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更新日:2026年2月6日

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令和8年度施政方針要旨

令和8年第1回定例会の開会にあたり、市政運営の所信の一端と施策の大綱について申し述べます。

まちの未来を確かなものへ。
私が思い描く未来。それは、ひとが集い、笑顔が広がり、その連鎖がまちの魅力となって世界から選ばれる。そうした姿です。社会の変化が激しく、先が見通せない時代だからこそ、先手を打つ。
10年後の2036年は、藩祖政宗公の没後400年に当たります。この間進めてきた、こどもの遊び場や青葉山複合施設の整備、大手門復元、大河ドラマ誘致などは、いわば「2036年プロジェクト」とも言うべき未来への投資です。
希望ある未来を確かな形にすべく、これまでの歩みをもとに、挑戦を重ねてまいります。

こどもの成長は、まちの未来そのものです。こどもたちが健やかに学び、夢を描けるよう、社会全体で子育てをフルサポートする。
小学校給食費の完全無償化に加え、第2子以降の保育料についても、所得に関わらず無償化するとともに、体験格差の是正を目指すバウチャー事業の令和9年度導入に向けた準備を進め、「子育てが楽しいまち」の実現に取り組みます。
こども時代は、人生の土台を築く、かけがえのない時間です。多様性が増す社会にあって、世界とつながり、自ら行動できる力を育む。令和11年度の新教科「(仮称)国際探究科」の全市展開に向け、モデル校での実践を開始します。また、新教科の支援や外国人児童生徒の日本語指導などを行う「(仮称)仙台国際探究ラボ」を設置し、仙台ならではの学びを充実させます。

学都仙台には多くの若者が集まり、卓越した研究機関が集積しています。
若者が持つ柔軟な発想力や多様な価値観を取り入れ、まちの未来をデザインする。新年度、「仙台若者会議」を開催し、その声をまちづくりに生かすとともに、社会に変化をもたらす経験を通じ、まちへの愛着や次世代を担う人材の育成にもつなげてまいります。
若者のチャレンジ精神と大学の知の力を掛け合わせて生まれるスタートアップは、本市経済の起爆剤となるものです。先端技術の事業化に欠かせないウェットラボの整備を加速するほか、世界に進出するスタートアップを後押しするため、東南アジア市場を見据えた海外展開を支援します。
新たなイノベーションの潮流を、ここ仙台から生み出す。企業との交流を促進する拠点の首都圏への設置や、ナノテラスを核とするリサーチコンプレックス形成を通じた企業誘致の強化に加え、フィジカルAIを活用した自動運転レベル4の実証など、社会的価値を創出いたします。

「観光MICE都市」を目指し、官民一体で取り組んできた結果、昨年の宿泊者数は、観光戦略の目標を上回る700万人泊が視野に入ってきました。この勢いを追い風に、ご負担いただいている宿泊税を活用しながら、秋保大滝滝見台の整備や景観を生かした夜景観光の推進など、「攻めの観光」を展開し、地域の活力につなげます。
雄大な自然や多彩な伝統・文化が息づく東北は、多くの人を魅了する観光資源の宝庫です。東北各都市と連携してこうした魅力を磨き、つなぎ合わせ、来訪者に響く情報をSNSなどで発信し、世界から人を呼び込む観光エリアとして成長してまいります。

こうした経済活動を支え、人々の交流が生まれる都心において、本市では民間開発による高機能オフィスの供給と企業誘致を連動させたまちづくりを進めてきました。
工事費高騰の中にあっても、開発を前へ進めるため、補助上限の撤廃など、再開発事業補助金の見直しに加え、本市が地権者の皆さまとの開発協議に積極的・主体的に関わり、都心のまちづくりをけん引します。また、国際会議やビジネスといった多様なニーズに応えるホテル誘致など、観光施策との連携も深め、賑わいある都市空間を形成してまいります。
気候変動による影響が深刻化する中、持続可能で美しい杜の都を引き継ぐためにも、脱炭素型の都市づくりを加速させていく。先行地域の取り組みを着実に進めるとともに、新築建築物への太陽光発電導入と高断熱化を促進する制度の創設により、地域と共生する再生可能エネルギー普及の先進モデルを構築します。

東日本大震災から15年。被災された皆さまが深い痛みと向き合われる日々に区切りはなく、今後とも寄り添った支援を継続してまいります。
震災の記憶や教訓を未来へ継承していくことは、私たちの責務です。防災庁の地方拠点の誘致は、本市の知見を国全体の防災力向上につなげるうえで、大きな意味を持ちます。交通ネットワークや東北大学災害科学国際研究所の立地といった優位性を生かし、実現に向けた取り組みを進めます。
また、2027年のアジア太平洋防災閣僚級会議は、仙台防災枠組の先も見据えた議論を行う重要な場です。関係機関と連携しながら、機運醸成や受け入れ態勢の強化など万全の準備を整えます。
人々の心を受け止め、復興を支えた音楽の力。震災の記憶を受け継ぎ、次の災害を乗り越える力を育む災害文化。この二つが重なり合う、音楽ホール・中心部震災メモリアル拠点複合施設は、本市の個性と魅力を深化させ、次世代にとってもかけがえのない財産になるものと確信し、人と人、過去と未来、仙台と世界をつなぐ文化芸術の拠点として整備を進めてまいります。

