ページID:80368

更新日:2025年5月22日

ここから本文です。

仙台市下水道マスタープラン(中間案)の概要

1.基本的な事項

策定の趣旨

本マスタープランは、下水道の役割・責務、社会情勢の変化等や本市下水道事業の課題を踏まえ、今後の下水道事業の進むべき方向性を基本方針として定め、取り組むべき施策を整理しました。

計画の体系

本マスタープランは、基本理念、基本方針、施策から構成されます。マスタープランに基づく具体的な事業や実施計画については、令和8(2026)年度からの「仙台市下水道事業中期経営計画(以下、中期経営計画)」において整理することとしました。

対象事業と計画期間

対象事業は、公共下水道、農業集落排水、地域下水道、浄化槽の4事業とし、計画期間は、令和8(2026)年度から令和17(2035)年度の10年間とします。

2.下水道マスタープラン策定にあたり考慮すべき事項

本マスタープランを策定するにあたり考慮すべき事項を下記のとおりまとめました。

下水道の役割・責務

下水道の目的は、下水道法の第1条に規定されているとおり「都市の健全な発達」、「公衆衛生の向上」、「公共用水域の水質保全」の3つであり、下水道の役割・責務を整理すると下記の5つが挙げられます。

  • 速やかな雨水排除による浸水の防除
  • 公衆衛生の確保
  • トイレの水洗化による生活環境の改善
  • 公共用水域の水質保全
  • 持続可能な社会への貢献

関係計画

本市の上位計画である「仙台市基本計画(令和3(2021)年3月)」や都市計画マスタープランをはじめとする分野別・関連計画、政府の国土強靭化基本計画(令和5年度閣議決定)や国土交通省の「新下水道ビジョン加速戦略(令和4年度改訂版)」などの趣旨を踏まえる必要があります。

社会情勢の変化等

令和元年東日本台風による浸水被害を契機に新たな対策が必要となったほか、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い生活様式や働き方が変化するなど下水道事業を取り巻く環境は変化してきています。そのような変化を社会情勢の変化等として、下記のとおり整理しました。

  • 施設管理のあり方を踏まえた適切な維持管理
  • 関係者協働による流域治水への転換
  • 脱炭素社会の実現への貢献
  • 下水汚泥の更なる資源利用
  • 官民連携の推進
  • 働き方の変化への対応

下水道事業における課題等(前マスタープランの振り返り)

本市では、前マスタープラン及び中期経営計画(前期:平成28年度から令和2年度、後期:令和3年度から令和7年度)に基づき事業を実施してきました。この間、概ね順調に施策を進めてきた一方で、事業を進める上での課題についても見えてきました。それらの課題等について、下記のとおり整理しました。

  • 施設の特性に応じた維持管理
  • 急増する老朽化施設への対応
  • 災害時における下水道機能の確保
  • 気候変動による雨の激甚化への対応
  • 継続した水環境保全の取り組み
  • 更なる省エネ・創エネの取り組み
  • 環境負荷の少ない汚泥処理システムの構築
  • 厳しくなる経営環境への対応
  • 技術力の維持・継承
  • お客さま満足・関心の更なる向上
  • 関係者との協働・連携

3.下水道事業の基本理念と基本方針

本マスタープランを策定するにあたり考慮すべき事項を踏まえ、本市下水道事業の使命を基本理念として定めました。また、基本理念を実現するために、3つの視点を設定し、それぞれの視点に基づく3つの基本方針を掲げることで最適なバランスの事業運営を行います。

基本理念

くらしを、地球を、未来を支え続ける仙台の下水道

基本理念を実現するための3つの視点と基本方針

基本理念を実現するための3つの視点と基本方針
視点 基本方針

くらし・社会

基本方針1 住みやすく快適な暮らしを支え続ける下水道

下水道施設の適切な維持管理や改築により下水道機能を維持するとともに、浸水対策や地震対策により防災力を向上し、住みやすく快適な市民の暮らしを支え続けます。

環境

基本方針2 脱炭素社会の実現と良好な水環境の形成に貢献する下水道

汚泥処理の適正化や再生可能エネルギーの利用による温室効果ガスの排出抑制に努めるとともに、下水汚泥の資源利用の拡大や水環境負荷の低減により、脱炭素社会の実現と良好な水環境の形成に貢献します。

