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更新日:2023年6月28日

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「仙台市危険物事故防止アクションプラン」

仙台市危険物事故防止に関する基本方針

1 趣旨

 

危険物の事故は、いったん発生すると周辺の住民等に対する社会的・経済的影響が大きいだけでなく、発災事業所にとっても長期間にわたる操業停止を余儀なくされる可能性があることなどから、たとえ事後対応を適切に行ったとしてもダメージを受けた社会基盤などを復興・復旧させ、市民生活や経済活動を元通りにするためには多大な労力と費用を要することとなります。一方、予防などの事前対策の必要性・重要性を認識して適切に実施すれば、事後対策よりもはるかに少ない労力と費用で重大な被害を避けることが可能になります。

このようなことから、関係団体、事業所、消防機関などが連携・協力して、「仙台市危険物事故防止連絡会(以下「連絡会」という。)」を設置し、「危険物事故防止に関する基本方針」を定め、事前対策としての危険物の事故防止に関する仕組みづくりについて検討・確定し、適切に実施していくこととしました。

 

2 目標

本市における危険物施設の火災・漏えい事故の大幅な低減を目標としました。当面の目標としては、危険物施設における事故が増加傾向に転じた平成7年頃のレベル以下に事故の件数及び被害を低減することを目指します。

 

(参考)平成7年中は火災0件、漏えい2件、計2件となっています。

 

3 推進方策

これまで行ってきた過去の事故事例の分析と原因究明に基づいた情報提供・交換については、類似の事故を防止することは可能ですが、新たな形態の事故については必ずしも効果的に防止することができない可能性が高いものでした。

そこで、事故災害の経験則としてよく知られている「ハインリッヒの法則(※)」を活用し、シンプルで平易な手法を用いることによって、新たな形態の事故も含めて包括的に事故の発生を低減していくこととしました。
※ハインリッヒの法則…1つの重大な事故の背後には、29件の軽微な事故、その背後には300件のヒヤリ・ハット事例が存在する。

 
  1. ハインリッヒの法則に則り、軽微な事故の件数やヒヤリ・ハット事例の件数を低減させることにより重大な事故を未然に防止する。(軽微な事故やヒヤリ・ハット事例が29件、300件に満たなくなることによって重大事故が発生しなくなる。)(図2参照)
  2. ヒヤリ・ハット事例や軽微な事故を低減させるためには、発生したら直ちに報告し改善する。
  3. 「人はミスをする動物であり、ミスをゼロにすることは物理的に不可能である。」という前提に立って、ミスをした場合には過大なペナルティを与えず、むしろ教育・訓練の機会と捉えて組織として迅速かつ適切な対応を行う。
  4. 危険物事故の発生箇所やメカニズムは業種等によって大きく異なることが多いことから、個々の安全対策については各事業所が主体的に取り組むこととし、連絡会で行う情報交換については、軽微な事故やヒヤリ・ハット事例を迅速に報告・対処するためのインセンティブの与え方などシステムづくりにおける工夫等に重点を置くこととし、事故事例の紹介などは副次的に実施する。
  5. 連絡会では、各社が実施する軽微な事故やヒヤリ・ハット事例を低減させる具体的な取り組みを発表し、主として具体的な体制づくりや雰囲気づくりに関する情報提供・交換を実施する。
 

図2 ハインリッヒの法則を活用した事故低減のイメージ
ハインリッヒの法則を活用した事故低減のイメージの図

 

仙台市危険物事故防止アクションプラン

1 新たな考え方及び手法の導入

全国的に平成元年以降、事故件数が最も少なかった平成6年と比べると危険物施設が減少しているにも関わらず、事故件数は増加を続け、高止まりで推移しており、このことから、平成15年度より国において危険物事故防止アクションプランが作成され提示されております。その主たるところは過去の事故事例の分析と原因究明に基づいた情報共有を行い類似の事故を発生させないことです。しかし、この場合、経験した事例やその他類似の事例については種々情報が得られるため対処が可能となりますが、新たな形態の事故には必ずしも適切に対応ができない可能性があります。

