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更新日:2017年7月12日

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質疑応答の概要(平成29年7月12日)

平成29年7月12日

 

(1)平成28年2月の自死事案にかかる再調査委員会に遺族が推薦する方を委員として選任する予定か伺う

再調査につきましてはご遺族の方が私のところにお出でになられていくつかご要望をいただきましたが、その中にもご遺族が推薦した委員を入れてほしいというご希望がありました。文部科学省のガイドライン等も踏まえながら、文部科学省の見解をお聞きしたり、ご遺族側の委員が入ることのわれわれなりに考える得失があると思いますので、あらためてご遺族にそういったこともお話させていただいたりしながら、考えの擦り合わせという方向で対応を進めてきたところです。

 

(2)遺族が推薦する方を委員として選任するということになったのか

基本的には、その方向で意見の擦り合わせを進めています。まだ最終的に確定したことをご遺族に伝えてはいませんが、その方向で作業を進めてきたということです。

 

(3)遺族が推薦する方が委員として入ることでどのような再調査になると考えるか

一つは、ご遺族の方は1回目のいじめ問題専門委員会の調査について納得できない部分があるということで再調査を望まれたわけですので、そのご遺族のお考えを反映した委員が入ることで、より委員会構成についてご理解をいただく中で再調査に取りかかれることが期待できると思います。

 

(4)どなたが委員になるのか伺う

まだご遺族にも正式にお伝えをしている段階ではありませんので、きちんとまとまり次第、皆さま方にもご報告をしたいと思います。

 

(5)再調査委員会の設置時期について伺う

今お話をした経過も含めて鋭意早期の開催に向けて尽力しているところですが、職能団体に推薦を依頼する委員もいらっしゃいますので、最終的な日程の調整については未定です。

 

(6)市長選の争点についてあらためて伺う

候補者の方のお話を伺いますと共通するものとしては、いじめ、教育問題に関する対応があると思います。また争点と言って良いかどうか分かりませんが、例えば経済的な政策について触れる度合いや福祉についてのコメントなどについては、いろいろと違いもあるように受け止めています。

 

(7)新人4人の争いだが投票率はどの程度であると考えているか

4年前の選挙のときは立候補者が私自身ともう一人ということで、立候補者が少ない状況の中で仙台市長選としては大変低い投票率となり、私自身としても残念でした。今回は立候補者の方が4人となり前回よりは増えていますので、たくさんの方がより具体的な関心を持って市長選挙を身近に、自分たちの投票の結果が今後の市政に反映されるだろうということで、前回よりは多くの方が投票に行っていただけるのではないかと期待を持っています。

 

(8)若者の投票率向上に向けた取り組みについて伺う

選管としてもさまざまな工夫をして、仙台弁こけしが登場したりしているようです。オーソドックスなところとしては、若い人たちが大人になったときにどういう街に住みたいかということの方向を決めていくのが市長選挙ですので、ご自分たちの未来の暮らしのありようを決める選挙ということで、ぜひ若い人にも子育て支援策や教育の問題などを中心に具体的なポイントを絞って、選挙公報などを読み比べて興味を持っていただければと思っています。

 

(9)市長選において震災復興は主なテーマとなっていないように見えるが市長はどのように捉えているか

震災についてこれからもまだ取り組むべき課題が残っているということについては、これまでの議会で私もそのように表明しましたし、この場でもご質問があって、そのような趣旨をお答えしたのではないかと思います。

ただ各候補者の方が比較的触れられることが少ないとすれば、おそらく候補者の皆さまも何もしなくても良いということではなく、逆にあまりやるべきことに対してずれが無いのではないかと思います。例えば長期にわたる心のケアですとか、コミュニティの再建、残された遺児・孤児たちの自立に向けた支援など、そうしたことについてはおそらくどの方も必要だと思っておられて、特に際立った差異が出ないためにコメントされることが少ないのかなという印象を持っています。

逆に言うと、どなたがなられてもやはりそのことは仙台市としてしっかり力をいれていかなければいけないことだと思います。

 

(10)選挙権年齢が18歳に引き下げられて初めての市長選となるが10代の有権者にどのように選挙と向き合って欲しいか、また候補者に求めることを伺う

10代の方には10年経ったときに仮に自分が仙台に住んでいるとしたら、仙台がどんな街であれば自分が住みたいと思う仙台になっているかということをイメージしていただいて、そこから自分なりの選挙を見る一つの視点を持っていただければと思います。

