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更新日:2022年10月21日

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第7回「―協働がつなぐ仙台―郡市長とふれあいトーク」(2月8日)

2月8日(土曜)は、ニチイケアセンター仙台市名坂で開催されている認知症カフェ「市名坂きらめきカフェ」を訪問し、「スマもり体操」を体験しました。また、カフェ終了後は「市名坂きらめきカフェ」運営団体の皆さんと懇談しました。

体操

写真「スマもり体操」の様子

市名坂きらめきカフェ

2019年4月に泉区市名坂にオープンした認知症カフェ。有料老人ホーム「ニチイケアセンター仙台市名坂」を会場に、毎月第二土曜日10時00分〜11時30分に開催されている。泉中央地域包括支援センターから認知症地域支援員が参加するほか、認知症の知識を持つ介護・福祉専門職が同席する。東北学院大学教養学部地域構想学科の学生が「スマイルもりもりプロジェクト」の一環として運営をサポートとしている。地域住民、老人ホームの入居者、大学生がカフェに集い、互いに顔なじみの関係を築いている。
認知症の人やその家族と、地域の人、専門職が一緒につどい交流し、認知症やくらしの工夫などの情報を得ることで、ともに認知症への理解を深めることを目的に開催している。
参加は、認知症の人やその家族、地域住民、専門職など、認知症に関心のある方なら誰もが参加できる。

スマイルもりもりプロジェクト

東北学院大学地域構想学科菅原真枝ゼミが泉区内で取り組んでいる活動の総称。2016年度から泉区本田町で介護予防運動を実施したのが始まりで、オリジナルの軽運動「スマもり体操」を考案した。体操をわかりやすく解説したテキストを作成し、依頼に応じて泉区内の団体を訪問しながら地域づくりの活動範囲を拡大している。

いずみ絆プロジェクト支援事業

地域における支えあいと協働の輪を広げる取り組みの促進のため、泉区ならびに隣接する大学および学生団体等が行う地域課題の解決や地域活性化・特色ある地域づくり活動に要する経費を助成することを目的として、泉区および隣接する大学等の研究室やゼミ・クラブ、サークルなどの団体を対象とし、助成金を交付している。(担当;泉区まちづくり推進課)

懇談に参加された方

「市名坂きらめきカフェ」運営団体の皆さんと懇談しました。
〇ニチイケアセンター仙台市名坂
センター長 高橋 正幸(たかはし・まさゆき)さん
生活相談員 名取 幸 (なとり・みゆき)さん
〇泉中央地域包括支援センター
機能強化専任職員 伴 佐和子(ばん・さわこ)さん
〇東北学院大学教養学部地域構想学科(菅原ゼミ)
教授 菅原 真枝(すがわら・さなえ)さん
4年 小林 駆(こばやし・かける)さん
3年 野村 真瀬(のむら・まなせ)さん
3年 小島 純之介(おじま・じゅんのすけ)さん

市長
先ほど「スマもり体操」に参加させていただきました。結構ハードな動きで、リズムをとるのが難しかったですが、みんなで体を動かすのはとても楽しかったです。「市名坂きらめきカフェ」(以下、「きらめきカフェ」)は、東北学院大学の学生さんたちが、企画・運営などに参加されていると聞いております。今日は皆さんの活動の様子をお聞かせいただきたいと思います。限られた時間ではありますが、よろしくお願いします。では、おひとりずつ自己紹介をお願いします。

小林さん
東北学院大学地域構想学科4年の小林と申します。昨年までは私たちがプロジェクトの中心となって地域に出かけ「スマもり体操」をおこなっておりました。

野村さん
3年の野村と申します。初めてこんな立派な会議に参加させていただき、すごく緊張しています。いろいろお話しできたらと思います。

小島さん
同じく地域構想学科3年の小島と申します。緊張ですごく体が熱いです(笑)。

菅原さん
東北学院大学の菅原です。「スマイルもりもりプロジェクト」を立ち上げて4年目になります。私たち地域構想学科は、まちづくりに関心のある学生が、地域について自然環境や地域経済、産業、スポーツなど幅広い観点から研究する学科です。そのなかで私は福祉の部門を担当しています。「福祉のまちづくり」を学ぶゼミの学生たちが「スマもりプロジェクト」を泉区内で繰り広げてきました。今年度は「きらめきカフェ」をお手伝いさせていただいています。

