案内窓口 022-229-0631
ホーム > ブログ・SNS > 八木山動物公園スタッフブログ「八木山ZOO通信」 > 園長ブログ 当園を彩ったスターたち(2025年6月30日)
ページID:81405
更新日:2025年6月30日
ここから本文です。
八木山動物公園スタッフブログ「八木ZOO通信」
当園は今年で開園60周年。この間、たくさんの動物たちを飼育してきました。
その中には、現在では飼育していない種も含まれています。
入手・繁殖が困難だったり、展示場のスペースなどの関係で飼育を続けるのが難しくなったり、園全体としての飼育・展示の方針の見直しがあったりと、飼育を取りやめた理由は様々です。
以前ご紹介したとおり、当園では、亡くなった動物はすべて病理解剖を行っております。
そして、特に貴重な動物や市民に親しまれた動物たちについては、解剖後、できる限り骨格標本やはく製として残すよう努めております。
その一部はビジターセンター内で常時観ることができますが、当園が保管している標本はまだまだたくさんあるのです。
その中には、今では当園で観ることができなくなったものも含まれています。
私が園長となって初めてこの標本たちに会った時は、その種類の豊富さに驚くとともに、自分が昔に会っていたであろう動物との再会をとても嬉しく思いました。
「いつの日か、来園者の方々にも彼らをお見せしたい。」と考え、過去の園長ブログでも「秘蔵の標本をご紹介します。」と予告していたのですが、は虫類のはく製をご紹介するにとどまっておりました。
そんな中、今回、開園60周年を記念して、当園のスタッフが「動物園を彩ったスターたち」という特別企画展をプランニングし、これまで保管室で眠りについていたたくさんの動物たちをビジターセンターの表舞台に連れてきてくれました。
ぜひ多くの方に当園で実際に標本を観ていただきたいのですが、私がこどもだったころの記憶も交えつつ、少しだけ紹介しようと思います。
まずは、こちらをご覧ください。
細部が不鮮明で恐縮ですが、これは、昔の当園の案内図です。
旧アフリカ園(昭和44(1969)年10月完成)は記載されていますが、は虫類館とゴリラ舎(昭和53(1978)年4月完成)はまだ空き地になっています。
この図を見ると、今の東門が正門であったことがわかります(ちなみに、東門にある歴史を感じさせる入園券売り場は、開園当時のままです。)。
そして、この門から入ってまっすぐ進むと、さっそく、今ではお目にかかれないこちらの動物がお出迎えしてくれます。
アシカの後ろにはビーバーやイグアナも。
は虫類館ができる前は、アシカ池の近くの小さな獣舎(現存)でワニやカメを飼育しており、そこは後にビーバーの家になりました。
それぞれの動物には、当園での飼育期間や、実際に担当した飼育員のコメントなど、貴重な情報がたくさん。ぜひ現地でご覧ください。
昔は、当園にもアシカがいたのです。
私は、このアシカがものすごい勢いで池の中をぐるぐると泳ぎ回っている姿を観たことがあり、今でも強烈に印象に残っています。
餌やり体験も出来たそうで、現地にはそのための台が今でも残っています(残念ながら、私は餌やりをしたことはありません。)。
この池は、今はメダカの住処となっていますが、園のスタッフの間では、いまでも「アシカ池」と呼ばれることが多いです。
今の猛獣舎がある辺りには、当時も猛獣が集められていました。
ここで目を引くのは、「ピューマ」「ヒョウ」「クロヒョウ」という表記。
現在当園で飼育している大型のネコ科の動物はライオンとスマトラトラですが、当時はこうした動物たちも観ることができたのです。
若手のピューマ
ヒョウ。後ろの毛皮はクロヒョウ
次にご紹介する動物は、この案内図には記載されておりませんが、昭和50年代前半に、現在の小獣舎の左端で出会った記憶があります。
それまでは本やテレビでしか見たことがなかった奇妙な姿をした生き物がもそもそと動いているのを見て、とてもうれしく思うとともに、「やっぱりこの棘は痛そうだな。」と感じたことを覚えています。
当園の西側、旧八木山球場跡地にあるアフリカ園は平成11(1999)年6月に大規模なリニューアルを行っておりますが、この案内図から、リニューアル前の姿をうかがい知ることができます。
旧アフリカ園にも、今となっては観ることができない動物がいました。
このうち、立派な角が印象的なアフリカスイギュウは、頭部を標本として残してあります。
また、この案内図から、ゴリラ舎ができる前は、いまチンパンジーがいる場所で、ゴリラとチンパンジーを並べて展示していたことがわかります。
ここにオランウータンがいた時期もあるそうで、元々は異なる種類の動物を並べて展示する施設として使われてきたのです。
アフリカスイギュウの標本の近くでは、過去のイベントでも好評だった、当園のゴリラたちの思い出ムービーを終日上映しております。
ニシゴリラの「ドン」と「ローラ」が当園にやってきてからゴリラ舎で生を全うするまでの歴史が、彼らが現在のチンパンジーの展示場にいたころの様子も含めて綴られていますので、こちらもぜひご覧ください。
このイベントでは、こうした標本類に加え、これまで当園が作成してきたポスター類の掲示も行っております。
こちらでも、懐かしい動物たちと再会することができます。
ヒグマやアフリカスイギュウなど、今では観ることができない動物の姿も。
今回のイベントが、皆様方の思い出の中にいる大好きだった動物たちと再会する機会や、様々な動物や当園の歴史に興味を持つきっかけとなれば、大変うれしく思います。
もちろん、ここで紹介しなかった動物もたくさんおりますので、当園の現役の動物を楽しんだ後は、ぜひ彼らの先輩たちに会いに来てください。
展示しているトリ類の一部をご紹介。今は観ることができないキジ(左下)ですが、上の案内図では林となっていた、いまのふれあい館の場所にあったキジ舎で観た記憶があります。
は虫類館の閉館イベントで大人気だった大型は虫類も再登場
お問い合わせ
仙台市建設局 八木山動物公園 管理課
電話:022-229-0122
ファクス:022-229-3159