幅広い政策全体を理解していただきたいことはもちろんですが、なかなかそれは一気にできることではありませんので、まずは市民として自分があと10年経ったらこの街でどんなふうに暮らしていたいか、そのために街のトップである市長にどんなことをやってほしいか。そんな点からそれぞれの候補者のおっしゃっていることを見極めていただくというのも一つのアプローチかなと思っています。

候補者の方々は全ての年代の有権者にお話し掛けをなさいますので、ある意味では一定の社会経験がある方を前提に演説というのを組み立てられると思いますが、18歳・19歳の方はそういう大人向けに組み立てられた演説では興味を持ちにくいという部分もあるかとも思います。候補者の方々には、例えば用語への馴染みということを考えると若年層に向けたよりわかりやすい言葉で、目線を少し若い方に向けて近づいていくという発想での発言などもお願いできれば、より興味を持っていただけるかなとは思います。

 

(11)地下鉄南北線が開業から30周年を迎えたが現在の利用状況を市長はどう捉えているか

地下鉄南北線も開業当初は乗客数が非常に限られており、単年度の赤字も非常に多く苦戦した部分がありましたが、その後周辺の人口や南北両方のまちの発展などもあり現状では単年度で営業黒字を出すまでになってきましたので、市民の生活、市民の足として定着したのではないかと思っています。

 

(12)今後さらに地下鉄を活用する上でどのようなことが必要だと思うか

東西線が開業しましたので、南北線1本だったときと比べて東西線も合わせた十字形になったことを、もっとまちづくりに生かしていく必要があると思います。第一には東西線沿線の定住人口の張り付きや沿線地域の高度化としての開発の余地がある部分を推進していくことですが、十字であることは90度ということなので、その90度の部分以外の45度の部分をどのように開発していくかがこれからの課題ではないかと思っています。

 

(13)名取市、富谷市の両市長が地下鉄延伸に触れているが市長の考えを伺う

延伸は仙台市域外に出ていくという話ですから基本的には仙台市長としてのテリトリー外のことになりますので、なかなか私としてどうこうすべきと申し上げる立場にはないと思います。

仮に延伸されるとした場合に財政的な負担をどうするのか。全国には市域外に延伸している例はありますがそういった場合には例えば広域自治体、具体的にいえば県、大阪でいえば大阪府などの関与もなくてはならないものだと思いますので、具体的に県が関与されるお考えがあるかなど、ハードルとしては相当高い部分があるとは思います。

 

(14)斜陽化していく郊外の団地について市としてどのような対策が求められていると考えるか

郊外団地といってもさまざまなタイプがありますが、住民の方が高齢化していくことは団地自体にとっても非常に大きな課題で、ひいては仙台市にとっても大きな課題だと思います。一つは高齢の方が多くなると、それまで買い物など車を中心にやっていらっしゃったものが、車を運転されなくなる世代が多くなったときに医療機関への移動や買い物などをどのように地域としてサポートしていけるかが大きな課題になってくると思います。

それぞれ地域ごとに状況が違いますが、今は仙台の中でも例えば買い物バスのようなものをお店の方で走らせている場合もありますし、コンパクトショッピングカーのようなものが団地を回っているような例もあります。

それぞれの特質がありますのでそういった状況を具体的に精査をしながら、地域としてどういう課題、どういう希望を持っていらっしゃるかを把握して、一つ一つモデルケースとしてチャレンジする中で地域ごとに一番合った課題解決への道は何かを探っていき、個別の団地ごとに求めていくことになると思っています。

 

(15)4月から各区にふるさと支援担当課長を配置していることも地域課題を解決する取り組みの一環ということか

例えば本庁の経済部局で地域の商業はこうあるべきだというような一律の政策を行う場合には、本庁でやることはとても意味がありますし横展開する上でも楽です。しかし団地の高齢化の問題は個別解でしかないのではないかと私は今の時点では思っていまして、それについては地域性に根差す中で考えていかなければならないだろうという考えから、ふるさと支援担当課長を配置し、個別解を求めることに対して地域をバックアップすることと組織の中の横串を通していくこと、例えば本庁部局にも地域の要望を伝えながら連携する力を引き出していくといった意味でも機能させていきたいと思っています。

 

(16)一方で東西線の開業によりバスが減便された地域では不便になったとの声もあるが市長はどのように捉えているか

バス交通については若林地区で言えば東西線の開業によるバス路線の集約で減便になったという状況があります。バス交通全体としてこの30年間ほぼ一貫して乗客数は減少してきましたので、大都市の中でバス事業のみで今後恒久的に採算を取っていくのは極めて難しいのではないかと思っています。一定のバス交通としてできる採算性の確保については、今後われわれもしっかりと見極めていかなければならないと思っています。

