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更新日:2017年5月9日

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質疑応答の概要(平成29年5月9日)

平成29年5月9日

 

(1)4月に発生した中学生の自死事案について、教育長はいじめ問題専門委員会への諮問を示唆したが市長の考えを伺う

極めて重大な事案でありますし、生徒の皆さんによる調査の結果は私もまだ拝見していませんが、昨年のアンケートでもいじめに関連するような状況が見られていたということを考えれば、しっかりとした調査を進めるためには教育長の考える方向性が一つの進むべき道ではないかとは思っています。ただ、このことについてまだ教育長から報告を受けているわけではありませんので、教育委員会としての議論を踏まえたうえでということになると思います。

 

(2)今回の事案は平成28年2月の事案と比べ、いじめと思われる事実が多く確認されており専門委員会への諮問が妥当と思われるがいかがか

諮問をし、調査を深めていくというのは、今後われわれがさらに取り組まなければいけない対策の在り方を考えるうえでも必要なプロセスではないかと考えています。ただ、教育委員会として委員の皆さんの中でしっかりと議論したうえで諮問をするという段取りだと承知をしていますので、市長としてあまり先走りすぎることは差し控えたいという趣旨です。

 

(3)専門委員会へ諮問することが望ましいという考えか

私自身が今持っている情報や私自身の判断からすれば、まずは常設の専門委員会で議論をしていただくということが、一定の方向として今後考えられるのではないかと思っています。

 

(4)昨日、教育委員会より平成28年2月の事案について調査結果とともにご遺族の所見書が提出されたが、市長は内容を確認したか

所見書は拝見をいたしました。ご遺族、特に保護者として、大変悲痛な思い、深い思いに襲われたということ、また真実を知りたいというお気持ち、そうしたものが切々とつづられていたというふうに受け止めさせていただきました。

 

(5)平成28年2月の事案について再調査の可否を判断する時期を伺う

私自身に今、締め切りとして定めているものはありません。いただいている所見書や、委員会の答申書もかなり詳細にわたっていますので、これらを読み込みながらどこをポイントに再調査という判断に立つかを決めるということになると、やはり一定の時間をいただいたうえでしっかり判断をしていきたいと思っています。

 

(6)今回の事案を受けて市として新たな自死防止の対策を講じるのか伺う

今具体的なものはありませんが、少なくとも過去1年、当該学校においても教育委員会と一緒にさまざまな取り組みを進めてきましたので、それらがどのように行われ、そこで今回の事案に関連したものがどのように把握されていたのか、または十分に把握されていなかったのか。予兆として把握されたものがあったとしたならば、それらに対してどういうフォローがなされていたのか、フォローの中のどこが欠けていたのか。それらを事案に即して、一連のプロセスの中で検証していく必要があると思います。さらに、より広く他の学校でそういった場合にどういう対応が行われていて、どういったことで効果が上がっていたか、もしくは学校全般として、まだまだレベルがあがっていないという部分があったとすればそれはどこなのか。そうしたことをまずはしっかりと詰めていくということが必要ではないかと思います。

 

(7)今回の事案を受けて教育委員会が各学校に発出した自死防止に向けた文書の内容に違和感があるとの声もあるが、どう受け止めているか

教育委員会から届けられた文書を読んでいますが、今回に関しては特に違和感を感じたことはありませんでした。

ただ、いろいろな受け止め方があることですし、特に、3例目ということの重みや、当該校の生徒の受け止め方、また近隣の学校の受け止め方など、受け止め方によっては同じ言葉であっても響き方が違うというようなこともあると思います。そういったことについては、専門家の方々のアドバイスや知見、場合によっては保護者の方の率直なご意見も伺いながら、よりよい訴えかけ方があるのかどうか検討していく必要はあるだろうと思います。

 

(8)中学生の自死が3件続いたことに対する市長の責任をどう考えているか

私としては、大変重大な事態であると思っています。お話のとおり、非常に短い間で事案が重なっているということですので、深く深く受け止めなければならないと思います。

私自身としても最初の事案の時から、これは大変重大なことだということで、教育委員会とも連携をしながらできる限りのことに取り組んできましたが、現時点においてその対策が十分なものになっていないという現状があります。これをさらにしっかりと検証しながら、安心して学校に通える、また保護者の方にとっても安心して子どもを学校に通わせられるという、教育の基本となる信頼感を得られるような教育環境づくりに努めていきたいと思います。

 

