更新日:2016年9月20日

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平成23年度施政方針要旨

平成二十三年第一回定例会の開会に当たり、市政運営の所信の一端と施策の大綱について申し述べます。

新年度は、今議会に提案しております新しい基本構想・基本計画のスタートの年であります。将来を見据えながら、誰もがいきいきと輝き、魅力あふれる仙台の実現に向け、「未来への希望をつなぐ変革元年」と位置づけまして、市民の皆さまとともに時代を切り拓いてまいる所存でございます。

二十一世紀も早十年が経過いたしました。少子高齢化の進展や景気の低迷などにより、私たちを取り巻く環境は、さらに厳しさを増しておりますが、東北新幹線の全線開通や仙台都市圏への相次ぐ企業立地など、仙台や東北に注目が集まり、その資源や可能性に大きな期待が寄せられております。この好機をとらえ、都市の総力を挙げて、その魅力・活力を新たな次元へと高め、東北のさらなる発展を力強く牽引してまいりたいと考えております。

私は、地方が真の主役として活力を取り戻し、我が国全体の底上げに取り組むことが必要であると痛感しております。新たな大都市制度の創設とさらなる地方分権の推進に向け、仙台が指定都市として有するポテンシャルを十二分に発揮し、先導的役割を果たしていくため、さまざまな機会を通じ積極的に発信してまいります。

厳しい時代環境にあっても、仙台が、多くの人をひきつけ、選ばれる都市として絶えず進化し続けることが、希望あふれる未来を創る条件であります。学びや支え合いによる知恵や協働の力を都市の輝きや心の豊かさにつなげるとともに、財政制約下における資源と負担の配分といった課題にも創意を駆使して対応し、本格的な成熟社会を先導していく新たな都市システムへの変革に踏み出す必要があると考えるところでございます。

新しい総合計画は、まさにこうした時代の要請に呼応する未来への羅針盤であり、次の世代に確実に希望のバトンをつないでいくために推進すべきものであります。世界や東北との交流・連携を広げ、瑞々しい市民の叡智を吹き込みながら、優れた都市個性を高めていく、「誰もが心豊かに暮らし続けることができる都市、『ひとが輝く杜の都・仙台』」をめざし、新しい都市づくりを本格的に起動させてまいります。

新年度は、私の市長としての任期の折り返しを迎える年でございます。この間、仙台の明るい未来に向けた土台づくりに全力で取り組むとともに、あらゆる機会をとらえて、さまざまな現場に赴き、市民の皆さまとの対話を重ねてまいりました。

仙台の底力ともいうべき、多彩な分野における市民力の広がりや、都市としてのさらなる飛躍に向けた胎動を感じる一方で、郊外地域における生活環境の変化や世代ごとのニーズの多様化など、地域においてさまざまな課題が急速に複雑さを増していることを改めて痛感したところでございます。

こうした過去からの延長線上の考えのみでは解答を得られない課題が増加する中、社会経済構造やコミュニティの変容などに、先駆的にスピード感を持って対応していくことが不可欠であると考えます。

以上の考えに基づき、新年度におきましては、総合計画を実行に移す初年度として、ひとが輝き続けるための取り組みを基本に据えながら、時代の変化を受け身でとらえるのではなく、ゆるぎない照準を定め先手を打つ、意識的な変革を加速させてまいります。

特に、仙台のまち全体がより元気になりますよう、市民、地域、都市の三つの「希望」につながる取り組みを、重点的に進めてまいります。

一つには、時代の閉塞感を払拭する「市民の希望を広げるための取り組み」といたしまして、子育て世代や高齢者、若者の支援に力を注いでまいります。

とりわけ、地域社会全体で子どもたちの成長を支え、未来の希望を担う子どもたちを安心して生み育てることができる「子育て応援社会」の実現を喫緊の課題ととらえまして、子ども医療費助成制度を創設するとともに、保育所待機児童の早期解消や、放課後児童対策の充実などに積極的に取り組んでまいります。

また、高齢者が住み慣れた地域で、はつらつと暮らすことができますよう、健康づくりや生きがいづくり、社会参加の促進、介護サービスの充実など、多様な取り組みを進めてまいります。