経営

基本方針3 健全で持続可能な経営を推進する下水道

お客さま満足の向上や関係者との連携を図るとともに、経営管理の徹底により効率的・効果的な事業運営に努め、良質な下水道サービスの提供と持続可能な経営を推進します。

4.下水道マスタープランの施策と主な取り組み事例

基本理念の実現に向けて、3つの基本方針のもとに施策と主な取り組み事例を下記のとおり定めました。各施策の推進にあたっては、SDGsやダイバーシティの推進について考慮してまいります。

基本方針1 住みやすく快適な暮らしを支え続ける下水道

施策1 下水道機能の適正な維持

施設の特性に応じた適切な維持管理や老朽化した施設の改築により既存施設の機能を維持し、安全で快適な暮らしを支えるための取り組みを推進します。また、下水道施設の再構築として下水道システムの機能高度化を図る取り組み、施設の再編として農業集落排水を公共下水道に統合し、下水道事業の効率化を図る取り組みを推進します。

主な取り組み事例は、下記のとおりです。

  • 下水道施設の維持・更新
  • 下水道施設の再構築・再編

施策2 浸水対策の推進

浸水対策においては、引き続き雨水排水施設の整備を進めるとともに、市民に浸水への備えを促すなど、浸水被害を減少させる効果的な取り組みを行います。また、下水道事業だけでなくあらゆる関係者と協働し、流域治水の取り組みを推進します。

主な取り組み事例は、下記のとおりです。

  • 効果的な雨水排水施設整備
  • 被害軽減に向けた取り組み
  • 流域治水の取り組み

施策3 地震対策の推進

地震対策においては、下水道施設の耐震化などによる事前防災の取り組みや緊急時対応の強化を推進します。

主な取り組み事例は、下記のとおりです。

  • 下水道施設の耐震化
  • 緊急時対応の強化

基本方針2 脱炭素社会の実現と良好な水環境の形成に貢献する下水道

施策4 脱炭素社会・循環型社会の実現に向けた取り組み

汚泥処理の適正化や再生可能エネルギーの利活用、省エネ機器の導入など温室効果ガスの排出を抑制する取り組みのほか、下水汚泥の資源利用の拡大を推進します。

主な取り組み事例は、下記のとおりです。

  • 脱炭素社会の実現に向けた取り組み
  • 循環型社会の実現に向けた取り組み

施策5 水環境負荷の低減

汚水施設の適切な整備・使用を促進するとともに、浄化センターからの放流水質を適正に維持するほか、雨天時浸入水対策を実施し公共用水域の水質保全に取り組むことで、公衆衛生の確保と健全な水循環の維持に貢献します。

主な取り組み事例は、下記のとおりです。

  • 汚水施設の適正な使用の促進
  • 公共用水域の水質保全

基本方針3 健全で持続可能な経営を推進する下水道

施策6 持続可能な経営の推進

効率的・効果的な事業運営に向けて経営管理を徹底するとともに、計画的な人材育成や技術継承、DXなどの取り組みを推進します。

主な取り組み事例は、下記のとおりです。

  • 経営管理による効率的・効果的な事業運営
  • 人材育成・技術継承
  • DXの推進

施策7 お客さま満足の向上と関係者との連携強化

広報・広聴の強化やサービスの充実に関する取り組みを推進するなど、本市下水道事業に対するお客さまの理解を深め、お客さま満足の向上を図るとともに、関係者と協働・連携した事業運営に取り組みます。

主な取り組み事例は、下記のとおりです。

  • 戦略的な広報の推進
  • お客さま対応の充実
  • 関係者との協働・連携

5.下水道マスタープランを着実に推進するための仕組み

アセットマネジメントによる事業運営と進行管理

  • アセットマネジメントに基づき、効率的かつ効果的に事業を運営していきます。
  • 本マスタープランで定めた施策は、国が進める事業マネジメントの考え方を踏まえながら、その実施計画である中期経営計画において目標を定め、進行管理・指標管理を行います。

下水道マスタープランと中期経営計画への市民の方々の関わり

  • 本マスタープランで定めた施策は、その実施計画となる中期経営計画に位置付けた上で具体的な事業として実施します。計画の実施や見直しにあたっては、市民アンケートなどの広聴の結果を活用し、そこから得られた意見等を適切に反映します。
  • 事業実施の成果については、本市のホームページ等で市民の皆さまにお知らせしていきます。

社会の変化等への対応

下水道事業を取り巻く社会情勢や制度に大きな変化が生じた場合は、本マスタープランの施策の内容に関わらず、柔軟に対応します。

お問い合わせ

建設局下水道計画課

仙台市青葉区国分町3-7-1市役所本庁舎5階

電話番号:022-214-8823

ファクス:022-268-4318