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更新日:2024年4月25日

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第6回「-協働がつなぐ仙台-郡市長とふれあいトーク」(3月22日)

3月22日(金曜)は、幸町市民センター(和室1)にて、「幸町わいわいハッピー劇団」の皆さんと懇談しました。懇談前には、団体の設立経過や活動内容の紹介などを伺いました。

「幸町わいわいハッピー劇団」懇談者の皆さん

幸町わいわいハッピー劇団紹介

認知症の啓発活動に長年取り組んでいる劇団。公演を通して地域の子どもや大人が認知症に対する理解を深め、正しい対応の仕方を学ぶことができるよう取り組んでいます。こうした活動は、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けることや子どもたちの高齢者に対する思いやりを育むことにつながっています。アドリブを盛り込んだ劇団メンバーの演技は、小中学生や地域の皆さんに大変好評です。

懇談に参加された方

団長              飯塚 定男(いいづか・さだお)氏
団長補佐            小野田 二三男(おのだ・ふみお)氏
メンバー            横須賀 由美子(よこすか・ゆみこ)氏
メンバー            木村 敬二(きむら・けいじ)氏
メンバー            今野 明美(こんの・あけみ)氏
メンバー            伊藤 里美(いとう・さとみ)氏
メンバー            菅野 かつ枝(かんの・かつえ)氏
小松島地域包括支援センター所長 岩井 直子(いわい・なおこ)氏

市長
 皆さんこんにちは。
 本日は、「幸町わいわいハッピー劇団」さんにお邪魔させていただきました。
「幸町わいわいハッピー劇団」さんは、幸町地区民生委員児童委員が中心となり、認知症という病気への理解・対応の仕方をユーモアあふれる演技で小中学生、地域住民の方々に伝え、大変好評を得ていると伺っております。非常に先進的で素晴らしい取り組みをされているということで、皆さんと懇談をさせていただくのを大変楽しみにしてまいりました。
これから設立の経緯や皆さんの活動を画像でご紹介いただき、劇も公演いただけるということで、よろしくお願いします。

劇団の活動と劇団員の思い

市長
 実際起こりがちな問題を分かりやすく、そしてコミカルな演出で認知症の方の実情を知ることができる、素晴らしい演劇でした。
皆さんが常日頃から民生委員などとしてご活躍いただく中で経験をされてきたことですとか、地域包括の皆さんたちとの連携の中で生み出された、そういう劇団の活動なんだなっていうこと、改めて知ることができて、とても素晴らしかったです。本当にありがとうございました。
 脚本も素晴らしいですよね。それそれぞれ役割を持って演じられていて、本当に素晴らしく思いました。今日は記念すべき100回目の公演だということもまた嬉しく思って見させていただいたところです。この活動を始めるにあたっての準備を地域全体でやられていて、早い段階から子供さんたちにも知ってもらうための方向性を定めて活動し、今日は小学校バージョンの劇を鑑賞させていただきましたけど、お子さんたちを前に演じていてどんな様子だったでしょうか。各学校に働きかけていくのも大変だったと思いますが、その辺りはどうだったんですか。

活動説明 小松島地域包括支援センター細谷さん

認知症の母とその家族をコミカルに演じる劇団員の皆さん1

認知症の母とその家族をコミカルに演じる劇団員の皆さん2

設立の経緯や皆さんの活動の説明/認知症の母とその家族をコミカルに演じる劇団員の皆さん

飯塚さん
 たまたま私は、学校関係に深く入っておりまして(学校評価委員)、地元の幸町小学校にお願いして、それから中学校の方は、健全育成の会長をしていた関係で公演の開催をお願いしました。それで、当初小学5年生を対象としていましたが、今は4年生を対象に、中学校は2年生を対象としています。1番注意しましたのは、同じ目線で演技することで、高い舞台ではなく、床にちょっと簡単なブルーシートを敷いて、子供たちを車座に座らせて、同じ目線で演じました。非常に自慢に思えるのは、コロナ期も一切休むことなく活動できました。それから最後に、市長には大変ご感動いただいた「手紙」ですが、これは実は、約10年くらい前の(シンガーソングライター樋口了一さん作曲の)歌で、(原文は)ポルトガル語で書かれていた詩らしいです。この歌自体は、8分ちょっとの長い歌ですが、(BGMで曲を流しながら)「手紙」として朗読しますと、大体4分で、この劇の締めくくりに相応しいと考えて、この構成で続けております。

