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更新日:2016年9月20日

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発表項目以外の質疑応答の概要

(1)安全保障関連法案が本日採決される見込みだが、これまでの審議などの経緯を含め所感を伺う

かなりの時間をかけて議論を尽くしてきた、その時間的な経過を、与党政府側としては重視していらっしゃるようです。ニュースなどのインタビューですと、審議時間が何時間を越えたとのお話が出ているようです。もちろん議論を深める上で、時間は絶対的に必要なものです。ただ、時間をかけたから採決しても良いという論理のように聞こえるのが、私としては逆に危惧の念を感じるところです。

時間さえたてば、それで議論が深まったということと、パラレルにイコールとして良いのか。いろいろなインタビューや調査における国民の声は、まだその論点がしっかりとつかめていない。政府がさまざまにおっしゃることについて、まだ、十分に把握しきれていない。国会審議的な時間はかけている事実はありますが、どう考えても国民の理解が十分に得られている状況ではないように思います。

そういう中で、審議時間の絶対量を根拠に次の段階に進むのは、この問題の重要性に鑑みれば、私としてはもう一段の丁寧さを求めたいという気がします。

(2)国民にとって重要ということだが、仙台市にとって、という点では市長はどう考えるか

国民の皆さんが、日本の国のこれからのありようとして大変重要な課題だと受け止めていることは、いろいろな調査に表れていると思います。仙台にとって何がというよりは、国家の安全保障という問題ですので、日本社会全体として、国民の皆さまも大きな関心を持っているし、関連法案もいろいろな組み立てになっていて、大変難しい部分があることは事実だと思います。そのことに対する理解を深めるのは、大事なことだと受け止めています。

(3)もう一段の丁寧さを求めたいとは、具体的にはどういうことか

これから採決となると総括などいろいろあると思いますが、議論がかみ合っていないように思われるという国民の声は非常に強いと思いますので、再度論点をしっかりと提示した上で、与野党双方かみ合った形の議論を進める努力ではないかと思います。

(4)市長はこの安保関連法案をどう考えているか

私自身としては、戦後70年がたつ中で、安全保障について日本の現在の状況や、諸外国との関係、また世界情勢等を踏まえると、日本が一定の法整備をしていくことは必要ではないかと思います。つまり日本のこの間の平和維持、平和重視を基調にしながら、しかし安全法上で必要な法整備は進めなければいけないと思っていました。

しかし今回の法案は、大変複雑な組み立てになっていることや、政府のご説明が、たくさんの論点が次々に出てきた結果、消化不良の感じを残しながらテーマが移っていったなど、いろいろなことがあったと思いますが、まだ十分に浸透しているとは言えない。大事なことであるが故に国民がしっかりと納得して進めていかないと、法律を運用していくという事態が、現状すぐにあるわけではないとは思いますが、あったときに、いや当時の理解はそうであったとかなかったとか混乱をきたすような、理解がしっかりと浸透していない場合の弊害もあり得ると思いますので、私はそこも含めて危惧している段階です。

(5)市長は、今国会では安保関連法案は成立させるべきではないという考えか

成立のさせ方の問題があると思います。一定の時間をかけたから、ということが十分とする根拠だという論理では賛成できかねます。国会は、質的な十分さをしっかりと持っていただきたいと思います。

(6)与党としては質的にも十分という考えだと思うが、いかがか

この間の与党のお話でも、そういうお考えだとは承知しています。しかし、度重なるさまざまな調査によって、そういう数字が具体に出てきていないことは、しっかりと見ていただく必要があると思います。

特に今の時点で言われているのは、参議院で審議されなかった場合に3分の2条項を使って衆議院単独で可決ができる状況を担保するために、この日にちなのではないかとか、いろいろなことが取りざたされています。大事な法制である限りは、3分の2条項を安易に使うことは、いかがかという懸念も持っています。

(7)市長の考えを国や与党に伝えることは考えているか

現時点で私として持っている考えは、今お話ししたとおりですが、現に国会で審議されていることですので、一地方自治体の長として、これを何らかの行動に移すことは考えていません。

(8)安全保障関連法案について、自衛隊の活動範囲など、具体的なものが決まっていない中で採決が進むことに対する危惧を持っているということか

国会の審議の在り方として、国家の安全保障という国民の将来にわたる大きな問題のレベルで、質的な議論の深まりを目指すのが国会のあるべき姿だと思いますが、時間ありきになっている。決め方として、こういうものが前例化することは影響が大きすぎるのではないかと思います。そういうことは実際にはないと思いたいですが、極論を言えば、審議時間を費やせばハードルが越えられる、となることが一番怖いと思います。

国会において、質問に対しての答えがかみ合っていない印象があります。そういう中で、時間が経過している、審議時間がかかっている、そのことを論拠に、議論が打ち切られていくのは、物事の決め方としていかがなものか。特に、その重大性を鑑みたときに、そう思います。

法案で、対立点があるものは審議時間がかかることはあるわけです。例えば、厚生労働省のさまざまな法などでは、経過措置などがあって、3年経過したら制度の実施状況を見て、また手直しをするとか、法改正も含めて視野に入れるものもたくさんあります。男女共同参画の基本法も、そうだったわけです。そういう法律と違うのではないか、そこの違いの部分について、私はより深く危惧している理由です。

