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更新日:2016年9月20日

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仙台市域外からの震災廃棄物の受け入れを開始します(質疑応答)

(1)がれきの受け入れ期間は3年間となるのか

我々の目標としている平成25年度いっぱいの中でということです。

〔震災廃棄物対策室 遠藤参事〕

がれき処理につきましては、国でも宮城県でも発災から3年以内、平成25年度末を目指して現在処理に取り組んでいます。そういったことから、本市としましてもその3年間の中での対応を考えております。

(2)宮城県のがれき処理の体制が整わず、処理が遅れているが、仙台市でさらに多くのがれきを受け入れることは考えないのか

現時点で、我々の焼却残量を見据えながら処理期間内の中で、残余として処理できるもの、それを総量として10万トンと考えています。今がれき処理は全額国費負担となっていて、その期限が平成25年度末になっています。それ以降のことについては、国としてその分の予算措置や事業を認めることなどが必要になります。我々の一存で期限を延長することにはならないので、そこは国や県、また合わせて広域処理の今後の体制がどうなるか、その中で最終的に決まっていくことだろうと思います。仙台市は現在与えられている状況の中で、マックスまでの期限を利用して最大限の受け入れをしていくという考えの中ででてきた数字です。

(3)仙台市のがれき処理が予想よりも早く進んでいる理由は何か

一つには早期の段階で我々が直接がれき処理を実施すると決断をしたことです。がれき処理では、プラント、焼却炉を確保すること、がれきを搬入するトラックなどの運搬体制を確保すること、適切にがれきを選別する体制を作ることなどいくつかの条件があります。

仙台市は日頃、一般ごみと産業廃棄物の処理を両方ともやっていますので、昨年の4月に我々が自分達でやると決めた時点で、平時においてご協力いただいてきた業界の方々と全体のスキームについて、人的な体制を組めるか、現時点で稼働可能なプラントはどこに発注すると何カ月後に納品されるか、そのプラントを運営できる受託会社はどこにあって、どういう入札にするか、つまり全体のオペレーションのシステムを早くイメージして、実効的な交渉に入れて、成約できていったということが、トータルとして仙台市がスムーズにがれき処理に取り掛かれた理由だろうと思います。そういう意味では、この間の事業者の皆さまの迅速な協力体制の構築については、大きく感謝すべきものだと思っています。

(4)仙台市と比べて他市町のがれき処理が遅れている状況をどう考えるか

今回の被災地の中では、仙台市は最初から最後まで、全部自力で行うことを決定して実行した珍しい都市です。もう一つ利府町もそうなのですが、利府町の場合はがれきの量が少なかった部分もあろうかと思います。他の自治体においては、がれきの量があまりにも膨大であることによって、自治体単独での処理は困難ということで、一次処理というか、がれきを1カ所に集める作業を自治体が行って、それ以降の二次処理、つまり分別から焼却、最終処分場への運搬までを県と国で行う形になったわけです。

私自身、それらのプロセスの時間経過を見て思うのは、県にしろ国にしろ普段からごみ処理の実際の業務をオペレーションしているわけではなかったということです。もちろんごみ処理体系として、法がどうであるかということはよくご承知だと思いますけれども、例えば、実際にごみを見て、この山を大体何万トンと捉えるかは、普段からごみを見て量を把握するある種の訓練というか、そういうものに習熟していないとできません。

また、ごみ処理をしていく時に、どこにネックがあるか。例えば、どういう仕様書で発注するかということがあります。プラントもいくつか方式がありますし、方式によってのメリット、デメリットをどう見るか。また、一次処理が最初からごちゃごちゃになっているわけですから、それをどうやって選別していくのかなど、たくさんの課題があります。それらについて、法律を分かっているということと、実際にそれを細分化してオペレーションとして組み立てていけるということは、全く違うことです。日頃そういう業務をやっておられなかった県や国が、改めて一から発注仕様書を作ったために、発注するまでに半年くらいかかっていらっしゃるわけです。時間が必要だったのはある意味でやむを得ないことであり、現場では大変ご苦労はされたと思います。

仙台市の場合は、オペレーションを普段からやっていたので、仕様書を作り上げて発注に持っていくまでが、比較的スムーズにできた。それと併せて現場の方々のご協力が得られた。特に県の大規模なものは大手のゼネコンがとっていますが、ゼネコンが下にオペレーションのチームをまた組み立てなければいけないわけです。ごみ処理を県や国がやる場合にはご苦労の多い困難な部分だったと思います。逆にいえば、戦後の大都市にとってはがれきに限らず、ごみというのは都市行政の非常に大きな課題でしたので、そういう意味で、我々のごみ処理に関する経験が非常時に生かされた部分は大きかったと思います。