さらに、若者が希望を持って社会に羽ばたいていくことを支えるため、社会活動を通じた仲間づくりなどさまざまなチャレンジを応援するとともに、高校新卒者をはじめ若年者を中心とした就職支援などを強化してまいります。

二つには、地域の課題やニーズの多様化に対応する「地域の希望を育むための取り組み」といたしまして、地域に関する政策システムを新しい段階へと進め、市民協働を地域においてより具体に開花させてまいります。

地域行政の第一線である区役所について、地域づくりを担う多様な主体をコーディネートしながら課題解決や魅力創出に取り組む「地域協働拠点」の役割を明確にし、きめ細かな地域政策推進体制を構築してまいります。その一環として、市民センターの持つ人材育成や交流拠点などの機能を生かし、区役所と市民センターとが一体となって地域づくりを進めていくとともに、課題の把握や関係機関との連絡調整を担当する職員の新たな配置や地域防災を支援する体制の充実など、区役所の機能強化を図ってまいります。

また、多様化・複雑化する地域課題への的確な対応を図るため、テーマに応じた組織横断的な支援体制を本格的に構築しながら、課題の解決や魅力・活力を高める取り組みを広げてまいります。

さらに、市民が主体的に地域づくりを進めることができる環境整備に向け、市民協働の新たな指針の策定や協働事業提案制度の創設など、市民の創意をまちづくりに生かしていく協働の仕組みづくりを進めてまいります。

三つ目は、グローバル化が進展する時代の中で、都市個性を磨き、世界へ発信していくための「仙台の希望を拓く魅力創出の取り組み」であります。

まず、「新しい都市の魅力・活力づくりの成長戦略」といたしまして、地下鉄東西線建設を着実に推進するとともに、新たに形成される東西都市軸を「ビジネスの駆動軸」と位置づけ、都心部や青葉山・国際センター地区、卸町・六丁の目地区などを中心に、戦略的な基盤整備や機能強化を進め、付加価値の高い産業の集積や交流人口の拡大を図ってまいります。

関連して、広域的な交流を広げる新たな魅力の創造・発信の拠点づくりとして、国際センター周辺のシンボルゾーン形成に向けた検討を本格化するほか、仙台アンパンマンこどもミュージアムの開設を生かした地域の活性化や市民が待望する水族館の実現に向けた取り組みを進めてまいります。

さらに、自然と調和する持続可能な杜の都の実現に向けまして、今議会に提案しております新しい環境基本計画に基づく重点的な取り組みを進めるとともに、機能集約型の市街地形成と利便性の高い公共交通ネットワーク構築による低炭素型でエネルギー効率の高い都市構造の形成を図ってまいります。

続きまして、新たな基本計画の施策体系に沿いまして、新年度に実施いたします主な施策について、ご説明申し上げます。

まず、「学びの都・共生の都の実現を目指す分野」でございます。

第一に、「学びや楽しみを多様な創造につなげる都市づくり」につきましては、ミュージアム都市づくりに向けた多様な取り組みを加速するほか、高等教育機関やNPOとの協働による地域づくりに活用できる新しい学習プログラムの開発など、学びの資源を生かしたまちづくりを推進してまいります。

また、中学校区における義務教育九年間を通した連携モデル事業の展開や学校支援地域本部の設置拡大など、子どもたちが自ら学び成長する教育環境づくりに取り組んでまいります。

さらに、まちなかを舞台とした市民参加型のアートイベントの開催や、「劇都仙台」の魅力向上に向けた取り組みのほか、国際的なスポーツイベントの開催やプロスポーツの振興など、文化芸術やスポーツを生かした都市づくりを進めてまいります。

第二に、「健康で安全に安心して暮らすことができるまちづくり」につきましては、新市立病院の平成二十六年度開院に向け本体工事に着手するとともに、病院前救護体制の充実など消防と医療が連携した救急体制の強化を図ってまいります。また、自殺予防の啓発・相談体制を強化する自殺予防情報センターの設置や、働く世代の健康づくりに重点を置いた取り組みなど、心身ともに健康な暮らしづくりを進めてまいります。

さらに、宮城県沖地震をはじめとする災害に備え、市有建築物や橋りょう、上下水道施設等の耐震化を進めるとともに、昨年2月のチリ地震津波対応時の教訓も踏まえ、地域防災リーダーの養成や、女性、高齢者等の視点を防災対策に反映させる取り組みなど、地域との連携による防災力の向上を図り、災害に強い都市づくりを推進いたします。

