基本情報

事業者	仙台商工会議所 所在地：〒980-0014　宮城県仙台市青葉区本町2丁目16−12 電話番号：022-265-8181

　認定経営革新等支援機関（認定支援機関）とは、中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にある者として、国の認定を受けた支援機関（税理士、税理士法人、公認会計士、中小企業診断士、商工会・商工会議所、金融機関等）です。
※「事業承継・引継ぎ補助金」申請においても、認定支援機関による確認が必須とされております。

 

　仙台商工会議所は、小規模事業者を対象に豊富な支援メニューからなる経営支援活動をしており、認定支援機関に登録されています。

　今回は認定支援機関としての取り組みについて、担当者の方にお聞きしました。

　仙台商工会議所は、「商工会議所法」により組織・運営されている地域総合経済団体です。全国には515の商工会議所があり、約125万もの事業所が会員として加入されています（2023年4月現在）。仙台商工会議所には約1万事業所が加入されており、会員企業の皆様とともに、魅力あふれる仙台のまちづくり推進のため、政策要望、地域振興、経営支援などの活動を行っています。

　経営支援活動としては、小規模事業者の皆様を対象に、創業から事業承継まで事業のライフサイクルに応じたサポートを行っています。

 

-　今回、カリブコーヒー様の支援にはどのような経緯があったのですか。

　私の担当先である飲食店様から「新しく飲食店を始めたい人がいるので創業支援をしてほしい」と紹介いただいたのがきっかけでした。早速ヒアリングしたところ、ご本人は自分のお店を持ちたい気持ちがある一方で、その方のお父さんが別の事業をされており、後継者として事業承継することも選択肢にあり、さまざまな可能性を検討しました。

 

-　事業承継には、いろいろな問題があるとお聞きしています。今回、どのようにして事業承継が実現できたのでしょうか。

　事業承継は、事業だけでなく、人、資産、知的資産を含む経営資源も一緒に受け継ぐことになりますから、当商工会議所では、中小企業診断士や税理士などの専門家と、伴走支援を行う経営支援員で構成されるチームで対応しています。専門家の知見ももちろん重要ですが、事業を受け継ぐ親子の間を経営支援員が間に入って取り持ったり、専門知識をかみ砕いて分かりやすく説明したりするなどきめ細かな支援を行っています。

　今回のカリブコーヒー様の例では、事業承継する息子さんが自分のお店を持ちたいという思いに加えて、家族でお店を営みたいという考えもお持ちでした。お父さんの事業をそのまま引き継ぐのでなく、ご自身でやりたかった店との複合業態とすることで、二つの希望を叶えられる計画とし、その実現を支援しました。

 

-　今回の支援のポイントは何ですか。

　時間をかけて丁寧に対応した点がポイントです。事業承継は一朝一夕に行えるものではなく、計画的に行う必要があります。また、承継後に事業が軌道に乗るまで時間もかかります。何回も打ち合わせをし、シミュレーションを重ねて事業計画書、資金繰り計画の策定を支援しました。今回は、事業承継引継ぎ補助金が活用できましたが、計画は補助金ありきの内容だと、採択されなかった場合の事業継続のリスクが大きいため、補助金がなくても実現可能な計画としました。

 

-　今後はどういった支援をお考えですか。

　定期的な面談や経営相談を行っていますが、まだ新店舗がオープンして間もないので、まずはしっかり軌道に乗るまでサポートしていく予定です。また、若い世代向けの企画などいろいろ構想されている新事業のアイデアを効果的に実現できるよう支援を行っていきたいと思います。特に、仙台商工会議所では、新商品・新サービス開発や「伊達な商談会」といった販路開拓のための支援メニューも豊富にあります。こうした支援メニューを通じて、売上拡大に役立てたらと考えています。

 

-　最後に、事業承継に取り組む事業者の皆様に対し、一言メッセージをお願いします。

　事業承継は、既存事業があることによるメリットも大きいです。今回のカリブコーヒー様は、まさに既存事業により一定の売上の見通しを立てつつ、思い切った新規事業に取り組むことができた好事例だと思います。また、新規事業により、既存事業でも新たな顧客獲得につながるなどの相乗効果もありました。先代の経営者が築いてきた歴史を大切にしながら、若い経営者が新たな市場を切り拓くことで、新たな雇用創出など、地域経済の活性化につながりますので、当会議所としても引き続き支援を行っていく予定です。事業承継を検討されている方は、まずは一度ご相談ください。

 

-　本日は貴重なお話ありがとうございました。