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更新日:2025年4月1日
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仙台市の彫刻のあるまちづくり事業は、昭和52年度に仙台市制施行88周年記念事業として始まり、街の緑の空間に彫刻を配置し、芸術性豊かで文化の薫るまちづくりを推進してきました。
平成13年3月までに、第1期12作品、第2期12作品を設置し、24年間にわたり1年に1作品ずつ設置してきた彫刻のあるまちづくり事業が完了しました。
この事業では、学識経験者からなる「仙台市彫刻のあるまちづくり委員会」の審議報告に基づいて、先ず設置する場所を選定し、次に設置する場所にふさわしい作風の彫刻家を選定します。選定された彫刻家は、現地を視察してから作品を構想し、制作案を作成します。さらに模型による現地シミュレーションを実施し、作品を決定します。この現地オーダーメイド方式は、都市空間に調和した彫刻設置方法として多くの市町村の参考となり、「仙台方式」と呼ばれています。
これらの手順を経て設置された彫刻は、新たな美の創造として市民に親しまれ、杜の都仙台の伝統に基づいたまちづくりの象徴ともなっています。
彫刻は、立体で表現された空間芸術ですから、それ自体がひとかたまりとして存在するだけではなく、その周辺にも新たな空間を創っています。いろいろな方向から見て、変化する空間の美を感ずることもできます。仙台のまちに設置された彫刻は、緑に囲まれたその場所にふさわしい彫刻を特別注文して制作したものです。杜の都仙台には、緑と彫刻が彩る新たな都市空間が生まれてきているのです。
日本での彫刻の歴史は、近世まで仏像を中心とした木彫がその伝統的なとらえ方でした。生活空間や公共の場所に彫刻を置いて鑑賞することは、明治時代以降のものと言えます。日本の野外彫刻は、銅像がその始まりで、戦前までは、著名人の銅像が公園や広場に建てられていました。新たな造形物が公共空間に設置されるようになったのは、昭和30年代後半頃からのようです。各地の野外彫刻展が定期的に開催され、多くの野外彫刻が設置されるなど、大きな変化が起こりました。
その中にあって景観に調和した彫刻の設置が強く求められてきています。「仙台方式」と呼ばれる彫刻の現地オーダーメイドの設置方法が高い評価を得ているのは、まさにこの都市空間に配慮した設置方法だからなのです。彫刻が市民に身近なものとなってきている現在、この「仙台方式」を引き継ぎ、さらに深めていくことが重要となっています。
【杜と彫刻】作品一覧
Sculpture and Foliage
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1「緑の風」 →せんだいくらしのマップ 台原森林公園(外部サイトへリンク) -緑の街・仙台-私はすぐ、透明で爽やかな緑の微風が、身体のまわりを過ぎてゆく街のことを思います。 佐藤 忠良 |
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2「茉莉花」 →せんだいくらしのマップ 台原森林公園(外部サイトへリンク) 白い花びらをつけて、気品ある香りをただよわせる茉莉花、音感も快いリズムをもつ。 舟越 保武 |
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3「夏の思い出」 →せんだいくらしのマップ 定禅寺通緑地(外部サイトへリンク) 踊り子は生長しはじめる、寒気は無慈悲、ゼラニウムやユウカリ、香りをはなつレモンの葉は枯れた、枝の上に干からびた果物だけを残してこの厳しい寒さ、しかし空は晴れて来た枯れた小枝にも新芽は再び出て来る、喜びと生まれかわる生命の歌のように私の踊り子も生長しはじめる、その身体はしなやか、その手は心を語る青空の中にそびえ・・・ エミリオ・グレコ |
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4「杜のうた」 榴岡公園 榴岡公園の噴水彫刻は、草花や樹木からヒントを得たフォルムですが、すべての植物が天に向かって伸びて行くその生命を支えるのは水であり、太陽の光であるこの絶え間ない水の循環とそれに伴う色とか音の複雑な変化に自然の美とミステリーを表現するものです。 ジョージ・蔦川 |
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5「水浴の女」 →せんだいくらしのマップ 定禅寺通緑地(外部サイトへリンク) (略)一つの作品を実際に創り上げる様にさせる原因は多く、又いろいろと違うと思います。思いつきが、何か生命の現れと遭遇した時突然浮かんでくることがあり得ますし、又は何年間も心の中で熟してきている事もあります。 (略)芸術作品は、詩的な内容と形態的要素とで成立つものですから、一つの作品の効果は、主にこれらの二つの価値を如何に割り当てるかという作家の手腕による・・・ ヴェナンツォ・クロチェッティ |