市長
 いま、詩の話が出ましたけど、菅野さん、朗読担当でいらっしゃって、あれを読んでいくのはすごく神経がすり減るんじゃないかと思いますが、いかがですか。

菅野さん
 あまり、練習をしないで、その都度大切に丁寧に読むことを心がけております。

団長の飯塚さん

メンバーの菅野さん

メンバーの横須賀さん

写真左より飯塚さん/菅野さん/横須賀さん

市長 
 実際、お子さんたちの聞いた後の反応はどうでしたか。

菅野さん
 直接小学生のお子さんたちの反応はよくわからないですけれども、お母様方や私たちと同年代の方は身に染みるような感じですよね。あと、中学生くらいになると女子生徒は、涙ぐんでいるということは孫から聞いています。

市長
 横須賀さんは毎回おばあさん役なのでしょうか

横須賀さん
 現在は、(小学校向けの劇では)毎回おばあさん役をやらせていただいております。

市長
 困っているような様子とか、嬉しかったり悲しかったりっていう表情もとても素晴らしかったですね。

市長
 木村さんは、認知症のおかあさんを理解していない息子さん役でしたね。

木村さん
 お母さん役の方より、私の方が年上なんです。最近は髪も白くなりまして、被り物して若くごまかしているんです。そんなにおかあさんをいじめないでって小学生に言われたことがありました。

市長 
 どういうお気持ちになられましたか。

木村さん
 交通安全とか登下校の見守りに立っていたり、ゴミ出しに行ったりすると小学生とすれ違うんですよね。(顔を覚えてもらって)最近は防犯にちょっと役立っているのかなって考えています。

市長 
 子供たちにそういう風に声をかけたり、かけられたりっていうのは、高齢者の認知症の方の見守りだけでなくて、子供たちの見守りにもなっているのですね。(劇では)とても上手な方言でした。

木村さん
 もともと関西弁のほうが得意でしたが、東北放送の仙台弁講座で勉強しました。なかなか難しかったので仕事の車で走りながらも勉強しました。

市長
 どのような理由から仙台弁で演技されているのですか。

木村さん
 言葉が強くなりすぎないよう、仙台弁で言うと身近に感じてもらいながら笑いも取れますので。

メンバーの木村さん

メンバーの今野さん

小松島地域包括支援センター所長 岩井さん

写真左より木村さん/今野さん/岩井さん

市長
 いいお嫁さん役の今野さんは、毎回、学校の先生が息子さん役だったり娘さん役だったりになって入ってくださる中で心がけてらっしゃることって何かありますか。

今野さん
 毎回、劇をやる前にちょっとだけ練習するんですけど、その時は棒読みのようにただ読んでいた先生が、劇が始まった途端にすごい演技をします。

市長
 このシナリオを作るにあたっての苦労とか心がけとか、岩井さんにお尋ねします。

岩井さん
 平成25年にシナリオを作り始めた時は、民生委員の方で認知症のご家族と同居している方や、飯塚団長の実のお母様が認知症になられた時の体験談、そういう実話を聞きながら、みんなでシナリオを作り上げたところから出発をしました。そこから少しずつ、小学校と中学校でやるのなら、中学生には、小学生と同じ(内容の)劇ではダメだよねっていうところで、中学校のバージョンでは、地域に(視点を)向けて、スーパーでの買い物のシーンを取り入れようかとか、地域の高齢者向けには、消費者被害を入れ込んだりしましょうという形で、みんなで話し合いをしながら、少しずつ膨らみを持たせて、この10年間、(シナリオが)進化してきたような感じです。

