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更新日:2017年8月8日

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質疑応答の概要(平成29年8月8日)

平成29年8月8日

 

(1)本日、仙台市環境影響評価審査会から(仮称)仙台高松発電所建設計画に係る環境影響評価方法書についての答申があったが所感を伺う

仙台市において火力発電所の環境アセスメント適用第1号となる案件の審査になりますので、この間委員の皆さんに大変時間をかけてご審議いただいたことを大変ありがたく思っています。今後の環境状況の悪化に関して特に市民の方々からさまざまな懸念がある案件ですので、それを踏まえてかなり詳細に踏み込んだ市長への提言という形になっていると受け止めています。

 

(2)答申では事業者に対し、周辺自治体住民や漁業関係者も含めて環境影響評価の結果について丁寧な説明を行うよう求めるべきとするなど市域を越えて幅広い対応を求める内容となっているが市長の受け止めを伺う

そういった要素や側面もあると受け止めています。法的な根拠や意味合いについては事務方でも調べさせたいと思っているところですが、環境、特に大気や水質の問題に関しては、自治体領域ということは直接的に何らその広がりを抑制するものではありませんので、そういった意味では周辺環境の大きな部分を占める仙台市の市長としてコメントしていくことにも何らかの意味はあると現時点では受け止めています。

 

(3)市長意見を発出する時期について伺う

私自身も答申を少し読み込まなければならないと思っていますし、今質問があった点に関連して事務的にもはっきりとした見解を作っていかなければならない部分もあると思います。そういったことを考えると、急ぎたいところではありますが早くて今週後半、または現在の大雨対応など予測できない案件で時間が取られることもありますので来週前半ということもあると思います。

 

(4)台風5号の影響について伺う

情報収集に努めていますが、現時点では特にトラブルや被害が出たなどの具体的な報告はまだ承知をしていません。ただ、未明からだんだんと影響が強く出てくることが予測されていますので、全部局において警戒態勢を強化していく方向で対応しています。

 

(5)現時点での仙台市の体制について伺う

情報連絡体制の強化としています。

これから警報の段階が上がっていくと、いつものとおり警戒配備などに上がっていくことになりますが、午後まで様子を見なければなりません。

 

(6)平成28年2月の中学生自死事案の再調査に関して郡氏と会って話し合いを行ったのか

まだ郡さんとは会っていません。今週中のどこかで会えるように日程の調整をお願いしているところです。

 

(7)市役所で会うのか

まだ場所も決まっていませんが、それが一番確実だとは思います。私は市役所にいる時間が多いので、郡さんのご都合の良い時にこちらに来ていただく方が良いと思っています。

 

(8)任期中に再調査が開始できないことについて遺族から失望の声が上がっているが受け止めを伺う

ご遺族のご要望に添うということになりますが、一つは委員の人選でいろいろなご要望がありました。そのご要望の中で、例えばご遺族と面識のない方が中立性の問題からは望ましいだろうということなど、公平性や中立性を担保していく中でご要望との調整や擦り合わせなども必要になってきました。夏に入ってしまいましたので、現時点ではご遺族からのご要望でお入りいただく予定の委員候補者も長期にさまざまなご予定が入っている結果、開催の日程の具体的な調整が困難な状況も出ています。そういったいくつかの理由によってご要望に直接的にお応えする形にならなかったのは大変申し訳なく思っていますが、この間私も含め事務局も最善を尽くしてきたということでご理解を賜ればと思っています。

 

(9)再調査委員会の委員選定状況について伺う

ほぼ決まりつつありますが、手続き面がまだ少し残っていると聞いています。

 

(10)遺族の理解は得られると思うか

私どもとしてはご要望一つ一つをお伺いしながら丁寧に進んできて、決して立ち止まっていたわけではありませんので、そのことは丁寧にご説明を申し上げながらご要望に添う形で進めてきたことをご理解いただければと思っています。

 

(11)滋賀県大津市ではLINEを利用したいじめ相談窓口を設けるとのことだが、市長はこの取り組みをどう思うか

かねてからLINEを含めそれ以外のインターネットによる書き込みなどさまざまなものが、学校の先生や保護者の方々が直接的に知り得ない、知りにくい環境の中で子どもたちの気持ちをゆるがせたり、ひいてはいじめにつながったりということが懸念されてきましたので、LINEでの相談窓口も一つの対策として考慮すべき課題なのだろうと思います。ただLINEだけと限定することなのか、それとも広くサイバー環境として捉えているのか、私も十分に大津の実態を承知していませんので実態を調査する中で仙台でも有益だと知見が得られるのであれば取り組んでみるのも一つの方向だとは思います。

 

(12)再調査委員会の設置自体は奥山市長の下で行うことができるのか

最終的な人選はかなり固まりつつあり、あとは書類などわれわれが確認できるものをそろえていくという作業の段階です。時間的な可能性としてはっきりと困難だとして諦めたわけではありません。

 