ひと中心のまちづくりには、ちがいが尊重され、誰もが活躍できるダイバーシティの視点が欠かせません。そのためには、安全安心な暮らしを守り、地域で互いに支え合う「ケアの視点」を広げていくことが重要です。
ケアは相互の関わり合いの中で成り立つ共生社会の基盤であり、ケアを受ける人・担う人の双方を社会全体で支えるため、「(仮称)ケアラー支援条例」の制定に向けて有識者会議を立ち上げ、「ケアのまち・仙台」の実現へ議論を深めてまいります。
また、市民の皆さまの命と健康を守るため、県の次期地域医療構想に本市の課題や将来像が反映されるよう取り組むとともに、救急医療体制の強化に向けて、休日夜間診療所のあり方や、仙台オープン病院へのドクターカーの配置と救急ステーションの整備を検討いたします。

ひとの力がまちを動かし、まちでの挑戦がひとを成長させる。この好循環こそが都市の活力であり、未来の扉を開く原動力です。「ひと」と「まち」がともに輝く未来に向け、全力を尽くしてまいる所存です。

そのような考えのもと、新年度におきましては、「こども・若者を育む」、「世界に誇れるまちを創る」、「共生のまちを築く」の3つを柱に据え、市議会をはじめ、市民の皆さまとともに、各般の施策を推し進めてまいります。

施策の第一の柱は、「こども・若者を育む」です。
切れ目のない子育て支援として、18歳未満の国民健康保険料無償化や5歳児健診モデル事業をスタートするほか、困難を抱える妊産婦などの生活援助を行います。また、子育て世帯を包括的に支援する「こども家庭センター」の各区役所等への整備や、のびすく仙台の移転・拡充に向けた準備を行うとともに、放課後児童クラブの待機児童ゼロに向けた取り組みを進めます。
希望する方が結婚し、新生活を始められる環境づくりとして、若者のニーズを取り入れた出会いの機会の創出や結婚後の家賃補助、若年・子育て世帯向けの住み替え支援を拡充し、若い方々の新たな歩みを後押しします。
こどもの学びや遊びの環境の充実に向けて、西公園に設置する遊び場の設計を進めるほか、南小泉交通公園の再整備を行います。また、土日祝日等の小学生運賃無料化制度「ハッピー・ファミリー・ライド」を本格実施し、子育て世帯のお出かけを応援してまいります。
いじめ対策は本市の最重要課題の一つです。専門家で構成する学校支援チームにより、いじめ事案のより丁寧な解決につなげるとともに、未然防止プログラムの開発やいじめ対策支援員の拡充など、安心が広がる学校づくりを進めます。
不登校児童生徒の支援として、学びの多様化学校の設置に向けた準備や、在籍学級外教室「ステーション」の拡充に加え、フリースクール等の民間施設との連携強化に取り組みます。併せて、学校外における定期健康診断の受診機会を確保します。
また、部活動の地域展開や民間プール施設での水泳授業の実施など、専門的な指導の推進や教員の働き方改革に取り組みます。
こどもや若者の多様な活動の機会を広げるため、小学生向けの起業体験ワークショップを実施するとともに、公共スペースを活用した中高生の居場所づくりのモデル事業に取り組むほか、新たな協働を生み出す「仙台若者未来フォーラム」を開催します。

施策の第二の柱は、「世界に誇れるまちを創る」です。
交流人口の拡大に向けて、仙台ゆかりのコンテンツを生かした集客施設の誘致や東北周遊モデルルートの作成、欧米やタイ、台湾などからのインバウンド拡大に取り組むほか、ラグジュアリーホテルの誘致に係る検討を進め、都市ブランド向上につなげていく考えです。併せて、定禅寺通において、現代アートと障害者アートを掛け合わせ、多彩な個性が輝くアートプロジェクトを推進します。
若者の地元定着を図るため、市内中小企業に対し、柔軟な働き方の導入や新規事業の支援を行うとともに、大学とも連携した首都圏からのUIJターン促進に取り組みます。また、女性の健康課題に関する実態調査により、企業のニーズや取り組みを把握するほか、フェムテックに関するイベントを開催し、女性が生き生きと働ける環境の実現を目指します。
中心部の賑わいづくりに向けて、一番町四丁目をはじめとした商店街の魅力的なあり方を検討するとともに、国分町を中心に客引き対策を強化してまいります。
また「稼げる都市農業」を目指し、地元関係者と連携しながら、6次産業化による新たな商品開発や仙台産農産物の輸出を支援します。
本市経済の持続的な成長には、国内外の企業から投資先として選ばれることが不可欠です。企業版ふるさと納税を活用した大学との産学官連携事業の強化を行うほか、本市の強みを生かした産業分野の重点化も検討しながら、次期経済成長戦略を策定します。
地域の特色を生かした賑わいづくりとして、青葉区においては、仙台駅から西公園等をつなぐエリアの魅力発信と活性化に加え、宮城総合支所の建て替えに向けた基本設計を行います。東部海浜エリアでは、周遊促進に向けた二次交通の実証運行や、貞山運河を活用したコンテンツ整備に取り組みます。
長町地区においては、まちづくり団体への支援や長町駅西口広場の機能強化に取り組むほか、泉区では、令和9年1月の新庁舎開庁を目指し、建築工事を着実に進めるとともに、ペデストリアンデッキの延伸等を検討します。
市民サービスの向上や地域経済の活性化に資するガス事業民営化の実現に引き続き取り組むとともに、市バス事業の持続可能な経営の確保に向け、10月に予定する運賃改定に加え、利用しやすさと運行効率の向上を図るため、バス路線のあり方に係る基本方針策定に着手します。