加えて、自転車の安全利用の啓発など交通安全対策の強化や、消費者被害の未然防止に向けた相談機能の強化を図るとともに、高齢者の肺炎球菌予防接種対象年齢の拡大など、安全・安心な暮らしづくりを進めてまいります。

第三に、「共に生き自立できる社会づくり」につきましては、地域における支え合い、助け合いのネットワークを広げていく取り組みのほか、男女共同参画社会の形成に向けて、女性の意思決定の場への参画や仕事と生活の調和のための環境整備を推進し、さらに平成二十四年度に開催予定である「日本女性会議」のプレイベントを実施いたします。こうした取り組みにより、誰もが共に生き自己実現できる環境づくりを進めてまいります。

また、仙台市版子ども医療費助成制度を創設し、一定の自己負担を導入しながら、助成対象を入院は中学三年生まで、通院は小学三年生までと、現行制度と比べ大幅に拡大いたします。待機児童の早期解消に向けて、認可保育所の整備を着実に進めるとともに、「幼保共存プロジェクト」の推進などにより三歳未満児のための保育資源を重点的に拡充してまいります。加えて、児童館等の整備や、受益者負担の導入とあわせた児童クラブの開設時間の延長に向けた調整を進めるなど、安心して子どもを生み育てることができるまちづくりを推進してまいります。

高齢社会における多様なライフスタイルを支えるため、介護予防や健康づくり、シニア世代の豊かな経験や活力をまちづくりに生かしていく取り組みを充実させてまいります。また、市民の皆さまの十分なご理解を得ながら新しい敬老乗車証制度への円滑な切り替えを行うとともに、多様な介護サービス基盤の充実を図ってまいります。加えて、高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画や高齢者の居住の安定的確保のための計画を策定するなど、高齢者が元気で安心して暮らすことができるまちづくりを進めてまいります。

多様化する障害者のニーズに対応するため、(仮称)南部発達相談支援センターを開設し、発達障害者の地域生活支援の充実を図るほか、(仮称)身体障害者総合支援センターを整備し、地域リハビリテーション機能の充実を図ります。また、新たに重度障害者のコミュニケーション支援を開始するほか、障害児の放課後ケアの充実や障害者の就労支援の強化などにも取り組んでまいります。加えて、障害者保健福祉計画を策定するなど、障害者が安心して自立した生活を送ることができるまちづくりを進めてまいります。

次に、「潤いの都・活力の都の実現を目指す分野」でございます。

第一に、「自然と調和し持続可能な環境都市づくり」につきましては、地球温暖化の抑制に向け、市民、事業者、行政などが連携協力しながら、省資源・省エネルギーの活動に取り組む新たな運動の展開を図るとともに、市役所自ら、省エネ機器等の導入などに、全庁を挙げて取り組んでまいります。こうした暮らしや事業活動に伴う二酸化炭素の排出削減に向けた取り組みに加え、ごみ減量・リサイクルの強力な推進などによりまして、低炭素・資源循環都市づくりを進めてまいります。

また、杜の都の多様な生態系の保全や市民協働でみどりを守り育む百年の杜づくりに取り組むとともに、青葉山公園や西公園の整備推進など、自然と共生する都市づくりを進めてまいります。

第二に、「魅力的で暮らしやすい都市づくり」につきましては、仙台の顔である都心において、仙台駅の西口駅前広場の再整備や東西自由通路の架け替えなど、交通結節機能の強化を図るとともに、杜の都のシンボルロードにふさわしい青葉通の再整備と景観形成、コミュニティサイクルの本格導入に向けた取り組みなどを進めてまいります。また、各地域の特性や資源を生かした東西線沿線まちづくりを加速するとともに、郊外区域の活性化に向けた取り組みなど、機能集約型市街地づくりと地域再生を推進してまいります。

さらに、地下鉄東西線整備の着実な推進を図りますとともに、駅へのアクセス道など関連する道路の優先的な整備や都市計画道路網の見直しによる新たな幹線道路網の形成に向けた取り組みを進めてまいります。加えて、東西線開業を見据えたバス路線の検討や、バスと地下鉄の利便性向上に資するIC乗車券の導入に向けたシステム構築に取り組むなど、公共交通中心の利便性の高い交通体系づくりを推進してまいります。