(13)再調査委員会の開催時期は郡新市長と話し合いを行って決めるのか

最終的に確認をさせていただきますが、この話は新市長の下での開催が望ましいのではないかという私の考えは、すでに当選の直後にお示しをしています。

委員選任の最終的な状況を踏まえて、郡さんと私で確認の場を持たせていただきその中で進め方にご異論が無ければ私としてできる、例えば委員会の構成の最終的な決定や決裁などを進めます。

開催日程の調整は事務方が進めていますが、今時点で私が得ている報告では、夏休みに入っていますのでそれぞれの方が長期にお休みを取られる計画を持っているため、なかなか日程の調整が難しいと聞いています。ただ、それが最終的にどのあたりになると可能になるのかは、まだ調整途上だと聞いていました。

 

(14)定例の記者会見は今回が最後となるが、これまでの記者会見と2期8年の任期を振り返った感想を伺う

会見の場というのは定例的にさまざまなご意見をいただく、そしてその中には私が考えていなかったようなご質問もあり、そういう意味では私自身の問題意識の視野を広げていただくような、大変示唆もいただいたし刺激もいただいた場であったという印象です。

2期8年を振り返ってということですが、やはり東日本大震災からの復興が時間的にも大変長期でありましたし、現に今も続いていますので大変重い仕事であったという印象です。今日もそうですが震災以降もかなりの頻度で毎年のようにさまざまな自然災害に仙台も襲われていますので、そうした自然災害対策ということをこれからもなお市政の中で大きな課題として取り組んでいくべき時期に入っているという感想を持っています。

 

(15)2期8年の中で最も印象に残っていることと、やり残したと感じていることを伺う

やはり市政の運営の中で1番大きなことは東日本大震災です。1,000名近い市民の方がお亡くなりになられ、首長としては住民の方の生命や財産を守るというのが最大の役割ですので、そういう意味では大きな悔いが残ったと言ってよいと思います。二度とあのような大きな災害がこのまちで起こらないように災害防止に向けて教訓を発信していくことも大事ですが、このまち自体として災害対応力のポテンシャルを高めていかなくてはいけない、そのことについてはまだまだ進化の途上にある段階だと受け止めています。

あとはやはりいじめ問題で3人の未来のある若い方々が亡くなられた、自ら命を絶たれたこと。これも大変重いことで市長に就任する前には教育行政もやってきた者としては大変じくじたるところもありますし、後任の市長さんにさらなる解決と対応策を委ねなければいけないということも申し訳ないと思っています。

 

(16)郡新市長にはどのような仙台をつくってほしいと思うか

震災に関連して言えば防災都市としての仙台の取り組みをさらに高め、世界的にも誇れるものにしていただきたいという希望と、あとは子どもたちの学びの環境に対する今失われている信頼を回復していただくこと、この2点をまずは大きくお願いをしたいと思います。

 

(17)最後の定例会見にあたり所感を伺う

感傷に浸る前に今日のこの雨が午後からどうなるのかということと、夜間に向けてまた全避難所を開設しなければならないようなことにだけはなってほしくないと、もっぱら雨に気を取られています。

 

(18)策定が進められている幼児教育の指針について検討委員会の委員から、「幼児」の対象年齢を3歳以上とすることについて異論があったが市長の考えを伺う

基本的に私としては、指針の対象として幼稚園が始まる3歳を一つの目安に就学前までと考えてはいました。もちろん保育という状況でいえば0歳児保育もあるのは十分承知はしています。ただ、これは児童心理学や発達心理学の先生方の知見などもお聞きした方がよいとは思いますが、ある程度の集団としての学びが成り立つのは、2歳児でも成り立たないことはないとは思いますが、2歳というよりは3歳に近いところからなのかなと思います。従って集団としての活動が親子の活動、家庭での生育とは違った新しい意味を本人に対して学び与え得る、そういったことが基本的にあるから幼稚園教育が始まったのだと思います。

幼児教育の指針はそういう意味で、幼児が集団の中で生活し学んでいくことをどのような方針をもって仙台市として考え、それを幼稚園の場合もあれば保育所の場合もありますが、共通する子育て上の幼児教育の指針として考えるとどうなるかをご議論いただくのが骨格なのではないかと思います。

もちろん2歳児でも集団生活はしていますので、2歳児でも3歳児と類似した意味での幼児教育の指針があり得るとは思います。現に2歳児でも遊戯をしたり、いろいろな学びの場、学びといっても字を学んだりするわけではありませんが、集団行動においてお互いの意味を学び合ったり、生活のルールを学び合ったりすることはしています。ただそれは一つの集団の形成を土台とした、いわゆる文部科学省でいえば学習指導要領にあたるようなものとして対応するのとは少し違う、生育、日常の保育の部分が多いのが2歳児ではないかと思っています。そこには当然グレーゾーンがありますから、年齢的にここから以後は教育でここから以前は保育だということを分けられるものでは全くありませんし、また分けることによるさまざまな分断もある中で、今回それらを統合する幼児教育の指針を考えていこうとしているのだと思います。

