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更新日:2017年3月28日

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「東日本大震災仙台市復興五年記録誌」を発行します(質疑応答)

平成29年3月28日

(1)「五年記録誌」は、どういう分野で活用されてほしいと思うか

この「五年記録誌」の意味合いは、長期にわたって復興事業が進む場合に、どういう道筋を通っていくのか、特に5年というスパンは長いので、震災の発災当初は当事者の自治体にとって先を見通すことが難しいと思いますが、一つの先例として、東日本大震災の時の仙台市はこうだったという形で、分野ごとに見通していただくための手引きになるのではないかと考えています。生活再建も、年とともにどうフェーズが変わっていって、どう取り組みを重ねた結果、プレハブ仮設の撤去に至ったかなど、事業が曲がりくねって進んでいく中で曲がった先がどうなるのかを考えていただくための一助として、あらゆる分野でお役に立てるのではないかと思います。

ただ大変分厚いものですので、一般論としてまず全体を知るという意味では、特に巻頭の部分につけたカラーページに網羅的な課題をコンパクトにまとめてありますので、そこを見て全体のイメージ図を作っていただいた上で、さらに詳しく知りたいところについて本編のページを見ていただくという使い方も可能だと思っています。

 

(2)記録誌には、災害危険区域の中で住宅再建された方について記載されているか

そういう形で残られた方の記述はないと思います。そこに住んでいる方々がいらっしゃることは、法的に可能なことですが、私どもとしては基本的に危険区域と思っていますので、将来にわたっては移転をお願いしたいという立場から、再建の道筋としては書いていないところです。

 

(3)今後の災害において同様の課題が予想されることから記述したほうが教訓になるのではないか

現在住んでいらっしゃる方に対して、強制的に退去させるという法の仕組みになっていないことがあると思います。個人の土地という財産の問題との兼ね合いで難しいところだとは思いますが、私どもとしては災害危険区域を指定するからには、そこにいらっしゃる方々は全員移転いただくということについても、国として議論を深めてほしいと思っています。

 

(4)災害危険区域からの移転が前提ということか

行政としては、その地域にお住まいになることの危険性を現にわれわれが感じている以上、危険なところに将来とも残られることに対しては、それを防ぐようなまちづくりの方向性が法的にも担保されることが、制度の面からもいいのではないかと思っています。