伴さん
泉中央地域包括支援センターの伴です。地域包括支援センターは仙台市から委託を受けて、中学校区ごとに65才以上の高齢者を対象に相談窓口を開いておりますが、私は、そのなかで地域づくりに力を入れている機能強化専任職員です。「高齢者が住みよいまちづくり」というのは、つまりそこに住んでいる誰もが住みやすいまちづくりという意味だと考えています。幅広い視点でカフェの運営にも取り組んでおります。

名取さん
ニチイケアセンター仙台市名坂で生活相談員をしております名取です。

高橋さん
センター長をしております高橋と申します。まだ1年も経っていない認知症カフェではありますが、地域に根差して頑張っていこうと思っています。

市長
さきほど参加させていただいた「きらめきカフェ」には、認知症の方はおられたのですか。

高橋さん
地域の方々がメインで参加されています。

市長
地域からあんなに多くの方々が集まっておられるのですね。

伴さん
七北田地域は集まれる場所がなかったので「きらめきカフェ」ができて人が集まるようになりました。周辺にも何か所かカフェはあるのですが、歩いていけるような距離ということで近所の方にご参加いただいています。

「市名坂きらめき☆スマイルもりもりプロジェクト」とは

市長
「市名坂きらめき☆スマイルもりもりプロジェクト」とはどういうものなのですか。

小林さん
(パワーポイントを使用しながら活動紹介)
2016年にはじまり、4年目を迎えました。今年度は3年生10名、4年生8名が「きらめきカフェ」の運営をサポートしています。認知症に対する理解を深め、地域の人々が気軽に集える場を提供することを目的としています。将来的には地域の子どもたちや若者を巻き込んで世代を超えた交流の場にできたらと考えています。きらめきカフェには毎回15〜20名ほどの参加があり、前半は講話を聞いたり、手作り体験のワークショップなどをおこない、後半はコーヒーやお菓子を食べながら交流しています。9月と2月には学生が主体となって「スマもり体操」をおこないました。昨年度「スマもり体操」のテキストを作成したことが契機となり、「スマもり体操」はさらに広く認知されるようになりました。一緒に運動することによってその場に一体感が生まれると感じています。私たち学生と交流することを楽しみにいらっしゃる方も多いです。参加者の皆さんは自然と笑顔になり、コーヒーの時間はいつも笑いが絶えません。インターネットのつながりとは違って、顔の見えるコミュニケーションの重要性を感じています。最近では他地域から「スマもり体操」を教えてほしいという依頼が来るようになりました。平日の依頼が多く、私たちは授業があるので訪問するのが難しい場合もありますが、これからもいろんな地域に出かけていって「スマもり体操」を広げたいです。

写真左 活動紹介の様子   

ゼミの皆さん

写真左 活動紹介の様子
写真右 菅原ゼミの皆さん

カフェの運営にとって学生の力は大きい

市長
学生さんたちがこんなに頑張っている。若い方々から元気をもらえる。そもそも学生が関わって良かったことはありますか。

高橋さん
毎回2~3名ずつ参加していただいて、盛り上げていただいています。

菅原さん
5年ほど前にゼミで認知症サポーター養成講座を受けようということになって、講師として来てきてくれたのが、泉中央地域包括支援センターの方でした。「私たちが地域で何かできることはないですか」と尋ねたところ、認知症カフェというものがありますよ、ということで、それ以来、継続的にボランティアとして参加するようになりました。そのカフェはもう閉じてしまったのですが、今回新しく「きらめきカフェ」がオープンするということで、学生が主体的に関わるようになりました。

伴さん
認知症になってしまったり、高齢になり足腰が弱くなってくると、どうしても家に閉じこもりがちになります。みんなに迷惑をかけるから外に出られないという相談もあります。そうなると介護保険のサービスを受けに行くということになりますが、実際にはご近所に仲のいい友達がいたりして、本当は人との交流を図りたい。だけどそういう場所がない。そんな方々が気軽に集まれる場があればいいという声を拾い上げて、カフェを開いていました。以前お借りしていた場所での開催が出来なくなり、困っていたところ、ニチイさんがウチでよかったら使ってくださいと言ってくださって、菅原ゼミのほうにも声掛けをしました。

