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更新日:2024年4月25日

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ガーデンデザイナーによる美しい四季の景色を織りなすガーデンギャラリーを立ち上げ【仙台市中小企業チャレンジ補助金取組事例】

GREEN CALM HOUSEの取組事例

GREEN CALM HOUSEガーデンデザイナー田代吉宏さんは、全国を舞台に、一般住宅から幼稚園の園庭、結婚式場、自治体の植栽依頼まで、幅広いフィールドでのガーデンデザインと施工を手がける。田代さんは平成30年開催の第20回「国際バラとガーデニングショウ」でガーデナー仲間と共に大賞を受賞した経歴も持つ実力派だ。受賞した《おだやかに暮らす~庭とともに~》は居心地の良いナチュラルガーデン。国際的なガーデニングコンテストはトレンドの発信地でもあることから、それまで主流だった華やかに魅せる庭づくりから、暮らしの中で季節の移ろいを感じるナチュラルな庭づくりの魅力が全国的に広がっていった。

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幼少期から絵を描くのが好きで、小学生の頃には漠然とものづくりの道に進みたいと思っていた田代さん。少年期に仙台に移り住み、初めて見た定禅寺通りのけやき並木に、「なんて美しい街だろう!」と感動したと言う。「いつか自分の描いた絵をかたちにできたら」とガーデンデザインの道を志す。その後、幾多ものキャリアと独学を重ねて独立した。ヨーロッパテイストのナチュラルガーデンを数多く手がける田代さんのガーデンは、美しい樹木と宿根草※で構成され、レンガや石、ウッドの素材まで全てに拘っている。どんな状況下でも妥協しない美しいデザインの田代さんのガーデンは、植物に対する愛情がひしひしと伝わってくる。「一年草のパンジーやビオラも可愛いのですが、1年を通して変わり映えのない姿に物足りなさを感じていたんです。その一方で宿根草は、変化があるんです。その姿は生命の循環を感じるし、株が育って、年々姿も変わっていくんです」と、愛おしそうに宿根草の魅力を語ってくれた。

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GREEN CALM HOUSE代表の田代さん

※宿根草……植物は一年草(1年のみ生育)と多年草(2年以上生育可能)に大きく分類される。宿根草は、多年草の中でも乾燥する冬は地上部を枯らすものが宿根草に当たる。宿根草は一年草と違って頻繁に植え替える必要がないため、手入れがしやすいことに加えてサスティナブル的観点からも注目が集まる

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令和6年2月27日、令和5年度仙台市中小企業チャレンジ補助金を活用し、青葉区上愛子にガーデンギャラリー「FIBONACCI BLOSSOM」をオープン。この場所を拠点に、一般的なホームセンター等ではなかなか取り扱いがない、田代さんのガーデンでよく使われているお勧めの宿根草や、樹形の美しさに拘った樹木をメインに、卸売・小売をスタートした。ガーデンギャラリーの一角にあるショップを設け、国内外から仕入れたお洒落なガーデニングを楽しむインテリア等のアイテム販売も行う。ショップ入り口のドアひとつとっても可愛らしく、意匠のひとつひとつから遊び心が見受けられる。

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「FIBONACCI BLOSSOM」オープンに至る最初のきっかけは、苗を大切に保管するスペース確保の必要性を感じたエピソードにあるという。令和5年全国都市緑化仙台フェアや令和9年開催予定の横浜国際園芸博覧会に向けた制作など、自身のデザインを発表する場がここ数年で多かった田代さん。開催期間中、田代さんのガーデンを見たお客様達から、ガーデンに植えてある植物と同じ植物を購入したいとの声が数多くあったことと、作庭で余った苗を無駄にせず、保管・育苗し販売したいという思いが、「FIBONACCI BLOSSOM」をオープンするきっかけとなった。補助金活用を検討した際は「ただ苗を保管・販売するだけではなく、四季折々の美しい宿根草の魅力を実際に見て感じてもらえたら」と構想を膨らませ、採択とともにサンプルガーデンの造成とショップ開業へ踏み切ることとなる。

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「これまでの経験から言うと、緑化関係のイベントでご一緒した市民ボランティアの方が宿根草を気に入ってくれて、『これはどこで買えるの?』と聞かれることも多くて。そういう時に『うちで売ってますよ』と言えるようになったら理想的だなという想いもありました」。

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現在、苗の販売は卸売の割合が高いものの、一般の方にも宿根草のある暮らしが広まって欲しい想いがあるという。「ガーデニングを好む世代は30代以上の方が多いですが、もっと若い人、更には属性問わず興味を持っていてもらいたいので、おしゃれで居心地の良いガーデンを発信していきたいです。庭って、戸建ての人だけのものではないんです。アパート暮らしでお庭がなくても、ベランダで宿根草を育てることでお庭のような空間を感じられるとか、そういう発信をしていきたい。このサンプルガーデンも、その一環のつもりです」と熱を込める。

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「補助金のおかげでショップやガーデンを構想当初よりもしっかり整備できたものの、今の土地を手狭に感じているのも事実です。維持などは大変かもしれませんが、いつか更に大きなサンプルガーデンの常設を実現できたらいいですね。これからも、時代やその場所にあった新しいガーデンスタイルを提案し続けていけるデザイナーでありたいと思っています。」と声を弾ませる田代さん。田代さんのデザインはスケッチを飛び出し、庭だけではなく人々のライフスタイルまで広がっていく。

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(令和6年3月取材)

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