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更新日:2022年10月21日

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第6回「―協働がつなぐ仙台―郡市長とふれあいトーク」(1月15日)

1月15日は、青葉区一番町で就労継続支援事業B型の障害者福祉事業所を運営しながら、アートを通じて地元商店街等の地域や市民と協働し、さまざまな活動に取り組んでいる一般社団法人アート・インクルージョンを訪問しました。

アートプログラムの見学

初めに、アート・インクルージョン・ファクトリー内のアートプログラムの見学をしました。こちらでは、表現者の皆様が思い思いに創作活動している様子や、あふれる表現力で作品を作り上げていく姿に触れさせていただきました。ギャラリー内には事業所内で制作された表現者のアート作品が展示されており、その作品一つ一つにみずみずしい感性を感じました。

※アート・インクルージョン・ファクトリー(以下、Aiファクトリー):就労継続支援事業B型の障害者福祉事業所。事業所内では、障がいのある方が、アートに関わる仕事を通して自立できるよう継続的なトレーニングが行われています。自身の才能を確認し、磨きをかけ、自分の好きな道を追求していくことで、新たな意味と価値を手にしていくことを目指しています。この事業所では、通所者と職員がお互いにフラットな関係を築けるよう、通所者を「スタッフ」もしくは「表現者」、職員を、親しみを込めて「パートナー」と呼んでいます。
※就労継続支援事業B型福祉事業所:雇用契約を結ばずに就労機会を提供するとともに、生産活動を通じて、その知識と能力の向上に必要な訓練などを行う事業所。

見学の様子1

見学

見学2

写真左右 アートプログラム見学の様子 
写真中央 ギャラリー展示作品の見学

懇談に参加された皆さん

一般社団法人アート・インクルージョン
美術家・大学教員 村上 タカシ(むらかみ・たかし)さん
アーティスト 門脇 篤(かどわき・あつし)さん
目標工賃達成指導員(デザイナー) 佐々木 桂(ささき・かつら)さん
職業指導員 髙橋 尚子(たかはし・なおこ)さん
マルシェ参加の作家 工藤 千也子(くどう・ちやこ)さん

市長
本日は、福祉事業所を運営しながら、アートを通じて青葉区一番町や本町商店街において地域との協働を大切にしてさまざまな活動をなさっている「一般社団法人アート・インクルージョン」の取り組みについて、お話を伺いたいと思います。障がいがある人もない人も、共に幸せになっていけるような社会づくりについてのお話を伺えるのではないかと、本日は楽しみにしてまいりました。限られた時間ではありますが、どうぞよろしくお願いいたします。

立ち上げ時の想い

市長
まずはアート・インクルージョンを立ち上げられた村上さん。立ち上げ当初からこういった活動をされていたのですか。

村上さん
現在アート・インクルージョン代表である白木、施設管理者の深野と「音楽を使って障がい者の福祉支援をしていきたいね」ということで活動が始まりました。最初は太白区長町の駅前広場や太白区にある楽楽楽(ららら)ホールの活動でした。当初、白木代表や深野と将来の活動方針について話し合っていくうちに「それはアートを通したソーシャルインクルージョンですね」と話したのがきっかけで、「アート」と「ソーシャルインクルージョン」の考え方を合わせて、プロジェクト名を「アート・インクルージョン」としました。最初のプロジェクトを始めたのが東日本大震災前の2010年11月です。活動を始めて間もなくの2011年3月に震災があり、「障がいのある人だけでなく、被災した人たちも含め、いろいろな立場に置かれた人たちと一緒に活動していく必要があるよね」とみんなで話し合い、復興公営住宅などでも新しいプロジェクトを始め、その後法人を立ち上げ、それからさまざまな活動をしながら、現在に至ります。

市長
門脇さんも当初から関わったのですか。

門脇さん
はい。一回目のチラシのイラストを描いたのを思い出します。
「アート・インクルージョン」の根底にある考え方は、障がいの有無、年齢、性別、国籍などのあらゆる違いを超えて、あるいはその違い自体を価値があるものとしてお互いに認め合い、交流し、社会に参画していくことで全ての人を優しく包み込む社会を実現していこうという取り組みです。団体の使命として、定款には「アートを通して全ての人を優しく包み込む社会を実現すること」とありますが、アートの知識やスキルの有る・無しどころか、アートに関心があってもなくてもいい。アートにはなんでも包摂してしまう力があり、そうした創造性でもって楽しくつながっていこうじゃないか、というような意味です。