菅原さん

伴さん

写真左 菅原さん
写真右 伴さん

カフェ施設と地域の垣根をなくす

市長
名取さんは、施設でお年寄りの方々と接しておられて、このカフェが始まって変わったと感じられることはありますか。

名取さん
施設から参加している方が、地域の方と名前で呼び合っているんです。施設利用者から「今日はあの方いないの」とか、「次はいつやるの」と聞かれることもあります。地域に密着しているというのが見える状況になってきました。施設と地域の垣根がなくなってきたような気がします。

市長
確かに施設だとそこだけで閉じてしまいそうですけど、そうならずにいろいろな方が関わることは素敵なことですね。施設の方にとっても違ってくると思うし、地域の方の理解も深まってくるし、特に学生さんたちが入ってくるというのは大きなことですね。

名取さん

髙橋さん

写真左 名取さん
写真右 高橋さん

学生として参加してみて、運営をする際の役割分担

市長
学生さんとして参加してみてどうですか。おひとりずつ聞かせてください。

小林さん
私たち学生の多くは他の地域からこの大学に通っているので、地元の地域の方々と交流を図る機会はそんなに多くはありません。こういう形で学生が運営に参加すると、カフェの存在を地域の皆さんに認知してもらえるし、大学というものを身近に感じてもらえると思います。あとは年代の違う人とお話すると、いろいろ気づくことや考えさせられることが多いです。

市長
卒業後、この活動がどんな形で活かされそうですか。

小林さん
就職活動のときに「大学のゼミでどんなことをしましたか」と聞かれることがあって、地域でいろんな活動をしてきたというのがすごくアピールになりました。この経験は社会人になってからも大切にしたいです。

市長
社会人になっても頑張ってください。
野村さんの感想を聞かせていただけますか。

野村さん
参加者のみなさんがとっても若々しいなという印象です。他の方と会話したり、お互いに顔を合わせて関わることが重要なのだと思います。

市長
さきほども笑顔で「スマもり体操」をリードされていましたね。やっぱり笑顔を心がけているのですか。

野村さん
私自身、人と関わることが好きなので、笑顔になっちゃいます。参加している方が笑顔で一緒に体操してくれるのでこちらも笑顔になります。

市長
家にはおじいさん、おばあさんはご一緒にいらっしゃるのですか。

野村さん
いないので、普段関わる機会は少ないです。カフェでは皆さん孫みたいに接してくださるので嬉しいです。

市長
小島さんの感想をお聞かせください。

小島さん
「スマもり体操」を一緒にやっていると、参加している方々にパワーをいただいている感じです。笑顔で話しかけてくれるし、話していても楽しいし。いい経験をさせていただいているなと感じます。

市長
小島さんはいま3年生ですね。来年は4年生。集大成としてどのような活動につなげていきたいですか。

小島さん
「スマもり体操」をもっとたくさんの人に知ってもらうため、自分たちが主体となってもっと盛り上げていきたいと思います。

市長
大学の授業の一環でもあるし(笑)、苦労と思ったことはありせんか。

小島さん
つらいと思ったことはないですね。

小林さん
初対面の人にわかりやすく教えるそのためには自分もしっかり覚えなくてはならない。ゼミとしての活動はもちろん、学生として大学での勉強や他の活動も同時にやっていかなくてはならないので、それなりに時間も必要だったし、大変でした。

市長
小島さんも来年苦労するかもしれないですね。
ゼミではどういうことを成果目標にしていますか。

菅原さん
具体的に目標を立てて、その目標をクリアするためにはどうすればよいかをみんなで話し合いながら進めています。このプロジェクトのはじまりは泉区本田町での活動でしたが、そのときは「運動に馴染みのない方にどうやって楽しく運動してもらうか」が課題で、3年間、その課題解決に取り組みました。今回の「きらめきカフェ」の場合は、新しいカフェなので、チラシの作り方を工夫したり、あとはどれだけ面白いことをやって人に来てもらうかということですね。その都度目標があるので、その目標のために何をどうしたら実現できるかを考えながらみんなで試行錯誤しています。

