更新日:2023年11月8日
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仙台市内には、数多くの井戸が存在し、各家庭の生活用水として使用されています。
また、「水道水よりおいしい」「昔から飲んでいるので安心して飲める」などの理由により一部の市民の方には根強い嗜好があります。
しかし、井戸水の水質は周辺からの汚染を受けやすく、都市部における地下水汚染事故の発生や季節等による水脈・水量の変化など、その水質の不安定さが問題になることが度々あります。
特に、近年、全国的に土壌汚染、地下水汚染の発生が頻発しており、仙台市内でも平成18年には、六価クロムによる井戸水汚染、平成20年には、ガソリンスタンド周辺でベンゼンによる地下水汚染が発覚しました。
また、周辺の井戸水に直接の影響が確認されなかったものの、井戸周辺における土壌汚染の事例が報告されるなど、昔にくらべ井戸水が飲用に適さなくなってきていることも事実です。
仙台市では、ほぼ全域において水道が整備されていますので、安全面を考えた場合、井戸水は飲用以外の生活用水として使用し、飲料には水道水をお使い頂くことをおすすめいたします。
もし、井戸水を飲用に使用する場合には、次のような適正管理をお願いします。
井戸から上水道に切り替えるための融資あっせん制度(下記水道局リンクをご覧ください)もあります。
大腸菌は、人や動物の腸内に常在しており、そのほとんどは無害ですが、1982年に強い毒素を出すものがアメリカで発見され、その血清型からO157と命名されました。
日本では、平成8年に大阪府堺市で学校給食を原因として、死者2名、患者6,000名以上の大事件を引き起こしました。感染源としては、牛や豚など家畜が疑われており、肉製品の加熱不足による感染や家畜の糞便が、地下水を汚染して、その地下水を飲用することにより感染する可能性が指摘されています。
O157は、0.1ppm以上の塩素(上水道と同じ)や加熱処理(100℃で瞬時)で消毒が可能ですので、飲用井戸を使用する場合は、できるだけ塩素滅菌器を設置して下さい。また、万一井戸等が汚染されたことを考えて、生水は飲まないで、一旦沸かしてから飲むようにしましょう。
(画像:国立感染症研究所腸管系細菌室提供)
クリプトスポリジウムとは、哺乳類の小腸に寄生する原虫(直径5ミクロン1ミクロン=1ミリの1000分の1)であり、1993年にアメリカで、一度に、40万人が感染して一躍有名になりました。日本でも1996年に埼玉県内の町営水道で、8,800名が感染し、1999年新興感染症の一つとして指定されました。
汚染源としては、人や牛を始めとした哺乳類の糞便が有力であり、これらにより飲用水が汚染されて感染する可能性が指摘されています。
対策としては、水源が汚染されないように井戸等の周囲を常に清潔に保つことが大切です。また、万一井戸等が汚染されたことを考えて、なるべく生水は飲まないで、一旦沸かしてから飲むようにしましょう。
ボツリヌス菌が原因となっておこるボツリヌス症には、食品中でボツリヌス菌が増殖するときに作り出す毒素を摂取することで起こるボツリヌス食中毒とは別に、乳児がボツリヌス菌の芽胞を含む食品を食べることで腸管内にボツリヌス菌が定着し、増殖するときに作り出す毒素を腸管から吸収することで起こる乳児ボツリヌス症があります。
乳児ボツリヌス症にかかると、便秘が数日間続き、筋力の低下による脱力状態になり、ほ乳力の低下、泣き声が小さくなる、自力で首が支えられなくなるなどの症状がみられます。致死率はボツリヌス食中毒ほど高くはなく、発症者の1〜3%といわれています。
従来、乳児ボツリヌス症の主な原因食品としてはハチミツが知られており、1歳未満の乳児にはハチミツを与えないよう注意がなされてきましたが、2006年、宮城県内で井戸水を原因とする乳児ボツリヌス症が発生しました。
ボツリヌス菌は嫌気性の土壌細菌で地中から比較的容易に検出されます。また、熱や薬剤に対して抵抗をもつ“芽胞”を形成するという特徴をもっており、芽胞の状態では煮沸や塩素消毒によって100%殺菌することは難しいといわれています。
井戸水をお使いの方は、1歳未満の乳児に対しては、調製粉乳を作るときや水分補給のための水には水道水や市販の飲料水を使用し、安全が確認されない井戸水は使わないよう、くれぐれも注意してください。
井戸水を原因食品とする乳児ボツリヌス症の報告については下記の厚生労働省通知・厚生労働省報道提供資料(PDFファイル)もご覧ください。
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