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更新日:2016年9月20日

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発表内容以外の質疑応答の概要

(1)復興交付金の第4次の申請時期が近いが、その内容について伺う

今最終的な調整となっていますが、基幹事業の大きな3つ、防災集団移転、かさ上げ道路工事関係、復興公営住宅の3つの事業について、今まで平成25年度までをカバーしていましたが、さらにその先の年度の分についても、事業の熟度によっては申請を認めていくというお話を復興庁からいただいています。したがって、さらに年次を先にした事業計画がしっかりと立てられるものについては申請したいと思いますので、この3つの金額が相当大きくなると考えています。

そのほか、緑ケ丘の防災集団移転の追加や、関連するさまざまな調査関係などを中心にまとめていくことになっています。

(2)第4次の規模はこれまでと比べて大きいのか

先の年度の分も申請してよいという復興庁の話ですので、金額は相当高くなってくると思います。

(3)被災した中野小、荒浜小、東六郷小の今後のあり方についてどのように考えているのか

被災3校の今後については、当該地区の住民の皆さまが、今後どのような場所にどれくらいの人数でお住まいになるかを中心に考えないと、児童数の将来の見通しもはっきりつかみにくいので、静観させていただく状況となっています。

今回集団移転の場所等がだいたい決まってきたことから、当該学区について、就業児童数としては、極度に低下していくことが予想される中で、教育委員会としても学校の統合も視野に入れてお話をしていかなければいけないのではないかという判断に立ったところです。私自身も現在の集団移転等の状況を考えると、教育委員会の方針は是としているところです。

ただ、今回の震災で、生活環境の激変に見舞われている皆さまですので、学校の問題というのは地域の中で、アイデンティティーとして重要な課題です。くれぐれも拙速にならないように時間をかけた合意の形成が必要だという認識を持っています。

(4)大都市制度について、昨日地方制度調査会が、特別自治市を作るのではなく、都道府県から実質的に権限委譲していくという考えを示したが、市長の評価を伺う。

例えば、都と区であるとか、政令指定都市制度、また政令指定都市が主張している特別自治市制度、そして中核市制度といろいろな制度があって、国民の皆さんにとって都市制度がいかにあるべきかということが分かりにくい、若干混乱の気配があるのではないかという指摘がこれまでにもあったところです。

今回の論点の一つの眼目は、なるべく多くの都市をカバーできるシンプルな制度として、基本を何に置くかということをお考えになっているように思います。それがおそらく今回の中核市から政令市までを視野に入れたような制度としてのたたき台が出てきた背景ではないかと思います。

そのこと自体は議論の進め方として、私は、一定の理はあるものと思っています。ただ、権限が中核市レベルにおしなべてなってしまうことがいいかについては、私は特別自治市を推進したいと考えています。逆に中核市においても希望する場合には、より多くの権限を組み入れることができるような制度として、特別自治市の対象都市の拡大を図っていくべきではないかと思います。

これは政令指定都市の合意というよりは、仙台市長としての私の考え方ですが、そのように私は思っています。今後地方制度調査会の議論がどういう方向に行くのか、しっかりと見極めていく必要があると思っています。

(5)地方制度調査会では、区の権限の拡充や区長の公選も検討しているが、市長の考えを伺う

身近なところで、自分達の生活環境などを中心に住民の皆さんが自治の力を発揮していくという意味では、公選制は一つの制度ではあります。しかしながら一方で、自治体の中で区のように、ある一つの枠の中にまた自治区ができていくと、その制度を運用する、また保持していくための経費がかかるという問題もありますので、一長一短だと思います。少なくとも仙台の106万人という今の人口規模からすると、区において公選制を導入する必要度は弱いのではないかと私は考えています。

(6)村井知事が指定廃棄物の最終処分場について県内市町村の首長と話し合う予定としているが、市長はどのようなスタンスで臨まれるのか

先行する茨城県などでは、国がいろいろ選定作業を進められて、自治体からすればある日突然お話がきた状況で、いささかの混乱をきたしたと聞いています。おそらく知事としては、そういった先行の事例をご覧になったなかで、県として一定の調整機能を果たせればというお考えではないかと、私は推察しています。

いずれにしても、国が選定のプロセスとして進めている事務的な説明以上のものは、私どもも今聞いていませんので、今度知事が催される会議において、さらに踏み込んだ議論をし、県内各市町村の首長の皆さんと意見交換ができるのは意義のあることだと思います。

(7)仙台市内で指定廃棄物は発生しているのか

現時点では仙台市内ではありません。今後も特に発生する見込みもないと思います。

(8)公債発行特例法案が成立していない現状について所感を伺う

これまでのところは、被災自治体に配慮して、我々が直接的に支出を絞らなければいけない状況には立ち至ってはいませんが、いよいよこれが年内も通らないことになれば、さすがに我々にも具体的な影響が出てくるだろうと思います。

