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更新日:2017年6月27日

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発表項目以外の質疑応答の概要(平成29年6月27日)

平成29年6月27日

 

(1)市長選の立候補予定者に対する支援について、市長の考えを伺う

私もこの間、立候補されている皆さまのこれまでのご発言や、また、文書でお約束されているようなものを拝見して、いろいろ思いを巡らせてきたところでしたけれども、私としてはこの度の市長選挙においては、菅原裕典さんを応援したいというふうに現在気持ちを定めたところです。

 

(2)菅原さんを応援する理由を伺う

基礎自治体としての仙台市の今後ということを考えると、大きく2つの課題があるだろうなと私自身としては捉えたところです。一つはご承知のとおり全体としての基調が少子高齢化でありますので、それにどう対応していくかということになるわけですけれども、仙台市の財政面である歳入、ありていに言えば市税の問題です。市税を歳入としてどう高めていくかということは、街の経済的な活性化、元気、これまで私も交流人口の拡大などいろいろ進めてまいりましたけれども、そのことが非常に大きな意味合いを持っていくのではないかと思います。

議会のご賛同も得て仙台市の中小企業活性化条例を作って、今、30億の基金のもとに、さまざま経済界からのご提言をいただいて進めており、そしてまた仙台経済成長デザインというのも作りこの間進めてきましたけれど、そうしたものをさらに力強く人口減少社会の中で前に進めていくためには、菅原さんのこれまでのビジネスマンとしてのご経験は得難いご経歴ではないかと判断をしたところです。

 

(3)他の3候補を応援しない理由を伺う

大久保さんについては、国会議員でいらっしゃったときに1度か2度お目にかかったことはあるのですが、あまり深く存じ上げていないということで、私の中ではあまり深くコミットする方としての考えというのは、今回はございませんでした。

林さんは、国会議員としてお仕事していらっしゃる中で、何度かお話もさせていただきましたし、若い方で大変意欲のある積極的な方だなと言うような印象を持っておりました。そういう意味で、今回のご提言といいますか公約の準備素材についても、人口150万という大変大きな目標を掲げておられるのですが、“Boys, be ambitious”ということもありますので、若い世代が大変大きな目標に向かってまちづくりを打ち出されようとしているそのお気持ちの志の大きさというものには、私も共感する部分はあったのですけれども、ただ、私自身は仙台市の人口はほぼ現状の中で横ばい、もしくは今後数年の間には低下の傾向に入るだろうという前提の下に施策を組み立てるべきだという判断で、議会にもご説明をしてきましたので、150万という目標については、いささか私としては賛同しかねるという思いがありました。

郡さんについては、本当に政治家としても大変長い間仙台を地盤としてお仕事をしてこられて、また私が8年前に出馬するときにも出馬にあたって大変お世話になったという点では、大変、政治家として敬愛をしている方です。そういう意味では、難しい判断である部分はあったわけですけれども、やはり、さまざまな課題がある中で、街の経済の活性化というのは欠くことのできない重要な要素であるという面で考えますと、郡さんのお仕事は、さまざまな困難を抱える立場の方々に寄り添うという意味でのお仕事、子どもたちや教育の問題、福祉の問題を中心に幅広くお仕事をしてこられたというその実績については、私も高く評価をさせていただいているわけですが、やはり市政というのは入ってくるものがあってという部分もございますので、そういう意味では経済の活性化という部分に一つポイントを置いた今回の判断となったと受け止めていただければと思います。

 

(4)後継指名ということになるのか

私としては、後継指名という考えではありません。私の市政を後継するという前提の下に支援をするということではなくて、現在、自らの意欲でご出馬を表明されている方々の中で、私自身の判断はこの方にあると。その理由については、今申し述べたような考え方であるということを示したということです。

 

(5)具体的にどのような支援を行う予定か

今この時点で初めて明らかにさせていただくものなので、今後例えばご本人様やその方々から何かお話があれば、私としても考えることがあるかもしれませんが、現時点では、そういう私の考えを表明したということで、それ以上の何ものでもございません。

 

(6)仙台市職労は郡氏を支援するとのことだが、市長の判断との整合性について伺う

市職労は市職労としての独立した判断をしていると思いますので、特に私自身の判断と市職労の判断に、例えば摺り合わせるとかそういったことは、これまでもありませんし今回の場合もないと思います。

 