市長
こういう空間が街の中にあるということは、ここに通う方のみならず、一般の市民の皆さん方にも刺激をいただける場所なのではないでしょうか。

村上さん
Aiファクトリーは、ぶらんど~む一番町の中にあります。福祉事業所としては平日のみの使用で、週末や祝日、平日の夜はスペースとしては空いております。この立地の良さを生かしつつアーティスティック(芸術的)な活動をしている方々の活動拠点として地元商店街や一般の皆様と連携、協働して活動していければいいと考えています。

門脇さん

村上さん

写真左 門脇さん
写真右 村上さん

日々の活動に対する想い

市長
門脇さんご自身も現代アートの活動をなさっているようですが、どのような点に力を入れていますか。また、どのような視点を持って、活動しているのですか。

門脇さん
一般に「アート」と言うと、平面絵画とか彫刻や音楽といったものを想像されると思うのですが、我々が行っている活動はそれだけにかぎりません。一見すると「さっぱりなんだかわからない」というものが多々あります。自覚的とは限りませんが、既成の価値観や常識を超えていくもの、変えていくもの、そのような衝動や運動こそがアートだと考えます。障がい者の強いこだわりやひととは違った世界の開かれ方は「障がい」と片付けられてしまいがちですが、アーティストの活動と何が違うのだろうといつも思います。最近、インドネシアでの活動が増え、イスラム教徒の方々と行動をともにするのですが、外国人も同じような存在ですね。彼らは宗教上豚肉は食べられませんし、1日5回お祈りをします。それらを、日本人と違うからおかしいとか、無理やりこちら側に合わせるとか、そもそも交流を切り捨てるのではなく、我々の価値観を変える「何かを持っている人たち」と捉え接してみると、それまでの世界観や可能性を広げるきっかけになると思います。

市長
こちらに通われている方々は一人一人違うでしょうし、いろいろな特性を持っていると思います。お一人お一人にどのようにサポートしているのですか。

門脇さん
たいがいただの落書きにしか見えないような作業をしていることもあります。いざ出来上がった作品も「いったいこれは何だろう」と、すぐには解らない作品も多々あります。作品を眺めていると、ハッと「こういうことなのかもしれない」と、それをなぜ描いていたのか、描かなくてはならないのかに合点がいく瞬間があります。もしかするとその解釈が、作り手の想いとかけ離れているかもしれないのですが、「こういうことかもしれない」と作品や作り手へ想いを馳せること、背景を想像することにより「こういう見方もあるのだな」と気づかされる。そうすると、まったく違ったものに見えてきます。そこにサポートする側の面白さを感じます。自分の物差しでひとの行為を判断し、「理解できない」と片付けるのではなく、「解らないからこそ面白い」という視点を持つことは、社会包摂や文化の多様性のベースになるものです。その気づきをアートという視点から伝える「メッセンジャー」としての役割を果たしていると言えるかもしれません。

村上さん
学校の授業では、「みんな一斉に同じようなことをやりましょう」という取り組みになりがちですが、Aiファクトリーでは、興味があることをひたすらできる。そうすることで、多様な表現、独創的な作品が生まれます。そこから、障がいをマイナス面として捉えるのではなく、一つの才能、一つの個性としてプラス面として捉え、その才能の生産物を仕事として進められるように、社会に落とし込めるように、私たちが「つなぎ役」として取り組んでいかなければならないと思います。

ギャラリー壁

ギャラリー内

写真左 ギャラリー内壁面
写真右 ギャラリー内

地域協働での取り組み

市長
佐々木さんは福祉事業所を運営しながら、商店街と連携したさまざまな活動をされているそうですね。具体的にはどのような取り組みですか。

佐々木さん
アート・インクルージョンが青葉区一番町に拠点を移して2年になりますが、商店街の方々と協働でイベントを企画し、作品の発表の場を設けてきました。本町商店街で開催した「ほっとタウン本町小さな小さな展覧会」では、協力店が自分の好きなAiファクトリーの表現者の作品をセレクトしたり、時にはそのお店をテーマに書き下ろしたりしたものを店舗に置いてスタンプラリーを開催、販売もしました。昨年春にはぶらんど~む一番町のアーケードをお借りして「Aiどんどこ市」を開催し、多くの方に訪れていただきました。絵や立体物、それらを商品化したものを販売するだけでなく、ステージ出演やワークショップの企画制作、音楽制作・配信などで収益をあげるソフト事業も展開しています。入社して2年間は地元商店街と連携して活動するための企画、調整等の仕事をしておりましたが、その仕事を髙橋に引き継いだところです。これからは、福祉事業所の商品開発に集中していこうというところです。音楽活動に関しては、インターネット配信もしておりますので、ぜひご覧いただければと思います。

