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更新日:2025年3月24日
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事業者 |
株式会社パリンカ 仙台市青葉区霊屋下19-8 |
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活用補助金 | |
既存事業 | イタリア料理店 |
瑞鳳殿のすぐそば、青葉区霊屋下にある「パリンカ」は、宮城・東北の食材にこだわったイタリア料理店です。季節感を大切にした料理と素敵な音楽を楽しめるお店として、地元の方々から愛され続け、来年、創業から30年を迎えます。
今回、業務改善助成金を活用し、厨房内の設備投資に取り組みました。補助金をどのように活用したか、代表取締役の小関康さんに伺いました。
(PDF:2,774KB)
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──はじめにお店の概要について教えてください。
当店は宮城県や東北各地の食材にこだわった、地産地消のイタリア料理店です。普段のランチ、ディナーの営業はもとより、ウエディングでの利用も可能です。
「本物の音楽を聴きながら、おいしいものを召し上がってほしい」というコンセプトで店を始めたこともあり、時折、ピアノやバイオリンなどの生演奏が聞けるイベントも開催しています。
普段より少しぜいたくな時間を、お客様に過ごしていただきたいというのが私たちの想いです。ありがたいことに、開店当初から通ってくださるお客様もいらっしゃいます。
──業務改善助成金(厚生労働省)とその上乗せの補助金である生産性向上・賃金引上げ応援金(仙台市)を活用したということですが、どのようなきっかけがありましたか。
飲食店はどこも人手不足の状況が続いていると思います。当店も例に漏れず、働く場所として選んでもらうためにも、賃金の引上げは取り組むべき課題と考えていました。
一方で、賃金を引上げるためには、その原資を確保する必要があります。そこで、料理等を提供するまでの一連の流れや在庫管理の方法を見直し、設備投資を通じた効率化や生産性の向上に取り組むことにしました。
──具体的な設備投資の内容について教えてください。
まず1つ目は、IHヒーターを導入したことです。調理場では調理用のコンロとパスタを茹でる用のコンロに分けているのですが、そのうちパスタ用のコンロをIHヒーターにしました。
パスタはたくさんのお湯で茹でる必要があるため、営業中はずっと大きな寸胴鍋を沸かしっぱなしにしています。これまではガスコンロを使っていたのですが、沸騰させ続けるには、どうしても周囲に熱が漏れてしまいます。熱効率が悪く、調理場の温度は冬でも冷房を入れないといけないくらい高くなっていました。真夏はもっとひどく、職場環境としても改善しなければならない状況でした。
それが今回、IHヒーターにしたことで改善できました。熱が外に漏れませんし、火力もメモリの操作で簡単に調整することができ、塩分濃度や茹で時間の調整も楽になりました。調理場内の温度もかなり下がり、職場環境の改善にも繋がりました。
また、コンロの掃除もかなり楽になりました。ガスコンロの五徳は10キログラム程度の重さがあるうえ、塩分で腐食しやすく、こびりつきをとるのに一苦労でしたが、IHヒーターになって、布巾でサッと拭くだけできれいにできるようになりました。
──電気代はどうですか?
ガス代と比べて上がっている印象はありません。導入の際、専門事業者の方と相談してコストは今までと変わらないことを確認してから導入しましたが、実際に数字で確かめて、安心しました。
──もうひとつ、ワインセラーも導入されたと伺いましたが、そちらはいかがですか?
赤ワイン用と白ワイン用で2台導入しましたが、こちらもとても良かったです。ワインはこれまで厨房の裏にある保管庫に置いていました。比較的涼しい場所で保管していましたが、温度管理が難しい状況でした。真夏には外気温の影響もあり、品質が変化してしまうこともありました。
しかも動線が長く、お客さまから注文を受けたあと、厨房を通って、保管庫に行って、ワインを出して、提供に適した温度帯に調整して…と、どうしても時間がかかってしまいます。注文を受けてからすぐに提供できるように改善したいと考えていました。
それで今回、カウンター内にワインセラーを導入することにしました。これまでとは違い、常にワインを飲みごろの状態で保管できるので、すぐに提供することができますし、品質変化はゼロになりました。それに、カウンター内のお客様から見える場所に設置したことで、「ワインがある」と認識してもらいやすくなり、注文数が増えました。私たちが料理に合うワインを見定めている様子も見てもらえることができ、複数回の注文にも繋がっています。これは思いがけない効果でした。
──効率化を図ったことで、売上自体が増えたということですね。
そうですね。ワインがよく出るようになったのは、経営的にもとてもありがたいことです。コロナ禍は収束しましたが、気軽に外食する習慣が以前よりも少なくなっている気がします。物価も高騰し、オリーブオイルやパスタ、米、乳製品等、イタリアンに使う多くの食材料費の価格は数倍になっているため、お客様にワインを飲んでいただけるのは客単価の増加につながり大変ありがたいです。
──補助金の活用を考えている方にメッセージをお願いいたします。
当店では以前、仙台市のチャレンジ補助金を活用して、テイクアウトできるマスカルポーネクリームをたっぷり使ったソフトクリームの開発を行いました。その時も思ったのですが、なにか新しいことに挑戦してみたいと思った時に、補助金は力強いパートナーだと感じました。全て自前ではできません。経営状況を見つめ直すきっかけにもなりますし、自分たちがどういう方向に進みたいか見直す機会にもなりました。
私も含め、経営者は一人何役も務める必要があり、毎日多忙を極めていると思いますが、補助金などの制度を利用する機会を、経営を見直すチャンスと捉え、いろいろな方にアドバイスをもらいながら、新たな挑戦に取り組んでいただけたらと思います。
──本日は貴重なお話をありがとうございました。
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