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更新日:2016年9月20日

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発表内容以外の質疑応答の概要

(1)地下鉄東西線の需要予測で(仮称)一番町駅の利用者の落ち込みが6割以上と厳しい数字が出たが、その所感と利用者減少に対する対策について伺う

一番町駅の利用者の減少については、日中の利用者が少なくなる現象ですので、これは働き手の方々が勤める周辺ビジネスビルの立地、働き場所の増加が当初の見込みよりも減っている、もしくは伸びがなかったことによると思います。また、もう一つは買い物のお客さんの青葉通付近での動向が仙台駅前等に比べて活力がやや衰退している状況なのかと思います。

青葉通は、例えば私が大学に通っていた頃にはむしろ定禅寺通よりも仙台のメインストリートとして大変利用者の多い通りだったと思います。その後、仙台駅前の開発や、定禅寺通近辺の開発に比べてやや遅れているのではないかということで、青葉通のポテンシャルをもっと上に高めていくような開発を私どもと地域が中心となってやっていく必要があると思います。

ご承知のとおり、地下鉄東西線にあわせて青葉通の通りそのものの道路の拡幅や歩道の拡充にも取り組んでいますし、NTTビルのブロックの再開発も話として進んでいますので、今後青葉通の近隣の方々とご一緒にもっともっといろいろなイベントの取り組みや、いろいろな会社が青葉通により張り付くような働きかけをやっていきたいと思っています。

先週、青葉通まちづくり協議会も新たにスタートしましたので、そういうものが新たな運動体となって市と一緒になってまちづくりに取り組んでいくということが良い成果を挙げていく一つの方策だろうと考えています。

(2)中心部で行っているバスの100円パックのような、制度面での取り組みは何か考えているか

その辺の交通システムの料金体系は、地下鉄に乗っていただく方に対して一番基本となるものだと思います。今、交通局を中心に地下鉄の料金体系についてもいろいろと検討を進めています。今お話いただいたようなアイデアやICカード化をすることによって、より乗り継ぎの利便性を高めて、ワンカードでなるべく用が足せるようにするとか、利用者増の取り組みはいろいろな角度から考えていきたいと思います。

(3)今回の津波情報伝達システムの音声が流れなかったトラブルについて所感を伺う

今回の津波情報伝達システムの音声が流れなかったことについては、誠に申し訳ないことです。津波浸水区域として予測されている地域の皆さまには、本当に頼りにしていただく手段の一つが十分起動しなかったということですので、我々としても誠に申し訳ないというのが第一点です。

今後二度とこういうことがあってはなりませんので、今回電源が入っていなかったことに対して、電源が不用意に切れたりすることのないようにカバーを付けるとか、いろいろ具体にやってまいります。現地で音声が出ているかをアンサーバックするようなシステムも必要ではないかと思います。これはちょっと時間がかかるとは思いますが、機器の設置業社と消防局とでその辺も含めて考えて対策が取れるように進めてまいりたいと思います。

(4)アンサーバックするようなシステムとは具体的にはどのようなものか

電子メールなどで開封されるとそのことが信号となってまた届くものがあります。ですから、現地において音声が流れた時に、それを信号として司令室に戻すことは、今のIT技術であれば、多少経費はかかるとは思いますが、できるのではないかと思っています。少しその辺の対応も考えて欲しいということで、消防局に検討するよう指示を出しています。

(5)本日開催される防災会議で地域防災計画の見直しの議論が行われるが、ポイントとして考えている点は何か

これまでの地域防災計画は、国の計画があり、県の計画があり、それを受ける形で市の計画がありました。どちらかというと行政体としての市がまず何をやるか、ということの中で、極めて限定的な書き方をした地域防災計画だったと思います。

今回の東日本大震災では、その限定的な部分も十分ではありませんでした。大変広範な避難所の運営やその他で市民の方やさまざまな地域団体の方に活動していただかなければいけなかったにもかかわらず、どういう役割を分担するのかや、どういう連携をとっていくかについては、全く計画の中で触れられていなかったために、どこにも指針となる基準がなかった。それが混乱をより拡大したという面があったと思います。