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6「風の音」 少年の頃、僕にとって木はいつも身近な仲間だった。家の前に大きな楠の木があり、その頂に登って遠くを眺めると繁った葉の間から遥かに海が光ってみえる、そんな自然の広がりに心が躍るのだった。今も空に向かって枝を大きく伸ばした木の下を通る時、ふっと遠い日の思い出が心に蘇って来る。 山本 正道 |
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7「ふたり」 私のなかで、長い時間、遠くの風景として見ていたのかも知れない二つのフォルムが、広い空間のなかに立ったとき、ふいに近づいてきて、新しい展開を始めました。 朝倉 響子 |
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8「三世代」 「三世代」は、空気や木々や花々に囲まれた休息のひとときを求めて出かける数多くの家族の一例です。彫刻が設置されるまさにその地で、私はこの情景を見ることができました。構成は控えめです。人間像が坐る平らなベンチはブロックの形で、垂直に一人の娘がまっすぐにすわり、そしてもう一人の年を重ねて腰の曲がったおばあさんと、母の膝にかかえられた果物か花のような裸の子供です。台座は、周囲の緑の空間の中で、全体を際立たせるためのものです。人物像は遠くからでも人間の形を見失わないように、等身大より少し大きめです。 フランシスコ・スニガ |
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9「杜に聴く」 杜は憩いの場、そして新しい活力を与えてくれる。 雨宮 敬子 |
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10「オデュッセウス」 →せんだいくらしのマップ 定禅寺通緑地(外部サイトへリンク) 私の「オデュッセウス」のブロンズ像が、仙台市の彫刻のあるまちづくり事業の作品に加えられることをたいへんうれしく思います。 ジャコモ・マンズー |
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11「牧歌」 →せんだいくらしのマップ 台原森林公園(外部サイトへリンク) 「牧歌」は作者の絶作となった作品である。不治の病と闘いながら、最後は入院先から外泊許可をとって作品制作に精魂を傾け、粘土原型を完成させてから不帰の客となった。 宮城 正俊 |
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12「季の杜に」 捲想(けんそう)のかいなの中で男は為止(しさ)さりし時の流れを女は予感の中で・・・ 一色 邦彦 |
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【杜の都の彫刻】作品一覧
Sculptures in the city of trees
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13「Waving Figure(波貌)」 →せんだいくらしのマップ 地下鉄長町南駅広場(外部サイトへリンク) 作品のコンセプト発展と融和 建畠 覚造 |
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14「晴朗な日」 →せんだいくらしのマップ やまいちサステナパーク七北田公園(外部サイトへリンク) 「晴朗な日」について 黒川 晃彦 |
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15「道香」 →せんだいくらしのマップ せんだい農業園芸センターみどりの杜(外部サイトへリンク) 仙台の街を南にしばらく行くと、昔の細い町並みにぶつかり、曲がったところの道端の隅にススキの穂が銀色に光り、風に揺らいでいた。田園の真中に、仙台市農業園芸センターがあった。芝生広場に座って、沼を目の前にして、遠く広がる海岸の松林をぼんやり眺めていると、現代人の日毎の生活は、「何だろう」と考えさせられる。今こそ、激動する世界にあって、安心して、休んで、そして考える人間にこそ大切である。それを彫刻に表現したい。 掛井 五郎 |
