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更新日:2025年7月30日

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園長ブログ 変わりゆくアフリカ園の風景(2025年7月30日)

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変わりゆくアフリカ園の風景

当園の西側にあるアフリカ園では、リニューアル工事が本格化し、一部の区域・園路に立ち入れなくなっています。
園路の変更については当園のホームページでお知らせしたところですが、新しく開設した園路も含め、現在のアフリカ園の様子をご紹介しようと思います。
併せて、工事の着手に先立ち公開した旧ゴリラ舎などについてもご紹介します。

当園のメインエントランスである西門から入って園内を巡るには、3つのルートがありました。
このうち、つり橋を渡ってふれあいの丘方面に向かうルートと、ゼブラショップの脇から坂を下って、カバのいる洞窟やガン生態園方面に向かう通路は、使用できなくなりました。
そのかわり、これまで職員のみが使っていた管理用通路を整備し、開放しました。
こちらの通路は、園の南端の高いところを通っており、途中で動物を観ることは基本的にはできませんが、園外の眺めはよく、従来の通路を通るよりも早くアフリカゾウ舎付近に到達することができます。
アフリカゾウ舎方面から西門に向かう際はやや上り坂となりますが、途中に休憩できる場所も設けています。
西門から入って、できるだけ早くホッキョクグマの双子を観に行きたいときは、こちらを通るのがお勧めです。
クジャク舎やアフリカゾウ舎付近から西門方面に急ぎたいときにも便利です。


新しい園路
新しい園路をアフリカゾウ舎方面に向かう道中の風景。右手は園外で、八木山の風景がよく見えます。左手はカバやサイの屋外展示場で、運が良ければ枝越しに動物の姿が見えることも。

 

カバの洞窟は、工事の都合上、しばらくの間展示を中止します。
カバの屋外展示場では、オスの「ベロ」とメスの「ヒタチ」を交互に展示しています。
暑い日には水に入っていることが多く、潜水していることもあるので、姿が見えないときは水中を探してみてください。
こちらで慣らしを始めたころの「ベロ」は、久しぶりの広いプールに興奮したのか、「ヒタチ」の残り香に刺激されたのか、ダイナミックな泳ぎを見せてくれましたが、今は落ち着いていることが多いです。


水辺のカバ
最近よく目にする光景

 

つり橋を渡り終わったところからカバの洞窟に向かう階段につながる通路には、木材が敷き詰められていました。
枕木を使った園路
少し見づらいですが、階段の上の部分にご注目。

この木材は、昭和51(1976)年3月31日をもって廃止された仙台市電の枕木を転用したものと聞いています。
カバ洞窟の前の通路に敷いてある木材も、元は枕木だったと言われています。
ここを通る時は、カバだけでなく、大正15(1926)年から50年の長きにわたり市民の足として活躍してきた路面電車のことも思い出してあげてください。


しばし動物が不在となるカバプール
しばし主不在の洞窟を通る際は、足元にもご注目。

当園のルーツである仙台市動物園は、仙台市の市電を所管する部署の事業として、昭和11年(1936年)に、広瀬川河畔の評定河原に開園しました。
動物園の開園は市電への集客策という一面もあり、当園と市電の縁はこのころからのようです。
なお、仙台市電の車両とは、太白区の富沢にある仙台市電保存館で再会することができます。
仙台市地下鉄東西線と南北線を乗り継げば、当園と保存館を行き来することも可能です。

 

旧ゴリラ舎・は虫類館とガン生態園のあったエリアは、このようにフェンスで囲まれ、立ち入りができなくなっています。
また、日本一長生きのアフリカゾウ「メアリー」の展示場からつり橋方面に向かう通路は、アビシニアコロブスの展示場で折り返しとなります。
通路が行き止まりとなっているのを見て、アビシニアコロブスのところまで足を運ばずにお帰りになる方がいらっしゃるようですが、ぜひ彼らの元気な姿も観てあげてください。
フェンスで囲まれている旧ガン生態園
右側のフェンスに囲まれているところが旧ガン生態園で、左側がアフリカゾウ「メアリー」の展示場。その間の通路はアビシニアコロブスのところで行き止まりに。


アビシニアコロブスまでご覧可能です
アビシニアコロブスは、これまでどおり観ることができます。「メアリー」を観てUターンせず、そのままお進みください。

ここから先の部分では、クロサイやカバの仮獣舎(総合獣舎内に新しい寝室・屋内展示場が完成するまでの仮の棲み処)を作る工事を行っており、時折大きな音がすることもありますが、動物たちに過度の負担を与えないよう細心の注意を払いながら作業を進めておりますので、ご安心ください。
なお、工事が更に進むと、ダチョウは一時的にアフリカ園を離れ、東園に引っ越す予定です。

ガン生態園にいた鳥たちは、シジュウカラガンの一部などが東園のツル舎や水禽池に移った以外は、鳥類用の裏飼施設で暮らしています。
シジュウカラガンは、生態園にいた時と異なり、アクリル板越しでの観察となります。
これまでとは少し違った見え方をお楽しみください。

このシジュウカラガンは、当園の歴史に残る大プロジェクトであった、シジュウカラガンの羽数回復事業の成功の証です。
アメリカ・ロシア・日本(「日本雁を保護する会」・当園)の協力で、国内絶滅と言われた状況から1万羽が飛来するまでになった取組みについてお知りになりたい方は、こちらをご覧ください。

 

なお、ガン生態園の近くにいたキンカジューは、東園の小獣舎(アナグマやホンドテンがいるところ)に引っ越しました。
夜行性で昼間はたいてい寝ていますが、近くにいるムササビと共に、今年は開園60周年記念として4夜にわたり開催するナイトズージアム(夜間開園)での活躍を期待しています。

旧ゴリラ舎などのあるエリアが立ち入り禁止となる前の5月23日に、舎内と屋外放飼場に入り、昔のゴリラの映像を見たり担当飼育員の話を聴いたりするイベントを開催しました。
平日の開催であった上、告知から開催まであまり間がなかったにも関わらず、多くの方が参加してくださいました。
中には、急遽休暇を取って遠方から来られたという方もいらっしゃり、改めて、今でもたくさんの方々が当園にいたゴリラたちに熱い想いを持ち続けてくださっていることを実感しました。
私は、残念ながらイベントには参加できなかったのですが、その前に中に入る機会がありましたので、その時の様子を少しご紹介します。
「ドン」と「ローラ」が「日本最北のゴリラ」として八木山にいたことを思い出す縁(よすが)になれば、大変うれしく思います。


懐かしい映像を上映した
屋内展示場では懐かしい映像を上映(この映像は、現在、ビジターセンターで上映中)

ドンとローラがいたころのままの寝室
「ドン」と「ローラ」がいたころのままの寝室

ゴリラの屋外展示場
屋外展示場に出たところ。「ドン」たちも、毎朝この風景を見ていたのでしょう。

ドンとローラが遊んだ遊具
「ドン」と「ローラ」の思い出が詰まった遊具たち

 

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