現在位置ホーム > 市政情報 > 市の概要 > 市長室へようこそ > -協働がつなぐ仙台-郡市長とふれあいトーク > 令和5年度 > 第4回「-協働がつなぐ仙台-郡市長とふれあいトーク」(1月17日)

ページID:73359

更新日:2024年2月26日

ここから本文です。

第4回「-協働がつなぐ仙台-郡市長とふれあいトーク」(1月17日)

 1月17日(水曜)は、西多賀小学校にて、「西多賀」について学び、学んだことを次の世代に伝えていこうと日々ご活動されている「西多賀検定委員会」の皆さんと懇談しました。
 懇談前には、体育館にて西多賀小学校3年生が参加するかるた大会を拝見し、「西多賀検定委員会」の皆さんが作成した「西多賀今昔かるた」の詠み手も務めさせていただきました。

かるたを詠んでいる様子

かるた大会の様子

かるたを詠んでいる様子(写真)   かるた大会の様子(写真)

西多賀検定委員会

 平成20年5月に発足。有志が「西多賀(旧制西多賀村)」の地理・歴史・文化等について学び、その学びの成果を基に「西多賀検定」(ご当地検定)を実施。平成27年にその集大成としてご当地かるた、「西多賀今昔かるた」を制作しました。
 平成28年から、「西多賀今昔かるた」を活用して、西多賀市民センターでは西多賀今昔かるた大会が開催されています。また、令和4年度と5年度には西多賀小学校3年生を対象に、「西多賀今昔かるた」を題材とした総合学習が行われ、その講師を務めました。次の世代を担う子どもたちが自分たちの住む地域の魅力を再発見し、郷土愛を育むための活動を行っています。

懇談に参加された方

代表 佐藤 邦郎(さとう・くにお)氏
会員 佐藤 達(さとう・とおる)氏
会員 鈴木 大 (すずき・ひろし)氏
会員 嶋村 かよ子(しまむら・かよこ)氏
会員 渡邊 美佐子(わたなべ・みさこ)氏

西多賀検定委員会の皆さんと

西多賀検定委員会の皆さんと(写真)

市長
 今日は、地域の歴史などについて学び、学んだことを次の世代に伝えていこうと日々活動されていらっしゃる「西多賀検定委員会」の皆さまとお話ができることを楽しみにして参りました。先ほど、かるた大会を見学させていただきましたが、子どもたちが生き生きと楽しみながら参加している姿を拝見させていただきました。本日は限られた時間ではございますが、日頃の活動などについてお聞きしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。それでは、お一人ずつ自己紹介をお願いします。

佐藤(邦郎)さん
 代表の佐藤邦郎と申します。一昨日、卒寿を迎えました。この土地に生まれて、この土地で育ったものですから、これからも長生きをして地域に恩返しをしたいなと考えています。地域の色々なことを学んで、若い人たちに伝えていきたいという想いで、日々勉強しながら、西多賀検定委員会で活動しています。

佐藤(達)さん
 佐藤達と申します。小学校の校長をしておりましたが、退職したら地域に密着した活動をしたいと思っていました。西多賀検定委員会が発足することを知り、歴史・クイズが好きなものですから、是非活動に混ぜてほしいなと思って参加するようになりました。

鈴木さん
 鈴木大と申します。もともとは福島に住んでいましたが、40年ほど前に転勤で仙台に引っ越して、西多賀に住むようになりました。今では、仙台に住む時間の方が長くなりました。実は、西多賀検定委員会が始まる前から、地域の勉強会に参加して、地域の事が好きになっていきました。その中で、西多賀検定委員会の話が持ち上がり、地域に何かできないかなと思って、一生懸命活動に参加しています。

渡邊さん
 渡邊美佐子と申します。西多賀中学校出身です。西多賀市民センターで10年間働いていて、第2回目の西多賀検定から活動に加わりました。皆さんが、情熱的に活動されている中で、一生懸命勉強しながら活動についていきました。地域の宝ものを探そうということで楽しく活動に参加しています。

嶋村さん
 嶋村かよ子と申します。佐藤邦郎さんの息子さんとPTAで縁があって、かるた作りをする際に声をかけていただきました。当時は、金剛沢児童館で働いていたので、子どもたちの笑顔を思い浮かべながら活動に関わらせていただきました。そして、現在も活動を続けることができています。

ご当地検定からかるたへ、西多賀検定委員会の軌跡

市長
 西多賀検定委員会が立ち上がって、今日に至るまで様々な活動をされてきたとお伺いしています。西多賀検定委員会が作られたのはいつになりますか。そして、西多賀検定委員会がどのようにして活動に発展していったのかも教えて下さい。