施策の第三の柱は、「共生のまちを築く」です。
誰もが自分らしく地域で暮らすことができるよう、高齢者の補聴器購入補助の新設や敬老乗車証の使用路線の拡充、終活支援条例に基づく相談窓口の設置に取り組んでまいります。
医療的ケア児者等の家族負担軽減のため、医療型短期入所の送迎に係る補助をモデル的に実施するほか、障害者のニーズに応じたサービス提供に向けて、相談支援事業所の体制強化を行います。
また、深刻な社会問題の一つであるヤングケアラー支援については、実態調査を行い適切な支援につなげます。
高齢化が進む中、地域活動の担い手確保は重要な課題です。町内会の持続的な活動に向けた支援策を検討するための調査を行うとともに、欠員地区を担当している民生委員児童委員の活動費を上乗せします。加えて、地域防災を担う消防団の環境整備として、エアコン設置やトイレ改修などを進め、女性や若者といった多様な人材の活躍を推進します。
仙台赤十字病院の移転後も地域の皆さまが安心して暮らせるよう、医療機能の確保を含む跡地利活用について調査検討を進めるとともに、令和9年度の小松島救急隊新設に向けた準備に取り組みます。
昨年実施した外国人住民実態調査を踏まえ、やさしい日本語による情報発信や外国人の医療受診サポートに取り組むほか、権限移譲を受けるパスポート事務や住民登録などを一体的に行う「(仮称)仙台シティフロントセンター」の令和9年度開設に向けた準備を進めます。
安全安心な暮らしを支える都市基盤の強化に向けて、大規模林野火災など特殊災害への対応体制の拡充を図るとともに、道路施設の長寿命化や上下水道施設の老朽化対策を行います。また、マンホールトイレの整備をはじめとした指定避難所の環境改善や、昨年のカムチャツカ半島付近の地震を踏まえた避難の丘における暑熱対策を実施します。
出没数が急増したクマによる被害防止を強化するほか、太陽光発電事業については、適正な設置に向けて、条例改正による手続きの厳格化に取り組みます。

最後に行政経営と職員の意識改革についてです。
長く続いたデフレ局面からの脱却や本格的な人口減少社会の到来など、社会経済の潮目は大きく変わりつつあります。このような時代だからこそ、ひとや企業を呼び込み、賑わいと活力を生み出す未来に向けた投資が必要であり、それが都市としてのさらなる成長につながります。
こうしたまちづくりを進めるためには、従来の延長線上にとどまらない行財政改革が重要です。DXも活用した業務プロセスの抜本的な見直しをはじめ、公共施設のあり方や負担水準の検討に着手するとともに、基金再編などの手だても講じながら、まちへの投資と持続可能な財政運営が両立した、将来世代に責任ある都市経営に取り組みます。
情報あふれる現代社会において、市民の皆さまをはじめ多くの方々に、各事業に込めた思いやその背景にある理念を確実に伝え、理解と共感を広げることは、信頼ある市政の推進に欠かせません。新年度、民間の知見を生かした広報スキルの向上と戦略的な情報発信の強化を図ります。
そして、職員一人ひとりの主体的な行動の積み重ねが、まちの未来を創ります。将来像を共有し、自らの手で形にする気概を持つこと。変化を恐れず、果敢に挑戦し続けること。組織の垣根を越えて力を結集すること。新たな時代を切り拓いていけるよう、職員とともに取り組んでまいります。

課題先進地ともいわれる東北は、より良い未来に向けた先駆けとなる地域でもあります。本市が目指す特別市は、行政の効率化や迅速化のみならず、移譲される権限や財源を生かしながら、東北における広域的な課題解決にも貢献していこうとするものです。今般立ち上がった国の地方制度調査会において特別市の議論が着実に進むよう、関係機関と連携し取り組みを加速させてまいります。

以上、市政運営の所信の一端と施策の大綱について申し述べてまいりました。
今ここで刻む一歩一歩がまちの未来を紡ぎます。笑顔あふれ世界から選ばれるまちへ、確かな歩みを進め、仙台を新たなステージへ押し上げる。その決意を胸に駆け抜けてまいります。
議員各位及び市民の皆さまのご理解ご協力を心からお願い申し上げます。

仙台市長 郡 和子

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まちづくり政策局政策企画課

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