まずは行政機関が行う公助の部分、そして団体と皆さまが行う共助の部分、そして自助の部分として、例えば避難所に行く場合には物資も家庭にあるものを持ってきてくださいとお願いすることなどがそれぞれ盛り込まれている計画として、市民一人一人にとっても、これを見ると震災の時にどういう役割で動いていくかが分かるような、よりリアリティのある地域防災計画にしていきたいと考えています。

それを具体的にどうやっていくかについては、今後いろいろな議論をいただく中で、震災後のアンケート調査なども踏まえながら組み立てていければ良いと思っています。

原子力災害対策に関しては、これまで地域防災計画ではほとんど触れられていなかったといってよいと思います。

今回の福島の事故に鑑みますと、仮に女川を考えますと、仙台は約50キロ圏内に一部入る所ですので、より原子力発電所に近い所から仙台市内にいろいろな方が、今回福島市や郡山市がそうだったように避難してこられることが十分に考えられます。その時に仙台市がどういう受け入れ態勢を持つかとか、避難してこられる方がいらっしゃる場合にどういう検査機器が必要であるかとか、今までの防災計画の中では全く考えられてこなかった課題がたくさん明らかになっています。そういったものについて、しかるべく考えていくことも大きな課題です。

(6)荒井駅北地区が防災集団移転先から外れたが、そこを希望していた方々への対応はどう考えているか

荒井駅北の土地区画整理区域ですが、地下鉄東西線の荒井駅周辺のいくつかの区画整理事業は、過去数年の間で立ち上がってきています。今回防災集団移転をする中で、都市としての利便性、交通環境の良さなどを考えますと、荒井駅周辺にある区画整理事業地を有効な移転先として考えるべきだろうという考えが、私どもの中にありました。

荒井東地区などは、ほとんど最終的な局面になっていますから、あまり場所数はありませんが、荒井の公共区画整理地区、あとは南地区、西地区、そして北がありました。当初それぞれの地域において、荒井公共区画整理事業以外はそれぞれ土地区画整理組合で実施していく民間主体の事業になりますので、今年のこの時期くらいまでには、一定の立ち上がりが可能だろうという、それぞれの方とお話をしていく中で、大丈夫だというお話をいただいたところから、候補地としてお示しをしてきました。

しかし、その後の進捗の中で、どうしても荒井駅北の区画整理事業については、なかなか難しいと、当初やりたいという皆さんが、前向きな気持ちであったことは間違いありませんが、いくつかの大きな土地を持っていらっしゃる方々の中で、なかなか区画整理事業についての合意形成に至っていないという状況が出てまいりました。私どもとしても、ある程度難しいというお話が当初から分かっていれば、それに越したことはなかったわけですが、当初はできるだろうというお話のもとに我々は計画してまいりました。

それが難しいという状況が明らかになりました。例えば、他の地域の分譲が始まってから、1年後あたりにこれが難しいとなると、別の候補地を考えられる際に、ハンディになってくることがありますので、現在いろいろご意見があることは私も聞いてはいますが、できないならできないという提示をするのは、早いに越したことはないということで、今回、この候補地を外すという決断を住民の皆さまにお話したということです。

(7)当初、荒井駅北地区を移転先に選んだのは、合意形成されると想定していたからなのか

実施主体として中心となる皆さんの気持ちと、個別に買収など交渉をやっていく中で、なかなか合意形成が進まないということは、さまざまな土地区画整理事業の中で起こりうる事態ですので、やむを得ないことだったと思います。

もちろん、荒井駅北地区の事業がスケジュールどおり進んでくれればそれが一番ベストだったという気持ちは私も同じですが、やむを得なかったと思っています。

(8)荒井駅北地区を第一希望にしていた方々にはどのように対応するのか

荒井駅北地区を第一希望としていた方々には、これから希望を出し直していただくことになります。お手数をお掛けしますけれども、年次が経過してもできない事業に縛りつけられるのは、全体としては好ましくないと思いますので、今の時点で状況を把握いただいて、しかるべき候補地の中から選んでいただければ大変ありがたいと思います。

