介護保険・国民健康保険における在留資格「特定活動」の外国人に係る資格付与の誤りについて

本市の介護保険事業および国民健康保険事業において、在留資格が「特定活動」の外国人の方のうち、被保険者の資格要件を満たさない一部の方に対して、誤って資格を付与し、それぞれの保険料を徴収するとともに、国民健康保険事業においては、保険給付を行っていたことが判明しました。
該当する方々に深くおわび申し上げますとともに、今後再発防止に努めてまいります。

1　概要

介護保険および国民健康保険においては、住民基本台帳法の適用対象となる外国人にも被保険者の資格を付与するが、在留資格が「特定活動※」の者のうち、その活動内容が下記事項に該当する場合は被保険者とならないとされている。しかし、被保険者の資格付与時において、該当事項の確認が漏れていたため、誤って資格を付与していたもの。また、それに伴い、それぞれの保険料を徴収していたほか、国民健康保険事業では保険給付を行っていたもの。

ア）医療を受ける活動又は当該活動を行う者の日常生活上の世話をする活動を目的として入国及び在留する者

イ）一定の要件を満たした富裕層の外国人が、観光等を目的として1年を超えない期間日本に滞在し、市町村の住民基本台帳に登録された場合及びその者に同行する配偶者

※在留資格「特定活動」
在留資格のうち、「法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動」を行うことができるもの。主なものとしては、ワーキングホリデー、アマチュアスポーツ選手、外国人弁護士、インターンシップ等。

2　対象人数・金額等

（1）介護保険

対象者数　　　　　　　　　　　5人
保険料の徴収額　　　　　184,600円

（平成27年度、平成31年度から令和4年度までの合計額。一人当たり最大78,300円）
（2）国民健康保険（現時点判明分）

対象者数　　　　　　　　　　　3人
保険料の徴収額　　　　　　4,550円
（令和3年6月から8月までの合計額。1人当たり最大4,550円　＊2人は賦課なし）
保険給付額　　　　　　　283,244円
（平成30年2月分。1人当たり最大195,156円）

　＊国民健康保険については、上記3名の他に可能性のある方約470人について、仙台出入国在留管理局へ特定活動の内容について照会中

3　原因

（1）介護保険

事務マニュアルにおいて、外国人の介護保険資格付与に関する記載が不十分であり、区において、特定活動の内容を確認する必要性についての認識が十分でなかったため。
65歳以上の外国人の方が転入手続き等を区戸籍住民課で行う際、介護保険の資格付与手続きについては、区介護保険課を案内し実施すべきところ、一部の区においてそのまま戸籍住民課にて手続きを行っていたため。

（2）国民健康保険
法令では在留資格「特定活動」の外国人が加入手続きを行う際は指定書の提示が義務とされており、事務マニュアルにおいても指定書を確認の上で写しを取得することとしていたところ、社会保険喪失による国民健康保険加入など一部の事例で、区の窓口における指定書の確認が漏れていたため。

4　今後の対応

該当する方に、お住まいの区の区役所より、おわびの文書を送付し、事案の内容について説明を行う。併せて、介護保険および国民健康保険について保険料の還付の手続きを進めるとともに、国民健康保険に係る保険給付については、レセプトで給付額が確認できる過去5年分について、返納をお願いする。

5　判明の経緯

他都市からこの事務の取り扱いに係る照会を受け、本市の取り扱いを確認したところ、疑義が生じ、以降、これまでの取り扱いの妥当性や影響範囲について、調査、検証を進め、12月16日に介護保険事業に係る影響等の全容が判明したもの。

6　再発防止策

（1）介護保険・国民健康保険共通

マニュアルを分かりやすい内容に改訂するとともに、各区担当者へ業務内容の周知徹底を図る。
外国人の方が介護保険・国民健康保険の資格を付与する際の異動届出書に特定活動に係る資格要件についてチェック欄を設け、ダブルチェックを行うことで、各区での確認漏れを防止する。
毎月月末に「特定活動」に該当する外国人一覧のデータ抽出を行い、当該一覧を各区へ提供することで、特定活動の内容について確認漏れがないよう徹底する。

（2）介護保険
「特定活動」に該当する65歳以上の外国人の方が転入手続き等を区戸籍住民課で行う際は、区戸籍住民課で介護保険の資格付与を行わず、区介護保険課を案内し、手続きを行う。