予算を確定していただいた中で、その執行ができないという矛盾はあってはいけないことだと思います。

そもそも予算が通ったということは、これを実行することを国会が国権の最高機関として決めたことです。当然その時点でむしろ公債発行特例法案なども通しているべきであって、それを分離したことによって結果として政局の一つの材料になっているのは、国民の政治に対する信頼を極度に失わせるものです。与野党問わず政局の材料にすることは本当にいかがなものかと、私としては特に思います。

(9)公債発行特例法案が政局に利用されている状況について市長の所感を伺う

それが、駆け引きの材料になること自体が由々しきことです。今までは予算と法案が分離していても、法案が通っていたので弊害がなかったのだと思います。法案が分離しているから、そういうことになるのでしょうから、こういう事例が出たからには来年度以降は予算と公債発行特例法案は必ずセットで議決していただかない限り、国民は本当に信を置けません。成立した予算が成立したのかしないのか結局分からない状況になりますので、そういうことはあってはならないことだと思います。

(10)衆議院選挙は年内がよいか、越年がよいか市長の所見を伺う

特例公債の問題もそうですし、関連するいくつかの法案がありますが、国がしっかりと方針を決めて、課題となっている法案については、法案の可否を順次諮っていく機能が大事です。

選挙の時期に左右されることによって、実質的に国民が期待している法案を成立させる機能が今機能していないことは、大きな問題と思っています。決められる国会に早くなっていただきたいというのが、自治体として大きな期待です。

(11)市内の応急仮設住宅に現在約1万1200世帯が入居しているが、このうち市外からの方が約3300世帯いる。この数字をどう受けとめているか

震災後、さまざまな現地の状況があって、市外から仙台に仕事を求めてとか、またはお子さんの学習環境の問題などで、おいでになる方が多く、その皆さまが仙台市の応急仮設住宅の中で3割を占めているのは、仙台市の大きな特徴です。

我々仙台市として、被災された方々の生活再建をしっかりと応援していくことは自治体として大前提ですが、この3割という数字はかなり大きな数字だと私は思っています。そういう方々に対して、地元自治体と連携して、しっかりと生活再建の道を同伴させていただくという役割を、十分果たしていかなければいけないと思います。

具体的には、石巻市からおいでになっている皆さまも結構いらっしゃいまして、石巻市が仙台の仮設住宅にいらっしゃる方々を対象に、石巻市の復興の現状についての説明会を先般持たれました。私どもの職員も、その説明会に同席させていただいて、情報を共有する、もしくは説明会に出られなかった石巻の方々からお話があった時に、ご説明できるようにするようなこともさせていただいています。こうしたことに、しっかりと石巻市さん、もしくは沿岸部の自治体の皆さんと連携して取り組んでいきたいと思います。

また、福島県からも1000人を超える方々が仮設住宅にいらっしゃっています。福島の皆さまには、帰還の問題に関して大変難しい課題がありますので、仙台にいらっしゃる期間も長期化されることも予想されます。今後の、お住まいのご希望等も丁寧にお伺いしながら、福島にいなかったために何か制度が受けられなかったとならないように、しっかりと仙台市としても配慮していきたいと思います。

(12)仙台市以外からの避難者に対して、仙台市としては定住を促す方向で対応するのか

被災された住民の皆さまが、お一人お一人の将来を考えてお決めになることだと思います。それにあたっては、くれぐれも沿岸地域の方々が、現にお知らせしている情報で、こちらにいらっしゃるために知ることができなかったということがないように、同じような条件で、決断ができるようにしっかりと見守りながら手だてを尽くしていくのが我々の役目です。

また復興公営住宅をご希望であれば、その情報もこちらからお知らせすることもあります。沿岸地域にお戻りになりたいということであれば、その見通しがどういうスケジュールになっているかを、きめ細かくお知らせすることも必要です。また、住民の方の顔合わせ会や何かを作ったり、グループで話し合う機会を作るとか、さまざまな形でご支援をしていく必要があると思います。

一番は、遠慮することによって、その方々が情報のエアポケットに落ちてしまって、どこからも情報が届かないということが心配です。若干おせっかいかもしれませんが、仙台市からも情報が行く、そして旧来住んでいた自治体からも情報が届く、届きすぎて困ることはないと思いますので、むしろそのくらいのつもりでやっていきたいと思います。

(13)宮城県が3月11日を「鎮魂の日」とする条例案を考えているが、仙台市でもそのような日を設けたいという議会答弁もあったが、この県の方針をどう思うか

これだけの広域的な被害ですから、県としてそういうお考えをお持ちということは、理解できるところです。それに対して、仙台市が独自に持つ必要があるのか、もしくは県民こぞってということになるのかは、いろいろな議論がこれからあると思います。市議会のいろいろなご意見も伺っていきたいと思います。

また今回の知事のご発言も、これから私ども自治体の長も含め、いろいろ意見を聞いてという趣旨だと思っています。多くの県民の方の総意によってこういう日なり、何なりというのは決まっていくべきものだと思いますので、必ずしも自治体の首長がこうだというだけでなるものでもなかろうと思います。

(14)そうすると、しばらく議論の推移を見守るということか

いろいろな議論を聞かせていただいて、私自身も勉強しながら判断していきたいと思います。

仙台市長 奥山 恵美子

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