(9)平成28年2月の事案に係る再調査の可否は5月中を目処に判断するのか

今の時点で、特に期日を定めているわけではないことは、先ほどもお答えしたとおりです。しかし、いたずらに時間をかけるべきものとも考えておりませんので、私としても答申を含めてできる限りしっかりと読ませていただいた上で、なるべく早い時期に適切な判断を行えるように努めたいと思います。

 

(10)平成27年度の仙台市における自殺者数は185人であった。学生に限らず市として広く自死予防に取り組むべきではないか

仙台市の自死の方の数がご指摘のような数であるのはお話のとおりかと思います。成人者の自死は経済状況とパラレルな関係があるという指摘が調査等で出ており、リーマンショック直後などの時にはいわゆる雇い止めやいろいろなことがある中で、経済的な困窮や先行きの見通しのなさなどから自死を選ばれる方が200人を超えたという時期がございました。

そうした中でさまざまな自死対策に取り組んできましたが、激減するという状況ではないことも事実です。社会全体で自死に至らないように、仮に個人が失職してもさまざまな福祉制度や近隣の方の支えも含めて、社会全体として生きることを応援していこうという意味での自死予防に向けた取組みというのは、もっと進んでいかなくてはならない部分があると思います。

子どもたちが自死について考えるきっかけになったと聞かされたものに、身近な方を亡くされたご遺族の方が、家族に死なれていかにつらかったかということを高校生など一定年齢以上の子どもたちに話すということがあります。「自分のことだけではなく残された人にもつらさがあるんだということがよく分かった」という子どもたちの感想文を読んだことがあります。さまざまな形で社会全体で生きることを支える自死予防について、一段と取り組みを強めていく必要があるだろうと思います。

 

(11)教育委員会の自死予防の取り組みは学校内でのものにとどまりすぎていないか

教育委員会独自ですぐにできることとして、専門家としてのカウンセラーや教員など、マンパワーを中心に対策できることを考えがちだということはあるかと思います。子どもたちの環境の大きなものとしては地域社会がありますので、地域社会が持っている気づきであったり、また学校が子どもにとって居心地の良い場でなくなった時に、第1の場としての家庭、第2の場としての学校が中心であることは間違いないにしても、第3の場として地域社会に何か受け皿ができないかなどについては、一朝一夕にできることではないとは思いますが、より前向きに考えていく必要のあることではないかと思います。

 

(12)市長選挙に大久保三代氏が立候補を表明したことについて市長の所感を伺う

国会議員でいらっしゃった時に、私も何度かお話をさせていただきました。当時復興の中で地元選出国会議員としてご理解、ご支援をいただきたいという趣旨でしたけれども、当時はお子様が非常に小さかったという状況であるにもかかわらず、国政に対して非常に前向きでいらっしゃって、お話も熱心に聞いていただいたという印象を持っておりました。

 

(13)大久保氏は市バスの経営改善などを掲げているが市長の受け止めを伺う

国政にもいらっしゃったので、地方自治体の現状としての少子高齢化の課題等にもご見識があると思いますし、また仙台にお住まいになっていらっしゃるので、そうした問題提起をされているのではないかと思います。市営バスの経営状況が厳しいということは私自身も申し上げてきたことですので、そういったことをご自分の手で解決していきたいというお気持ちなのかというふうに拝見していました。

 

(14)1人しか市長選の出馬表明をしていない現状をどう考えるか

何人かの候補者の方についてそれぞれお名前が出たり、またはそれぞれ動いていらっしゃるようなお話を聞くところではありますけれども、具体的に表明されたのはお話のとおりかと思います。市民の方が今後の市政のあり方を託すという意味でいろいろ情報を知り考えを深めるためにも時間は必要ですので、そういう意味ではそろそろご決意、ご意志のある方に名乗りを上げていただく時期ではないかとは思っています。

 

(15)知事が市長選の候補者について、経済界の方に期待するとの発言をしているが市長の受け止めを伺う

知事にお会いしたときに、知事としてはいろいろな方の中に経済界も入っていたのであって、経済界の方が良いと言ったわけではないとのお話を聞きました。知事はいろいろな要素を並べられた上で、その中から適任の方が出れば良いというのが自分の本意だとお話されていたと思います。

 

(16)知事が市長選の立候補者について発言することに市議会から反発する声も聞かれるが

市議会としてそのようにお考えになるのは率直な気持ちだと思います。一方で知事は政治家でいらっしゃるので、政治的な状況に対してご自身の考えを述べるというのはごく普通のことです。考えが全くないと言われるとそれはどうなのですかとなるでしょうし、お互い政治家としての立場で思うところをはっきり県民市民の前で述べ合うというオープンスタンスが良いのではないかと思います。

 