(9)安全保障関連法案について、市長は違憲であると考えるか

違憲かどうかの最終的な判断権は最高裁になると思います。私のように法学部も出ていないと、およそ感覚的な物言い以外にはあり得ませんので、それについてコメントできる学識はないと思います。

国民の多くの皆さんは、違憲かどうかももちろん大事なポイントだとは思いますが、自分たちとして安心できるこの国の将来を、この法律に委ねて良いのかという意味で、まだ迷いがある状況ではないかと思っています。

(10)安全保障関連法案採決の直後には仙台市市議会議員選挙があるが、どんな影響があると思うか

私が今のところ把握している限りでは、直接的にこの問題を地元の方々へのお話や討議の中で出されている方はいません。全ての議員の方を承知しているわけではありませんが、少なくとも私がお伺いした何カ所かのお話し合いの中では、特にこのテーマについて、何らかの言及があったという記憶はありません。

(11)与党の審議の進め方は、市議選に影響があると思うか

直接的にそれが争点になるかどうかは、告示後の候補者の具体的な論戦、論調を拝見しないと分からないという感じです。私が肌で感じる喫緊の仙台市議選の課題は、地下鉄東西線開業を見据えての、今後の活力あるまちづくりに向けて地下鉄東西線がどういう役割を果たし得るのか、地下鉄東西線が開業したことに伴う地域交通が今後どうなっていくのか、具体にはバス路線の再編が、新バス路線と地下鉄東西線両方が動いたときに、どういう生活上のメリット・デメリットが出てくるのか。後は、高齢社会の介護の問題、子育てに関する待機児童の問題、その辺りが地域の方々の大きな関心だと、私は受け止めています。

それ以外の国政の問題を、判断の材料にする感触は、私自身まだ得ていません。ただ、告示日以降にさまざまな選挙活動が展開される中では、新たにそういうことも、背景の選択の一つの状況として浮かび上がってくるかもしれません。

(12)立候補予定者の所に数カ所伺っているという話だったが、市長自身が話を聞いたのか

そうです。今まで立候補予定の方々から、お声掛けいただいたところ何カ所か、市政報告会や役員の方々の会合などに顔を出させていただきました。その時の論点、候補者に期待したいことのお話の中からは、特段に仙台市以外の、いわゆる国政レベルのお話についての言及は耳にしなかったということです。

(13)現時点で、立候補予定者の所には何カ所行っているのか

正確には数えていなかったのですが、5、6カ所ぐらいだったでしょうか。

(14)市議会議員選挙の候補者への応援はどう考えているか

告示前は、ご要請があれば、私の市長選挙のときに応援していただいた方々など、いろいろな関係性や日程を勘案しながら、可能なものはお伺いして、ごあいさつや応援のあいさつをさせていただいている現状です。前回の市議選もそうでしたが、告示以降は、例えば選挙カーに同乗してマイクを握ることなどは考えていません。

(15)今回の市議会議員選挙について期待することは何か

震災直後の市議選は、いかに復興を進めるかということ、震災からの復興が大きな争点だったと思います。今回は4年4カ月たつ中で、復興の進め方でのこれから後のまちづくりに向けて、どういう立ち位置で向かっていくか、仙台と復興という面から見るものが一つ。もう一つは、日本全国共通する課題として、人口減少社会において仙台がどういう都市のまちづくりをして、これを乗り越えていくかに対する各議員のお考え。この二つの視点が大きくあり得ると思っています。

(16)前回の市議選は投票率が低かったが、今回はどうなると思うか

前回は震災直後のさまざまな生活の混乱、特に被災された方々は生活のことで手がいっぱいということもあったと思います。現在は一段と落ち着かれた方々が増えていると思いますので、選挙に行くことに気持ちが前向きになっていただくことに期待したいと思います。

一方で、選挙は、立候補される方が多くて、論点が多様で、年齢層やこれまでのご経験など、候補者の多様性があった方が、住民の皆さんも選択の余地が大きく、関心が高まると思います。今回は、あまり新人の方が多くない状況ですので、そのことが逆に選挙への関心の足を引っ張る形になるかもしれない点は危惧しています。

最大の3番目の危惧の念としては、当日の天候です。今日、昨日、おとといと非常に暑いですが、こういう暑さが8月2日の当日にもありますと、あまりに暑いので当日の選挙に足が遠のくことにならなければいいと思います。

いくつかの点で、投票率には若干危惧の念も感じています。私としては、期日前投票で確実に投票に行っていただきたいというお願いを、より強く展開していく必要があると思っています。

(17)青葉区選挙管理委員会の問題があったため、市議選では選挙の信頼回復の点が注目されるが、市長の考えを伺う

昨年暮れの衆議院選挙に端を発する、選挙への信頼が落ちたことについては、われわれとして、しっかりと今回の市議選を通して現実的に取り組みを進め、有権者の皆さんに、一票が大切に扱われたと実感していただける選挙として展開していくことが大事だと思っています。