佐藤(邦郎)さん
 平成20年「学ぼう、伝えよう、西多賀の財産」を合言葉に「西多賀検定委員会」が立ち上がりました。長くこの地域に住んでいるものですから、地域の事はよく知っていると思っていましたが、実は知らないことが多く、4回ほど地域に詳しい方をお呼びして勉強会を開催しました。その学びから「西多賀検定」を作り、初級2回、中級、上級の計4回にわたって、ご当地検定を実施しました(各25問、計100問)。西多賀検定は地域の皆さまだけでなく、県外の方からも応募がありまして、延べ400人くらいの方からの反響がありました。その後、検定をまとめて冊子にしようということで、「西多賀の百問」ができあがりました。「西多賀の百問」には問題と解説が載せられていて、地域の地図や年表もつけられていますので、これを読んでいただければ、西多賀の事が良く分かるようになっています。今度は、「西多賀の百問」で取り上げたところを、まち歩きしようということで、計6回「西多賀今昔めぐり」を実施しました。
 また、これまでの活動を通して学んだことを次の世代に伝えていくために、なにか形に残るものを作ろうということで、かるたがいいんじゃないか、というような話が持ち上がって、太白区まちづくり活動の助成事業に応募しました。プレゼンを佐藤達さんにやってもらい、無事に助成金をいただくことができ、それを元手にかるた作りを行いました。ちょうど、三神峯公園に桜を植えてから100周年の記念の行事をしようという計画があったので、それに合わせて、かるたを制作しました。平成28年4月10日に行われた式典では、子どもたちや伊達武将隊もお呼びして大々的にかるたをお披露目させていただきました。

佐藤邦郎さん

佐藤(邦郎)さん(写真)

取り札に秘められた物語、かるた制作の真実を語る

市長
 かるた一枚一枚の取り札の裏側には、ものすごい詳しく解説が書かれています。ひとつひとつ、解説を書いていく作業は非常に大変な事だったと思います。かるた作りの思い出や苦労したことがあれば、教えていただけますか。
   

かるた一例(表)

かるた一例(裏)

かるたの一例(表面)        かるたの一例(裏面)

佐藤(邦郎)さん
 かるたの裏側の限られた欄に伝えたいことを分かりやすくまとめることに非常に苦労しました。

佐藤(達)さん
 かるたを作るにあたって、かるたに取り上げたいテーマと、50音をつなぎ合わせていく必要がありました。30~35枚くらいはすぐに出来上がったのですが、残りの札を作ることに非常に苦労しました。例えば、「め」の札は「鉤取寺(こうしゅじ)」をテーマにして作ろうと思っていたものの、なかなかいい言葉が思い浮かびませんでした。一週間考えても思いつかず、辞書をひいて、なにかいい言葉はないかと、一語ずつ見ていきました。そこで、「巡り歩く」という言葉を見つけて「巡り歩いて 仙台七福神 福禄寿祀る鉤取寺」という読み札が出来上がりました。既に作られている様々なかるたを勉強して、五七五調に当てはめようとしたのですが、なかなかうまくいかず、正直詠みづらい札もありますが、「西多賀のかるた」という特徴を出そうということを大切にしながら、かるたを作りました。

嶋村さん
 かるた作りにあたって、それぞれの札に担当を決めて取り組みました。他の皆さんが西多賀の事をたくさん知っているので、私は勉強しながら出来るテーマを選んで取り組みました。子どもたちからお年寄りまで幅広い世代にかるたを使ってほしいという想いで、出来るだけ親しみやすい言葉、なじみやすい言葉を使うように心がけました。語呂合わせも大切にしながら、言葉を選んでいきました。
 かるた制作の集まりでは宿題を出されて、次の集まりまでにそれぞれがアイディアを持ち寄りました。持ち寄ったアイディアをもとに、もっと分かりやすい言葉はないかと、あれこれ議論しながら、楽しみながらかるたを作り、かるたが出来上がると非常に達成感がありました。

鈴木さん
 当初は10人ちょっとのメンバーがいたのですが、だんだん年齢が上がってきて、次第に人数が減っていきました。今日は日程の都合がつかなかったメンバーもいますが、今日集まったメンバーが残った人たちです。
 地下鉄東西線の開業に合わせて、ひより台大橋が完成しました。ひより台の方々はバスも通るようになって喜んだことだと思います。そういうことが思い出されます。

嶋村さん

鈴木さん

嶋村さん(写真)          鈴木さん(写真)

市長
 一番新しい出来事を取り扱った札が、「念願かなった ひより台大橋 計画から半世紀」なんですね。ずいぶん古い伝説のお話から、ついこの間のお話まで、あらゆる時代のものが網羅されていてすごいなと思います。