(7)菅原氏を支持するということでよいか

私が承知している4人の候補者の中で、私としては菅原さんがふさわしい方だと思うという判断をしていることをお話しさせていただいています。政党ではないので支持とか支援とか推薦とかというものに何か違いがあるかと言われると、政党の推薦とか支持とか支援のように何か決まっていて、この言葉だったらこれをするとか、この言葉だったらこれとここが違うという定義があるわけではありません。たぶん私の中でも支持と言ってみたり支援と言ってみたり言葉が錯綜するかもしれませんが、意識的に使い分けてはいないです。

 

(8)郡氏を支援しない理由は共産党からの支持を受けているからか

当然のことながら、選挙の場合にはどういう体制で戦うかということもありますので、判断の一つの要素ではありますけれども、それがすべてではありません。また、郡候補者と共産党との間というのも、市民フォーラムのお話によれば、決して共産党さんと共闘しているわけではないというお話で、あくまでも是々非々の立場であるというお話ですので、実態は野党共闘という言い方ではないという説明を私は受けております。

 

(9)菅原氏の応援演説などは行う予定か

何分、今日皆さま方にこうしてお話しするのが私の考えを外に正式にお伝えする初めてです。そういう意味では、ご本人様方のお気持ちもある意味では忖度(そんたく)せずに私が勝手に自分の気持ちを言っているというところがあります。今後、私に対してどういう働きを期待されるかというのも当然相談しているわけではありませんので、お話を何かいただけばその時点から考えるということだと思います。

 

(10)具体的な支援の要請があれば受けるということか

その時点から考えるということです。どういう要請なのかにもよります。

 

(11)市長はリベラルな考えを持っていると感じるが、自民党が支援する菅原氏は市長と少し考え方が違うのではないか

ご承知のとおり私の出馬にあたりましては、議会側でも会派を超えてまとまって私を応援する体制をつくってくださって、自民党はもとより公明党、市民フォーラム、そして社民党、こうした会派を超えた形で応援していただきました。そういう意味では比較的ウイングが幅広にとれていたと思います。

しかし今回はそういう形での構築がされませんでしたので、現状の中で判断するとすればということです。私の場合とは違った枠組みの構築ということに、さまざまなご判断の中でなったというふうに思っていますので、それを前提にした中での私の今の時点での判断というふうに受け止めていただければと思います。

 

(12)共産党が郡氏を支援することについての市長の考えを伺う

共産党と政策協定を結んだような形での共闘ではないとお聞きしています。共産党が勝手連的に支援する気持ちなのだということが、市民フォーラムの立場・考えなのかと私は受け止めています。しかしながらある意味では私が選挙に立ったときに反奥山ということで立候補者を擁立されてきた共産党が今回は擁立されないということは、そこには党として、よりこの候補者の方が自分達の政策に奥山よりは近いだろうという判断があったのだろうと私としては思うわけで、そのことに対する私の懸念というものがあるのは事実です。

 

(13)どの候補も支持しないという選択肢もあったと思うが、今日、菅原氏の支持を表明した理由を伺う

この間いろいろと、まちで市民の方々とお会いしてお話をお聞きすると、政党的には今回私がウイングを広く持っていたのとは違う構図になっていますので、判断に迷うというお話や、候補者の方々について市長はどう思っているのかということを明らかにしてほしい。言われたからそれで投票するということではないけども参考にしたいというお声もいただいたりしましたので、私としても限られた候補者、ある意味では出そろった形だと思いますので、そうした中で私の判断の軸をどこに置いたかということをお示しすることも選挙にあたっての皆さんのご参考になるかなという意味でも、明らかにすることも一つの私のあり方かなということを考えました。

 

(14)菅原氏については知事が推している中での出馬という流れもあるが、市長はどう感じているか

私の市政の中でも、市と県が一緒に手を組むことでより効果的な施策を展開できる場合には一緒に進めてきました。例えばディスティネーションキャンペーンや、台湾からの観光客誘致など、連携しなければできないものは今の時代にいくつもありますので、それらについては連携してきたと思います。

ただ、例えば仙台港背後地の土地区画整理事業の負担の問題や、また空港鉄道の負担の問題など、県と市と立場が違う部分で利害が一致しない部分はありますので、それらのときには私としても反対をする。結果としては案件ごとの是々非々で、私はあくまでも仙台市長ですから仙台市民の最大利益になるような形での判断と行動をしてきたと思っています。それはどなたが市長になられてもその原則を貫くことが市長としてのまずは第一の責務ですから、ご本人がしっかりとコントロールされるべきものだろうと思います。

 