ただ一方で地域の高齢化が進むにつれて地域の足をどう確保していくかという問題を、バス交通だけですべてを賄うとすると交通事業に対する膨大な財政的支援が必要になります。それは不可能だと考えると地域ごとにどういった形での足の確保の方策があるかということについて、全国で本当にさまざまなモデル事業や住民主体の地域交通の足の確保の立ち上げをやっていますので、仙台市としてもそうした地域交通の取り組みの先進事例に学びながら、仙台のこの地域であればこういった地域交通の足の確保、例えば坪沼では坪沼乗合タクシーをやっていますが、それはすべての地域でできるわけではありませんので、さまざまな具体の案をこれから地域ごとにお諮りしながらやっていくということになるのかと思います。

 

(17)地理的な特性や利用可能な交通手段などによって地域課題への対応が異なるということか

そうですね。その地域の住民の方がそもそも集落として、または移動経路として沿線にどのくらいお住まいであるか。例えば住民の方に1回の乗車ごとにご負担いただける金額とその総量で1日あたりの収入が決まってくると思いますが、それがどの程度見込めるのかも地域によって違うと思います。

例えば大倉地区のようなところであれば地域住民そのものの数が少ないので、住民1軒あたりにご負担いただく金額を考えた場合の採算ベースのもととなるものが全然違ってくるだろうと思います。そういう地域で成立可能な地域の足のあり方と、団地で一定の人数がいるところでの採算可能になる収入の見込みは当然違ってくると思うので、そこは一定の沿線の密度を考えなければならないでしょうし、また既存の何が利用できるのかに対する制度的な問題もあると思います。バス事業ですと陸運局などのさまざまな規制もあります。そういった中でタクシーであれば可能なこと、公共バスであれば可能なこと、またお店が周辺の団地を回ってお客さんを集めて自分のお店に移動するバスも出ていますが、その運行に医療機関の停留所をつけていただくことは可能か不可能かなど。そうした場合にどういう法律的な制約があるかないか、そういったさまざまなことを検証しながら、制度の制約がある場合についてはそれを何とか乗り越えるような規制解除や新たな枠組みの構築などを自治体としても求めていかなければならないと思いますし、それら一つ一つがすべて個別の解につながっていくと思います。

 

(18)郊外団地の地域ごとに異なる課題とは具体的にどのようなものか伺う

都市整備局などでそれぞれの団地を調査しましたが、課題として共通する部分と違う部分があると受け止めています。例えば人口構成などではある程度類似した傾向が出てくることはあると思いますが、一方で既存の地域が持っている社会的な資源がどう構成されているのかは団地ごとで違うと思います。

交通アクセスがいろいろ廃止される中でもバス路線が現にそこの近傍にあるかないか、それが団地の中のどの辺をどのように走っているのか、団地の中にお店がどの程度あるのか、もしくはかつてはあったけれど撤退したのか。それ以外の補助的な、例えば御用聞きであるとか、ショッピングカーや移動バスなど、そういうものが現時点で運行されているかどうか。医療機関であれば、団地の中にどういう医療機関があってどういうものが団地にはないか、近くの医療機関に行きたいというニーズなのか、それとも大規模病院に行きたいというニーズなのか。いろいろと状況が違うというのがこの間の調査から得ている私の実感です。

そういう意味では年齢構成的には似たような団地はあるにしても、やはり違いがあり、個別的な解にならざるを得ない。その団地が丘陵地の山の崖のようなところにあるのか、泉区に時々ありますが単独の団地で他のところに行こうとすると一度下ってまた上るといったことをしなければならない地域と、他へもある程度平坦にいけるところでもまた違うと思います。そういう意味でその共通性を取るよりは個別性に即さなければ解が違ってくるのではないかという印象を今までの私の情報収集からは受けています。

 

(19)蒲生北部の災害危険区域についてどのような土地利用を目指しているのか伺う

蒲生北部の土地区画整理事業を進めていますが、これを進めることとした意図は、仙台港に大変近い大きなポテンシャルのある地域であるにもかかわらず、住宅を建てて住むには非常に危険度が高い地域であることから移転していただいた結果、防災集団移転の跡地として広大な土地がレンコンの穴のようにまばらに残りました。これがまばらなままでは土地利用もできませんので土地区画整理事業によって集約を行い、限られた可能性の中でより高度な土地の利用ができるように、居住系は無理ですのでビジネス、事業地域として活性化ができればということで現在事業を進めています。私の希望としては、港に近接している地域という特性を生かしたビジネス地域として有効利用していくことができれば良いと思います。