市長
最初、商店街の皆さんの反応はいかがでしたか。

佐々木さん
商店街全体として最初からスムーズに受け入れてくださり、心から感謝しています。一方で、私たちが表現者の方と街歩きに行きますと、急にお店のトイレに走って行く方もいたりするので、時々お店の方に「街歩きするときは事前に話を通してからにしてください」と注意を受けることもあります。商店街の皆さん全員が私たちの団体を知ってくださっているわけではないですし、そもそも障がいに対する理解度もそれぞれ違います。アートは社会の中にあってこそ意味があるものですので、もっと外へ発信して理解を求める努力をする必要があり、そこが現在の課題だと感じています。

市長
外へ発信していく点が今後の課題なのですね。ここは月に一度マルシェを開催しているとのことですが、具体的にはどういった活動ですか。

髙橋さん
私自身はもともとハンドメイド作家をしておりまして、趣味で親子で楽しめるイベントの企画を行っていました。イベントの中で白木代表と出会い、昨年2月に入社しました。ここでは、「こういうふうにやりたい」と入社間もない私が提案しても、誰も否定せず、「じゃあやってみて」と背中を押してくれる。信頼されているからこそ任せていただいているのだと感じ、ありがたい機会をいただいていると感謝の気持ちでいっぱいになります。マルシェでは、表現者たちによる作品の販売や展覧会を開催し、同時にハンドメイド作家達の作品、例えば雑貨やアクセサリー、菓子類などの販売もしています。マルシェを開催することにより、この場所やここの活動をもっと市民の皆さんに知っていただきたいという気持ちがあります。また、私自身、仙台の中心部にお買い物に来て、ちょっと落ち着きたくてカフェに入っても、子どもが小さいと周りに気を遣いますが、ここは壁一面に絵が描かれていて、子どもたちにとっては愉快で、子連れで訪れても親子ともにリラックスして過ごせる場所です。一般の方々も、一番町へお買い物に来たついでに、マルシェへ気軽に寄っていただきたいと思います。出店しているハンドメイド作家さんたちの中には子育て中の方も多く、その作家さんたちの手を借りながら、自分たちの趣味や特技を生かして開催しています。                           

市長
工藤さんは今日、お子さんをお連れですね。工藤さんのような子ども連れのハンドメイド作家さんたちも多くいらっしゃるのですね。

工藤さん
マルシェには子育て中の作家さんが多く出店されています。他のイベントでは「子連れはダメ」と断られることが多々あるのですが、ここはキッズスペースが設置されていて、子連れを歓迎してくださるので、本当に感謝しています。最初は、子どもたちが周りのお店に迷惑をかけないかと心配だったのですが、そんな心配も1回目のマルシェからすぐに吹き飛び、初めて会う子ども同士がすぐに仲良くなり、子どもたちもこの空間を楽しんでいます。その横で私達もゆったりとした気持ちで接客に集中でき、社会とつながることができる。他のイベントではなかなか得られない貴重な機会をいただいています。子どもたちも「マルシェに行きたい」と言い、マルシェの帰りは、ここで売られている作品であるノートや文房具を購入して帰り、「素敵な作品だね」、「また行こうね」と会話がはずみます。