(5)以前市長はがれき処理について神戸市の経験が生かされたと話していたが、具体的にはどんな部分で生かされたのか

がれき処理については、神戸市の時はそもそもがれき処理に国費は投入しないというのが最初の政府の決定でしたので、当時の神戸市長は、「そんなことでは到底がれき処理はできない、全額国費でやっていただかないと無理だ」ということで、その費用分担が決まるまでに相当な確執というか、国との交渉があったと聞いております。

我々もそこのところは大事だと思って、国に全額国費ということをお願いしたわけですが、そういったところに神戸の経験を生かすことができた。神戸の思いを引き継いで、国との交渉に当たりました。

最初にいろいろシステムを立ち上げていく中で、神戸のがれき処理をご担当された方に、去年の3月末でご退職する方だったのですが、退職前日の3月30日まで仙台に応援職員として赴任いただいていました。いろいろな仕組みについて我々のスタッフと相談したりしながら、リサイクル法なども新しくなっていて、神戸の方式そのままを使うわけではないので、仙台市でどういうことをやったらいいかをご支援してくれたことがありました。

政令指定都市では、京都市さんもご尽力くださいました。京都市長が昨年4月4日においでになったのですが、京都大学の「資源循環学会」の先生が一緒においでくださって、仙台の災害廃棄物の処理について、分別をすることが、いかにその後の処理の迅速化につながるかといった点から、ご助言をいただきました。今の仙台市のがれき処理では分別もよくできていると学会での評価もいただいています。

こうした神戸や京都のご経験をいち早く取り入れることができたことは、仙台市にとって大変ありがたいことだったと思っています。

(6)がれき処理の今後の課題は何か

我々は、がれきのリサイクル率50パーセントを目標にして進めています。例えば、今後必要とされる土とか構造物を作る中で、がれきを活用できないかということもいろいろご提案があります。このがれきを、どう構造物などに利用していけるかについては、まだ我々も経験のない分野ですので、これからいろいろな安全面などの課題を検証しながらやっていかなければいけません。そのあたりは我々も相当に勉強しないと困難が出てくるかもしれないとは考えています。

(7)がれき処理については、仙台市のがれきを優先的に処理すべきという声もあるが、同時並行で処理を行う理由は何か

いずれにしても、処理能力の残っている部分の使い方だと思います。仙台市の分ももちろんあるわけです。仙台市がこれから処分していくものの中には、現在まだ建っているけれども、今後解体されて出てくるがれきもありますが、仙台市として、今市街地のどこかに山のようにがれきが積んであって、市街地の復興を妨げている状況ではなくて、一方他の被災地では、目の前にあるがれきが、全然減っていかないという心理的に非常に大きな課題があります。我々としては仙台を放置しておいて、新しいがれきを受けるわけではなくて、同時に処理していくことが可能だというペースで進めていく方が被災地においても、より早くがれき処理に動き出したことを具体に感じていけるでしょうし、仙台市もこれから出てくるがれきについては、今たまっているわけではなく、順次出てくるものを同時に併せながらやっていくことですので、多分その処理の方がお互いにとっていいだろうという判断があります。

(8)10万トンのがれきは何かトラブルがあった場合、受け入れられなくなることもあるのか

我々の処理能力から、仙台市が今後見込んでいる量を引いて、残期間と合わせてみた中での10万トンですので、特に何かトラブルを想定していることはないです。

基本的には、こちらに運んでいただく被災自治体のがれきは、一定の焼却に適さないものは除いて、適したものをいただくということですので、今のところトラブルになるようなアクシデントが何パーセントかの確率で想定されることではないと思います。

今まで仙台市がやってきたのと、ほぼ同じものを同じように処理するので順調に稼働すると思っています。突発的に何か起きることはあるかもしれませんが、その確率は極めて低いと考えています。

(9)宮城県が県内のがれきはできる限り県内で処理する方針を示したが、今回のがれき受け入れはその方針を受けての決定か

〔震災廃棄物対策室 佐藤参事〕

この件については、今年の1月くらいから県と直接事務的な打ち合わせをしていました。県でこのような動きがあり、その場でも石巻ブロックに対する協力要請が強くございましたので、仙台市としても石巻からということで今回の発表となったものです。

(10)受け入れるがれきは可燃物ということだが、不燃物の受け入れは難しいのか

〔震災廃棄物対策室 遠藤参事〕

がれき全体の量からすると、圧倒的に多いのが可燃物です。不燃物については、コンクリート殻などは各自治体でリサイクルが進むと思います。一番の課題は津波等で発生した可燃物となっていることから、今回の10万トンについても可燃物を優先して受け入れるということになります。

仙台市長 奥山 恵美子

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