第三に、「成熟社会にふさわしい魅力・活力づくり」につきましては、交流人口の拡大に向け、東北各地域と連携した観光プロモーションや、仙台の拠点性を生かした東北の観光物産の紹介などを展開し、圏域全体の集客力を高めるとともに、成長著しい東アジア諸国をターゲットとした誘客にも力を入れてまいります。また、地下鉄東西線により生まれる新たな都市軸を最大限に活用し、沿線地域の特性に合わせた産業の集積や連携強化を図るとともに、付加価値の高い都市型産業の誘致・育成に取り組むなど、都市の個性を伸ばす仙台の魅力づくりを進めてまいります。

次に、地域経済や雇用環境の厳しい現状を踏まえ、国の基金を活用した緊急雇用創出事業等を推進するとともに、高校新卒者はもとより既卒者の就職支援などに積極的に取り組み、雇用の安定的確保に全力を挙げてまいります。また、大学等の知的資源の集積を生かした産学連携による試作品開発への支援拡充等を通じて、地元中小企業の製品開発力の向上を図ってまいります。中心部商店街の活性化に向けましては、まちの魅力を高め賑わいを創出するための取り組みを支援するとともに、エリアマネジメントを担う組織の設立に向けた活動や個々の商店街によるアクションプランづくりを支援してまいります。加えて、市内農産物を活用した新たな商品開発への支援等による農商工連携や農業の六次産業化の推進、地域ぐるみによる担い手の育成などにより、多面的機能を有する農林業の活性化を図ってまいります。こうしたさまざまな取り組みを通じて、暮らしや雇用を支える地域経済の活力づくりを進めてまいります。

以上、申し述べました施策を着実に推進していくためには、未来に責任を持つ確かな都市経営の仕組みづくりが不可欠であり、市政の各般にわたる改革を強力に推し進めてまいります。

新たな総合計画の推進に当たりましては、その実効性を確保していくことが極めて重要であり、都市像や目標の共有に向けた積極的な情報提供や、市民協働による計画の進行管理を行ってまいります。

一方、厳しい財政状況を踏まえ、行財政改革プランを着実に推進していくとともに、時代の要請に的確かつ機動的に対応できる市役所となりますよう、自己変革を推し進め、創造的な都市経営への転換を図ってまいります。

質の高い行政サービスを将来にわたって提供し、新たな行政課題にも的確に対応していくため、事務事業の見直しや事務処理の効率化を徹底することなどを通して、さらなる人件費の削減に努めてまいります。

また、税務事務の本庁集約化や国民健康保険料の徴収組織の再編により、市税や保険料の徴収体制の強化を図るとともに、民間の創意も生かした広告活用事業の展開など、歳入増加に向け力を入れてまいります。

さらに、各種の公共施設の適正な維持管理等に向けて総合的なマネジメントプランを策定いたしますとともに、市民利用施設のサービス向上とあわせた施設使用料の見直しや保育料負担の見直しなど、各種事務事業の受益と負担のあり方について引き続き検討してまいります。

ガス事業の民営化につきましては、その実現に向け今後とも検討を進めてまいります。外郭団体につきましても、公益法人制度改革への対応状況などを踏まえ、事業の見直しや統廃合を推進してまいります。

加えて、時代の変化に柔軟に対応し、自ら地域に出向き、多様な主体との協働のもと、新たな課題に取り組む職員の育成に向け意識改革を徹底してまいります。

新年度は、新たな総合計画やさまざまな分野における個別計画がスタートする年であり、それらの将来目標や施策の方向性を市民の皆さまと共有しながら、その実現に向け共に取り組んでまいることが肝要でございます。

これまで以上に市民の皆さまとの対話の機会を広げ、十分な説明責任を果たしてまいりますとともに、多くの方々のご参画をいただきながら、仙台や東北の未来に向けた施策を着実に進めてまいる所存でございます。

以上、市政運営の所信の一端と施策の大綱について申し述べてまいりました。議員各位及び市民の皆さまのご理解ご協力を心からお願い申し上げます。

仙台市長 奥山 恵美子

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まちづくり政策局政策企画課

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