市長
 いろんなバージョンが皆さんたちの中にはもうすでにあるっていうことですね。

岩井さん
 最近だとスマートフォンの使い方が分からなくて教えてもらうシーンが入りました。やっぱり高齢者の方も使ってらっしゃるので、それを劇の中に取り入れようかっていうところで、そういうのもちょっと脚本の中に入れたりします。
市長
 伊藤さんはナレーションを担当されましたけれども、ナレーションっていうのも結構気を使われますでしょう。

伊藤さん
 そうですね。私は、小学校の学校図書館に勤務しておりまして、読み聞かせを通して、読解指導をしておりますので、劇団ではナレーションを担当しています。認知症の症状やその関わり方が、子供たちによく伝わってくれるといいなと思いながら、気持ちを込めてやっております。

市長
 場面設定ですとかそういう意味合いもあるわけでして、理解しやすいように心がけてのナレーションですね。

伊藤さん
 後から会場の方から分かりやすかったっていうお話しをいただいたりすると、やりがいを感じたりはしております。

メンバーの伊藤さん

団長補佐の小野田さん

写真左より伊藤さん/小野田さん

飯塚さん
 地域版ですと、非常にナレーションの時間が長いんです。場面の切り替えなどは、ナレーションで説明した方がいいだろうって。先日、泉区の公演では、アナウンサー上がりですかって言われたんですよ。

市長
 あら、素晴らしい。非常に受けが良かったようですね。副団長の小野田さんは、この劇団をどういう風にご覧になってますか。

小野田さん
 全員にある程度、配役は固定されているんですけど、その都度なるべく全員が参加できるような工夫をしています。

市長
 練習はどういう風にされているのですか。

小野田さん、飯塚さん
 我々は劇団のほかに、幸町ハッピークラブをやっているんですね。月2回ですけど、介護予防体操です。その終わった後に練習しています。

市長
 介護予防体操が前段にあり、その後に練習をされるということは、劇団の皆さんたちは、体も心も頭も衰え知らずですね。

飯塚さん
 介護予防運動自主グループという形で、こちらの劇団の皆さんが運動のサポーターなんです。40~50人の地域の高齢者が月に2回集まってくるところの前で運動をしてくださっている方々です。通算400回になりました。15年ずっとみんなと一緒に年を取ってまいりました。

活動を通じたやりがい

市長
 この活動のどういうことが良かったなとか喜びとかに繋がっているのかを、最後にお1人お1人に聞かせていただいてよろしいでしょうか。じゃあ、伊藤さんからお願いします。

伊藤さん
 私は、学校現場の方にいるので、子供たちから、その劇を見た後に、よく図書室でお話と感想をいただいているということがあります。おばあちゃんと接したことがないっていう人が意外と多く、すごく勉強になったとか、とっても身近に感じた、今度優しくしてあげようって思ったよ、なんていうことを聞いたりして、良かったなと思っています。

木村さん
 私の場合は本当に小さな人から年上のお姉様たちまで、結構顔が広くなりまして。とりあえず買い物に行ったら必ず会うんですよね。手を振られるわで、もしも、どっかで倒れてても助けてもらえるんじゃないかと(思っています)。あとは体の動きもまだ重くはなってないかなって自分で感じます。動いているっていうことがいいんじゃないですかね。自分の生き甲斐にもなります。

今野さん
 私は、この民生委員を引き受ける前、8年にわたって実母の介護をしておりまして、ほとんど周りがわからないウラシマタロウだったんですね。これを引き受けるにあたってちょっと悩みましたけれども、実際中に入ってみて、本当に、いろんな出会いがありまして、私のためにもよかったんじゃないかなと思っています。今までの人生の中で、こうやって人前で演じる経験がなかったので、台本のセリフを覚えて言うだけ精一杯っていう感じでしたけれど、自分の知らなかった世界というか、こんな自分もいるんだなっていうことを気づいたりとか、認知症のおばあさんに、優しく接するお母さん、お友達を演じる中で、認知症っていう言葉は知っていて、認知症ってこういうことだったんだなとか、どういうふうに接すればいいのかなっていうことを、この劇を通し、学んできているような気がします。