市長
素晴らしいですね。この場所を端的にいうならば、皆様にとってどういうところですか。

村上さん
「新しいアートが生まれる場所、これまでに無い表現が生まれる場所」

髙橋さん
「開放区ですね~」

工藤さん
「色々な人と交流できる場所」

佐々木さん
「何でもできる可能性のある場所。アコースティックギターの発表ですとかポールダンス教室のスタジオとしても利用されています」

門脇さん
「提案、創造しだいで可能性が広がる場所」

佐々木さん

工藤さん

高橋さん

写真左 佐々木さん
写真中央 工藤さん親子
写真右 髙橋さん

海外との被災地間交流

市長
アート・インクルージョンの取り組みは、海外の被災地とつながる活動もしているのですか。

門脇さん
2004年に全世界で最大23万人が亡くなった災害の最大の被災地:インドネシアのスマトラ島にあるアチェ州と、初めはテレビ電話で交流していた東京のNPOから、もっと活動に広がりを持たせたいので手伝ってほしいと言われ、両地で2016年からアートプロジェクトを行っています。
アチェ州には津波で内陸に4キロ流されて来た巨大な震災遺構の船があるのですが、この船の上からこれから日本へ行く若い技能実習生たち50名と、出港テープに見立てた、また東日本大震災の夜に降った白い雪をイメージした白い毛糸を投げました。互いの地域を行き来しあい、被災体験を語り合って、それを日本語とインドネシア語の歌にして録音したりと、国境を越えて語り合う、伝え合うというような交流をしてきました。インドネシアは、今ちょうど日本の高度成長期のような状態です。公害問題やゴミ問題などが顕著です。一方の日本は人間関係が希薄になっています。インドネシア人から見ると「どうしてお年寄りがひとりでご飯を食べているの。信じられない」というわけです。被災体験のみならず、お互いの社会問題について話し合い、学び合いをする機会となっています。
インドネシアの若者たちがAiファクトリーを何度か訪れました。最初ここへ来る前は、「かわいそうな人たちが来る場所ですよね」と話しているのを耳にしましたが、実際にここへ来て表現者たちと交流した後、「あんなに自分の感情を素直に表現できる人たちを私は知りません。かわいそうなのは、最初に「あの人たちはかわいそう」と思い込んでいた私達の方でした」と語り、インドネシアでも同様の活動ができないかと模索しています。インドネシアの方々との交流は、同じ被災地ということではじまりましたが、このようにこれまでの自分たちの価値観や既成概念の境界を問う機会になっています。

市長
この活動はこれからも続けるのですか。

門脇さん
ずっと続けていきたいと考えています。このプロジェクトは当初から3か年計画で進めてきており、今年が一区切りの年です。今後どう展開していけるかを模索中です。

村上さん
私も門脇と一緒にアチェ州へ行きました。打ち上げられた船は震災遺構として国立の博物館施設になっており、アチェ州が管理しています。実際の運営は地元のコミュニティが行っており、被災者を語り部や施設スタッフとして雇用し、防災教育を含めた社会観光資源へとつなげています。私は石巻市に東日本大震災について学ぶ社会観光の拠点として「コトのアート研究所」を去年開設しました。ボランティアも含めいろいろな人達が石巻市を訪れ、震災を忘れないようにする活動も続けております。これはアチェ州の取り組みがヒントになっています。
          

将来への展望

市長
この場所を拠点に、アートを通じて多岐にわたる活動をされているのですね。これからは、どういった活動をしていきたいとお考えですか。お一人ずつ今後の展望についてお聞かせください。

村上さん
私の専門は現代美術です。モノを作るだけではなくコトを起こす方のアートが専門です。いわゆる社会の諸課題を、アートという創造的な手法で解決していくソーシャルアート、社会芸術と呼ばれるものです。ただの鑑賞型ではなく、例えば福祉、環境、教育、人権、まちづくりなどのさまざまな問題を解決していくアートの手法があります。アート・インクルージョンもその一環として位置づけられています。
特に仙台市の施策においては、まち全体を一つのミュージアムにしていく「ミュージアム都市構想」に共感しています。市内のいろいろな場所でアートが生まれ、このことにより、学びの場、享受できる場、共感の場が増え、多様な価値観を認め、お互いの可能性を広げていき、アートによってつながっていく社会の考え方が広まっていくことを望みます。このことによって仙台市が、より文化的な都市として発展していくのではないかと思います。

門脇さん
自分の好きな表現を自由に行えるAiファクトリーという場、こういった場が仙台の中心部にあるというのは、ひとつの奇跡だと思っています。これをこれからも続けていきたい。こうした場を持つということは、仙台の文化にとって非常に重要な意味を持ち、ひいてはまちづくりにおいても大きな価値を持ってくると考えています。閉じた場ではなく、マルシェや展覧会、イベント等を通じて地元商店街をはじめとした仙台市内外のみなさんと連携、協働し、そこから生まれるおもしろいことをどんどん発信していきたいと思っています。もしかすると、「福祉事業所には関係者以外は入れない」等のイメージがあるかもしれませんが、Aiファクトリーはそのイメージとは違いますので、どうぞ気軽にお立ち寄りください。今後はそうした発信力を強めていくのが課題だと考えています。