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16「平和とやすらぎの広場」(道標・鳩) →せんだいくらしのマップ 台原森林公園(外部サイトへリンク) 平和の鳩と言われる孔雀鳩一その孔雀鳩が文化都市仙台の台原森林公園芝生広場に、空から降りてきた。 柳原 義達 |
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17「梟の森<月に吠える>」 花崗岩3点332x156x121cm、243.5x130.5x78cm、176x118x88cm →せんだいくらしのマップ 若林区ふるさと広場(外部サイトへリンク) ずいぶんと長い間、石に梟を彫り続けています。 少年の日々野鳥たちは、ぼくの友達だった。満開の桜並木の中を枝から枝へと花をついばんでいたヒヨドリやハナメジロたち。青白い月に照らされた柏の大木の枝に止まって、月に吠えていた梟たち。銀色に輝くすすきの海原を風を切って飛んでいたホオジロやカワラヒワたちよ。僕の愛すべき友達は何処にいってしまったのであろうか.そして、今、杜の都の古い石組の疎水と柳の大木のたたずまいの中でぼくの梟たちは月に吠えていた。まるで故郷の森に帰った様に。 手塚 登久夫 |
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18「逓-昨日・今日・明日-」 ブロンズ750x360x350cm →せんだいくらしのマップ 仙台市博物館(外部サイトへリンク) 一昨日から昨日へ、昨日から今日へ、今日から明日へと5千年分の昨日から、はるか向こうの明日に向かって人類の記録、地球の記録が配達されています。大切なことは、今日は昨日を丸ごとしっかり受け止める事、そして明日へ宛てて便りする事。 藤原 吉志子 |
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19「時の広場-Piazza del Tempo-」 勾当台公園の円形花壇の空間を活発にするため、時計の指針の動きから発想して針のような先端鋭角の三角形態とし、先端を接地させた。作品の方角は制作地のイタリアのミラノを向くようにした。くり抜かれた三角形態の下面部を誰もがくぐり抜けてみたいと思うだろう。市民が彫刻の中に溶け込み、空間が生きてきて、円形花壇に回転運動が生ずる。時間が加わり、生きることにつながってくる。 吾妻 兼治郎 |
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20「旅人(羊飼い)」 真鍮400x270x210cm 我々が生きて行くことは、遠い道を行く旅人と同じである。 池田 宗弘 |
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21「子供の領分:夢見る時代」 →せんだいくらしのマップ 泉区役所前ふれあい広場(外部サイトへリンク) 泉区役所前は、多くの市民が通るところです。そこの広場には樹木や花がいつもいっぱいで、緑の多い、広がりのある場所です。ついついのんびりと通りたくなる小径もあります。 小林 照尚 |
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22「天」 広大な葛岡墓園に設置される彫刻「天」は、ここを訪れる多くの人々の心を悠久の世界へいざなうという構想で造られた。 速水 史朗 |
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23「風景の記憶」 →せんだいくらしのマップ やまいちサステナパーク七北田公園(外部サイトへリンク) 初めて現場を訪ねる時、出来るだけ既成概念にとらわれることなく、真っ白なキャンバスに向かう画家のような、わくわくした気持ちで私は出かける。そこにしかない、私の創造力を刺激する何かを、発見出来るかもしれない。私は、そんな思いで七北田公園に出かけた。公園では、年配の男たちが、まるで少年のように夢中になって、紙飛行機を飛ばしていた。私は、ここにふさわしいイメージを求めて徘徊した。目に見えるものだけでなく、立ち止まり、目を閉じて、音や空気、匂いなどにも神経を集中しながら、想像してみた。すると、私が本当は知らない、ここの季節や、天候や、時間を捕え続ける装置のような作品のアイデアが、自然と浮かび上がってきた。 新宮 晋 |
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24「飛翔する鳥と少年」 →せんだいくらしのマップ 中田中央公園(外部サイトへリンク) 翼を大きく広げ、空を自由に飛び交う鳥の美しさと、鳥たちがもつ生命の不思議さにひかれ、私はこれまで丹頂鶴や鴎など、鳥をテーマにいくつかの作品をつくってきました。 淀井 敏夫 |
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