鈴木さん
 ひより台大橋のテーマは、佐藤達さんが是非入れようということで、取り扱ったものです。古い札では、「五つの村が 集まって 西多賀村」というものがあります。西多賀村は、明治22年に江戸時代にあった鈎取・大野田・山田・富澤・富田の五つの村が合併してできた村ですが、西多賀村が昭和7年に仙台市に合併され、仙台市が政令都市となるまでの歴史を感じられる札になっています。

佐藤(達)さん
 まさしく「今昔」を取り扱ったかるたに仕上がったかなと思っています。実は、かるたを作っている最中に、山形駅までつながる国道286号の起点が、宮沢橋から勾当台公園前に変更されることになりました。解説を書いた後に、河北新報の記事に載ったものですから、慌てて書き直しました。危うく、古い情報を載せてしまうところで、今昔の「今」の部分で、思い出されるエピソードです。

渡邊さん
 月2回の集まり以外にも学んだことを電話で共有したり、毎日西多賀について勉強をしてきました。地域の方が書かれたような、絶版になった本を古本屋で見つけてきて、その本を使って西多賀のことを詳しく調べました。これらの本は、私たちにとって宝物のようなものになりました。ちょうど東日本大震災が起きたときもお宝を探しに古本屋に行った帰り道だったなと、記憶に残っています。
 また、かるた作りに関しては費用の問題から最初は諦めていましたが、佐藤邦郎さんが太白区まちづくり活動助成金を見つけてきて、かるたを作ろうという機運が高まり、佐藤達さんが頑張ってプレゼンをしました。助成金を賭けた大一番のプレゼンでは、少しばかりですが、私も参加させていただき、無事助成金をいただくことができました。
 かるたを作るにあたり、写真には一つ一つに著作権があるので、後から問題が発生しないよう、それぞれの写真について版権者に連絡を取るようなこともしました。中には、版権者から了承を得られなかったものもありました。取り札には秋保電鉄の写真も載せられていますが、絶版になった本の出版社を通して撮影した方をなんとか見つけ出して、使わせてくださいとお願いしたようなこともあって、一枚一枚の札にそれぞれの思い入れがあります。

佐藤達さん

渡邊さん

佐藤(達)さん(写真)       渡邊さん(写真)

市長
 今日、「長町と 秋保を結んだ マッチ箱電車」という札を詠ませていただきましたが、実は、この札に取り上げられた写真を初めて拝見しました。一つ一つの札が貴重な資料になっていて素敵だなと思いました。ところで、プレゼンの時には読み札は既に出来上がっていたのでしょうか。

佐藤(達)さん
 詠み札は出来ていませんでしたが、これまでの活動を通して資料がたくさん手元にありました。以前から、かるたを作りたいという構想を練っていたので、その気になれば作れるぞという自信はありました。

かるたを通して結ばれる地域の絆

市長
 これまで西多賀の地で生まれ育って、地域の皆さんたちと、様々なふれあいを持たれてきたことだと思います。お住まいになっている西多賀を知っていく活動を、どのように総括されますか。

佐藤(邦郎)さん
 西多賀今昔かるたは当初300部用意しました。かるたは、地域の小・中・高等学校、老健施設、児童館、町内会などに配らせていただきましたが、足りなくなって、さらに300部増版することになりました。西多賀市民センターでは毎年小学生を対象に、かるた大会を開催していただいています。また、地域のサロンでのかるた大会が開催されたり、地域の皆さんからかるたの札について説明をしてほしいという依頼を受けるなど、かるたを活用した活動も広がりを見せています。
 また、西多賀小学校では、昨年度から総合学習のテーマに取り入れていただいています。子どもたちが地域のかるたに興味を持って、今年度は子ども達がオリジナルのかるたを作ってくれました。これらの活動を通して、今昔かるたが地域の皆さんの役に立ったのかなとうれしく思っています。これからも、西多賀の財産として後々まで伝えていけたらいいなと思っています。

市長
 今日、皆さんからのお話をお伺いして、西多賀に対する郷土愛、後世に伝承していきたいという共通の思いを感じました。先ほども検定委員の皆さんが、かるた大会で献身的なサポートをしている様子を拝見し、かるたを通して地域の魅力を子どもたちに伝えていく姿に頭が下がる思いです。
 ぜひ、今後も西多賀に対しての思いを持ち続けていただいて、子どもたちに様々な学びの機会を与えていただきますこと、皆様が新たなやりがいを発見して活動がますます活発になることを期待しています。本日は、どうもありがとうございました。

小学生が制作したかるた

懇談の様子

小学生が制作したかるた(写真)   懇談の様子(写真)

お問い合わせ

市民局広聴課

仙台市青葉区国分町3-7-1市役所本庁舎1階

電話番号:022-214-6132

ファクス:022-213-8181