この間、選挙管理委員会を中心にいろいろな改善案をつくり、今はそれを実行しつつある段階です。職員の参加数を増やし、有権者数の多い投票所への職員配置の充実など、いろいろ考えてやってきました。これからさらにアルバイトの方などの研修も、しっかりしていかなければなりません。それらをしっかりと積み重ねて、当日も遺漏なく進めることによって、信頼していただける、信頼回復につながる選挙にしていきたいと思います。選挙管理委員会もそのつもりで取り組んでいると思っています。

(18)再発防止策は順調に進んでいると考えるか

選挙には選挙特有のノウハウという、普段やる事務とは違った部分がありますので、仙台市職員の中にしっかりと選挙経験者を増やし、ベテランと若い方の組み合わせなどを留意しながら進めていくのが今回の体制です。幸いにも職員も一定程度参加者の確保ができましたので、実践で遺漏のない研修、マニュアルの整備、そういったことをきめ細かにやっていくことだと思います。

(19)参議院議員選挙改革案では宮城選挙区は定数減となるが、所感を伺う

一票の格差の是正という意味では、参議院改革は避けて通れない問題です。その総体として定数が減る部分が、全国の中で出ることは、私も理解をしています。ただし、地元として考えると、議員の方が少なくなるのは、それだけわれわれの声が、二つの口を通して伝えていたものが一つの口になるという絶対的な発信力の減は否めないと思います。地元自治体の長としては、正直残念だという気持ちはあります。

また、実際に法案が可決されて実施されるとなれば、そういう状況の中で、われわれが国に対して伝えるべきことをどう伝えていくかは、新たな活動の方法や知恵を探っていかないと、発信力減になる部分は痛いと思います。

(20)一票の格差是正は避けて通れないが残念という気持ちと、残念なことだが避けて通れないということでは、市長の気持ちはどちらか

避けて通れないことだけれども、残念だという気持ちです。例えば人口に基づく一票の格差は、極端に言えば東京のような人口密集地にもっと議員の方が出るのは、その一点からすれば当然のことであって、最高裁の判決もそういう判断に立っているわけです。

ですから、それは尊重しなければいけないのですが、逆に人口が密集している東京には、現実に地方を超えた発信力が、議員の方の頭数以外たくさんあることも事実です。それらを考えると、現実的にはわれわれが持っている発信力がかなり限られている中で、その大きな一つである議員の数が減ることは、さらにダメージが大きいと私は思っているので、そのようなお答えになるということです。

(21)参議院議員選挙改革案について、「10増10減案」と「12増12減案」とどちらが良いと考えるか

それぞれ一長一短の部分があると思います。定数減をしなくてはいけない地域があることは事実ですので、今回10増10減案で合意されるのであれば、まずは実行していくのも一つだと思います。

選挙制度の場合、完全形の改革はなかなかあり得ないと思います。放置されたままになっている状況が続くことが一番よくありませんので、まずは実行してみて、いろいろ弊害があればまた考えていただく。選挙制度に関してはそう思います。

(22)参議院議員は地域代表と言われるが、参院選に関しては、一票の格差を考える上で、そのことを加味する考えがあってもいいと思うか

その一票は人口の数に比例しますので、難しい部分だとは思います。東北の自治体の長としては、人口減少がここまで見えてくると、頭数ですべてを割られてしまうことに対する難しさもあります。東北において、このまま全国に先駆けて人口減少が率も高く、先行していくとすると、選挙制度上は極めて不利になってしまいます。

私に現時点ですぐ対案があるわけではありませんが、いろいろなハンディがある中で、難しい局面を迎えるところほど、政治的な力を持ちにくくなる、という選挙制度で良いかどうかについて、広く問題意識として感じています。

(23)東京都の特区の取り組みである「東京開業ワンストップセンター」が成果が思うように上がっていない。仙台市でも同様のセンターの設置を考えているようだが、どうするのか

ワンストップセンターの件に関しては、担当部局とも情報の共有化を図っているところです。東京でまず先行していますので、東京の状況を見ながら仙台でどうするかを具体に考えていくことになります。最終決定ではありませんが、最初のメニューの中には入らないことになるのではないかと報告を受けています。

(24)先日、平成26年コンベンション開催状況が発表され、国連防災世界会議の影響もあり、開催数が増えたとのことだが所感を伺う

コンベンションの会議数は、国連防災会議の中にさまざまな会議、民間フォーラムもありますので、国際会議の定義を援用していくと、去年はその部分で結構な数が多くなったと思います。それはそれで一つの実績ですので、私としては喜びたいと思います。

今後として考えてみると、去年の数が、必ずしも仙台の底力だというのには、私はちょっと違うと思っています。国連防災世界会議に関連して開催された国際会議という位置付けのものは、通年ベースではないわけですので、去年の、いわば「げた」を履いていた部分を底力にしていく努力が、これからわれわれにとってはますます必要だと思います。ただ、一度実績を出したことで、われわれにとって、それができない目標ではないと思いますので、なお頑張りたいと思います。

仙台市長 奥山 恵美子

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