佐々木さん
ここに通われている表現者の皆さんに接するときに大切にしていることは「ダメといわないこと」です。他の施設や日常の場面では工賃を向上させようとすると、生産活動に重きを置く流れがあり、そういった視点でみたとき、うまくいかなくなってここに来られる方もいます。例えば「絵ばかり描いていないで仕事をして」とか「他の人はパンを作っているのだから、あなたももっとパンを作りなさい」と言われたりして、強いられる作業になった結果、そこの事業所に居られなくなってここに来られる方も中にはいます。
福祉事業所に通う方の中には素晴らしい才能を持って、面白い作品、素晴らしい作品を作る方がたくさんいらっしゃいます。例えば素敵な絵を描く方が、利用している事業所でパンを作る作業の傍ら、パッケージやチラシの絵を描く仕事ができるかというと、そう簡単ではない。本来、適材適所でいろんなお仕事が自由にできるのが良いと思いますが、そう自由にはいかないようです。Aiファクトリーは、皆さんの描いた絵や作品を発信したり発表したりする活動を通して、そこに価値を見出しています。こうして生まれた作品をぜひ使わせてほしいという企業さんやお店も少しずつ出てきています。どの福祉事業所にいても、思い思いに自分の才能を生かせるような、そのような活動ができる事業所が、仙台を拠点に広がっていけばいいと。障がいのある方が「やりたい」と思うことを自由にできるような社会の変革を進めていけたらと思います。

髙橋さん
イベントを開催していて感じるのは、参加している作家さんや子育て中の方が子育てで悩んでいたり、自分の子どものことで悩んでいる方がたくさんいるということです。マルシェ開催などによりAiファクトリーを開かれた場所にすることで、それらの想いを共有したり、「こういう道があるよ」という視点を変えるきっかけや、気づきの場所になっていけると思います。 

工藤さん
今まで開催してきたマルシェで、子育て中の限られた時間の中で出店させていただき、たくさんの方と交流ができ、自分の居場所の一つのようにも感じて、感謝しています。月に一度ここへ来ることが、私にも子どもにも定着しています。ぶらんど~む一番町の真ん中で開催されているマルシェへ、街へお買い物にいらした一般の方々ももっと気軽に寄っていただき、親子ともにリラックスして、この空間を楽しんでいただけたらと思います。

アートによりつながる、認め合う、支え合う未来へ

市長
今年は東京オリンピック・パラリンピックがあり、オリンピック憲章において、スポーツだけでなく、文化、芸術の祭典でもあると言われております。そういった意味では、アートによるインクルーシブ社会が注目される年になると思います。

村上さん
今年は注目の年です。スポーツの世界でも障がいの有無に関わらず才能を発揮している人はたくさんいます。言葉が通じなくても、スポーツ競技を介して他の国の人と交流したり通じたりしているように、アートも非言語の世界でできる、国境を超える交流の有効な手法です。アートによりつながりを持ち、いろいろな人とモノ、場所と場所をつなげていく役目をこれからも果たしていきたい。来年は3.11から10年目です。東日本大震災後、復興公営住宅で月一度開催してきた、みんなで料理を作って食べ日常の風景を取り戻す活動も自治会にシフトできるように続けていきたい。また新たな社会芸術活動を通して、私たちの理念をもっと多くの人に広めていきたい。

門脇さん
今年、アート・インクルージョンを始めて10周年となります。当初は、どうなるともわからず始まった活動でしたが、あらゆるものを包み込んで色々な人達と一緒に進めてこられたと思います。文化にせよ、まちづくりにせよ、多様性を認め合う、支え合う。そういった考え方で次の10年へつなげていきたいと思います。

市長
本日は皆さまのお話を伺い、私自身非常に刺激を受けました。
多くの取り組みや活動に対する想いを皆さまから伺い、他者とつながりながら生きていくこと、お互いの違いを認め合いながら活動していくことへの「気づき」をいただきました。
アートを通じたインクルーシブ社会への取り組みについて、私自身たくさんの勉強をさせていただきました。
本日は貴重な時間をいただき、ありがとうございました。

懇談の様子

お問い合わせ

市民局広聴課

仙台市青葉区国分町3-7-1市役所本庁舎1階

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