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更新日:2025年8月18日

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園長ブログ (ほぼ)夜間開園限定で観察できる動物たち (2025年8月18日)

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夜間開園限定で観察できる動物たち

今年の夜間開園「ナイトズージアム2025」は、開園60周年を記念して、日数を通常よりも1日増やし、8月21日(木曜日)から24日(日曜日)までの4日間開催します。
毎回大人気のイベントですが、初日の21日はほかの日よりも混雑しないと思われますので、ゆっくりご覧になりたい方にお勧めです。

また、毎回、自動車の入出庫にとても時間がかかっており、場合によっては最終入園の時刻に間に合わないこともあり得ます。
仙台駅から十数分で到着できる地下鉄東西線でのご来園を強くお勧めします。
地下鉄等の一日乗車券をご利用の方は、入園料の割引も受けられます。

園内を回る際は、最近導入したデジタルマップをご利用ください。
通常の地図としてのご利用のほか、動物の解説を見たり、現在地や目的の動物までのルートを確認したりすることもでき、大変便利です。

夜間開園といえば、ライトアップされた園内で、昼間とは異なる動物の様子を観るのが魅力の一つです。
特に、夜型の動物は、昼間には観られない活発な動きを披露してくれます。
当園の飼育動物のうち、フクロウは夜行性です。
また、レッサーパンダ、タヌキ、カピバラ、アライグマ、カバやライオンなどは、夕暮れどきや明け方に活動的となります。
ただ、これらの動物は、昼間でもその姿や活動を観ることができます。
当園にいる、昼間だとその姿を観ること自体が難しい動物…。
それは、キンカジューとムササビです。
今回は、夜間開園に向けて、キンカジューとムササビについてご紹介します。

 

キンカジュー
キンカジュー
当ブログではできるだけ自分で撮影した写真を使うようにしていますが、キンカジューは無理でした。当園ホームページより。右が「メメ」、左が「ムスメ」。

 

当園では、細身で幼顔がかわいらしい「メメ」、どっしりとして動じない「ムスメ」というメスのキンカジュー2頭を飼育しています。
これまでは旧ゴリラ舎の向かいにあった建物(旧称「ヒヨコの家」)におり、昼間はほとんど巣箱の中で寝ていましたが、夜間開園では、赤いライトを浴びながら元気に動き回って、人気を集めていました。前回のブログでも触れたとおり、いまは園の東側にある小獣舎におります。

私は令和4年度から当園に居りますが、日中は、キンカジューの動く様子はおろか、姿さえも観たことがありません。
夜間開園が彼らに出会う唯一のチャンスといってよいでしょう。
その姿をご覧になった方から「サルの仲間かな?」「某有名映画のキャラクターに似ている。」といった声をいただくことがありますが、実はアライグマの仲間です。
小獣舎ではキンカジューの隣にアライグマがいますので、姿を比べてみてください。似ているでしょうか?
雑食性で、野生では果物や昆虫、鳥の卵などを食べますが、当園のキンカジューはバナナが大好物です。

「ムスメ」は以前小獣舎で暮らしていたことがあるのですが、2頭揃っての小獣舎での夜間開園は初めてです。
どのように活動してくれるか若干の不安はありますが、ぜひこの機会に、サルのようにしっぽを木に巻き付ける様子や、花の蜜や蜂蜜などをなめるため15cmほどもある舌を観察してみてください。

キンカジューについて詳しく知りたいという方は、夜間開園中は毎日20時から開催するキンカジューのガイドにお越しください。
担当飼育員がキンカジューの秘密を惜しげもなく披露いたします。

 

ムササビ
ムササビ
ムササビも自力では撮影できなかったので、当園公式Xで話題となった写真を。

 

当園では、保護個体の「オクラ」というメスのムササビを飼育しています。
押しポイントは、ピンク色の鼻と、かわいい幼顔です。
小獣舎のいちばん右側の、プレーリードッグに近い部屋で暮らしています。

小獣舎
昭和56(1981)年3月に完成した、園内屈指の長い歴史を誇る小獣舎。
青で囲んだところはキンカジュー、緑で囲んだところはムササビのいるところ。

 

昼間はほとんど巣箱の中で過ごしていて、ふさふさした背中の毛の一部くらいしか観ることができませんが、運がとても良ければ、くりくりとした瞳が印象的な愛らしい顔がこちらを覗いているのを観ることができるかもしれません。
巣箱を掃除する月曜日・金曜日の朝が狙い目のようです。

夜間開園では、顔だけでなく、体全体を観察するチャンスがありそうです。
ムササビは、前足と後ろ足の間に広がった皮膜で滑空するのが大きな特徴です(当園の展示スペースはそれほど広くないので、夜間開園で飛ぶ姿を披露してくれる可能性は、残念ながら低いと思われます。)。
本州では、ムササビとモモンガがこのような体のつくりをしていて、滑空することができます。
いずれもリスの仲間ですが、モモンガの方が小さく、ムササビはリスの仲間では最も大型。
その大きさの違いから、飛ぶ姿は「モモンガはハンカチ、ムササビは座布団」と言われたりするそうです。

ビジターセンター内の「日本の動物」コーナーでは、両者が空を飛ぶ様子を観ることができますので、ぜひこちらにもお立ち寄りください。

ムササビは植物食で、野生では様々な樹種の葉、冬芽、花、果実、つぼみを食べていますが、当園の「オクラ」の好物は、栗やブルーベリーです。
夜間開園では、ムササビのガイドも行います。
キンカジューのガイドの前、19時30分に始めますので、ムササビ→キンカジューと両方のガイドに参加するのがお勧めです。

ここ数年、仙台の夏は厳しい暑さに見舞われております。
そのせいか、屋外で動物を観て回るのが基本となる当園では、学校が夏休みになっても、残念ながら以前ほどの人出はありません。

夜間開園の時間帯は、園内も過ごしやすくなっていると思われます。
日中のご来園を躊躇(ちゅうちょ)されていた方は、ぜひこの機会に、当園の動物たちに会いに来てください。

 

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