倍かにしたところですぐにどうにかなるというものではないという困った状況にあります。

だからといって放置するわけにもいきませんので、例えば口径の大きいものや幹線の結節部分などの中から、壊れては大変困る場所を選んで順番にやっていくしかないのかなと思います。そういう意味で抜本的には解決し難い部分がありますが、今後ないことに越したことはないものの、小さな管の破断による漏水事故については、ある程度起きざるを得ない状況ではないかと思います。

平成22年2月8日 仙台市長 奥山 恵美子

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