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更新日:2016年9月20日

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百年の杜-青葉通ケヤキ街路樹等に関する方針<素案>

平成14年11月22日「杜の都の環境をつくる審議会」に諮問

仙台のまちは,青葉山の緑や青葉通ケヤキ街路樹(並木)に象徴されるように,古くから「杜の都」として全国的にその名が知られ,広く親しまれてきました。特に青葉通のケヤキ街路樹は仙台の発展とともに成長し,その印象は樹林から景観へ,景観から「杜の都・仙台」のシンボルへと大きな変貌を遂げており,市民が愛着と誇りを感じる歴史的文化的財産となっています。市では,市民が長い年月をかけて培ってきたこのような「杜の都」の風土を未来に継承し,21世紀都市にふさわしい緑空間を保全・創出していくため「百年の杜づくり」を進めています。

一方,長期的な視点から仙台の都市活動や交通問題,環境問題等を総合的に捉え,暮らしやすく動きやすい都市構造への転換を図るため,都市政策の重要なプロジェクトとして地下鉄東西線の計画を推進しています。計画の推進にあたっては,さまざまな機会を通じて市民の意見や要望をいただき,政策決定の透明化を図りながら事業化に向けた検討を行なってきました。その結果,これまでにルートと機種(平成12年3月)及び駅位置等(平成12年10月)が決定しており,一部が西公園及び青葉通を通過し,(仮称)西公園駅及び(仮称)一番町駅の建設が予定されています。工事はシールド工法を基本に,駅の部分については開削工法とし,駅の規模を縮小するなど,ケヤキ街路樹への影響について最大限の配慮を図っています。

このような「百年の杜づくり」や「地下鉄東西線計画」などの施策は,『江戸時代の伊達藩以来の「緑」を受け継ぎ「杜の都」として広く知られている本市において,長期的な視点から,都市構造の転換も踏まえた戦略的な取り組みを行うことにより,世界に誇れる「緑美しい都市」の実現を目指す』ものとして,平成14年7月に政府の都市再生本部で,地方の個性あるまちづくりのひとつとして都市再生プロジェクトに選定されました。これは,地球規模の環境問題や地方分権の推進などの時代の大きな潮流の中で,自然と共生し環境への負荷の少ない持続的発展が可能で,暮らしやすい都市づくりが評価されたものです。

都市再生プロジェクト「緑美しい都市の実現」には,その基軸となる市内中心部の広幅員道路等に質の高い緑空間を保全・創出していくことが求められることから,ここに「青葉通ケヤキ街路樹等に関する方針<素案>」を提示し,青葉通ケヤキ街路樹等の現状についての認識を市民と共有しながら広く市民意見を募り,今後の青葉通ケヤキ街路樹等の保全方向について検討を重ねたいと考えています。

ケヤキ並木等の現状についてはこちら

1.青葉通ケヤキ街路樹の再生方針について

(1)ケヤキ街路樹の現状

  • 戦後間もなく青葉通に植えられたケヤキは推定樹齢90~110年になり,街路樹としては大木となっています。
  • 市内中心部の排気ガスや根の広がりが確保されないなどの生育環境下にあって,幹の空洞化や異常落葉等の注意を要するケヤキもありましたが,病害虫の駆除や剪定手法の見直し,潅水等の保全方策を講じたことにより,総体的には厳しい環境なりにも生育しているというのが実態です。
  • これらのことから,ケヤキの現状についての認識を市民と共有しながら,ケヤキ並木の保全を基本に,将来のあり方について検討を始める必要があります。

(2)ケヤキ街路樹の再生方針

  • ケヤキの保全と市民の安全の両立を図るため,ケヤキの樹勢や倒木危険度調査などの定期調査を一層強化します。なお,倒木危険性の高いケヤキについては,定期調査や診断を踏まえ適宜更新します。
  • 今後,青葉通ケヤキ街路樹の生育環境の改善と持続可能な並木景観の保全を図るため,都市再生プロジェクト"緑美しい都市の実現"の一環として,ケヤキ並木の保全を基本に,将来の姿について検討を始めます。

(3)東西線計画への対応

  • 東西線の工事あるいは工事中の交通処理によるケヤキへの影響が最小限になるよう工夫し,できる限りケヤキを保存するものとします。その上で,影響を受けるケヤキは公園等への移植を基本としますが,移植できない場合は,やむを得ず伐採により撤去するものとします。
  • 移植の可否については,ケヤキの樹勢や樹形などの生態学的見地,運搬や移植先の確保などの物理的制約に伴う条件等を十分勘案し,総合的に判断するものとします。
  • ケヤキを移植あるいは伐採した空間には,東西線の工事完了後,ケヤキの生育環境の改善を積極的に図りつつ,ケヤキ並木の景観に配慮した新たなケヤキを植栽するものとします。
  • 伐採せざるを得ないケヤキは,市民のアイディアも募りながら材としての有効活用を検討するものとします。また,伐採前に実生を採取し,子孫として将来的に植栽することも検討することとします。

2.西公園のイチョウ及びヒマラヤシーダー林の現状と対応方針について

  • 東西線の建設に伴い影響を受けるイチョウについては,樹勢が強く十分移植に耐えられることから,西公園内の近接する場所に移植することとし,将来ともランドマークとなるよう,移植後の跡地も含め,西公園再整備において検討するものとします。
  • ヒマラヤシーダー林については,東西線の影響を受ける樹木が全体の1割弱であり,その全てが崖下に密生し,移植のための根鉢が取れないことや移植後の生存確率が低いことなどから伐採するものとします。なお,ヒマラヤシーダー林内のその他の樹木については移植することを基本とします。

お問い合わせ

建設局百年の杜推進課

仙台市青葉区二日町12-34二日町第五仮庁舎4階

電話番号:022-214-8392

ファクス:022-216-0637