(15)菅原氏はかつて梅原氏を支えていた人で、今回は梅原氏も支援を表明しているが、抵抗感はなかったのか

梅原前市長がご当選されたときは、仙台市議会の中でも私のとき以上に超党派的と言いますか、かなりの議員の方々が梅原前市長を推薦する母体になられて、いわば市議会もほとんど総ぐるみで推薦運動に入られたと聞いています。従って菅原さんもおそらくは後に起こるようなことがあるとは思わずに、経済官僚としての梅原前市長さんの可能性を引き出すために縁の下の力持ちという役目を受けられたのかなと思います。そういう意味では、市議会全体も私ども職員も含めて、その後の前市長さんの市長としての行動には少なからず違和感を持つようになりましたけれども、支援団体の代表としての菅原さんも相当に難しい苦しいお立場だったとは思います。

ただ私が市長に出ることを表明したときに、菅原さんは当時まだ当然のことながら梅原市長さんの推薦団体と言いますか、運動団体の責任者でいらっしゃいましたけれども、確か私がニュースで拝見したときは「奥山候補者をどう思われるか」と聞かれて「奥山候補者はしっかりとした仕事をしていただける方だと思う」とおっしゃっていただいたというような記憶がございますので、私自身に対する判断としては変わらないものを当時から持っていただいていたのではないかと思います。

 

(16)支持については、市民協働を広げてくれる方にと話していたことを考えると、経済のことは少し唐突に感じる。市民協働の面での考えを伺う

市民協働は、やはり重要な市政のポイントだと思います。108万市民の方がいらっしゃって、今回政党的には自民党という単独の政党と、またいくつかの政党さんのブリッジのような形で登場されることになりましたけれども、どのような主張をされて当選されるにしても、結果として108万全体のトップになるわけです。市政の運営は、ラグビーのノーサイドではないですけれども、選挙戦では敵味方であってもその後しっかりと市全体の市民の気持ちを束ねていくところの核にくるのは、やはり市民協働という考え方ではないかと思います。

私自身もそうですけれども、市民協働という意味では、例えば団体やグループ、NPOなどの方々を中心に仙台市の市民協働が進んできて、そういうグループの方々とのお付き合いの深さという意味では、おそらくは菅原さんよりも、現状、郡さんの方がより深くお付き合いをしていらっしゃるのではないかとは思います。ただ菅原さんご自身も例えば震災遺児のためのNPOの代表や社会福祉法人の代表をしておられて、さまざまなセクターと協働していかなくてはいろいろなものが進まないものもあることは十分ご存じだろうと思います。

そういう意味で、菅原さんに対して市民協働としてより幅広いウイングを広げる形で取り組んでいただきたいという期待もありますし、菅原さんの一番の強みである経営者としての経験は、一方で言うと経営者以外の経験、つまり経営する方は雇う側ですから、被雇用者という労働者の方々もいらっしゃるわけなので、そういう方々に対する目配りや、そういう側から見たときの政治のアプローチがどうであるかといったことについては、これから十分に考えていく必要があることだろうと思います。私としては、今回の選挙の中で私のような体制で出る方が構築される政治状況でなかったことからすると、今の時点の状況の中ではやはり菅原さんだなという判断です。

 

(17)支持するポイントとして「これまでお世話になったかどうか」ということも挙げていたが、このことについてはいかがか

お世話になったというのは、個人的なお世話になり方とそれぞれの推薦されている党からのお世話になり方とがあると思います。郡さんについては、当時民進党の政権交代の直前でしたが、そういう中で私を擁立するときの中心は主に岡崎さんが党として担っていたかとは思うのですけれども、郡さんもいろいろなところでマイクを持ってくださいましたし、大変党としてもお世話になったとは思っています。もちろん社民党さんにもお世話になったと思っています。一方で、自民党さんからも当然応援をいただく中でやってきましたので、お世話になった党ということで言えば自民党さん、公明党さん、社民党さん、民進党さん、私の場合はこの4党にはいずれもお世話になったと思っています。

 

(18)郡氏の選挙の枠組みに共産党が入ることが判断の一つのポイントとのことだが、市長は共産党のどのあたりを否定的に捉えているか

一つは、私も自分で8年やらせていただきましたので、ある意味では自分が目指そうとしたところを強制する何ものもないわけですけれども、継承していただきたい気持ちがないといったら、それは嘘だろうと思います。もちろん変わっていく部分があってもいいと思いますが、そうした中でこの間の議会を振り返ってみますと、やはり共産党さんはある意味では私が下した施策や決定に対してかなりご反対の部分が強かったと私は受け止めておりますので、そうしますと私が目指した市政と共産党さんが持っていらっしゃる仙台市政のビジョンは違うのであろうとは思っています。