私としては、年齢を0歳からに下げてしまうと、集団教育で持つべき指針の意味が逆に少しあやふやになる部分も出てくるかなと思っていますが、これは私の個人的な見解ですので、委員会の方でさまざまなご意見を戦わせていただければと思います。

 

(19)幼稚園や保育所へ入所していない子どもも含めてどのように育てていくのかを検討する委員会だと思って参加した委員もいたようだが事務局との認識にずれがあるのではないか

最終的にそこをどう考えていくかは私ももう一度事務方と確認はしてみたいと思いますが、そもそもこの話が出たときの市議会のご議論としては、幼稚園といっても学校教育ですので文部科学省は幼稚園についても幼稚園教育要領という形で出しており、一方で厚生労働省は0歳から適用になる保育指針を出している。そうすると、3歳以降の少なくとも幼稚園の対象になる年齢以降については、同じ年齢の同じ自治体にいる子どもだけれども対応する教育に関する指針、子育てに関する指針が、幼稚園にいる子は学校教育の要領、厚生労働省管轄下の保育所にいる子は保育の指針となる。この両方を統合したような形を国でもゆるやかに作ってはいますが、国の場合、省庁の縦割りもあるので、それを両方見直して完全に融合させたものとはなっておらず、自治体からするとそれはおかしいのではないか。国のレベルはいろいろあるにしても同じ仙台の子どもたちですし、保育所にいた子が幼稚園に行くことも幼稚園に行っていた子が親の事情やその他で保育所に行くこともあることを考えると、仙台市の子どもたちという一つの形で統合できる何かを考えた方がいいのではないかということが、市議会での大きなご議論だったと思っています。

家庭教育の範囲にまで踏み込んだ指針となると、家庭教育に対して自治体がどういう理念を出すかは大変難しいことであり、場合によっては親の教育権に対する侵害という問題も出てきますので、私はこの委員会はそこまでは踏み込まない形のあくまでも集団の幼児、特に3歳以降の子どもたちという仙台市が関わる余地の非常に大きい部分についてのご議論が前提だと思っていました。

 

(20)3歳未満が指針の対象から外れていることに納得していない委員もいるようだが

それについてはもう少し委員会の中でもご議論いただければよいと思いますが、現状の施設の構成がそのようになっている中でそこにある分断を統合するとなりますと、幼稚園が現実として2歳までの保育を、一時やっていましたが今はやっていないことから、一つの区切りが出てくるということだと思います。

保育所の側で行っていることは何なのかということですが、保育所として行っている保育というものが連続していることは事実ですし、その連続した中にある0歳、1歳、2歳までの部分を教育という言葉で捉える、逆に言うと3歳以上について分断していたものを統合しようという議論をするときに、保育という分野があるがゆえに年齢的にさかのぼることが適切かどうかはいろいろな考え方があると思います。

それはご議論いただいてよいと思いますが、私はここをさかのぼらないからといって、その部分の意味がないと言っているわけではありません。ただ現実に教育目標の立て方が若干違う中でやってきたものを、ある年齢以降から分断されない状況を作っていこうとする中で、それより下の年齢の方には当然家庭にいらっしゃる方もいれば保育所にいる方もいて、保育所の場合は0歳からいた場合に3歳以降も視野に入れた一貫性が求められていることは疑いのない事実です。その上に立ってこの両者の統合をどうできるかということではないかと思っていましたので、1、2歳を切り捨てるとかそういうことではないと思います。ただ受け止め方としてどうしてもそう思いたくなる、それを何とか解決する道が欲しいということであれば、そのことを踏まえて委員会の中でご議論いただくのが適切ではないかと思います。

 

(21)市長は6月に任期を理由に調査の開始を先延ばししないと発言していたが、見通しが甘かったのではないか

私としては残された期間は決まっていたわけですが、最善を尽くしてできないことはない、逆に言うとその期間で不可能だということを申し上げるつもりはなく、任期いっぱい目標を持ちながら努力させていただくという趣旨での発言でした。

 

(22)市長が応援していた候補者が当選していたら状況は変わったと考えるのか

仮定の話なので、なんとも申し上げられません。

 

(23)市長としての最後の夏休みの過ごし方を伺う

夏休みは2日ほど取ります。孫が2人いるのですが預かってくれと言われていますので、1歳児と3歳児の保育と教育の境についてじっくり実習するよい時間になるのではないかと思います。

 

(24)これまではお孫さんと過ごす時間があまり無かったのではないか

土日も予定があり出歩いていますし、夜もいろいろな会合がありますので、そんなに懐かれているというわけではありません。今後は少し懐かれるようにしなければなりません。

 

(25)退任後はお孫さんと触れ合う時間が増えるのではないか

隙間の時間を狙われるかもしれませんね。

 

(26)退任後の予定について伺う

特に何か定職について働くことは考えていません。私の母の住まいに今まではあまりにも顔を出せていませんでしたので、これからはもう少し来るのだろうねと念を押されていますし、そちらの片付けもするようにと厳命を受けています。長年の家事を放置してきたツケが回ってくるのかなと思っています。

 

仙台市長 奥山 恵美子