(9)防災集団移転で荒井駅北地区に移転を希望した方は、またゼロから新たな移転先を検討することになるが、どのようにケアする考えか

今防災集団移転はおおむね個別相談の次元に入ってきていると思います。集団として地域の方にこういう制度の枠組みですとか、こういう状況ですとかという説明はかなり進んできて、それぞれの個人の方にとって、どういう選択があり得るか、その中でどういう経済的負担になるか、住宅であれば着工できる時期の見通しはどうであるかというようなことを、総合的にお話して決断していただくのを支援する段階に入っています。荒井駅北地区を希望した皆さまに、もう一度気持ちを切り替えて考えていただくのは、心理的に大変な負担をお掛けすることは十分承知をしていますので、職員と一緒にお一人お一人の方とご相談をして、なるべく早く候補地を決めていただけるように事務局で取り組んでいくようにしたいと思います。

(10)例えば、荒井東地区では予定戸数を希望者が上回っているが、もっと戸数を増やす考えはないのか

荒井東の区画整理については、現状かなり進捗していますので、これから大規模に新たに防災集団移転の宅地をまとめて取ることは難しい状況だと思います。
今それぞれの区画の所有者の方々に、今回の防災集団移転の趣旨をお話して、できるだけ土地を提供いただくように、買い取りできるような交渉を進めています。その個別の交渉についてはもう少し鋭意続けていきたいと思います。ただ、最終的に希望される方が区画の数よりも多くなることも想定されますので、その場合には抽選など公平性を保てるような決定の仕組みを導入する必要があると思います。

(11)公平性というのは、荒井駅北地区を希望した方も含めてということか

荒井駅北地区を希望した方にも、これからどこに希望されるかを聞いていきますので、現時点で抽選が始まっているわけではありませんので、同じ立場で入っていただくということになると思います。

(12)防災集団移転において、今後も地権者との調整の難航などで計画が遅れることが想定されるが、どう対応していくのか

事業計画は当初作成したもので、そのとおりいけば、ベストですし、また我々もそうしたいということで努力をしています。荒井駅北地区のように事業地としてあきらめなくてはいけないという大きな変更はこれ以降なるべくないようにということで考えています。
他の部分については基本的に対象地から外すような大きな変更はないように努めていきたいと考えています。

個別の箇所数については、より希望が具体になっていく中で、希望が増えた地区もありますし、希望が減った地区もあります。その辺の調整については今後も事業計画の変更ということで、国などと相談、微調整をしながら進めていくことになります。

ただ、土地の場所変更とかもありますが、大きなものとしてはたぶん現状の今の時点の中でやっていけるかと思います。

(13)土地の買収で予定どおり買い取りができない場合の対策などは考えているか

お一人お一人の移転される皆さまも、かつて思っておられたこと、今思っておられること、またこれから周辺の方々がいろいろな所に決めていかれる中で、ご自分の考えが変わることもあるでしょうし、まだまだ流動的な要素はあると思います。

一つ一つをきめ細かく丁寧に、もし変更があるのであれば早い時期にということで一つ一つを丁寧にやっていくことに尽きるのではないかと思います。

防災集団移転の中には、対象戸数がかなり少なく、何人かの方がそこでやめるとおっしゃれば、事業そのものの成り立ちが難しくなる地区もありますので、それぞれの地区ごとの難しさの性格が違う部分について、丁寧にフォローしながらやっていくのが我々の役目ではないかと思います。

(14)仙台市以外の沿岸部などから避難してきた方々は数千人ともいわれているが、その方々に対する支援についてどう考えているか

震災以降仙台市に住まいを移された方々が、実数を把握するのは難しい部分もありますが、かなりいらっしゃるのはそのとおりです。おいでになられた方々からお話を伺うと、仙台で職を見つけたいと思ったという声もありますし、子供たちがそもそも仙台で働いていたので、身を寄せるところとしては子供たちの近くに行きたいと思ったという方もいらっしゃいます。