(17)市長選の争点に関する市長の考えを伺う

仙台市は過去6年間、復興を大きな中心課題として市政を運営してきたと思っています。復興で残っている事業はまだたくさんありますが、一定の段階をクリアしたという受け止めを私自身はしています。

そうした中で今後、少子高齢化の問題、生産年齢人口が減少することを考えると、税収が少なくならないようにどのように税収源を増やしていくか。また生産年齢人口が減少すると、例えば市バスの話もありましたが、通勤通学の人が一定数いるという前提で成り立っていた地域交通のようなものが、トータルの人口は一定数いるけれども定期券を購入するような人が減ってくるので、そうした中でどのように交通事業の今後を見通していくか。広くは少子高齢化に伴う今後のまちのあり方、どういうビジョンを持ってまちづくりをしていくかが大きな争点ではないかと思っています。

 

(18)市長選の候補者選定に停滞感があるように感じるが、市長はどのように捉えているか

市民の方から見てやや停滞感のある状況になっているとは思います。ただ、個別にお話を伺うと、議員の方などそれぞれ今後のことを考えて動いていらっしゃるということだと思います。いずれ何らかの形になるための動きは行われているのだろうと思います。なるべく早く市民の方も議論に参画できるような形が整っていくことを願っています。

 

(19)現時点で候補者として期待する方はいるのか

特に今の時点ではありません。

 

(20)安倍首相が進める憲法改正について所感を伺う

改憲の議論は国政の中で最も重要な課題のひとつだと私自身は思っています。例えば安保法制の改正についてもいろいろな国民的な運動や議論があったわけで、憲法となるとさらにその上位の法律になりますし、戦後70年の間、現憲法のもとで過ごしてきましたので、その見直しということになれば、相当に時間をかけて丁寧に国民の中で見直す意義や論点などの議論が深まるような方向をまず考えていただきたいと思います。

 

(21)首相は2020年の施行を目指すとしているが、議論を行う期間として妥当だと思うか

国民的な議論を深める場をどうつくるか、そのつくり方ですとか、それにどれだけ時間やエネルギーを政権として注いでいくのかということにもよると思います。

例えば途中で大きな国政選挙があれば政局ということになるでしょうから、どの程度の本気度を持ってその議論を深める作業をするかによって3年が短いか長いかということになると思います。

ただ、一般的には3年というのは決して長いと言うほどの期間ではないと思います。

 

(22)市長は改憲の意義をどう考えるか

憲法については憲法の成り立ちからいろいろなご意見があります。憲法改正に向けて強い思いを持っている方もいらっしゃいますし、改正の論点に対するスタンスもかなりの幅があります。そういう意味では一概に賛成とか反対とかというものではありませんが、国民の中でこれだけ議論が深まり、ある意味では政治的な亀裂にもなりかねないものです。

それを見て見ぬふりをすることも適切ではないと思いますので、しっかりとした議論を深める中で憲法というものが国民全体にとってどういうものであるのか再度議論を深めていくことも、70年たった今では必要かもしれないと思います。ただ拙速に改正ありきで進めていくのは正しいとは思えないという意味合いです。

 

(23)栗原市で大規模な山林火災があったが、これを受けて何か対策を指示したのか

特に私の方から消防局に指示をしたことはありません。

ご承知のとおり一般的には山火事は3月がピークとなります。新緑が出てくると山に水分が出ますので延焼しにくくなりますから、3月から4月の中頃までが山火事の危険シーズンということで消防団を中心とした見回りの実施や、たばこのポイ捨てをしないように啓発をしています。

今回の出火原因や詳しい事情にもよりますが、強風が被害を大きくしたのではないかと思います。教訓としては、山火事が3月4月のものではなく新緑の緑で覆われてしまっても大規模火災がありうるということを地元の消防団も注意喚起に努めていただくことが一番だと思います。これから特にハイキング客が増えますのでそうした方々のたき火の残り火や、山菜採りなどで山に入られた方のちょっとした火の不始末、たばこのポイ捨てなど、そういった火の気のあることを山の中でしてはいけないということを徹底していかなければならないと思いました。

 

(24)市長のゴールデンウィークの過ごし方について伺う

若干時間が取れましたので、母がおります実家に顔を出しました。4月8日に私が会見を行ったことについて少しはニュースとして聞いているとは思いますが、普段は耳が遠くなったので電話では詳しく話しても伝わらないものですから、顔を見てそういう話をしながら、母の状況のお見舞いということで行ってきました。

 

(25)市長を引退することについて何か言葉があったのか

ご苦労さまでしたとは言っていただきました。まだ任期があるのだと私は言いましたけれども。

 

仙台市長 奥山 恵美子