 

(20)蒲生北部の災害危険区域に居住されている方から市への要望書が提出されているが市長は見ているか

私も拝見しています。

 

(21)蒲生北部の一部を危険区域から除外し、居住区域とすることは考えられないのか

私としてはこの間住民の皆さまにもお伝えをしましたが、今後起こりうる震災の規模、その頻度は非常に長期にわたっていて、数100年に1回、1000年に1回というレベルでありますが、今後起こりうる大規模地震と津波の影響をシミュレーションした結果では、やはり居住地域としては極めて危険性が高いと言わざるを得ないと考えています。防災集団移転の時にご説明しましたとおり、永続的な居住地域としてはご移転いただくようにお願いしたいと、この気持ちは変わらないところです。

 

(22)被災者の医療費免除の再開についても市民から要望があるが市独自で措置する考えはあるか伺う

医療費免除については、大変大規模な被災であるということから国の全額負担の基に進めたわけですが、その後、国の全額負担は難しいということになり、私どもとしても制度の継続は困難であるということで打ち切らせていただいたという経緯があります。

この間、国には継続的な要望を行っていますが、国としても復興が進んできた中で全額負担を再開するという考えはないということですので、私どもとしてもご要望はいただいておりますが、再開するのは困難との判断を私としては持っています。

 

(23)これらの要望を行っている市民は市長との面会を望んでいるが面会する予定はあるのか

この間、私としての考えをお伝えし、また皆さまの考えについてもお伺いさせていただいたこともあります。その後の状況の中でも私としての判断の基になるものは変わっていませんので、今新たにお話をする状況に変わったということではないと受け止めています。

 

(24)現状では会う予定はないということか

現時点のままであればそうです。客観的な状況で何かが変われば、それを元に新たな局面を探ることがあるかと思いますけれども、この間お話ししてきた中で現状では何か動いているということではないと考えています。

 

(25)今後の市の起業支援に関してどのような取り組みが必要だと思うか

特に若年層や女性が新たに自分で仕事を興して、いわば自分の志というのでしょうか、社会に貢献していきたいという気持ちが震災後は被災地を中心に大変強く起こってきたと思います。それをビジネスとして生かしたいという気持ちを応援するという意味でも、起業支援センター“アシ☆スタ”などの整備を行ってきました。

一方全国的な意味でのベンチャーは、日本の成長力が今後懸念されている中で経済の新しいイノベーションを生み出すというような意図だろうと私なりには理解をしています。そういう意味では被災を経験した市民が自分のささやかかもしれないけれども気持ちを生かして社会に貢献していきたいというものと、国が今、日本再生に向けて全国的に起こそうとしているベンチャーの風というのとは、若干その発信源には違いがあると思います。

仙台としては、一方で市民の志を大切にした起業というものも地域として大変大切にすべき一つの動きだと思いますので応援していくとともに、ベンチャーという点については地域の特に東北大学が持つさまざまな学術研究と産学連携の可能性、それをいかにこの仙台の中で根付いていくものにしていくか、そのことが大事だろうと思います。

東北大も大規模な総合的な国立大学でありますので、この間いろいろとそうした取り組みを行いながらもベンチャーという面ではまだまだというところもありましたが、今回新たに指定国立大学として選定された3つの大学の中の一つにもなりましたし、東北大学未来科学技術共同研究センター(NICHe)など東北大に設けられたいろいろなセンター機能が設置から年数が経ちノウハウも蓄積されてきたと私自身は思っています。今後そのような東北大のベンチャーを東北大からスピンアウトさせて、そして地域に根付かせるということについてはもっと仙台市も一緒に協力しながら、せっかくスピンしてきた種が立ち枯れにならないように地域としても応援していければと思います。

 

(26)これまで東北大学と地元企業との連携が進まなかった理由をどのように捉えているか

特に何か難しいという大きな阻害要因があったというよりは、まず一つは東北大が持っている研究事業が非常に先端的である結果、大規模な投資を必要とするという場合、特に研究規模も大規模化していきますと実験施設だけでも非常に高額なものがたくさん必要になりますので、そうすると協力企業が地元企業というよりはやはり東京に本社があるような企業が東北大を支援するという形となります。地元産業の持っているポテンシャルと東北大の研究レベルと、また日本経済のそこにマッチする力を出せる企業とが地域経済の中でかみ合わない、それが一番の大きな課題だったように思います。

 

仙台市長 奥山 恵美子