また一方で、福島の原子力発電所の事故から放射能のより程度の低い所へということで来た方々もいらっしゃいます。

事情はいろいろですが、私どもとしては、さまざまな仙台市の施策や国の施策がある中で、仙台に来たからこの事業を受けられなかったとか、こういう制度を受けられなかったということのないように、少なくとも仙台市民と同じような形で子育てに関する施策や何かの対象となるように、この間、市単費事業についても適用の範囲を広げるなどのことをやってきました。なるべく仙台で負担の少ない形で暮らしていただきたいという願いがあります。

一方でそれらの方々が一番おっしゃられるのは、ふるさとの情報が取りにくいということです。我々も申し出をいただいた方については、国のシステムもありますので、ふるさとの情報を提供するように取り組みを進めています。社会福祉協議会が中心となった支えあいセンターなどが、出身地ごとの住民の方の出会いの場として、お茶会などをきめ細かく実施することによって、例えば石巻からの方の会とか福島からの方の会なども徐々に出来上がっていますので、そういうコミュニティを仙台でも何とかつなげていけるような支援もしていきたいと思っています。

今後、沿岸地域においても、防災集団移転の候補地の調整などが始まってきていますので、本当は防災集団移転の情報が欲しかったのに仙台にいらっしゃったために手に入らないということがないように、多くいらっしゃっている沿岸地域の自治体と連携して、例えば担当の方が仙台に来て、こちらにいる住民の方に説明会をしていただくなど、連携して情報提供に努めることが必要だろうと考えています

(15)みやぎ発展税のこれまでの評価と延長となることについての所感を伺う

みやぎ発展税については、この間県からもいろいろ説明を聞いていますが、私としては仙台市域というよりは、仙台広域圏として発展税による企業の誘致は一定の成果を生んだと考えています。

仙台自体でこれから大規模な工場が立地する余地は少ない状況ですが、誘致されてきた皆さま方が、いわゆるマザーシティ、母都市みたいな感覚として、仙台の医療水準や教育環境、文化環境などが居住地として選んでいただける大きな理由になっていると思います。泉地区などにもそういう企業誘致でこられた方が、住宅を求められているというケースはこの間でてきています。それらを考えると仙台の都市にとっても一定のメリットがあった施策ではないかという評価を持っています。

今後に関しては、企業が来るのも大事なことですが、一方発展税を担っている地元企業の皆さんにとって、税の反射的効果が、もう少しきちんと見えるような形は望むべきことかと思っています。人材の育成など、いろいろな形でそれを使っていただくことができれば、また、発展税の目的は企業誘致の他に防災にも資することになっていますので、そうした面でも使い道を工夫していただければ、より納税いただいている企業にとって納得のいく税の使い方かと思います。

(16)市長は発展税の延長に賛成ということか

はい。そうです。

(17)公債発行特例法案の成立が絶望的になったが、仙台市が影響を受けることはないか

財政課に確認するように指示を出しています。もう少ししますと、具体的な項目が政府から発表されるということで、それを見てみなければいけませんが、現時点においてすぐ仙台市の事業をどれか止めなければいけないとか、市民の皆さまに差し上げるべきいろいろな費用がストップするとか、そういうことは当面ないと思います。

(18)復興関連事業についても大丈夫か

現時点で今すぐどうこうということはないです。

(19)予算が遅れることについてはどう思うか

なんと言いますか、これも政局のしからしむるところだと思います。現時点で何かが影響を受けるわけではありませんが、どちらにしても予算化されたものについて、赤字国債がよいとは思いませんが、現時点ではそうなるしかない話です。それは必ず年度のどこかでは成立させて使う必要があり、このまま法案を作らないで来年度を迎えることはあり得ないわけです。

そのあり得ないことを、ある種国会の都合の中で法案を成立させないで、宙ぶらりんのままに時間を過ごすこと自体は、これはいかがなものかと思います。自分達が決めた予算ですから、それがしっかりと執行されるように担保するというのも、はっきりと政治の責任であることは間違いありません。それをいろいろな政局的な動きの中で、ペンディングの状態を起こして国民に不安のツケを回すようなことは、本当の政治不信の元になると思います。認めた予算であれば、一日も早くしっかりとその予算が執行されるような環境を作ることに国会としても全力を挙げて欲しいと思います。

仙台市長 奥山 恵美子

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