市長
学生さんたちがゼミで変わってきたなと感じるところはありますか。

菅原さん
もともと力のある学生さんばかりなので、大きく「変わった」とまでは言えないかもしれません。でも、例えばカフェを運営するためには、いろんな組織と連携しなければならない。実際にいろいろな人と話ができるというのはいい経験になっていると思います。
大学の中の講義は教室に座っていれば情報が流れてくる。でも現場に出たら、何をするのか自分で見つけて自分から動いていかないと、物事は進んでいきません。これは社会に出てからも同じだと思います。その基礎的な力はかなりついてきていると思います。

市長
学生さん以外はどういう役割分担になっていますか。

高橋さん
ニチイは地域への情報提供とPRをさせていただいています。毎回の講話などの企画もおこなっています。当日の進行もおこなっています。

伴さん
私は広報担当ですので、「こういうところでカフェをやっているよ」と地域のサロン、地域の集まり、町内会の集まりとか、地区社協とか、日々いろんなところに行って広報活動をしています。

市長
名取さんは施設の方にお知らせして参加してもらっているのですか。

名取さん
そうですね。できるだけ施設利用者の皆さんにも参加してもらいたいです。

市長
ホールであんなに賑やかにやっていたら、利用者も集まってきますよね。

名取さん
「何してるの?」と集まってきますが、「人が多いから帰る」と言う人もいます(笑)。

市長
「スマもり体操」のテキストは随分好評だということですが何部作ったのですか。

小林さん
100部作成しましたが、ほとんど配り終えてしまった状況です。問い合わせもまだまだ多いです。

市長
作成にはお金がかかったのではないですか。

菅原さん
仙台市から「いずみ絆プロジェクト」の助成金をいただいて作成しました。

小林さん

野村さん

小島さん

写真左 小林さん
写真中央 野村さん
写真右 小島さん

市名坂きらめきカフェのこれから

市長
今後の展望をおひとりずつお聞かせください。

小林さん
学生がもっと主体的に運営に携われたらと思います。来年3年生たちがもっと自分たちの力で運営に携わっていくことを願って引退します。

野村さん
みんなで楽しめるように、これからも活動を広げていきたいと思います。

小島さん
私たちは来年4年生になるので、新しく入って来る3年生に「こういうことをしているんだぞ」というのを教えることがまずは大事だと考えています。

菅原さん
学生たちは毎年4月に新しく入ってきて、3月に出ていってしまいます。活動に慣れて、「スマもり体操」の教え方が上手になってきたなというところでいなくなってしまう(笑)。そこをプロジェクトとしてうまく継続していくことが課題です。
カフェとしては、月1回の開催ではありますが、どなたでもふらっと立ち寄れるような雰囲気にしたいと思っております。場所を提供してくれる方、広報してくれる方、それに関わる学生の三者に加えて、できれば認知症当事者やご家族を交えて、運営していけたらと思います。

伴さん
別のカフェは8年くらいやっていて、85才から通っている方が93才になるんですよ。日にちを忘れてしまっても、誘い合いながら、最初の人がこの家に寄って、次の家に行って、そしてカフェに行くという方々もいて、そういうのが本来の集まりの場ではないかと思っています。
認知症だから行けないのではなくて、そうなっても誘い合って一緒に来られるような場を、地域で続けられたらと思います。
地域の思いと活動したいと思っている人などの意見を聞き取って、それを繋げることが地域包括支援センターの役割かなと思います。皆さんの声に耳を傾けながら必要なことを考えていけたらと思います。

名取さん
入居者の方と地域のつながりです。理想は入居者の方が地域の方のところに行くこと、逆に地域の方が施設に遊びに来ましたという関係になれればと思います。

高橋さん
来年度から2年目ということで、気軽に参加できる、一緒に楽しみながら学べる、必要な支援ができるようなカフェを目指していきたいと思っています。認知症に対する理解を深めていき、支え合いの地域づくりが出来たらと思います。

市長
認知症カフェの運営に学生が関わっているというのは、仙台市内の中でもここだけだと思います。
ぜひそれぞれの相乗効果でより良い活動をしていただけたらと思います。
本日はありがとうございました。

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