一方、事故災害の分野では経験則として「ハインリッヒの法則」がよく知られており、「1の重大な事故の背後には29の軽微な事故が隠れており、その背後には300のヒヤリ・ハット事例が隠れている」ことが分かっています。これは、言い換えれば、「日常の業務の中で、ヒヤリ・ハット事例や軽微な事故に即座に対処して改善し、その件数を減らせば重大な事故の発生を防止できる」ということを意味しており、過去に経験した事故だけでなく新たな形態の事故の防止にも有効であることを示しています。

このことから、包括的な危険物事故防止の手法として、ハインリッヒの法則を用い、「ヒヤリ・ハット事例や軽微な事故に迅速かつ適切に対応し、その件数を減じることで重大な事故を効果的に防止する」ことを提唱するものです。

 

図3 平成元年以降の危険物事故の推移(全国)

 

平成元年以降の危険物事故の推移

 

2 導入するための前提条件

上述した手法のメリットは、規模や業種を問わず導入できることや、考え方がシンプルかつ平易で導入し易いことですが、その半面、以下に述べる前提条件が適切に整備されない場合、うまく機能しない可能性があることに留意する必要があります。

 
  1. 事業所として必要な安全対策を適切に実施していること。
  2. 社員に対して適切に教育・訓練が行われており、貯蔵し又は取り扱っている危険物等について熟知し、また、施設や操業状況についても十分に理解していること。
  3. 過去の事故事例に基づく対応も適切に取られていること。
 

3 導入する際の留意事項

上述の手法を導入するに当たっては、以下の事項に留意する必要があります。

 
  1. 手法自体はシンプルかつ平易であるが、社員全員がこの手法の意義を理解し、日常業務の中で地道かつ徹底して取り組む必要があること。
  2. 「誰でもミスはするし、ミスをゼロにすることはできない。」という前提に立ち、ミスをした場合には過大なペナルティを与えず(厳しく責めすぎない)、むしろ教育・訓練の機会と捉えて適切に対処することができる体制(社風)が必要になること。
  3. 軽微な事故やヒヤリ・ハット事例に適切に対処することにより重大な事故を未然に防止することができた場合には、何らかのプラス評価にするなどのシステムを整える。(ミス自体はマイナス要因であるが、「ミスを逆手に取り」報告や対応の迅速さ・適切さ、重大事故の未然防止に対する寄与等をプラス要因として評価する等)
  4. 世代を超えたリスクセンスの伝承システムを構築する必要があること。
  5. 実際に実施したヒヤリ・ハット事例などに対する対応(改善)について、適切に記録し情報を社内で共有できる体制を構築する必要があること。
  6. この手法が適切に機能していることを定期的にチェックする体制を構築する必要があること。
 

4 各機関等の役割

(1) 事業者・関係団体

  1. 事業者は、この手法を用いて事故防止を推進することができるよう体制づくりを実施すること。(特にミスを遅滞なく報告させる仕組みを工夫すること。)
  2. 関係団体は、傘下の関係事業者に対してこの手法を周知するとともに、積極的に活用して事故防止を推進させること。
 

(2) 消防機関

  1. 消防機関は、関係事業者がこの手法を導入できるよう積極的に指導・助言等の支援を行います。
  2. 消防機関は、関係団体、事業者と連携・協力して仙台市危険物事故防止連絡会(以下「連絡会」という。)を主宰し、各事業所の取組状況などについて意見発表、情報交換等を実施できるようにします。
 

5 連絡会のあり方

  • 各社が事故防止対策の推進状況などを定期的に発表し、各事業所における工夫などの情報を交換します。
  • 消防機関からは新たな行政情報や事故事例などの情報を提供します。

 

危険物事故防止推進パンフレット

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