ページID:25408

更新日:2016年9月20日

ここから本文です。

市政だより2016年10月号・特集1

認知症を正しく理解し、地域で支え合おう

写真:認知症について学ぶ「土曜の音楽カフェ」

 平成28年3月現在、本市における65歳以上の高齢者は約23万人。そのうち約15%に当たる約3万5千人が認知症高齢者と推計されており、その数は年々増加傾向にあります。
認知症は誰でも当事者となる可能性があり、また、介護者等として関わる可能性がある身近な病気です。市では、認知症の当事者やその家族のためのさまざまな支援を行っています。市民一人一人が認知症の特性や対応の仕方、地域における支援制度などについて理解を深め、認知症の方やその家族が地域で安心して暮らせるよう支え合いましょう。

市内認知症高齢者の推移
図:市内認知症高齢者の推移

(※)介護保険第1号被保険者数の推計を基に、厚生労働省の調査による認知症高齢者の割合(15%)を用いて推計

早期診断・早期対応が大切です

 市内で4カ所指定されている「認知症疾患医療センター」の一つ、仙台西多賀病院の武田篤院長に
お話を伺いました。

写真:仙台西多賀病院の武田篤院長

 本病院では、かかりつけ医と連携して、認知症を早期から診断し、相談員が各種支援情報を提供しています。認知症とは「脳の働きが低下し、日常生活に支障をきたす状態」のこと。新しいことが覚えられない、段取りがうまく立てられない、道具をうまく使えないなど、人によってさまざまな症状があります。
「これまでと違う」「不安だ」などと感じたら、かかりつけ医や地域包括支援センターに相談し、検査を受けましょう。早期に対応すれば薬の効き目もよく、進行を緩やかにできる可能性があります。そして何より、今後の生活について自分の意見を反映させることができます。そのままにしていると、車の事故や火事、詐欺などの犯罪に巻き込まれるリスクが高まるため、変化に気付いたご家族や身近な方から本人へ「1度健診を受けてみない?」と声を掛けることも必要です。言いづらいかもしれませんが、ご本人の生活を守るためにも、一歩を踏み出してください。

チェックしてみましょう軽度認知障害(MCI)

 軽度認知障害(MCI)とは、健常者と認知症の中間の状態です。日常生活に支障はありませんが、そのまま放置すると5年後、約半数の方が認知症に進行するといわれています。早期に適切な予防・治療等を行えば、発症を遅らせることができる可能性が高まります。思い当たることがあれば、かかりつけ医等に早めにご相談ください。

■今何をしようとしていたか簡単に思い出せない
■同じことを何度も言ったり尋ねたりする
■人と会う約束を忘れることがある
■探し物が増えている
■何かやろうとしても「まあいいか」と思ってしまう
■長年の趣味を楽しめなくなってきた
■段取りが下手になった
■買い物で会計する時に小銭が使えない
■今日の日付が思い出せない
■外出することが減った

(※)上記はMCIの状態の一例です

自分らしく生活するために、さまざまな支援があります
本人や介護家族同士の交流の場・相談窓口等
おれんじドア
 平成27年5月に開設された「おれんじドア」は、認知症の当事者が代表を務め、医療・福祉関係者が連携して運営している相談会。当事者が個別相談に応じるほか、当事者と家族が別々のグループに分かれて、趣味や生活で困っていることなどを自由に語り合っています。 運営する実行委員会の代表者は「自分は30代で若年性認知症と診断され、人生が終わったように感じました。でも、笑顔で前向きな認知症の方に出会ったことで、『自分もこんな風になりたい』と思い、当事者が悩みを相談でき、笑顔になれる場として、この会を立ち上げました」と教えてくれます。 最初は戸惑っている人も、楽しい雰囲気の中でおしゃべりすることで自信を取り戻し、「認知症カフェ」(下記参照)に参加するようになるなど、新たなステップへと進んでいくそうです。「『おれんじドア』は一歩を踏み出すきっかけの場所。ここを体験して前向きになった人が、いろいろな場所でこのような会を開催してくれるとうれしいです。心を開くドアはたくさんあった方がいいですから」と実行委員会の皆さんは笑顔で話してくれました。

写真:おれんじドア実行委員会による反省会
実行委員会による反省会

  • 開催日時=原則毎月第4土曜日14:00~16:00
  • 会場=東北福祉大学ステーションキャンパス(青葉区国見1-19-1)
  • 参加方法など詳しくはお問い合わせください

(問)おれんじドア実行委員会 電話070・5477・0718(平日10:00~15:00)

認知症カフェ
 「認知症カフェ」は、認知症の当事者や家族、地域の方が集う場で、現在、市内26カ所で開催しています。各カフェでは月1回程度、お茶や音楽、スポーツなどを楽しみながら交流しています。認知症の専門家も参加しているので、物忘れや認知症について気軽に相談することもできます。

写真:認知症カフェ

  • 各カフェの開催日時や会場など詳しくは、市ホームページをご覧いただくか、お問い合わせください
  • 催しによっては100円~300円の参加料が掛かります

(問)介護予防推進室 電話214・8317

「認知症ケアパス」配布中
 認知症に関する相談窓口や交流の場、困ったときのサービス、利用できる制度などの情報を、認知症の当事者や介護家族の声を基に紹介しています。「認知症かもしれない」と不安に思っている方もご利用ください。

写真:認知症ケアパス

  • 配布場所=各区役所障害高齢課、総合支所保健福祉課、地域包括支援センターなど。市ホームページ でもご覧いただけます

(問)介護予防推進室 電話214・8317

知ることから始めよう―認知症サポーター

写真:認知症サポーターオレンジリング

サポーターの証しであるオレンジリング

 認知症サポーターとは、認知症を正しく理解し、当事者やその家族を見守る「応援者」のことです。認知症サポーター養成講座を受講した方がサポーターとなります。市内では、これまでに約4万8千人が受講しています。

  • 企業、学校、地域団体(10人程度以上)などからの申し込みにより講師を派遣します。詳しくはお問い合わせください

(問)仙台市健康福祉事業団 電話215・3711

身近な総合相談窓口・地域包括支援センター

 市内に50カ所ある地域包括支援センターは、高齢の方が住み慣れた地域で安心して生活が続けられるよう、介護・福祉・健康・医療などさまざまな面から支援を行う、地域の高齢者支援の窓口です。認知症に関することや健康づくりなど、お気軽にご相談ください。

  • お住まいの地域を担当するセンターなど詳しくは市ホームページをご覧いただくか、お問い合わせください

(問)高齢企画課 電話214・8168

この特集に関するお問い合わせは介護予防推進室 電話番号:022-214-8317 ファクス:022-214-8191