 

(19)今回の市長の表明は市役所内にどのような影響を与えると思うか

どうでしょうか。市役所といっても、もちろん組織として市政を遂行していく時には私がトップで、職員はそれに対して全て私の指示と決定によって行動していくことになりますが、選挙に関しては本当に個人個人の意思によるものですし、仙台市の職員も市職労という形では緩やかなまとまりはありますけれども、一方で市職労に加盟していない職員も多数いる現状ですので、そういう意味ではそれぞれの人の個人としての政治的な判断によって投票していくものだろうと私は受け止めています。

 

(20)菅原氏の支援を決めた時期を伺う

ずっと考えてきたことではありますけれども、議会もありましたし、最終的にはっきりと気持ちを定めたのは議会終了、一般質問が終わった後からこの間、議会終了後、この週末なども合わせて考えてきました。

 

(21)市長はこれまで市民協働を大きく広げる方という話をしていた一方で、経済の話はあまりしていなかったように思うが、判断の基軸が変わったのか

特に何か私として判断が大きく変わったと思っていることはありません。ただ、どなたがなられても市民協働は大切にしてほしい、これは私からのある種のメッセージです。

例えば私の作った条例を見ていただけると、協働によるまちづくりの推進に関する条例、これはもちろん今言ったようなお話ですし、中小企業活性化条例、この二つが大きな、私が震災復興計画終了後に議会にお諮りして作らせていただいた条例でありますので、私の問題意識としては二つの条例を作って、よりこの二本柱という形で市政を進めていく考えは、これまでもそうですし今時点でもそこが大きく変わったとは思っていません。

 

(22)市長はこれまで安倍政権に対して厳しい発言もあり、自民党が推している候補への支持表明は「らしくない」という印象を受けるが、市長の考えを伺う

もちろん国の安倍政権の進め方が全て良いとは私も思っていません。例えば安保法制の時も会見の場でもお話ししましたが、国民の多くの方の中に納得が届いていない中では、やはり強行的な部分や、拙速に陥るのではないかと発言させていただきました。

国政に対して基礎自治体は、国会であれば半数を確保すればそれで法案も通ることになりますが、私自身は市政の運営は半数で決まったからいいというわけではなくて、より多くの、例えば7割の方々にご理解いただけないと逆に地域に下ろしたときに進んでいかないものだと思っています。そういう意味では今回、政党の枠組みは私のときと違って二分された形になりましたが、それぞれの候補者に幅広い視野での市政をご議論いただきたいと思っています。

 

(23)自民党の支持する候補者であることは特段問題にはならないということか

私自身もこの間自民党の支援を受けて戦ってきたので、今になって自民党の方だから候補の視野外だというのはまた逆におかしな話かなと思います。

 

(24)郡氏が当選した場合に、市議会が少数与党となり市政運営が難しくなることは判断材料になったのか

特にそういうことを判断の主軸においたわけではありません。市民の方の選択が変わるときにはそういう市議会の構成と市長の立ち位置とが違ってくることもあるわけですし、また仙台市議会と市長の選挙は2年ごとに挟まっていますから、市長の下でやっていても、その4年間全部そのまま続くことでもありませんし、変わっていく要素は常にあります。それはやはり最終的には市民の方のご判断だと思います。

 

(25)議会後に判断されたということだが、議会の中に何か判断材料はあったのか

特に判断材料があったわけではありません。ただ議会中はどうしても議会対応に忙殺されて、毎日毎日勉強状態になりますので、ゆっくり思いを巡らせている時間が取れなかったということです。

 

(26)基準値以下の汚染廃棄物の処理について県から新たな提案があったが、現状の市長の判断を伺う

会議の時にも発言を求められて私が発言を申し上げましたが、基本的に仙台市としてこれまで、例えば工場が壊れたとか震災で処理能力を超えたとか事情はさまざまではありましたが、他自治体の一般的な家庭廃棄物を一定量、受託で受け入れてきた経緯がございます。ですから今回のこの廃棄物についても理論的に受け入れることは可能だと思っています。

あとは汚染廃棄物を持っていらっしゃる自治体の皆さんが、知事が提示されていた今回の枠組み全体に賛同して進む決定をされるのかどうか、それについて仙台市は一義的な当事者という立場ではありませんので、まずは汚染廃棄物を持っていらっしゃる自治体を中心に皆さんの考えを伺って、全首長の判断の下に今回の枠組みでやるとなれば、仙台市としてさらに一歩進んで、量や時期についての具体の検討に入ることになると思います。

 

仙台市長 奥山 恵美子