横須賀さん
 (劇中の)認知症の主人公は最初は男性だったんです。その後、女性版に変わりまして、その時からずっと続けてやっております。劇を見た男性介護者さんから本当に自分の奥さんと症状がそっくりだよとか言われました。

市長と「幸町わいわいハッピー劇団」懇談者の皆さん

市長 
 皆さん、本当にやりがいを持ってお取り組みいただいているんだなって思いますし、実際、民生委員でいらっしゃると、各お宅をご訪問して、少し心配があるご高齢の皆さんたちのところにも訪ねておられることだと思います。そういう中で、この劇も通して、気づきや変化についても敏感になっておられるところが、きっとおありなんじゃないかという風にも思いますし、そのサポートに入られる時にも、すごくいい教材になっている劇なんじゃないのかなという風にも思って、見させていただきました。そういう意味でも、この活動を見ていただくというだけでなく、民生委員、児童委員の活動の中でも、さらに大きなものが含まれているんじゃないのかなという風に、仄聞(そくぶん)させていただきました。
 わいわいハッピー劇団の未来についてどのように考えておられるのか、岩井さん、小野田さん、飯塚さんの順でお話を聞かせていただきたいと思います。

優しさが広がる地域づくりをめざして

岩井さん
 ずっとこの10年間、小学校、中学校で公演しまして、小学生の子たちが最後に感想を書いてくれるんですけれども、その中に、「認知症になったら終わりだと思っていたけれども、優しく接することで症状も改善するし、認知症の進行も遅くなるんだってことがわかりました。認知症のことを理解する人たちがいっぱいいる幸町で私は長く暮らしたい」といったような感想があったりして、ここの地域以外にも少しずつ広まっていくのがすごくいいのかなと思いました。時々、(地域の)子供たちからとても優しくされたよと高齢者からお話を聞いたりすると、ここの小中学生が、高齢者のことを優しく気遣ってくれるような町になってきているんだなと感じるので、ずっと(劇が)継続することで優しさが広がる町になれるといいなというのが展望でございます。

小野田さん
 我々民生委員は75歳が定年になっておりますので、ある程度、固定した配役はいるんですけども、後ろに控えている新しい人をどんどん前に出さないと今後はいけないんじゃないかなと考えています。そういう調整をしている段階です。

市長 
 どういう風に劇団をアピールされていくかなどの展望は、ございますか。

飯塚さん
 民生委員ですので、定年で退任いたします。次はまた新しいものを役者としてやっていただく。学校が授業として受け入れてくださっている現状では、我々としては、なくすわけにいかないと考えます。また新たな団長の元に集まり、ハッピー劇団っていうのは、未来永劫も続くのかなと思っております。学校とうまくやっている活動内容が、仙台市内の多くの包括支援センターに話が行き渡って、それで、じゃあうち(の地域)に来て演じてくれないかと依頼が入り地域版っていうのが出てきました。劇の最後の「手紙」で涙を流す方もいらっしゃるし、明日は我が身かとおっしゃってくれる高齢者の方もいらっしゃいます。

市長
 皆さんの活動が、この幸町にこれだけ育てられて、そして大きな認知をされて、子供たちを含めて地域全体が優しくなってですね、すごく住みやすい地域になっているっていうこと、まさに誇らしいことだという風に思いますし、この取り組みがさらにいろんな地域に広がっていって、仙台市内でどこにいても安心して生まれ、そしてまた年老いてもしっかり支えがあるっていうことを感じていただけるような、そういう街になるといいなということ、私も感じることができて、とてもいい時間を過ごさせていただきました。本当にありがとうございます。ぜひ、これからも、子供たちに向けて、心にしっかりと根付くような、そんな演劇を演じていただきますように、よろしくお願い申し上げます。本当にありがとうございました。

    

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